月別:2010年11月

記事一覧
  • 納屋橋トリエンナーレと町歩き <第七回>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 トリエンナーレで最初に行ったのが納屋橋会場で、10月7日のことだった。堀川歴史観光クルーズで名古屋城から名古屋港まで行く途中に立ち寄った。 もうひと月くらい経ってしまったので、何があったのか、はっきり思い出すことができない。撮影禁止だったので、写真も残っていない。 二階の窓が自動で開いて、本などが飛び出してくる仕掛けだとか、アマゾンとエジプトの川をカヌーで漕いでいる映...

    2010/11/04

    イベント(Event)

  • モノクロ写真始めました ~街の風景編

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 モノクロ写真を撮ってみようと思ったのは、つい最近のことだ。ほんの一週間くらいのことと言っていい。 振り返ってみると、かなり以前からモノクロに対するモヤモヤ感みたいなものはあった。カラーフィルムのない時代ならともかく、このデジタル時代にあえてモノクロ写真を撮っている人に対する反発心を持ちつつ、その一方でモノクロ写真が持つ説得力みたいなものも感じていた。 ここ一年くら...

    2010/11/03

    モノクロ(Monochrome)

  • 雨中の中川運河キャナルアート

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 31日の夕方、中川運河キャナルアートを見にいった。この日もまた、雨だった。どうやら私の晴れ男伝説は、終わりを告げたようだ。 とその前に、「変革のとき 桃山」という企画展を見るために、名古屋市博物館へ向かった。 名古屋市博物館は、瑞穂陸上競技場の近くにある。地下鉄桜山駅というのは、存在自体知らなかった。こんな機会がなければ降りることはなかっただろう。 昭和52年(1977年...

    2010/11/02

    イベント(Event)

  • 長者町の町並み <トリエンナーレ第六回・番外編>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 あいちトリエンナーレも、今日が最終日だった。午後から雨が降ってしまったから、長者町会場などは大変だったんじゃないだろうか。それでもきっと、最後まで各会場が賑わっていたことだろう。 始まる前はあんなに楽しめるとは思ってもみなかった。今は満足感を持って振り返ることができる。愛・地球博は大きな心残りを残したけど、トリエンナーレはしっかりと記憶に刻んで、思い残すことはない...

    2010/11/01

    イベント(Event)

  • ホーム
  • ‹ 前

納屋橋トリエンナーレと町歩き <第七回>

イベント(Event)
納屋橋-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 トリエンナーレで最初に行ったのが納屋橋会場で、10月7日のことだった。堀川歴史観光クルーズで名古屋城から名古屋港まで行く途中に立ち寄った。
 もうひと月くらい経ってしまったので、何があったのか、はっきり思い出すことができない。撮影禁止だったので、写真も残っていない。
 二階の窓が自動で開いて、本などが飛び出してくる仕掛けだとか、アマゾンとエジプトの川をカヌーで漕いでいる映像が淡々と流れているものとか、光と音の強烈な刺激体験とか、それなりに面白いものはあった。特に脳に直接響いてくる音と光の刺激は、未体験ゾーンで楽しめた。宇宙船に誘拐されたような気分を味わった。
 一番最初に納屋橋へ行ったのは、ある意味正解だった。芸術文化センターや長者町の面白さを知ったあとで訪れていたら、きっと拍子抜けしていただろうから。

納屋橋-2

 納屋橋会場で唯一撮影できたのは、ビルの外の壁に描かれたバッファローだけだった。これが撮れたからといって特別嬉しいわけではない。

納屋橋-3

 牛の絵よりもこちらの方がアートみたいで面白い。

納屋橋-4

 隣がとても味わいのあるビルだった。

納屋橋-5

 せめてこんなものでも撮ってみる。トイレに置いてある予備のトイレットぺーパー三兄弟。赤い壁が鮮烈な印象を残すトイレだった。

納屋橋-6

 納屋橋会場は30分程度で見終わってしまった。船の時間までまだあったので、あたりをぷらぷら撮り歩くことにした。
 新名古屋ミュージカル劇場というのがあった。劇団四季がオペラ座の怪人をやっているところのようだった。

納屋橋-7

 ヒルトン名古屋がこんなところにあるのは知らなかった。
 住所でいうとこのあたりは栄一丁目になる。栄というと三越とかテレビ塔があるあたりを思い浮かべるけど、あのあたりは町名でいうと東桜とか錦三丁目になる。

