奥へ進むほどに辛口になっていく愛知県民の森 <第二回>

森/山(Forest/Mountain)
愛知県民の森2-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / DA 16-45mm f4



 愛知県民の森へ行こうと思ったのは、ヤマユリを見るためという理由が大きかった。しかし、ヤマユリの季節は7月中旬から下旬にかけて。8月のお盆過ぎに、のこのこ出向いていって咲いているはずもない。
 7月は雨ばかりで、8月になったら早々に行こうと思っていたら、なんだかんだで行けず、延びのびになってしまった。結局、行けたのは8月20日のことだった。
 ホウライジユリの通称でも知られるヤマユリは、その名の通り鳳来寺周辺によく咲いているユリだ。このブログでも登場しているけど、これまで3回見に行った。日光東照宮へ行ったときも見たけど、どこでもここでも咲いているわけではなく、見たいと思えばそれなりのところへ行かなければ見ることはできない。
 愛知県民の森は、鳳来寺の北東、宇連川の奥にある。
 昭和40年代に、愛知県が所有する鳳来寺県有林の一部を利用して作った森林総合施設だ。
 総面積572ヘクタールというけど、どこからどこまでを指すのかはよく分からなかった。周囲一帯が森林地帯で、奥へ行くと山になる。境目はどのあたりなのだろう。
 一般的なイメージは、キャンプ場なのだと思う。飲食、宿泊施設などもあり、普通はそれらを利用するために行く。あるいは、森の中で川遊びをするためだろう。
 森歩きをしに行くというのは少数派のようで、入口近くは賑わっているのに、進むほど人はいなくなる。森は深くなり、やがて山道になる。その気になれば、奥の宇連山や鳳来山まで歩くこともできる。
 行く前は今ひとつイメージが掴めなかった。どの程度人の手が入った森なのか、ネットで調べても状況が把握できず、とりあえず行ってみれば分かるだろうということで行ってみた。そして分かったのは、奥へ行くほど森は深くなり、山になるということだった。辛さを自分で選べるカレーみたいな感じといえばいいだろうか。最深部はけっこうな辛口になる。
 ただ、全体的な整備具合は申し分なく、道も荒れたようなところは少なかった。だから、途中で引き返した人はマイルドすぎて物足りないという印象を持ったかもしれない。街の緑地より切り開かれている部分も多く、純然たる自然の森を期待していくと肩すかしを食う。
 今日から何回かに分けて紹介していく中で、なんとなくでもイメージを掴んでもらえるといいのだけど、どうだろう。
 豊橋からJR飯田線に乗り換えて、1時間15分。最寄りの三河槙原駅に到着する。駅から入口までは歩いて15分ほどだ。

愛知県民の森2-2

 物陰に隠れてこっそり飯田線の電車を撮った、というわけではなく、手前に歩いているカマキリを撮ろうとして、ピントを合わせ損なってこんな写真になった。カマキリが草陰に逃げ込んでいって焦ってしまった。左下にぼんやり写っている緑色がそれだ。
 電車はあとで撮り直せばいいやと思っていたら、結局、この1枚しか撮れなかった。山間を行くローカル電車を撮るというのもこの日のテーマの一つだったのに、その目標は達成できなかった。
 飯田線については、また別の機会に撮りに行きたいという思いはある。ちゃんと撮るなら、時刻を調べて、いいロケーションであらかじめ待たないといけない。行き当たりばったりの偶然頼みでは、いい電車写真は撮れない。走っている本数が少ないローカル線は特にそうだ。季節は花が咲いている時期や、紅葉のときがいい。

愛知県民の森2-3

 いかにも田舎な感じで心が和む。うちの田舎より多少、町だった。

愛知県民の森2-4

 宇連川のこのあたりを、鳳来峡と呼び、風光明媚な場所ということで愛知県では知られている。
 三河槙原から湯谷温泉にかけては、川底が板を敷いたように見えることから板敷川とも言われる。
 その川風景を撮るために、帰りは三河槙原から湯谷温泉まで歩いたら、思いのほか遠くて危うく電車に乗り遅れそうになったのだけど、それはまた別の話。シリーズ後半で登場する予定だ。
 それにしても、この風景を見て、えらく遠くまで来てしまったなと思う。

愛知県民の森2-5

 道路沿いにたくさん咲いているのは、タカサゴユリだ。台湾原産だからタイワンユリともいう。
 ヤマユリには風格、気品とも遠く及ばず、同じ白百合でもありがたみがまったく違う。タカサゴユリは悪い環境でもたくましく咲くから、高速道路沿いなどでもよく見かける。

愛知県民の森2-6

 ヤブランの蜜を集めるクマバチ。
 ブンブンと恐ろしげな羽音を立てるものの、いたって平和的なハチで、めったなことでは人を刺さない。オスは針がないから刺せない。

愛知県民の森2-7

 このトンボ、見覚えがあるなと思いつつ、名前は出てこない。
 ちょっと保留。別の機会に調べたい。

愛知県民の森2-8

 水遊びやキャンプ場のあるエリアを抜けて、最初に登場するのが不動滝だ。
 そんなにたいした滝ではない。けど、苦労せずお手軽に見に行けるから、ついでに見ておけばいい。

愛知県民の森2-9

 滝壺の水がとてもきれいだ。
 別カットが昨日の一枚目の写真となる。

愛知県民の森2-11

 滝の上に橋が架かっていて、上から滝や滝壺を見渡すことができる。

愛知県民の森2-10

 森の中の至る所に水の流れがある。これはとても気分がいい。
 宇連川の支流の大津谷川が枝分かれしているけど、全部がそうではないのかもしれない。

愛知県民の森2-13

 不動滝を過ぎると、そろそろ本格的な森の中という感じになってくる。
 この先は出会う人も少なくなる。最初は平坦で道もいいから歩きやすい。
 森の標高は120~730m。この数字を見れば、その登りっぷりが想像できると思う。

愛知県民の森2-14

 なんだかんだで1時間くらい歩いただろうか。やや唐突に休憩所が現れた。愛・地球博メモリアルハウスとなっている。
 この前にある自販機で飲み物を買っておくのをオススメする。この先にはたぶんない。私は行きと帰りの両方で買ったけど、ここに自販機がなければ脱水症状で倒れていた。帰りはフラフラのヨレヨレになりながら、私に命の水を~とよろめくように辿り着いたのだった。アクエリアスが500円だったとしても買っていただろう。

 この先もまだまだ続くのだけど、写真の枚数も多くなったし、今回はここまでとしたい。
 次回に続く。
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コメント
  • 2009/08/27 21:30
    愛知県民の森は名前も場所も知ってはいますが、なにかイメージが定まらなくて一度もいったことがありません。
    ネットで調べても、「キャンプ場があるのかぁ・・」「登山のベースになりそう」ということしか掴めなくて。
    これからのオオタさんのレポがとても楽しみです。秋の紅葉のときにでもオオタさんの足跡を探しにいってみますね。
  • 秋がよさそう
    2009/08/28 01:30
    ★moumingさん

     こんにちは。
     愛知県民の森は、どうもよく分からないところですよね。
     テレビなんかでもあまり紹介されることがないし、何かの名所というわけでもなく。
     一度行ってみると、なるほどこういうことかと分かるんだけど、さて、私の写真でどこまで伝わるか。
     モミジがたくさんあって、紅葉がよさそうだから、moumingさんも秋になったら行ってみてくださいね。
     滝を最後まで見て、余力があったら登山もしてください(笑)。
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