馬越峠越えだけにするか天狗倉山まで登るか <第四回>

名所/旧跡/歴史(Historic Sites)
熊野古道4-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 馬越峠から天狗倉山への道のりは、ちょっとやりすぎだと思う。ワイルドさが度を超している。最後は手をついて登らないといけないような道になっていて、かなり怖かった。足を踏み外したらまず助からないなと思った。
 山頂付近には巨大な岩がそそり立っていて、えらい迫力になっている。なんでこんな山の上に巨大な石があるのか、不思議だ。

熊野古道4-2

 山登りの締めくくりは、岩にかけられた梯子登りとなる。これがまた怖い。高所恐怖症の人はまず無理だと思う。
 山頂は学生の集団やらカップルやらで賑わっていた。女の子やおじいさんもいてちょっと驚く。みんなけっこうなんでもないように楽々登ってきたように見えた。一番へばっていたのは、間違いなく私だった。
 でも、なんとか辿り着いてよかった。あきらめていたら、きっと心残りになっていただろう。すごく無理をしてまで行く必要はないけど、少し無理をして行くだけの価値はある。もどってきてからはそう思った。歩いている最中は、尋常ではないしんどさに後悔したけど。

熊野古道4-3

 大岩の上が休息スペースになっていて、ここに座って休んだり、弁当を食べたりできる。
 こちら側の視界はよくない。開けているのは左側で、大岩を降りて、断崖から見る景色が素晴らしい。ただし、そちらがまた断崖絶壁になっていて、すごく恐ろしい。

熊野古道4-4

 遠くの山並みはかすんでいた。冬場はもっと見晴らしがいいのだろう。

熊野古道4-5

 尾鷲湾と尾鷲の町が一望できる。ここからだと視界を遮るものがなくて、全体がよく見える。
 海に突き出ているのは、三田火力発電所のようだ。たぶん、埋め立てだろう。
 その奥には、石油工場などもある。
 それにしても、尾鷲の町が想像以上に発展していて驚く。海と山に囲まれた平地に、びっしり家が建っている。立派な地方都市だ。合併もあって、今では人口も2万人を超えている。

熊野古道4-6

 小さな島がいくつか点在していて、養殖のいかだなどもある風景は、瀬戸内っぽくて風情がある。
 こちらは東向きだから、朝焼けに染まったらさぞかしきれいだろう。初日の出のスポットとしても知られているようだ。大晦日の深夜にあんな山道を歩きたいとは思わないけど。

熊野古道4-7

 天狗倉山をあとにして、再び熊野古道に戻った。
 馬越峠から、今度は尾鷲方面に向かう。こちらは下りだから、ずっと楽になる。ただ、石敷きの路は相賀側に比べると荒れている。雰囲気も、行きの方がよかった。

熊野古道4-8

 終盤になって太陽が出てきて、いい感じになった。この光が前半のときに欲しかった。

熊野古道4-9

 尾鷲側から登ってくる人とはほとんどすれ違わなかった。やはり、相賀方面から登るのが一般的なようだ。
 下りは体力的には楽だけど、ヒザへの負担は大きくなる。ヒザががくがくしてきて、皇潤を飲みたくなる。

熊野古道4-10

 こちら側にも一つ祠がある。どういういわれのものか知らないけど、桜地蔵と呼ばれるものだ。
 馬越公園あたりはちょっとした桜の名所になっているそうだから、そのあたりの関係かもしれない。
 ここまで来たらゴールは近いと思うのは錯覚で、古道の出口は近くても、尾鷲駅まではまだ1時間は歩くことになる。

熊野古道4-11

 引率の先生と一緒に訪れた大学生だろうか。ゼミの一環とかかもしれない。特に何かを研究したりというふうでもなかった。

熊野古道4-12

 この石橋で熊野古道としては出口ということになるのだろう。いやはや、疲れた。
 少し脇に入ったところに、馬越不動尊と滝があったはずだけど、うっかり忘れていた。

熊野古道4-13

 展望台の案内があったので、ついでに寄ってみることにする。
 低いけど、ここからでも尾鷲の町は一望できる。

 こうして私の初めての熊野古道歩きはなんとか無事に終わった。終わってみればつらさも忘れて、いい思い出だ。また別の熊野古道も歩きたいと思っている。
 馬越峠コースは、険しさ5段階評価の3段階らしい。本当に? あれで3段階ってことは、5段階ってどんなだろう。
 日頃あまり歩いてなくて体力不足の人にとっては、峠越えだけでもけっこうしんどいと思う。特に天狗倉山は厳しい。それでも、美しい石畳と山頂からの景色は一見の価値がある。
 機会があればぜひ一度行ってみて欲しい。そして、私と同じ苦しみを味わってください。あいつ、大げさすぎるぜこんなの楽勝だぜと思うか、確かにこれはきついと思うか、それは行ってみてのお楽しみ。
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