納屋橋-8

 ハロウィン仕様の自転車。かなりちゃんと改造してある。年中この姿のまま走っているのだろうか。

納屋橋-9

 裏通りに入ると、少し古い建物が残っている。

納屋橋-10

 御園座。1895年にできた名古屋の老舗劇場だ。
 このときは歌舞伎だったようだ。演歌歌手の舞台などがよく行われている。
 御園座名物、最中アイスクリームというのを一度食べてみたい。

納屋橋-11

 托鉢の僧侶が立っていた。ターゲットは芝居見物に来たおばさまたちだろうか。

納屋橋-12

 ちょっとした飲食店街が形成されている。栄一丁目も、古さと新しさが同居した街だ。

納屋橋-13

 堀川沿いの団地。
 少し堀川を歩いて下ってみることにする。

納屋橋-14

 現役で使われている会社のビル。汚しの入り具合が見事だ。

納屋橋-15

 納屋橋と船乗り場。
 堀川クルーズは、来年以降も続けて欲しい。

納屋橋-16

 水が流れる近くに人の暮らしはある。縄文の昔からそうだった。けど、あまり水に近すぎるとやっかいな問題も出てくる。窓から釣り糸を垂らせるといっても、堀川では魚は釣れそうにない。裏の窓から逃走を図ることも難しい。船を使った泥棒というのはあまり聞かないから、そういう点では安全かもしれない。

 トリエンナーレの閉幕から少し遅れて、私のトリエンナーレシリーズも終わった。どうしようか迷ったけど、行っておいてよかった。行く前はあんなに楽しめるとは思ってなかった。
 次にどこか国内でトリエンナーレが行われたときは、行けるものなら行きたい。こういうイベントものは、なるべく行っておいた方がいいということも、今回で再確認できた。

 本編に収まりきらなかった写真は追記(More)で。

モノクロ写真始めました ~街の風景編

モノクロ(Monochrome)
モノクロ-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 モノクロ写真を撮ってみようと思ったのは、つい最近のことだ。ほんの一週間くらいのことと言っていい。
 振り返ってみると、かなり以前からモノクロに対するモヤモヤ感みたいなものはあった。カラーフィルムのない時代ならともかく、このデジタル時代にあえてモノクロ写真を撮っている人に対する反発心を持ちつつ、その一方でモノクロ写真が持つ説得力みたいなものも感じていた。
 ここ一年くらいの間にまとめて水墨画をたくさん見たこともきっかけになったかもしれない。土門拳に感銘を受け、セバスチャン・サルガドに圧倒されたことの影響も大きかったに違いない。
 モノクロで撮るならモノクロであることの必然性がなければならない。カラーフィルムが高くて買えないからモノクロフィルムを自分で現像していた時代とは違う。
 カラー写真とモノクロ写真は別のものだ。デジタルデータの彩度をゼロにすれば簡単にモノクロ写真になるけど、それはモノクロ写真であってモノクロ写真ではない。最初からモノクロのつもりで撮らなければモノクロ写真にはならないのだと思う。
 モノクロ、モノクロ、……と口の中でつぶやくようにキョロキョロしながら被写体を探していると、カラーで撮っていたときに被写体になったものがならず、被写体にならなかったものが被写体になったりする。色が写らないということは決定的なことだ。モノクロには、光と影と形しか写らない。逆に言えば、そこがモノクロの良いところでもある。
 モノクロの良さを一言で言えば、画面が整理されることだ。写る世界が単純化される。余計な情報が目立たなくなり、主題が明確になる。そのあたりにモノクロ写真の本質がある。
 これまで見てきた多くの写真の中で印象に残っているものを思い浮かべたとき、モノクロ写真の割合が多いことに気づく。良いモノクロ写真は、良いカラー写真よりも印象に残りやすいのかもしれない。カラーの場合は色の印象が強く残るのに対して、モノクロは被写体が強く印象に刻まれている。
 そんなことを思いながら、ここ数日、モノクロ写真を撮り歩いてみた。まだまだ手探り状態ではあるけれど、少しだけ見えてきたものもある。カラー写真とはまた別の難しさがあることも知った。表現の幅を広げるためにも、しばらくモノクロ写真を模索していこうと思っている。
 この世界は光と影が生み出す総天然色でできているのだから、写真はカラーで撮りたいという基本姿勢が変わることはないだろうけど。

