見たこともないほど大盛況の丹生アジサイ祭り前日の様子に驚く

丹生(Nyu)
丹生アジサイ小径-1

PENTAX K100D+TAMRON SP 17-35mm f2.8-4



 今日は7日の土曜日に帰郷したときの続きで、アジサイ編をお届けします。
 丹生大師前の「ふれあいの館」の駐車場が満車になっていてまず驚く。未だかつてこんなに混んでいるのは見たことがない。何事かと思った。
 ちょっと信じられないのだけど、主にアジサイを見に来た人たちの車らしい。勢和村のアジサイってそんなに有名だったのか。普段は駐車場になっているところが、「彦左衛門のあじさいまつり」の準備で関係者以外立ち入り禁止になっていたというのもあったのだろうけど、それにしてもこんな状況は思いもよらなかった。これはどのあたりから来た人たちだったんだろう。まさか県外ということはないだろうけど。
 なんとか一台スペースが空いていたので、そこにとめて、アジサイの小径まで歩いていくことにした。

丹生アジサイ小径-2

 普段は静かな丹生大師前も、なんだか騒々しいことになっている。工事でもしてるのかと思ったら、これも祭りの準備のようだ。ここに食べ物の出店が並ぶのだろう。
 たぶん、「彦左衛門のあじさいまつり」というのは6月8日の日曜日に行われて、その一日だけだったんじゃないかと思う。一日ずれていたらその様子も見ることができたのに、残念だった。あらかじめ知ってたら、行くのを土曜ではなく日曜にしていた。
 バンド演奏やウナギつかみ、もち投げ、アジサイコンテスト、用水路の浮き舟流し、お茶会、マス釣り、どろんこ綱引きなど、イベントが盛りだくさんだったようだ。綱引きで優勝すると、西村彦左衛門のお米が賞品でもらえたとか。
 雨天決行という意気込みもすごい。昨日はあのあたりも晴れていたと思うから、無事にできただろう。
 一般から選ばれたあじさい姫はどんな子たちだったんだろう。丹生っ子だったのか。

丹生アジサイ小径-3

 大師さんから向かって右方向に進むと、ぼちぼちアジサイが見えてくる。村一帯がアジサイを増やそう運動をしていて、あちこちでアジサイを見ることができる。
 平成6年に村おこしの一環として(今は多気町になったから町おこしか)、アジサイを1万本植えようという運動が始まり、年々本数が増えて、今では3万本を超えるまでになったそうだ。
 しかし、アジサイ祭りをするにはまだ時期が早い。ようやく色づき始めたところで、見頃までにはあと10日か2週間はかかるんじゃないか。6月の第二日曜というのは、やや焦りすぎだろう。せめてもう一週先でもいい。もしかすると、実行委員の人たちの多くが農家さんで、農作業とかの都合などもあるのかもしれない。
 ところで、このあたりはいつから麦畑になったんだろう。これは麦だと思うんだけど、違うのか。昔はここも普通に稲を植えていたはずだ。米の減反とか、価格の問題とか、いろいろ都合もあって麦栽培に切り替えたんだろうか。二毛作をするにしては、今頃まで収穫してないようでは田植えには間に合わない気がする。
 時間があれば、昔の写真を引っ張り出してきて、このあたりが写っていないか探してみよう。風景を見比べてみて、どんなふうに変わったのか、確認しておきたい。

丹生アジサイ小径-4

 アジサイは主に、立梅用水(たちばいようすい)脇の散策路沿いに植えられている。花はまだまだこれからだったけど、ボリュームもかなりあって、見頃になればなかなかのものだろうと思わせた。花の状態もよさそうだ。
 江戸時代(1808年)、貧窮する農民を救おうと、丹生村の地士・西村彦左衛門がのべ24万7,000人の人力を使って全長30キロの農業用水を完成させた。それによって新田開発は成功し、村人は大いに救われたことから、西村彦左衛門さんは村の大恩人として今でも大変慕われている。住んでいた家には銅像まで建っている。
 まつりでは立梅用水のボート下りというのもけっこう人気なんだとか。流れは速いから、けっこうスリルがありそうだ。まつりのとき以外に、勝手に自前の舟を浮かべて用水路下りをしていいのかどうかは分からない。たぶん、駄目だと思う。もちろん、泳いでもいけない。

