
PENTAX Z20 / Canon EOS 620+TAMRON SP 17-35mm f2.8-4 / 50mm 他+FUJI 400 / Kodak 100
フィルム写真もたくさん撮ったと思っていたけど、気づけば今日が9回目で、最終回となった。最後はこれまで使えなかった写真を集めて並べて終わりとする。
去年まとめ買いしたフィルムも残り5本となって、夏の間に撮りきってしまおうと撮り始めたのが8月のはじめ頃だった。なかなか撮りきれないまま時が流れて、最終的に5本を撮り終わったのは10月になってからだった。貧乏性というだけでなく、フィルムは無駄打ちしたくないから、撮ろうとカメラを構えてファインダーをのぞくところまでいっても、これはつまらないからやめておこうとなることが多い。写真を撮りに出かけて2枚しか撮れなかったなんてこともあった。そんなにたいそうな写真を撮ってるわけではないのに、デジとフィルムでは撮る姿勢がまるで違ってくる。
並べた写真をあらためて見てみると、フィルムの中にはしっかり夏が定着している。夏の光や夏の空気が閉じこめられていて、すでに懐かしささえ感じる。空の青や雲の様子も、10月に入ってからのものとはやっぱり別物だ。暑かった夏の感覚が蘇る。
何年か後になって、この写真を見たとき、この夏の記憶がどれくらいよみがえるだろうか。

17mm超広角レンズの広さを知ったのも今回が初めてで、やはり一番の収穫だっただろう。写真の面白さは、肉眼では見られない光景を見られるというところにもある。上手な嘘なら騙されたい。
いつも行っている矢田川も、17mmで切り取ると、また違った風景に見える。

同じく矢田川の夕方。順光で撮ると、青い空と白い雲が写る。
以前、この場所に大きな虹がかかったことがあった。そのときは28mmでは収まりきらずにもどかしい思いをしたけど、17mmで撮っていたら全部入ったんじゃないだろうか。

これは135mmのソフトフォーカスレンズで撮った一枚だ。暗かったので少しブレているというのもある。
この場所はコサギのエサ場になっているところで、よく被写体になってくれる。
そろそろコガモやマガモたちも戻ってきた頃だろう。コサギもそれで季節を感じているというのもあるかもしれない。エサが違うから、縄張り争いになることはない。

大雨が降った翌日の香流川。思ったほど水は増えていなかったものの、濁って流れは早かった。東海豪雨のときは、この川も氾濫した。
堤防沿いの桜並木も、この頃はまだ葉が青々と茂っている。今は桜の木も紅葉が始まって、落葉しつつ赤茶色に染まっている。高いところから見る桜並木は紅葉並木になるから、毎年楽しみにしている。

香流川と矢田川の合流地点の手前。ここもよく夕焼けを撮りに来る場所だ。このときも空は焼けていたはずなのに、フィルムには色が写っていない。現像の問題というのも今回一つ出てきたものだった。店によってか、機械によってか、こちらのイメージ通りにならないことがある。撮るときはいつも-2/3に露出補正をかけているのだけど、これくらいだと現像の段階で自動的に明るくされてしまう。リバーサルフィルムを使えばいいのだろうけど、そうなると5本の現像と書き込みで6,000円を超えるから、お気軽には撮れなくなってしまう。
17mmの特徴として、ものが小さく写るというのも今回初めて知ったことだった。写真左下に小さく白い物体が写ってるけど、これは釣りのおじさんだ。すごく遠くにいるように見えていて、実際は橋のすぐ下にいる。17mmでは、人入り写真は人入り写真にならない。手前の被写体をかなり近くから撮らなければ、人の存在感が弱くなりすぎる。遠くのものは当然、ものすごく小さくなる。

