敦賀の港で倉庫街や古い町並みを見ながら歩く <第七回>

観光地(Tourist spot)
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PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 敦賀編の第3回は、敦賀港沿いを気比の松原へ向けて歩く道のりだ。
 この道を歩いていく観光客はあまりいないと思うけど、2キロ弱で30分ほどだから、その気になれば普通に歩ける距離だ。
 私はどこへ行くときも一期一会だと思っているから、歩けるところはなるべく歩くようにしている。もちろんくたびれるし、時間を消費することになるのだけど、その街の空気感を自分の中に刻むには、歩くことが一番だからだ。バスや電車の中から見た景色はすぐに忘れてしまっても、歩きながら見た風景はよく覚えている。歩けば写真も撮れる。
 敦賀の港周辺の風景は、時間が経った今でもはっきり思い出せる。せっかく旅をしたなら、記憶がたくさん残った方が嬉しい。

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 何かの鐘が吊ってあるのが見えて、なんの鐘だろうとプレートを見ると、敦賀港100周年イメージソング「萩の花郷」とあった。作曲が五木ひろしというのでちょっと驚いた。
 調べたら、五木ひろしは他にもたくさんの作曲をしている作曲家だった。知らなかった。そういえば最近見ていない。

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 わ、この倉庫街、カッコイイ、と思った。
 蓬莱町にずらりと倉庫が並んでいて、それがコンクリート剥きだしの古い倉庫でカッコイイのだ。しかも、現役で使われている。中ではフォークリフトが行き交い、働くおじさんたちが忙しそうに動き回っている。

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 レトロモダンというのか、当時としてはハイカラな建物だったんじゃないだろうか。今見ると、歴史的建造物に見える。
 敦賀の街は、古い資産を大事に守っている印象を受けた。単に観光用に流用するというだけでなく、実用的に使用しているのも好感が持てる。

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 あ、いいね。
 こんなのを見たら撮らずにはいられない。
 集会所のようだけど、昔の事務所とかだろうか。

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 古いたたずまいの家屋で、魚問屋をやっている。魚問屋というのは、街中ではなかなか見かけない。
 看板の上に株式会社という張り紙がしてある。最初は有限会社で始めたものが途中で株式会社になったのだろう。とりあえずこれを貼っておいて、そのうち看板を新しくしようという話が、そのまま時が流れたといったところかもしれない。まあ、これでいいか、と。

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 海辺へ行くと、カルチャーショックを受けることが多い。うちの近所では、密漁監視中というステッカーを貼った車は走っていない。
 ああ、なるほど、そういうことも日常生活の中にあるんだと、感じ入った。
 私は山寄りの人間だから、海とはいろんなところで文化の違いを思い知る。

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 遠くに見えている橋は、港大橋というものだ。
 あそこを徒歩で行けるのかどうか分からなかったので、一本内に入った。
 このあたりは運河の入口というか、船着き場だろうか。

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 ここからは町に入っていく。川崎町、松栄町には、古い町並みが残っていた。細い路地のような道ではあるけど、気比の松原に続く道だし、ここが昔の街道筋だったのかもしれない。
 角に建っているのは、カネボウ化粧品の大黒屋だ。化粧品と店名にややギャップを感じる。閉店して久しいようだ。

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 月星シューズは私が子供時代の靴というイメージだけど、今でも第一線のシューズメーカーなんだろうか。ナイキとかアディダスよりも、子供は月星シューズを履いて欲しい。
 地下タビや雨合羽も売っているようだ。洋傘の文字も見える。

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 古い町並みには必ず理容店がある。それも必要以上の数があるように思える。需要と供給のバランスが取れているのが不思議だ。
 こういう古い理容店の店内を撮ってみたいのだけど、お願いする勇気はない。カットをお願いするとアイパーとか当てられそう。

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 古い家屋を一部現代風に改築して住んでいるところが多いようだ。一階部分に昔のたたずまいが残っている。
 町並保存地区に指定されてしまうと、勝手に建て替えたりできなくなるからやっかいらしい。

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 ブリキ店というのもあった。
 ブリキというと、昔のブリキのおもちゃを思い浮かべるけど、どういう需要に応える商売なのだろう。ブリキというのが今何に使われているのか、イメージできない。ブリキのバケツとかだろうか。

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 和菓子という古めかしい看板の下に左近菓舗とあった。まさか、島左近から来ているとか。
 町の和菓子屋さんというのは、代替わりして続いているところが多い。ケーキ屋やパン屋は一代持たずにあっけなく終わってしまいがちだけど、和菓子屋は強い。お得意さんがいるからなのか。

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 昔ながらの雑貨兼文房具屋さんのような店だ。わー、すごいと思う。今でもこういう店が続いているのは、このあたりの住人が支えているということだ。
 うちの田舎にもこういう店があったけど、もうずいぶん前になくなってしまった。

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 懐かしさの極めつけは、このゲーム台だった。久々に見た。
 コインを入れてレバーで弾きながら、穴に落ちないようにゴールまで持っていくと景品がもらえるというやつだ。子供の頃、よくやった。加減が難しくて、ほとんど成功した記憶がない。
 下の方にガムテープが貼ってあるし、老朽化も激しいけど、現役で稼働しているのか。
 上に貼られたコカコーラのポスターも古そうだ。

 こんな感じで、思いがけず古い町並み散策を楽しみながら、気比の松原を目指したのだった。
 次回は気比の松原と海編で、そろそろこの旅の終わりが近づいてきた。
 つづく。
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コメント
  • 2009/09/27 15:43
    > その街の空気感を自分の中に刻むには、
    > 歩くことが一番だからだ。

    この言葉に感動しました。それでいつもハードな旅をなさっているのですね。
    一期一会を深く体感されている。
    私はいつもそうしたオオタさんの体験をこのブログを通じて疑似体験、追体験させてもらっている訳ですね。
    今後もいろんな場所に連れて行って下さい。
  • 共有
    2009/09/27 23:12
    ★moumingさん

     こんにちは。
     自分は本当に歩くことが好きなんだろうかと、ときどき自問自答するのですが(笑)、旅に出るとけっこう歩いてます。
     一人のときは特にハードで、連れがいたら絶対苦情が出るなと思います。
     個人の体験は限界があるから、みんなでいろんな体験を分け合って共有してるんですよね。
     小説や映画でもそうだし。
     忙しい人たちに代わって、暇な私がうろつき回っているのです(笑)。
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  • 敦賀倉庫が、国の有形文化財に登録されることになった。昭和初期に流行したモダンな意匠は、港町敦賀を象徴する建造物として長く市民らに親しまれている。赤レンガ倉庫の活用など、市が進める金ケ崎緑地周辺整備構想の中でも重要な歴史資源の位置付けにある。所有する若狭物流(同市桜町)は「敦賀港を代表する景観として、保存・活用していきたい」と話し、当時の姿を取り戻す修復を計画している。
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