丹生アジサイ小径-5

 村ではササユリも大事にされていて、保護しながら少しずつ増やしているような話を聞いた。だから、このあたりにたくさん咲いているのだろうと探してみたのだけど、ポツリ、ポツリと咲いているだけだ。ササユリの里みたいなものもあるようなことがネットの情報には出ていたのだけど。
 地元の人に訊ねてみるも、誰も知りやしない。みんなササユリなんかに興味はないのか、それとも本当にこのあたりにはないのか。
 帰ってきてからもう一度よく調べてみると、どうやらアジサイの小径周辺ではなく、勢和村役場のあたりのようだ。そういえばそんなようなことを言っていた人もいた。勢和中学や小学校がある方の役場近くの山にたくさん咲いているらしい。あっちはほとんど行ったことがないから土地勘もない。こんな時期に行くことはめったにないから、見られるものなら見ておきたかった。
 大石の不動院にはムカデランという国の天然記念物に指定されている絶滅危惧種の花が群生しているようだ。3ミリくらいのごく小さなピンクの花で8月に咲く。私もまだ見たことがないから、お盆のとき見に行けたら行きたい。
 アジサイの小径の先へ行ったところにはメダカ池があって、夏にはそこにホテイアオイがたくさん咲く。その様子は去年のブログで紹介した。

丹生アジサイ小径-6

 ササユリはピンク色の濃淡に個体差がある。ここのは薄めで、白に近い。もっと濃いピンクをしているものもある。土壌の関係なのか、その他の理由なのか、よく分からない。近くに咲いているやつでも色の違いがあるから、単純に土がどうこうということもでもなさそうだ。
 今年もなんとかササユリを見られてよかった。これでまた季節の花を一つクリアだ。アジサイが終われば一段落で、少し寂しくなる。花に関してだけ言えば、5月でピークを迎え、あとは冬に向かって少なくなる一方だ。

丹生アジサイ小径-7

 ガクアジサイは少し早めに咲いていた。アジサイは去年たくさん見て、いろんな種類があることを知った。面白い形や変わった色をしたものもある。品種についても追求していけば奥が深い世界だろう。
 もともとはガクアジサイが本来のアジサイの形で、今では一般的になったセイヨウアジサイは品種改良であの形に変化させたものだ。だから、昔の人にとってのアジサイは、ガクアジサイだった。
 アジサイは日本が原産ということも、案外意識されてないことなんじゃないだろうか。

丹生アジサイ小径-8

 土壌のpHが酸性なら青、アルカリ性なら赤系になるというのは有名だけど、それほど単純でもないようだ。アルミニウムイオンの量などによっても花色は変化するという。そうじゃなければ、日本の土壌は基本的に酸性だから、青色のアジサイばかりということになってしまう。そんなことはない。
 丹生のアジサイは青系が多いようだ。赤系やその他の色も少しある。
 アジサイは終わりに近づくにつれて成熟して色が濃くなっていく。名所に単発で見に行くよりも、家で育てて毎日変化を楽しむ方がアジサイ本来の楽しみ方なのかもしれない。

 わずか15分ほどの滞在だったので、ささっと撮っただけで終わってしまったのはもったいなかったけど、それでも一通り見ることができてよかった。ササユリも見られたし、収穫はあった。
 アジサイまつりは終わっても、花の見頃はまだこれからなので、近くの人は一度行ってみてください。丹生の近くの人がこれを読んでいる確率はものすごく小さいと思うのだけど。
 私はお盆に訪れたい。そのときはまた、遠くからカナカナの声が聞こえることだろう。
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