
PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4
上の写真を見て、すぐに定光寺駅だと分かるのは地元の人間にほぼ限られる。中央線をよく利用する人でも、定光寺駅を下から見る機会はほとんどないだろう。
鉄の人にはちょっと有名かもしれない。川沿いの高い崖っぷちにあるホームとして一部ではよく知られている。
下を流れる川は、基本的には庄内川なのだけど、このあたりは玉野川と呼ばれている。定光寺のお寺は瀬戸市にあるから、駅も瀬戸市かと思いきや、川向こうは春日井市玉野町になる。
私も定光寺の行き帰りに遠くから眺めるだけのこの駅のことが、前からずっと気になっていた。一度は近くまで行って、ホームからの景色も見てみたいと思っていて、今回ようやく実現したので、今日はそのあたりについて紹介したい。
見えている橋は、城嶺橋( しろがねばし)で、この位置から少し南の右岸沿いに駐車スペースが10数台分あるので、そこに車を置いて歩くことにする。

橋の上から電車と駅を撮る。左手に写っている白いのが駅舎だ。左右に登り下り用の階段がある。
名古屋と東京を結ぶ中央線ということで、電車はひっきりなしに通る。10分と間を置かない。ただし、定光寺駅に止まるのは普通列車だけなので、多くは通過列車だ。それでも、電車を入れた写真を撮るには困らない。たまに貨物列車も通過する。

橋の上から見下ろした玉野川。名古屋から電車で30分のところにあるとは思えない風景が広がっている。
定光寺は昔から名古屋の奥座敷と呼ばれる景勝地で、このあたりも昭和までは観光地としてそれなりの賑わいを見せていた。駅前には数軒の旅館があったようだ。

料理旅館の代表格だった千歳樓の今。
昭和3年創業の老舗で、一時は大変な賑わいを見せていたようなのに、2003年にわりと唐突な感じで廃業してしまった。
それからわずか6年とは思えないほどの廃墟っぷりで、最近では違った意味で賑わいを見せている。見えてはいけないものが見えるとかなんとか。

川は岩がゴロゴロしていて、ところどころ荒っぽい流れになっている。護岸工事なども行われていないから、昔ながらの自然の景観が残る。
釣り人の姿も見かけた。

駅前メインストリート。
シャッターが閉まっているところが多いものの、思いがけず人が歩いていたりして、完全にひっそりしているわけではない。何故か若い女の子がぽつぽつ歩いている。近くに学校があるわけでもなく、これといった施設もないのにどこから来るのか不思議だ。
喫茶店も一軒営業していて、お客もいた。
一日の乗車人数は120人ほどだとか。

行けるところまで行ってみようと階段を登っていったら、あっさりホームに出た。完全無人駅で、改札もないから、電車に乗らなくても自由にホームまで行ける。これなら写真も撮り放題だ。
それにしてもホームの狭いこと。特急がかなりのスピードで通過していくから気をつけないといけない。

こちらが長野・東京方面。
電車は撮り放題なのだけど、こんなところで電車の写真を撮っていると、絶対電車の人と思われる。

駅のホームから橋を撮る。
名古屋の郊外とは思えない景色だと、あらためて思う。お手軽に渓谷気分を味わえるとも言える。

別の角度から更に撮る。
上りと下りの電車がすれ違ったところ。
撮っていて、自分でもすごく電車好きの人みたいだなと思った。他人からそう見えても仕方がない。

電車写真はこれくらいにして、駅周辺の散策をすることにしたのだけど、それはまた次回ということにしたい。
定光寺駅周辺は、愛知高原国定公園に指定されていて、東海自然歩道も通っているから、いろいろ歩くコースがある。
ということで、次回に続く。