
SONY α55 + MINOLTA 50mm f1.4 / TAMRON 10-24mm F3.5-4.5 / 70-300mm
前から一度乗ってみなくてはいけないと思っていた、ゆとりーとライン。
正式名称を名古屋ガイドウェイバスといい、日本で唯一のガイドウェイバスだ。
専用軌道を走るバスで、運転手はハンドル操作をしないというのは聞いて知っていたのだけど、実際どんな仕組みで走っているのか理解していなかった。バスは一般道路も走るので、特殊なタイヤではない。溝の中を一般のタイヤで真っ直ぐ進むとも思えなかった。
近くから見てみて、なんとなく納得した。タイヤ近くの側面から横向きに車輪が出てくるようになっていて、軌道の横にガイドレールがあり、そこに車輪を通して進んでいくという仕組みだ。この説明で分かるだろうか。鉄道でいうと、レールが列車の左右横向きにあって、外についた車輪がレール上をなぞっていくようなものだ。
なんかちょっと不思議な乗り心地だった。バスでもなく、列車とも違う。全体に乗り心地は悪くない。ただ、たまに揺れる。
運転手は、専用軌道を走るということで、鉄道の免許が必要とされる。細かい制限速度期間が設けられていて、運転手は、制限35キロとか、制限20キロ、などとマイクでアナウンスしながら運転している。ハンドル操作がなく、加速と減速だけというのは、鉄道と同じだ。

起点は大曽根駅で、大きく分けて中志段味行きと高蔵寺行きに分かれる。
小幡緑地と大曽根の間が高架のガイドウェイバスの区間で、ここの間をゆとりーとラインと呼んでいるのだと思う。愛称は公募によって決められた。
私が乗りたかったのは、高架からの眺めを撮りたかったからなので、小幡緑地駅と大曽根駅を往復した。
分類でいうと鉄道だから、バス停ではなく駅と名前がついている。
なんとなく名古屋市バスのような気がしていたけど、実際は第三セクターが運営している。名古屋市、名鉄、JR東海バスなどが出資して作った。
運転業務に関しては名古屋市の市バス運転手がしているようだ。
ガイドウェイバスの構想は早くからあって、国が開発に着手したのが、1985年(昭和60年)のことだった。
名古屋はいち早く乗り出し、ゆとりーとラインは2001年(平成13年)に完成して、営業を始めた。
特に最初の頃は赤字続きだったそうだけど、年々利用者は増えているようだ。10分置きに走ってるから、多すぎなんじゃないかと思ったら、行きも帰りも満員で驚いた。特に大曽根発は、出発時点ですでに満席で、途中は立ち客も含めて満員御礼状態だった。おかげで、のんびり写真を撮っているような雰囲気とはほど遠かった。

街を走っている路線バスの中で車窓の風景を写真に撮っている人を見たことがあるだろうか。私は、ない。
ゆとりーとラインは観光路線でも何でもなく、高架を行く普通の路線バスだから、車内で写真を撮るという行為はひどく場違いなものだった。
それでも、この機を逃したら次はいつ乗れるか分からないと思い、なんとか数枚撮った。
見慣れている風景も、遮るもののない高架から見るのは新鮮で、乗客さえ少なければ、喜んで撮りまくったに違いない。
夕焼けどきなんかは特にいいのが撮れそうだ。根性がある方は、ぜひ挑戦してもらいたいと思う。

大曽根駅の回転場。
特別なバスなので、それほど台数はないのだろう。大曽根まで来たバスは、そのまま反対方向行きのバスになる。

隣は、JR中央線の大曽根駅で、少し離れて瀬戸電の大曽根駅がある。乗り換えは便利だ。

大曽根駅の構内。
バスターミナルという感じではない。どちらかというと鉄道に近い。瀬戸電の駅がこんな感じだ。

大曽根駅の入り口。
改札風になっているけど、もちろん切符があるわけではなく、駅員が立っているわけでもない。駅への出入りは自由だ。
途中の各駅とも無人駅で、切符の販売などもしていない。

大曽根駅に入っていくところを下から見上げる。

帰りの車窓。
陸上自衛隊守山駐屯地が丸見え。

小幡緑地の一つ隣、白沢渓谷駅も見てみた。
特に違っているところはない。

ウソでしょ-!? と思った、注意書き。

白沢渓谷駅の少し西から、川村駅方面を見たところ。
なかなか面白いゆとりーとライン体験だった。
被写体としての可能性もまだまだ感じさせたし、機会があればまた乗って車内から撮りたい。