モノクロ-2

 鉄塔と電線はモノクロ向きの被写体だ。いつもは邪魔者でしかないけど、モノクロ写真なら主役になれる。

モノクロ-3

 白色と黒色のものは、当然のようにモノクロ写真に向いている。カラスはまさにそうだ。モノクロ写真ではカラスの出番が多くなりそうな予感がある。

モノクロ-4

 最近、落ちているタバコの吸い殻が以前よりも短くなったような気がする。
 タバコ値上げの影響は健康面にまで影響を及ぼすことになるかもしれない。

モノクロ-5

 あえてモノクロで撮る必要があるのか迷ったシーン。

モノクロ-6

 コンクリートのモノリスを連想させる建物。
 コンクリートの質感もモノクロに合っている。

モノクロ-8

 カラーならまず撮らなかった光景。モノクロだから撮りたいと思った場面だった。

モノクロ-7

 重機の上でカラスが現場監督のように見張っていた。

モノクロ-9

 鉄道写真とモノクロの組み合わせも、可能性を感じさせる。

モノクロ-10

 人物写真も、人がいる風景も、ありだ。

モノクロ-11

 手ブレ写真も、状況によっては絵になってしまうところがある。

モノクロ-12

 猫とモノクロも、相性はいい。

モノクロ-13

 カラーと比べると、光の強さが画面に表れづらいというのはある。

モノクロ-14

 木々や葉はシルエットになり、空はいつも曇天となる。
 カラーシックとも言うべき状態に陥るのは早そうだ。

モノクロ-15

 幹の節。こちらを睨んでいるようだった。

モノクロ-16

 竹林はずっと撮りたいと思っている被写体で、モノクロでもなんとかイメージ通りの写真を撮ってみたい。

モノクロ-17

 落ち葉を空にかざす。
 こういうのもモノクロでしかできない表現だ。

モノクロ-18

 夕暮れどき、また鉄塔を撮る。

モノクロ-19

 夜景をあえてモノクロでというのも面白い。もっと光が多いところでやってみたい。

モノクロ-20

 夜、走る車を流し撮りする。テールランプとヘッドライトが光の線を描く。

 やっとモノクロ写真を撮れるところまできた。ここはまだモノクロ写真の入り口。もっと奥まで入っていきたくなった。

雨中の中川運河キャナルアート

イベント(Event)
名古屋市博物館-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 31日の夕方、中川運河キャナルアートを見にいった。この日もまた、雨だった。どうやら私の晴れ男伝説は、終わりを告げたようだ。
 とその前に、「変革のとき 桃山」という企画展を見るために、名古屋市博物館へ向かった。

中川運河-2

 名古屋市博物館は、瑞穂陸上競技場の近くにある。地下鉄桜山駅というのは、存在自体知らなかった。こんな機会がなければ降りることはなかっただろう。
 昭和52年(1977年)にできた比較的新しい博物館で、ジャンルとしては歴史を主に扱っている。常設展示室では、縄文時代から近世にかけて、尾張にまつわる様々な出土品や歴史的な資料が年代順に展示されている。せっかくなのでこちらも見てきたけど、なかなか楽しめた。
 中村区にある秀吉清正記念館や、徳川美術館の隣にある蓬左文庫は、名古屋市博物館の分館となっている。

中川運河-3

 中は当然のことながら撮影禁止なので、写真はない。これはまあ、理解できる。
 とにかくかなりの来訪者で、見るのもやっとなので、写真なんて許可していたら収集がつかないというのもある。
 かなりのヒット企画だったようで、思っていた以上に人が多かった。実際、それだけの価値があった。かなり面白い。
 安土桃山時代に絞って、全国からこの時代の品々をたくさん集めてきた。国宝1点、重要文化財26点を含む173点が公開されている。
 洛中洛外図屏風や聚楽第行幸図屏風などの大きな屏風絵から掛け軸、絵画、工芸品、茶器など、時代の変遷で区切りながら飽きさせないものとなっている。
 個人的には書がよかった。昔の人の字を見るのが好きなので、400年以上前の人が書いた肉筆というのはなかなかに感慨深いものがある。
 戦国時代といっても、毎日戦に明け暮れていたわけではない。恋いもしたし、家族もいて、日々の暮らしもあり、楽しみや趣味もあった。彼らは勉強家でもあり、求道者でもあった。
 日本絵画も最近ちょこちょこ見ているけど、もう少し勉強もしてみようという気になった。墨絵もいい。
 11月7日までなので、興味がある方はぜひ行ってみてください。

中川運河-4

 名古屋市博物館を出たときには、すでにポツポツ雨が落ち始めた。なんとか夕方まで持って欲しかったけど、また雨だ。地下鉄上前津駅を出たときには、本降りになっていた。晴れ男どころか雨男になってしまったらしい。
 駅を出てしばらく歩くと川に出た。新堀川だ。完全に逆走していた。西に向かわなければいけないのに、東に向かって歩いていた。雨降りの中、デジをかばいながら傘を差して歩くのはきつい。結局このあと、1時間以上雨の中を歩くことになる。

