
SONY α55 + SIGMA APO 170-500mm f5-6.3
ゆめリンク愛知国体で行われたショートトラックの写真を、ようやく出すことができる。
撮りにいったのは1月31日だから、ずいぶん時間がかかってしまった。やたら枚数を撮ったものだから、整理と現像を放置したままずっと手つかずだった。季節も進んで春になってしまったし、いい加減やらないといけないということで、やっとここで出すことができたというわけだ。2回か3回のシリーズになる。
スケートのショートトラックは、オリンピックくらいでしか見ないという人がほとんどだと思う。テレビでさえ見たことがないという人もけっこういるかもしれない。
愛知では寺尾くんとかの有名な選手を出しているから、それなりに知られた競技ではある。ただ、スピードスケートなどと比べてもマイナーな競技であることは否めない。
有名なレースといえば、1991年のシドニー・オリンピックでのブラッドバリー選手の金メダルを覚えている人がいるだろうか。予選から前をいく選手がコケまくり、棚ぼたで出場した決勝戦でひとり最下位に取り残されて滑っていたら、前の選手が全員絡んでコケて、事故に巻き込まれなかったブラッドバリー選手が優勝してしまったというあれだ。世界一幸運な男とも呼ばれた。母国オーストラリアでは棚からぼた餅という意味でdoing a Bradburyという言葉も生まれたんだとか。
競技としてのショートトラックはというと、地味といえば地味だけど、レースの駆け引きなどもあって、なかなか面白い。
被写体としてはどうかといえば、これが思いがけず魅力的だった。まず難しいのがいい。リンクは意外に暗くて、シャッタースピードが上がらず、最初はかなり苦戦したのだけど、撮っているうちにだんだん慣れてきて、後半はスローシャッターで遊べるまでになった。難易度としては、オートバイレースと同じくらいか。
ショートトラックの競技を撮影する機会などめったにあるものではない。ここを逃したら一生巡ってこないかもしれないと思って、出向いていったのだった。あんなに楽しめるとは想像していなかった。

選手は成年男子、女子、少年男子、女子にそれぞれ分かれ、競技としては、500m、1000m、1500m、3000m、5000mがある。
この日行われたのは、3000mリレーと、1000mの競技だった。個人戦は、予選、準々決勝、準決勝、決勝と、最大1日4レース滑らないといけないので大変だ。
1レースは4人から6人で行われ、上位2名が勝ち進むという方式だ。


競技人口はそれほど多くないだろうし、国体には有力選手が顔を揃えていたようだ。世界選手権やオリンピックに出場する選手もいたらしいのだけど、誰がそうなのかはさっぱり分からなかった。


抜くときは接触もある。あまり露骨に当たったりすると反則のようで、あとから失格になる選手もいた。
絡んで転んだりもするし、結果的に救済で次のレースに進めたりもする。




スローシャッターで撮る。こうなると、もはや競技写真ではない。
スポーツ写真としては失格だけど、一般なので自由に撮れる。報道カメラマンもけっこう来ていて、新聞にも彼らが撮った写真が出ていた。さすがにビシッと止めていた。スローシャッターで流し撮りしたような写真が新聞に載るはずもない。


ショートトラックの撮影は、すごく楽しいからオススメしたいところなのだけど、いつどこでやっているのかは全然知らない。冬場は国内でも大会が開かれているだろうから、調べれば分かるはずだ。
私も機会があれば、また撮りにいきたいと思う。
今回のシリーズは、もう少し続く。