
PENTAX K100D+TAMRON SP 17-35mm f2.8-4 / Takumar 135mm f2.5/ 50mm f1.4
個人的夕陽百選の一つに、竜泉寺裏がある。知る人ぞ知るというよりほとんど知ってる人はいないと思うけど、ここから見る夕焼け風景が気に入っている。墓地のど真ん中というロケーションが一般的には夕焼け鑑賞には向かないけど、そこさえ気にしなければとてもいい場所なのだ(たいていの人は気になる)。
久しぶりにちょっと見に行きたくなって行ってきた。この日はそこからよく見える王子製紙の工場が火事になったというニュースもあって、それもちょっと気になっていた。
夕焼け時間にはまだ早かったので、まずは竜泉寺に挨拶に寄った。ここはもう何度も訪れてる。ブログにもちょくちょく登場している。2006年11月には竜泉寺についてしっかり書いたから、もう付け足すことはあまりない。だから今日は写真中心の紹介になる。

竜泉寺は戦火や火災で何度も建物を失いながら再興され、現在は尾張四観音の一つとなっている。
本堂や多宝塔は明治になってからの再建なので、見所とは言えない。一番はやはり重要文化財の仁王門だ。江戸初期の1607年に建てられたもので、堂々とした風格を有している。入母屋造のこけら葺き。両側には仁王像が立っている。

仁王門を斜めから。
たくさんの幟(のぼり)が立っている。寄進というのか、奉納というのか、5千円だか1万円だかを納めると個人の名前入りで立てることができる。神社ならお稲荷さんの朱塗りの鳥居を寄進するというのもよくある。

明治40年に再建した本堂がだいぶガタが来ているので修繕したいから寄付して欲しいというお知らせだ。金額は1億円。高いのか安いのか、よく分からない。
一人100円で100万人の協力が必要となる。こんなお願いの看板だけで簡単に1億円集まったとしたら、それはそれで問題のような気もする。賽銭に10円しか入れない私のような人間ばかりだと1,000万人の力を結集しないと集まらない。サラリーマンの生涯年収が約2億円というから、1億円というのは口で言うほど簡単なものじゃない。
ここの本堂はともかくとして、名古屋城の本丸御殿は協力したい。こけら募金3千円で御殿に名前が載るから、これだけはしようかと思っている。名古屋城へ行ったときに募金もしたし、本丸御殿宝くじや本丸御殿茶を買ったりもして、ささやかながら協力姿勢も見せている。
あちらの総工費は150億円。来年から着工して、完成は早くても平成29年と言われている。それまでちゃんと生きていられるだろうか。できれば、名古屋城をもう一度木造で造り直して欲しいけど、それは叶わぬ夢だ。

竜泉寺の昭和っぽいところがいい。でんわ、でんぽうって、今どき表の公衆電話から電報を打つ人はほとんどいないだろう。手作りの木製電話ボックスには、TELEPHONE BOXとある。外国人の人が訪れてるのを見たことがないけど、どうしてあえて英語だったんだろう。主なターゲットであるお年寄りには伝わりづらい。

この奥に模造竜泉寺城があって、展示室を兼ねている。一度入ってみてみたいと思いながら、いまだに果たせずにいる。日曜、祝日の朝9時から午後3時半までしか開いてないから、私としては厳しいところだ。
昔はこの横に「展望台 百万ドルの絶景」と書かれた看板があったのに、いつの間にか撤去されてしまった。冷静に考えて百万ドルの価値はないことに気づいたのか。しかし、どうしてここでも百万ドルっていうアメリカナイズなんだ。ここの住職はアメリカに対する憧れが強いのかもしれない。
竜泉寺城については、いつか一度入って、歴史的なことについても書きたいと思っている。昔からここは重要な戦闘拠点ということで歴史に登場したところだから、書くことはたくさんある。

竜泉寺は平安時代初期の800年前後に最澄が開いたとされる古刹だ。空海もここを訪れている。身近にありすぎてちょっと軽く見ているところがあるけど、実際は尾張を代表するお寺の一つだ。私自身、もう少し敬意を払うべきか。
多宝塔は明治のものだから、さほどありがたみはない。とはいえ、明治28年(1895年)といえば100年以上は経っている。充分に古いものだ。

竜泉寺は猫の多いお寺で、その点でも行くのが楽しみなのだけど、昔から主のようにいた白猫を最近見ない。もういなくなってしまったんだろうか。このときは他の猫も見かけなかった。
その代わり、近くの民家にいた。半飼い猫・半野良といった生活をしてるような猫だ。どちらも外国の猫の血が入ってそうだ。向かって右はシャム猫っぽい。

この日はあまり天気もよくなくて、雲が低い位置にかかっていたから、空は思ったほど焼けなかった。このあと太陽がすぐに隠れてしまって、夕焼けは不完全燃焼で終わった。
ここは無粋な電線などもなくて、広くていい空が見られる場所だ。眼下にはたくさんの墓石が並んでいて、生きることと死ぬことを思う場所でもある。

火事があったのがどこか探したけど、分からなかった。それほど大規模なものではなく、午前中にベルトコンベアが燃えて1時間で消し止められたというからよかった。
竜泉寺裏は夕焼けだけではなく、この風景も好きで、なんだか妙に心惹かれるものがある。こちらは夕暮れどきに灯りがともり始めてから雰囲気が出てくる。前時代的なような、近未来的なような、不思議な風景なのだ。

春日井は小牧空港から近いから、よく自衛隊機が飛んでいる。
名古屋の空港が小牧から知多のセントレアに移ってしまったから、ここらあたりも静かになった。以前は、外へ出ると頭上をジャンボが飛んでいくのが当たり前の光景だったのに、今はあまり飛行機を見なくなってちょっと寂しい。

名古屋駅方面を撮るなら望遠レンズを持っていかないといけない。この日は忘れてしまって、135mmでしか撮れなかった。条件も悪かったから、写りがあまりよくない。
この方角も、夕焼けか夜景になるとすごく絵になる。暗くなると手ぶれ補正を持ってしても手持ち望遠は厳しくなるから、そのうち三脚で夜景を撮ろう。夜の墓地で、三脚を立てて夜景を撮ってる人という図を想像すると、それはどうなんだとも思うけど。
秋になって、夕焼けから日暮れの速度が速くなったときがねらい目だ。
今日もややつなぎネタっぽくなってしまったけど、これはこれで写真を載せておきたかったからよしとする。竜泉寺も今までと違った撮り方ができたから、収穫はあった。
夕焼けは残念だった。またそのうち出直そう。墓地の中の違う場所からの更なるベストポジションも探ってみたい。
個人的夕陽百選を集めるというのも、一つのテーマとして持っている。今まで見た中で最高の夕焼けは、三重県の御座海岸で見た夕焼けだ。もう10年くらい前になるけど、いまだにあれを超える夕焼けは見ていない。琵琶湖の東岸から見た夕焼けも忘れがたいし、賢島も最高だった。名古屋港の東築地橋からイタリア村に沈む夕陽もよかった。ローカルなところでは、香流川、矢田川それぞれにお気に入りの場所がある。一人で100集めるのは大変だけど、少しずつ増やしていこう。
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