中川運河-5

 途中で雰囲気のある公園があったので寄ってみる。
 下茶屋公園は、東本願寺別院の後庭だったところだそうだ。もともとは信長の親父さんである織田信秀が築城した古渡城があった場所だ。
 あとから気づいたのだけど、ここはメ~テレの裏だ。こんな日本庭園風の公園があるのは知らなかった。

中川運河-6

 公園の中心には池もある。古渡城の堀を利用して作ったものだという。
 だんだん暗くなり、雨も激しくなってきて、撮影もままらない。

中川運河-7

 雨が降っていることをなんとか写したいと思うのだけど、カメラというのは雨を写せないものだ。

中川運河-8

 とぼとぼ歩いて、ようやく松重閘門(まつしげこうもん)にたどり着いた。
 堀川クルーズのとき、屋形船から写真を撮った。今度は地上から撮ってみたかった。ライトアップされて、いい雰囲気だ。雨さえ降っていなければ、三脚を立ててもっとちゃんと撮ったのに。

中川運河-9

 松重閘門の横には、ホテル・ラブの建物が建っている。
 意表を突くストレートなネーミングだ。

中川運河-10

 中川運河は堀川よりも水位が低いので、門を開け閉めして水位を調整していた。上の写真は、中川運河側の門だ。
 船が通るときは、片方の門を閉めて水位を合わせてからもう一方の門を開けて船を通していた。パナマ運河と同じやり方だ。

中川運河-11

 強い光を当てれば雨は写る。やっと雨が撮れたと喜ぶ。
 雨はますます激しさを増し、どしゃ降りといっていいほどになった。いよいよ撮影は厳しくなった。風も吹いていたので余計にやっかいだった。

中川運河-12

 なんとか到着した。カメラは守ったものの、靴はぐちゃぐちゃだった。こんな雨降りに写真を撮りにいく自分は、以前とは変わったものだと思う。
 とにかく着いたからには撮らねばなるまいと、三脚をセットして、カメラとレンズを傘とタオルで守りながら撮影に入った。
 モノクロームの世界に突然カラフルな光が現れたような不思議な光景が広がっていた。
 晴れていたら、こんな色にはなっていないはずだ。背後には名古屋駅のビル群が建ち並んでいるのに、雲に覆われて見えない。こういう写真になったのを見ると、雨であることの必然も少しはあったかもしれない。

中川運河-13

 これはデジタル掛け軸と呼ばれるもので、作者は世界的に活動している長谷川章という人だそうだ。D-Kとも言われている。
 デジタル映像を建物や森などに投影するインスタレーションで、これも現代アートの流れの中にあるといってよさそうだ。
 相当数の画像をPCに入れて、ランダムな組み合わせで投影されるので、同じ模様は二度とないのだという。決まったパターンを繰り返し投影しているのではないところに面白さがある。
 全国各地でイベントが行われているようだから、見たことがあるという人もけっこういるんじゃないだろうか。大がかりなものとしては、東京都庁で行われたこともあった。2年前には名古屋城の宵まつりでもやったそうだ。

中川運河-14

 場所は、小栗橋近くの岡谷鋼機の倉庫だった。
 倉庫内ではコンサートなどのイベントも開催されていた。初日は台風の影響でイベントは中止になってしまったから、関係者にとっては残念だっただろう。二日目も大雨と、ちょっと天気には恵まれなかった。

中川運河-15

 確かに映し出される映像は次々に変化していくのだけど、単純は単純なので、すぐに飽きてしまうのが難点だ。雨降りで風もあり、寒い。長く見ているのはつらい条件だった。私も30分ほどで切り上げて帰ることにした。
 収穫は、中川運河そのものだった。この風景は絵になると感じた。真西を向いているから、ちょうど夕日を正面に見ることになる。途中にJRと新幹線と名鉄の橋梁がかかっていて、列車もひっきりなしに通る。今度は夕焼けの時間に自転車で行きたい。

 D-K映像はたくさん撮ったので、追記(More)に載せておくことにする。

長者町の町並み <トリエンナーレ第六回・番外編>

イベント(Event)
トリエンナーレ6-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 あいちトリエンナーレも、今日が最終日だった。午後から雨が降ってしまったから、長者町会場などは大変だったんじゃないだろうか。それでもきっと、最後まで各会場が賑わっていたことだろう。
 始まる前はあんなに楽しめるとは思ってもみなかった。今は満足感を持って振り返ることができる。愛・地球博は大きな心残りを残したけど、トリエンナーレはしっかりと記憶に刻んで、思い残すことはない。
 それでも、明日から長者町あたりを通ってもトリエンナーレがやっていないと思うと寂しい。どこに何が残ったのか、近いうちにまた行ってみることにしよう。
 見てきた作品に関してはほぼ紹介し終わってしまったのだけど、町並みなどの写真がまだ少し残った。今日は長者町番外編ということでお届けしたい。

