早春と春の間に咲く松平郷の花たちを撮る

花/植物(Flower/plant)
松平郷の花-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 他



 子供の頃はつくしをとってきてよく食べた。そんなに美味しいものではないけれど、春の訪れを感じるために、毎年春になると一度か二度は食べたものだ。とりすぎて近所の人にお裾分けをしたり、逆にもらったりすることも多かった。今はどこに行けばつくしが生えているのか分からないくらいになってしまった。とって食べている人も少なくなったのだろう。
 昔は川の土手というのが定番だった。矢田川あたりでもたくさん生えていた。今は護岸工事などをしてしまったから、つくしが生える環境ではなくなった。田んぼのあぜ道にも生えていたけど、田んぼ自体が身近に少なくなった。春につくしを食べる習慣がなくなって久しい。
 去年の3月、松平郷へ行ったときに見つけて、あそこには確実にあることが分かっていた。今回松平郷へ行こうと思った理由の一つがそれだった。けど、今年はどういうわけかとても少なかった。ここに1本、あちらに2本、そこに1本という感じで、ワッとまとまって生えているところは見つからなかった。まさか、里の人があらかたとってしまったということもあるまいに。時期的にずれていたのだろうか。
 それでもなんとか見つけて、写真にも撮れたからよかった。こんな貴重なものはとれないから、そのままにしておいた。そしたら、たまたま今日、知り合いがつくしをくれたので、お吸い物に入れて食べた。3本では卵とじにして食べるまでもない。
 そういえば、たくさん取りすぎると袴を取らないといけないのが面倒だったのを思い出した。

松平郷の花-2

 ショウジョウバカマはありがたみのない雑草くらいあちこちに咲いている。この野草はないところにはまったくないのに、あるところにはありすぎるくらいある。最初はちょっと嬉しいけど、すぐに飽きて見向きもしなくなる。カタクリのように群生していればもっときれいでありがたみもあったのだろうけど。
 カタクリといえば、足助のカタクリは早くも7分咲きくらいになっているそうだ。今年は早すぎる。いつもは3月の終わりくらいが見頃なのに、10日くらい早い。行きたい気持ちはあるけど、どうしようか。ここのところ毎年行ってるから今年は休んでもいいかと思っている。

松平郷の花-3

 さすがにこの手の野草はわんさか咲いている。あぜ道にも、道ばたにも。
 たぶん松平郷も2週間くらい前まではまだ冬で、ここのところの暖かさで一気に春めいてきたのだろう。
 冬の茶色風景から野草の季節になると、とたんに風景に色が戻る。
 オオイヌノフグリの青と、ホトケノザのピンクと、ハコベの白と、それぞれの若草色が集まって、春の賑やかな歌い声が聞こえてくるようだ。

松平郷の花-4

 これもすっかりお馴染みのタネツケバナだ。みんなでバンザイしてるようでおかしい。
 花のない2月に早々に咲いてきて当初だけありがたがられるけど、すぐに忘れ去られてしまう。
 ナズナも同じだ。

松平郷の花-6

 キミのことは見たことがあるぞ。実物ではなく、野草図鑑で。なんだっただろう。思い出せない。
 これはまだ咲き切っていない状態だろうか。
 ハルトラノオかとも思ったけど、違う気もする。
 そのうちひょんなことで判明するかもしれない。とりあえず保留。

松平郷の花-5

 あ-、またやっかいなやつがやってきた。
 カキドオシか、ムラサキサギゴケか、トキワハゼか、キランソウか、毎年区別がつかなくなって、そのたびに覚え直している。一年経って、また判別の仕方を思い出せない。
 これはカキドオシでいいと思うけど、どうだろう。

松平郷の花-7

 ややこしいやつ第二弾。
 こういう黄色いやつも多いから苦手だ。すぐにジシバリだと思って、いや、待てよと思い直す。ニガナにしては花びらが多いから違うにしても、他に可能性はないだろうか。葉っぱがちょっと細長いからオオジシバリも考えられる。
 以前はこういうのもタンポポの仲間で片付けていたけど、今は分からないとモヤモヤが残る。

松平郷の花-8

 木の花では、しだれ梅はもう終わりかけていた。地面にたくさんピンクの花びらが落ちていて、それはそれで風情があっていい。

松平郷の花-9

 普通の梅も、後半から終盤というのが多かった。去年同じ場所で撮った写真と比べてみると、今年の方明らかに季節の歩みが早いことが分かる。この冬は本当に暖冬だった。名古屋はとうとう一度も雪が積もらずじまいだった。

松平郷の花-10

 マンサクの花も残りわずかとなっていた。
 シナマンサクよりも国産マンサクの方が和風味で、個人的にはこちらの方が好きだ。黄色の色味も濁りがない。
 春の訪れは、早春が去ることを意味していて、終わってゆく早春の花たちを見ると、少し寂しいような気持ちになる。寒いのはつらいから早く暖かくなって欲しいと思いつつ、3月になるといつも2月が懐かしく思い出される。

松平郷の花-11

 トサミズキでいいと思う。よく似たヒュウガミズキは、もっと花が小さくて丸っこい。花がついている枝も細い。
 名前の通り土佐の一部で自生している木だけど、全国で植えられていて、あちこちで見ることができる。
 ヒュウガミズキは、宮崎の日向から来ているという説と、 明智日向守光秀の領地だった丹波にたくさん植えられていたからという説があるらしい。
 シナミズキ(支那水木)というのもあって、それはもっと鮮やかな黄色で、たくさん花が集まってぶら下がっている。

松平郷の花-12

 食べると馬も悪酔いするというアセビ(馬酔木)。
 草や木が大好物の鹿もアセビは食べない。
 白花のイメージが強いけど、こういうピンクも多い。 

松平郷の花-13

 民家の庭先で沈丁花(ジンチョウゲ)が全開になって、いい香りを放っていた。
 花芽は12月とか1月に出していて、3月になると待ちわびたようにパカッと開く。
 ジンチョウゲの香りをかぐと春が来たと思い、キンモクセイの匂いがすると秋を感じるという人も多いんじゃないだろうか。

松平郷の花-14

 ミズバショウも咲き始めていた。夏が来てから思い出していては遅いミズバショウは、3月、4月に咲く春の花だ。

 花目的という点では、少し遅すぎたとも言えるし、早すぎたとも言える。早春の花を撮り逃して、春の花にはちょっと早かった。
 まあでも、いろいろな花を撮って、里の春を感じられたからよかった。
 5月、6月あたりの松平郷はまだ見たことがないから、その時期にまた行けたら行きたい。花菖蒲や紫陽花なんかもたくさん植えられている。
 松平郷シリーズは、まだもう少し続きます。
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