二つの川の合流地点の夕焼け。
空と川と両方色が残っているものの、色味が薄い。実際はもっと劇的な色だった。RAW現像の場合は色データが残っているからレタッチソフトでコントロールできるけど、jpegだとあまり修正がきかない。デジでもjpegで撮った方が露出などの点では上達するのかもしれないと思いつつ、一度RAWに慣れてしまうともう戻れない。撮ったままの画像にこだわるほどストイックではない。

9月に田舎に帰ったときに撮ったホテイアオイ。9月とはいえ、写真からも日差しの眩しさが伝わってくる。実際、このときは暑くて大汗をかいた。
ホテイアオイの花はもう終わりかけで、あまりきれいではなかった。ピークはお盆過ぎから8月終わりにかけてくらいだろう。

平和公園で撮った一枚。翼を広げて空を飛ぶ白鯨に見えた。
海から生まれた生命体は、陸へと進出する一方、海へ戻っていったものたちもいた。それが現在の海の生き物たちだ。ペンギンも空を飛ぶことをあきらめて、海を選んだ。彼らも空を飛ぶ夢を見るのだろうか。

地平線も水平線も見えない街で暮らしていると、夕陽は建物の向こうに沈んでいく。
水平線に沈む太陽は海へ行けば見られるけど、地平線に沈む太陽はどこへ行けば見られるのだろう。山に囲まれた日本では、見渡す限りの地平線の向こうに沈む夕陽を見られる場所は限られている。行くところへ行けば見られるのだろうけど、私はまだ見たことがない。

雨の日のドライブ。見慣れたメーターパネル。左右対称のこのパネルが気に入っている。レッドゾーンが8千からというVTECも、最近そんなところまで回すことはない。
長いつき合いのわりにはまだ5万キロちょっとしか乗ってない。地球1周と4分の1だ。まだもうしばらく頑張ってもらわないといけない。
運転席に座ってメーターがすべて収まりきるというのも17mm超広角ならではだ。

雨に濡れたアスファルトを車のヘッドライトが照らす。これを撮るときは、すごくドラマチックな写真になったんじゃないかと期待したのに、出来上がりを見たらそうでもなかった。
でも、雨と水と光の組み合わせに大きな可能性があることを最近遅ればせながら気づいたから、今後は雨でも積極的に撮りに行こうと思う。

少しは花でも撮っておくかと、タムロン90mmマクロで撮った一枚。何の花だったか、名前は忘れてしまった。
フィルムのブツ撮りは風景以上に難しい。ブツ撮りはいろんな角度から何枚も撮ってベストの一枚を決めるのが常套だけど、フィルムだとそんなことはしてられない。室内ではシャッタースピードも上がらず、手ぶれは即アウトとなる。フィルムの花撮影もあまりしたくない。動き回る虫などは、もっとやっかいだ。

ソフトフォーカスレンズで撮った花写真。デジと同じ感覚で撮ると、35mmフルサイズはボケ味が大きくて失敗する。これは一段絞りのソフト効果1で撮ったのだけど、あまりにもボケすぎだ。ソフトフォーカスなのか、手ぶれなのか、ピンぼけなのか、よく分からない。たぶん全部だ。

アイもフィルムで一枚。ソフトフォーカスレンズの効果があまり出ず、手ぶれも起こしている。写真としては失敗だけど、記念写真として残しておこう。
フィルムシリーズはこれにて終了。デジ散策写真の隙間を埋める格好で長く続くと思っていたのに、案外あっけなく終わってしまった。ここしばらくヒザの故障で出歩けなかったというのもある。逆に言えば、フィルムの在庫があって助かった。
これですっかりネタ切れだから、来週は遠出をして、ネタ集めに出ないといけなくなった。
今回のフィルムシリーズではいろいろな発見があった。ここから街撮りシリーズが生まれたのも大きな収穫だ。2008年はフィルムの晩夏として記憶に残ることだろう。
次はいつになるか、今のところまったく未定ではあるけど、またフィルムシリーズをやりたいと思っている。取り残したものもまだまだあるし、今撮っておくべき景色もある。
今日撮る写真は、未来の自分に向けての贈りものだ。
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