トリエンナーレ6-2

 昔ながらの平屋や古いビル、新しくて大きなビルなどが混在しているのが長者町の町並みだ。
 栄と伏見という繁華街に挟まれながら、このエリアだけがぽっかりと取り残されるように古いまま変わらない。時流に乗り遅れたまま、まあいいやと半ばあきらめてしまったようなところがある。すぐ隣が錦三丁目という名古屋一の歓楽街で、夜に訪れるとそのギャップはあまりにも激しい。

トリエンナーレ6-3

 この居座り方はすごい。テコでも動かないとはこのことだ。三方を高いビルに囲まれながら、強い意志を感じさせる。
 土地の有効活用ということを考えたとき、一軒家というのがいかに贅沢なものかということが分かる。

トリエンナーレ6-4

 店舗よりもこうした問屋倉庫として繊維街長者町は生き残った。昔の活気はなくなったとはいえ、この町が今でも繊維街であることに変わりはない。

トリエンナーレ6-5

 このカットなどは、とても長者町らしい風景だと思う。

トリエンナーレ6-6

 トリエンナーレをきっかけに、長者町の知名度はかなり上がった。この町の魅力を再認識した人も多かったことだろう。
 佐久島がアートの島として成功したように、長者町も続く可能性はある。オリエンテーリング的な面白さを引き継いで、アート作品のスタンプラリーなどをやればいいと思う。

トリエンナーレ6-7

 少し残念に思ったのは、魅力的な古いビルや商店があまり残っていないことだ。もっとたくさんレトロな建物などがあると思っていた。長者町もここ10年くらいでかなり様変わりしたのだろう。

トリエンナーレ6-8

 長者町はあまり飲食店が多くない印象を受けた。普段はそれだけ人が集まらないということか。

トリエンナーレ6-9

 こういうのが私の中にあった長者町の町並みのイメージだった。

トリエンナーレ6-10

 駐車禁止の取り締まり員を久々に見たから撮ってみた。最近、以前ほどあまり見かけなくなった。中心部では変わらずに活躍しているのだろうか。
 車に乗らなくなると、車に関する一切のことが他人事になる。

トリエンナーレ6-11

 奈落の底に降りていくような暗い地下の店。足元危険という注意書きが3つもあるということは、店主も危険を自覚しているのだろう。夜に酔っておぼつかない足取りで降りていくお客を想像すると、ちょっと怖い。

トリエンナーレ6-12

 ビルの地下に降りていったら、まったく人陰がなくて驚いた。両側はどこも開いていない。休日ではなく平日だっただけに、少し不気味な感じがした。

トリエンナーレ6-13

 昼間からスーツ姿でパチンコを楽しんでいる人たちではない。パチンコメーカーのショールームで、この人たちは商談中と思われる。

トリエンナーレ6-14

 100円自販機なら驚かないけど、50円自販機にはびっくりした。一度通り過ぎて、二度見して引き返した。
 500mlサイズが100円で、コーラ、コーヒーなどは80円、お茶に至っては50円となっている。安っ。衝撃価格という看板に偽りなしだ。

トリエンナーレ6-15

 隣の錦の風景。銀座には遠く及ばないまでも、こんなふうに一つのビルに何十軒もの飲食店が入っている。

トリエンナーレ6-16

 錦に丸ポストがあるとは知らなかった。かなり意外な取り合わせだ。置物と思っている人が多いのかもしれない。わざわざこのポストは投函できますと書かれている。

トリエンナーレ6-17

 帰るときになって、いっとき晴れ間が戻った。ビルの映り込みを撮る。

 長者町は二回行くことになったけど、ゑびす祭りも見られたし、二回目はゆっくり回れたし、無駄足ではなかった。収穫の多い長者町会場だった。
 あとは一番最初に行った納屋橋会場編が残った。あそこも撮影禁止だったので、作品の写真はない。ただ、周辺を歩いて写真を撮ったので、次回はそのあたりを紹介することにしたい。もう少しトリエンナーレシリーズは続く。

 オマケとして追記(More)に帰り道の写真を載せておくことにする。
  • ホーム
  • ‹ 前