地味な中継ぎ的存在の花菖蒲を撮りに知立神社へ行く

花/植物(Flower/plant)
知立花しょうぶ1-1

Canon EOS 20D+Canon EF-S 17-85mm f4-5.6 IS / TAMRON SP 90mm f2.8



 花菖蒲(ハナショウブ)については特に思い入れはないのだけど、これまであちこちで撮る機会があって、このブログにも何度か載せている。去年は鎌倉の明月院と東慶寺で見たし、鶴舞公園やグリーンピア春日井でも撮った。カキツバタやアヤメはこちらから積極的に見に行かないと出会えないのに対して、花菖蒲はわりといろんなところで植えられているからその気がなくても見かける機会が多い。その分、ありがたみがないというのはある。5月の終わりから6月のはじめに咲く花菖蒲は、カキツバタ、バラときて、アジサイが咲きそろうまでのつなぎの花としてはなかなか貴重な存在なのだけど。
 知立(ちりゅう)の花菖蒲は、2005年の5月17日に知立神社へ行ったとき、早咲きのものがちらっと咲いていたのを見ている。けど、そのときはさすがに早すぎて見た内に入らないくらいだった。一度くらいはちゃんと見ておこうと思い、今日行ってきた。知立神社の写真を撮ることがメインで、そのついでということで。
 知立公園では5月の25日から6月20日まで、花しょうぶまつりが開催されている。この期間の週末には、茶会やからくり人形実演、短歌大会などのイベントが行われるようだ。10日には、ミスかきつばた4名による知立公園花しょうぶを写す会というのが開かれるというのを帰ってきてから知った。着物姿での撮影会で、高いカラメラを持ったおじさんたちが群がり集まる楽しいイベントらしい。知ってたら、私もぜひ参加してみたかった。そして、ミスかきつばたではなくカメラマンのおじさんたちの群れを撮りたかった。もう一度出向くには遠すぎるし、時間が午前10時から正午までというのは厳しい。
 花のピークはだいたい10日前後らしい。確かに、今日見た感じではまだ早すぎる感じだった。つぼみもたくさん残っていたから、咲きそろうのが一週間先というのは納得だ。
 ここは知立神社の外苑で、神社をはさんで東公園と西公園に分かれている。上の写真は東公園で、こちらは昭和62年に増設された。本園の西公園は、昭和30年に明治神宮からもらった花菖蒲を植えて作られたのが始まりで、その後、32年、35年と3回で60数種類の品種を贈られたそうだ。だから、明治神宮の分園みたいなものということになる。
 明治神宮のものは、明治26年に明治天皇が昭憲皇太后のために植えたのが始まりだそうだ。
 現在は、7,200平方の敷地内に約3万本の花菖蒲が植えられていて、期間中15万人ほどが訪れるという。

知立花しょうぶ1-2

 東公園の方が開花が早くて、こちらはほぼ満開という感じだった。
 全体に雑然と植えられていて、品種名のプレートも見あたらなかった。風景としての花菖蒲を楽しんでもらおうという趣向だろうか。
 このときは夕方の6時前という時間ということもあって、見学者はポツリ、ポツリといったところだった。子供連れのお母さんは花菖蒲を見に来たというよりも子供の遊びにつき合っただけだったのだろう。池で何かを捕ろうとしてるようだった。

知立花しょうぶ1-3

 こちらがメイン会場の西公園だ。東公園とは違って、花菖蒲は品種ごとに植えられていて、名前のプレートも立っていた。写真に写っている範囲でほぼ全域なので、さほど広いところじゃないのが分かると思う。
 全部が一斉に咲くわけではないだろうけど、まだまだこれからといった感じだ。今年はわりと涼しい日が続いてるから、例年よりも遅いかもしれない。

知立花しょうぶ1-4

 反対側から見たところ。特別面白い景色というわけではない。回遊式の庭園になっているわけでもない。もう少し全体としての情緒みたいなのが欲しい。

知立花しょうぶ1-5

 モデルさんが通りかかるのを待って一枚。タモとバケツを持った母娘だから、完全に花菖蒲目当てじゃない。ここの池で捕れるものといったら、カエルとかザリガニくらいだろうか。

