
毎年10月の第2土日に緑区の成海神社(
地図)の例大祭が行われる。
土曜日は夕方の4時から東宮稲荷社で奉納幟旗奉賛奉告祭があり、午後7時から宵宮の献燈神楽奉納祭が行われる。
私と相棒が出向いたのは日曜日で、朝一からの参加となった。友人が
成海神社のwebを制作したこともあって、宮司さんともご挨拶ができたのは大きな収穫だった。友人はこの日も朝から夜までカメラマンとして働いていた。
まず午前10時から奉賛子供会参拝が行われる。
各町内会ごとに分かれてそれぞれ神輿を引いて町内を練り歩く。
成海神社は旧県社でもあり、例祭には神社本庁から献幣も来るくらい格式のある神社なのだけど、いきなりゆるい子供会から始まるあたりは名古屋まつりを彷彿とさせる。
それにしてもものすごく子供の数が多くて驚いた。いまどき、こんなに子供がいるものなのか、と。ベビーブームの頃の祭りを見ているみたいだった。

子供会が出かけると境内はだいぶ静かになる。
露店も出て、参拝者も訪れるのだけど、午前中はそれほど人は多くない。人が増えるのは山車が境内に集まってくる午後3時前後だ。
11時30分から例祭が行われる。
神職や氏子などが社務所の前に集まり、参道を歩いて本殿の方に向かう。

外でまず祓え言葉をとなえてお祓いをする。
一般人でこのあたりの神事に参加している人は少ない。我々はたいてい何食わぬ顔で参列している。

ここの例祭に巫女は参加しない。
舞は巫女ではなく神職が行う。稀にあることだけどけっこう珍しい。

2時半を過ぎた頃、境内に山車がやってくる。
丹下・北浦・花井・城之下の4つ町が山車を出してきて成海神社に集結する。
一般的にはこの山車揃えが成海神社例祭の一番の見所で、これを目当てに大勢集まってくる。

同じような山車祭りである星宮社の例大祭とはずいぶん雰囲気が違う。村祭り感が色濃い星宮社と、ご神事感が強い成海神社と、どちらもそれぞれのよさがある。

祭神を御旅所まで運ぶための鳳輦(ほうれん)。

神職や関係者の集合写真撮影に便乗する。

午後4時、祭神を乗せた神輿が御旅所に向かう。

御旅所は成海神社の元地で、今は天神社が建っている。
4時半頃、ここで祝詞奏上などの神事が行われる。

神輿を残したまま御船流の神事を行うため、天神社を出て扇川に向かう。
ヤマトタケルが東征の帰りに鳴海から鳴海潟を渡って火高に向かった故事にちなむものだ。

御船流神事は予定では夕方5時くらいのはずなのだけど、この日は4時半過ぎに始まった。
提灯を取り付けた船を扇川に浮かべる精霊流しのようなものを想像していたら全然違っていた。
成海神社と墨書きされた大きな木の板を川に投げ込み、下で待っている若者たちが流される木の板を拾うというものだった。なんだこりゃ、と内心思った。全然情緒といったものはなかった。昔からこんなスタイルだったのだろうか。
午後7時から山車に明かりが入り、夜の9時頃まで山車を引いて町内を練り歩く。
我々は帰りの時間が気になって御船流が終わったところで祭りを後にした。
成海神社の歴史などについては神社サイトの
成海神社のページをご覧ください。
成海神社公式サイト