
PENTAX K-7+PENTAX DA DA 16-45mm f4 / 55-300mm f4-5.8
人は皆、ひとりだ。でも、人はひとりじゃない。誰かとつながっている。
出会いがあり、時が流れ、別れが来る。
あとに残るのは、記憶の残像だけ。
それも歳月が押し流してゆく。
永遠というものを信じて、今このとき、一瞬、ときを止めよう。私たちがここで今確かに生きていることの証として。
モノクロ写真がまたたまったので、まとめて出すことにする。
これが私の目に映る風景だ。

お母さんといっしょ。長いようで短い蜜月。

親は子供の成長を願いながら、そんなに急いで大きくならないでと思う。子供は早く大人になりたがる。

人が孤独の意味を知るのはどれくらいからだろう。

小学校生活。楽しくもあり、わずらわしくもある。面倒なことに関わっていくことが、人間の社会の本質だということがぼんやり分かってくる。

女子中学生のガールズトーク。好きな男の子の話とかしてるのか。同年代の男子からすると、けっこうエグい話とかもしてそうだ。

孤独な楽隊少年。公園の片隅で遠慮がちに練習をしていた。こんなもの、住宅街の家の中で吹かれたらたまらない。

カップル下校。撮るのもいいけど、自分でもやってみたかった。川沿いの道を二人乗りとか。

ある意味、現実離れした光景。こんなシーンって、本当にあるんだと、ちょっと感動した。

ふたり、一緒にいるだけでよかった季節。こんな時間がずっとは続かないという悲しい予感はあった。

東山動物園にはジンクスがある。カップルでボートに乗ると別れるというのだ。そんなものは関係ないとあえて乗るか、やっぱりやめておこうと避けるか。どちらが正解なのかは、あとになっても分からない。

デートで訪れた動物園に、今度は子供を連れて家族でやってくる。幸せの連鎖と循環。

ひとりがふたりになり、ふたりが三人、四人となり、またひとりに戻る。
それでも、心に絆があれば、もう孤独じゃない。

大人は子供を守らなければならない。自分の身さえ守れないような自分であったとしても。

自分の言うことを聞いてくれるのは飼い犬だけ、なんてこともある。犬は最良の友かもしれない。

散歩って、趣味の範ちゅうなんだろうか、と思うことがある。ただ歩くのと散歩はどこが違うのか。歩くという行為は趣味とは言えない。
それでも、歩くことが体にも心にも良い作用を及ぼすことは間違いない。

俺たちに明日はないとばかりに赤信号を堂々と渡るお父さん。そんな無鉄砲でよくここまで生き延びたと感心する。

スケッチの人。
歳を取って趣味に生きることはいいことだ。趣味なら真剣にやらなくては面白くない。人生はいくつになっても暇つぶしじゃない。

ダンディなじいちゃん。自分はこんなふうになれそうにないだけに憧れる。

腰が曲がって、ベビーカーを押さなくては歩けないとしても、自分で好きなところに出歩けるというのは幸せなことだ。

現代を感じるシーンだった。
またコツコツとモノクロ写真を溜めていこう。