知立花しょうぶ1-6

 やっと訪れた花菖蒲目的の見物客。他に選択肢もなく、否応もなくモデルになってもらった。もう少し見学者で賑わってると思ったんだのに、時間が遅すぎたのか、時期が早すぎたのか。それほど有名なところじゃないから、平日はこんなものか。

知立花しょうぶ1-7

 知立神社は別表神社という位の高い神社で(そのあたりの詳しいことは知立神社のときに書く予定)、神職の階級なども他の神社と少し違っているのかもしれない。
 神職はいろいろ複雑で難しいので、私もよくは知らない。基本的には特級、一級、二級上、二級、三級、四級とあって、一般的な神社の構成としては、偉い順に宮司(ぐうじ)、禰宜(ねぎ)、権禰宜(ごんねぎ)という感じになっている。巫女さんは神職ではない(女性の神職の人はいる)。
 上の写真のように紫色の袴をはいた人はちょっと偉いさんで、二級以上の人だ。二級が紋なしで、紋付きの紫になると二級上や一級となる。特級は白袴だ。よく見かける水色(浅葱色)は三級、四級の人たちだ。
 初詣に彼女と一緒に行って、そんな神社雑学を披露しても彼女は感心してくれないと思うけど、知っているといつかどこかで役に立つかもしれない。神社仏閣好きの女の人と出会ったときに、話が盛り上がるだろう。

知立花しょうぶ1-8

 ぷらっと訪れたらしい近所のおばさま風の人。とりあえず目についた人は全部写真に収めてみた。花菖蒲単独で撮っても面白くないんだもの。
 ちょっとした食事処というか休憩所のようなものも作られていたから、人で賑わうときは店が開いて、売店のようになるのだろう。知立といえば、藤田屋の大あんまきしかないということで、大々的に宣伝していた。ここでも出張販売しているようだ。大あんまきというくらいだからやたら大きくて、一本食べたらおなか一杯になってしまう。

知立花しょうぶ1-9

 じさまは散歩の途中、ベンチで一休み。
 ここまで並べた写真を見て、私は何を撮りに行ったんだと自分でも思った。

知立花しょうぶ1-12

 花菖蒲だけの写真も撮ったんだという証拠写真を出しておこう。あー、でも、遠くの方にぼやけて子供が写ってる。厳密に言えばこれも花菖蒲だけの写真じゃない。

知立花しょうぶ1-13

 これは花菖蒲だけの写真だ。人は写ってない。
 田んぼ脇に咲く花菖蒲というのは、自然なようで不自然だ。違和感がある。野生の野花菖蒲は、かつてこんなふうに咲いていたんだろうか。でもそのときはこんな派手な花の色をしてないから、もっと自然な感じで風景に溶け込んでいたのだろう。

知立花しょうぶ1-10

 カキツバタの季節は終わった中、一輪だけきれいに咲き残っていた。咲いてみたらまわりに誰もいなくてこのカキツバタもびっくりしただろう。完全に遅刻ですよ、きみ。遠足のバスが出てしまったあとに遅れて学校にやって来て、ポツンと校庭に立ち尽くす小学生を思った。

知立花しょうぶ1-11

 季節の花は、途切れることなく次々と咲いては枯れ、枯れては咲く。前の季節の花が最盛期の頃には、もう次の花の準備が着々と進んでいる。花菖蒲が終わる頃にはアジサイが咲きそろうことだろう。かなり色づき始めていた。
 去年は鎌倉でおなか一杯アジサイを見て、たくさん撮った。今年はどうしようか。形原温泉は一度見てみたいけど、遠いし、渋滞がひどいらしいから迷っている。

 花菖蒲の写真もそれなりに撮ってきたので、また明日にでも特集として紹介する予定でいる。人ばっかり撮っていたわけではないのだ。
 知立神社についても近いうちに書きたいと思っている。神社ネタはまたきっと長くなるだろう。
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