
冬の動物たちは、夏よりも活発でよく動く。暑い日はどうにもやる気が出ませんという感じで寝そべっているやつらが多いけど、一部を除いて寒いのはわりと平気なようだ。特に水辺の動物たちは元気だった。
上の写真は、カリフォルニアアシカが、クシャミか何かをしてプシューっと水しぶきが飛んだところだ。この日は猛烈に寒くて、それが水蒸気のようになった。
それにしても、この日は寒い日で凍えそうだった。手はかじかみ、体は震えが止まらず、歯がガチガチなるほど。季節感を間違えて薄着で行きすぎた。動物園は水が多いから、街中よりも寒い。冬場に動物園へ行くときは暖かい恰好をしていかないといけないことを知った。

寒風でのれんは大揺れに揺れ、落ち葉が舞い散る。人影もまばらで、お店も閑散としていた。
口の中はソフトクリームが食べたいと訴えたけど、体が拒絶した。こんな寒空でソフトなんか食べたら死にそうだ。
代わりにホットコーヒーにしておいた。

園内は一気に寒々しい冬の光景となっていた。ほんの2週間くらい前まではまだ秋の彩りだったのに。
午後の北園は陽が当たらないから特に寒かった。

オシドリのアメリカ版、アメリカオシ。
これは渡り鳥ではなく、ここで飼われているものだ。いつもこの小さな池にいる。
渡らなくても、羽は生えかわるのだろうか。

ゴマフアザラシは、夏場も活発に泳ぎ回っているからあまり季節感はないのだけど、やっぱり寒い方が好きなんじゃないだろうか。オホーツク海に比べたら名古屋の冬など寒い内に入らない。

ホッキョクグマは寒くなるのを待ちわびていたことだろう。
水温は相当低いはずだけど、平気な顔で泳いでいた。これくらいでもまだ寒くないと感じているのか、もしかすると、日本の気候に慣れて案外寒がっているのかもしれない。

寒さに弱い南国の鳥舎にはヒーターが入れられていた。
これでどの程度暖まるのかは知らないけど、なければ屋外では生きていけないくらいなのかもしれない。
考えてみると、世界中のいろんな種類の生き物を日本で屋外飼育するのは相当に無理がある。

宿舎の出入り口でウロウロしていたコビトカバ。
アフリカの熱帯雨林に生息しているやつだから、寒さには強くないだろう。
しばらく出たり入ったりして考えたあと、小走りで外に駆けていった。水にでも入るのかと思ったら、水を飲んでいた。水は冷たくて入る気になれなかったのか。

北入口から入ってすぐのところにクリスマスツリーが立っていた。動物園は5時前で終わりだから、イルミネーションのようなものはないだろう。
週末にはクリスマスにちなんだイベントなども行われるようだ。
東山にはトナカイがいるけど、トナカイとアルパカの広場は工事をしていて姿を見かけなかった。どこか他に移されていたようだ。トナカイは当然のことながらクリスマスイベントに借り出されることになる。

3時半を回ると、動物たちの多くが宿舎に戻されてしまうから、見るものが少なくなる。4時を過ぎる頃には人もぐっと減り、売店も店じまいを始める。
園内は急に寂しくなるのだけど、平日夕方4時以降の動物園の雰囲気は嫌いじゃない。園内に漂う倦怠感のようなものが心地よくさえある。

枯れ葉色になった木立に西日が当たり、池の水をオレンジ色に染めていた。

そんな冬の日の動物園の風景。
【アクセス】
・地下鉄東山線「東山公園駅」から徒歩約3分。
・駐車場 有料(1回800円) 少し離れた場所に無料駐車場あり
・営業時間 9時-16時50分 月曜日定休
・入園料 500円(中学生以下 無料)
東山動植物園webサイト