
SONY α55 + SONY 35mm f1.8 / 10-24mm / 100-300mm
三岐鉄道の三岐線と北勢線を撮りにいったのが去年の夏。年内には近鉄の内部線(うつべせん)も撮りにいくつもりだったのに、延びのびになって一年、ようやく実現した。
近鉄が頭を悩ませる赤字ローカル線で、いよいよ廃線の話が現実味を帯びてきた。今年2013年の夏でめどをつけ、バスへ切り替えたいという意向を近鉄は発表している。廃線が本決まりになってから慌てて行くのではなく、せめてその前に行って撮っておきたかった。
近鉄四日市駅が始点で、現在は内部駅までの5.7キロ、8駅が営業区間となっている。途中、日永駅で八王子線と分岐して、そちらは西日野駅までひと駅だけ伸びている。
三岐鉄道の方が撮影に関しては人気が高いようで、写真も情報もネットにたくさん出ているのだけど、内部線はあまり多くない。定番の撮影ポイントも分からないまま、とにかく乗って、歩いて、自分が感じた内部線を撮るしかないと、出向いていったのだった。
近鉄四日市駅で乗り換え、終点の内部まで行き、歩いて日永駅まで戻り、八王子線に乗って西日野まで行って、そこから歩いて四日市駅まで引き返すというコースだった。三岐鉄道のときと比べれば歩く距離はたいしたことないと思っていたのだけど、なんだかんだで5時間半コースとなった。
というわけで、今日から何回かに分けて、内部線の風景を紹介します。

残念だったのは空模様。前日までの予報では快晴といっていたのに、当日になってみれば曇り空。青空をバックに、とことこ走るカラフルな列車をイメージしていたのに、行く前から構想が崩れ去った。
想像以上に住宅密集地の中を行く路線で、開けたところも、線路沿いの道路も少ない。ここという決定的な撮影ポイントは見つけられなかった。
それでも歩けば撮れる場所はある。上の写真のポイントなどは、田植え時期の夕焼けどきなどいいのが撮れそうだ。
ダイヤは単純で分かりやすい。四日市発が0分と30分、内部発が5分と35分。単線で、始点から終点まで17分前後。歩いていると、だいたい10分から20分間隔くらいで列車がやってくる。ローカル線にしては充分多い本数だ。
移動しながらポイントを探して、よさそうなところでしばらく待つと列車が2本やってくる。それを撮ったら移動して、また撮影場所を見つけるという繰り返しだった。
苦戦したのが架線柱の処理で、3両編成だとどこかに掛かるし、2両編成を間に入れるとどうも列車の収まりが悪い。電車ではなく気動車ならよかったのだけど。


路線沿いには学校が多く、朝夕は学生の利用客がたくさんいるようだ。
この日は夏休み中ということで、学生の姿は少なかった。
普段の平日に撮りにいくと、また違ったものが撮れるんじゃないかと思う。

一般向けの営業路線でナローゲージ(732mm)が残っているのは、この内部・八王子線と三岐鉄道北勢線だけになった。あとは黒部峡谷鉄道本線と。
一人がけのシートが左右にある車両と、ロングシートの車両が混在している。思うほど狭いとは感じない。







つづく。