中小田井の古い町並みはこの一枚を撮るためだけでも行く価値がある - 現身日和 【うつせみびより】

中小田井の古い町並みはこの一枚を撮るためだけでも行く価値がある

中小田井を代表する街並み風景


 名古屋市西区の庄内緑地公園の北西に、中小田井(なかおたい)という町がある。名古屋駅から鉄道で10分のこの場所に、古い町並みが残されていると知ったのはつい最近のことだった。ネットでそこの写真を見て、一目惚れじゃないけど、ここは絶対行こうと思った。そして、撮ってきたのが上の写真だ。
 中小田井の町並を紹介するときは必ず登場する場所だから、ここを知ってる人ならすぐに分かると思う。残っている古い家屋の町並みはごく短いこともあって、ベストポジションはここしかない。行ってみてそのことがよく分かった。これ以上近づくと全体が入りきらないし、離れると向こう側が見えなくなってしまう。だから、みんなここから撮る。
 中小田井は、ここから写真を一枚撮るためだけでも行く価値があると言い切ってしまうと少し言いすぎだろうか。それにしても、名古屋駅に近い市内にこの風景が残っているということに価値がある。



古い屋敷の風景

 中小田井の集落は平安時代にはできていたという。すぐ南に庄内川が流れていて、川が氾濫するたびに大きな被害が出ていたそうだ。今でこそ高い堤防が作られて、やや安心にはなっているものの、現地に立ってみるとかつて何度も水に浸かったであろうことは容易に想像できる。2000年の東海豪雨ではこのあたりも被害が出たんじゃないだろうか。あのとき名鉄の下小田井駅は完全に水没したと聞いている。
 古くは織田井という字を当てられたようで、近世になって上小田井、中小田井、下小田井の3つの村に分かれた。
 小田井の転機は江戸時代に入ってからだった。名古屋城下と稲生街道を結ぶ岩倉街道として整備されたことで大きく変貌を遂げることになる。
 岩倉方面から枇杷島(びわじま)の青物市場へ野菜などを搬送するための道として使われて賑わうようになり、その帰り道に味噌や米、しょう油などの生活用品をここで買っていく人が増えたことで、街道沿いは商家が立ち並ぶようになっていった。
 明治以降、宅地開発などで古い建物は壊され、当時の面影を伝えるのは中小田井地区のみとなってしまった。明治24年(1891年)の濃尾地震で昔の建物はほとんどが倒壊してしまったという。現在残されている家屋も、それ以降に建てられたものだ。約300メートルほどの場所に、切妻造(きりづまづくり)や格子の家並みが並んでいる。



古い民家の姿

 中小田井地区は、有松、白壁・主税・橦木、四間道とともに名古屋市の町並み保存地区に指定されている。とはいえ、観光地とはなっていないため、訪れるよそ者はさほど多くなのではないだろうか。
 それでも今はネットでこういう情報が出るから、昔よりもカメラを持った見学者がちょくちょく訪ねてくるのかもしれない。そのためではないだろうけど、こういうふうに家の前をきれいに飾っているところもある。自分のため半分、道行く人のため半分といったところだろうか。



大きな古い家屋

 昔のお金持ちの家特有の余裕のある作りだ。合掌造りのような大きくて容量のある家は、今はもう建てようと思ってもなかなか建てられない。



町並風景

 電柱と電線を地中化すると景観がすっきりするのだけど、お金がかかるからそう簡単ではない。それでも、電柱がなくなるだけでも車が走りやすくなるし、住人にとっても悪いことではないだろうから、そろそろ名古屋市も考えていいんじゃないだろうか。有松は地中化が完了してとてもよくなった。



古い町並み

 こういう古い建物を撮った写真ばかりを並べていると、こんな風景がずっと続いているように思うだろうけど、実際はそうじゃない。大部分は普通の家で、ごく一部が残っているだけだ。規模としては小さいから、ここだけの散策なら10分もあれば終わってしまう。



狭い通りの風景

 ここもなかなかいいところだ。こういう町並は、真っ直ぐよりも曲がっている方が雰囲気があっていい。



黒板の土蔵造

 このあたりはかつてどんな家だったのかは分からないけど、なかなか立派な家だ。
 水に浸からないようにということで、石垣で少し底上げしている。



旧街道の面影

 古い家屋以外はこんな感じの風景となっている。旧街道の面影はあるものの、街並みとしては特に変わったところはない。



保存地区の南端と庄内川の土手

 保存地区の南の終わりあたり。前に見えているのは、堤防を兼ねている庄内緑地沿いの道だ。この道のすぐ向こうが庄内緑地になっている。



堤防沿いの道

 堤防道路沿いの家というか細い路地というか、公道なのか私有地なのか、よく分からない。物干し竿の台も置かれてるし。



日暮れどきの名駅ビル群を望む

 最後は日没。
 名古屋駅の高層ビル群がこれくらいの大きさで見える距離感だ。

 なんといっても中小田井のクライマックスは、一番最初の写真の場所だ。言い方を変えれば、見所はあそこくらいで、あとは付け足しのようなものとも言える。ただ、あの光景のインパクトは強い。
 違う時間帯の別のシチュエーションでもっと撮ってみたい。おばあちゃんが歩いている昼下がりとか、夕焼け時間の中を自転車でいく高校生とか、朝の小学生の登校シーンとか。

 中小田井の神社仏閣編は回を改めて紹介することにしたい。

 小田井神社仏閣巡りは謎の多い星神社から始まる
 誰もが忘れた頃に再開した小田井の神社仏閣編の第二弾
 何かと変わった善光寺別院などを紹介して小田井編はやっと完結

※2016年11月に再訪
 中小田井再訪に8年の歳月は感じなかった

【アクセス】
 ・名鉄犬山線「中小田井駅」から徒歩約3分。
 ・駐車場 基本的にはなし(とめられるところはあり)

 名古屋市中小田井町並み保存のページ
 
関連記事ページ
コメント
非公開コメント

ぜひ行きます

この町並いいですね~。
有松は「いかにも」という感じなので生活感があって古い街並は大好きです。
例の川原の無料駐車場に停めて散策してみます。

2008-07-18 22:33 | from miho-papa

写真としてはオススメの場所

>miho-papaさん

 こんにちは。

 中小田井は、写真に撮るにはいいところです。
 実際は、それほどでもないんですけどね。(^^;
 写真は余分なところが写ってないから、よく見えるだけというのもあって。
 最近、行ったところでよかったのは、津島の本町筋です。
 あと、稲沢ももう一回ちゃんと行きたいなぁ。

 中小田井の岩倉街道へ行くときは、堤防から歩くと距離があるんで、岩倉街道に直接車で行ってしまった方がいいです。
 名鉄の中小田井駅から右下斜めに伸びている細い道がそうです。
 途中に善光寺と五所社があって、どっちも駐車場があるから。
 お参りとセットにすれば大丈夫。

2008-07-19 01:17 | from オオタ | Edit

トラックバック

https://utusemibiyori.com/tb.php/1046-0df833b7