
Canon EOS 20D+Canon EF80-200mm f2.8L
フンボルト「うーん、今日も日が暮れたか。ボクもう眠くなってきちゃったよ」

フンボルト「ん? なんか飛んできたぞ。誰だ、アイツ」

キング「おいおい、勝手に入ってくるなよ、おまえ。どこに居座ってるんだよ」
小さな羽をバタバタさせて不満を表すキング。

キング「お、なんだ。今度はそっちに飛んだか。早く出て行きやがれ、コンチキショー。ここはオレたちの家だぞ」

キング「あ、またこっち来たか。ええーい、コンニャロー。タダじゃ済まないぞ。オレが直接行って追い払ってやる」
アオサギ「何かまずいことしたかな、私?」

キング「すぐに行くからちょっと待ってろ、おまえ」
アオサギ「え? 私ですか? ココ入っちゃまずかったですか? もしかして、怒ってます?」

キング「アオサギの野郎め、ひとの家ででかい顔してくつろぎやがって。それにしても、なんだ、この坂道は、まどろっこしい」
本人は急ぎ足のつもりでも、おぼつかない足取りでヨタヨタ歩きになっている。

キング「よし、追い詰めたぞ。そこにじっとしてろ、アオサギ」
イワトビ「ご苦労なこった」

キング「おい、おまえ。何勝手に入ってきてるんだよ。ここはペンギンハウスだぞ。今すぐ出て行きやがれ」
アオサギ「わー、すみません。入っていけないものとは知らず」

アオサギ「失礼しましたー」
そそくさと逃げていくアオサギと、勝利の雄叫びを上げるキング。
キング「かっかっか。見たか、オレ様の強さを。アオサギの野郎、恐れをなして逃げていきやがったぞ」

イワトビ「……。」
遠くを見たまま泰然自若のイワトビは、我関せず。
以上のような無言劇が繰り広げられた夕暮れ時の動物園のヒトコマでした。
たまにはこんなのもいいかなと思ったり思わなかったり。