月別:2010年10月

記事一覧
  • 長者町と現代アートが出会った幸運 <トリエンナーレ第五回>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 今回のトリエンナーレでは、現代アートを勉強するというよりも、とにかく知識のないまま触れてみて、感じることを優先させようという気持ちで臨んだ。だから、事前の下調べはほとんどしなかったし、アーティストを覚えるために作者のプレートをじっくり読んだりということもしなかった。印象に残るものが残ればいいという考えだった。 この作品もかなりインパクトがあって好印象だったのだけど...

    2010/10/31

    イベント(Event)

  • 台風で前倒しのサタデー料理

    PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8 今週はサタデー料理になった。台風接近を警戒して、今日はおとなしく家で過ごすことにした。明日は出かけられそうなので、前倒しで今日料理をしてしまうことにする。というわけで、サタデー料理だ。 今週もありあわせの食材でまかなった。最近、このパターンが増えている。ゼロの状態からメニューを決めるよりも、手持ちの食材から作るものを考えた方がずっと楽だ。調理方法や味付けなど、何種類...

    2010/10/30

    料理(Cooking)

  • 長者町トリエンナーレ会場は面白くてインパクトあり <第四回>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 トリエンナーレ長者町会場再び。 ゑびす祭りも終わり、平日ということで、だいぶ静かになっていた。とはいえ、トリエンナーレに訪れている人は多く、普段の長者町と比べればまだまだ賑やかさが続いている。 始まる前、愛知県や関係者は30万人の来場があれば大成功と言っていた。無関係な一般人としては、現代アートの祭典にそんなにも人が訪れるものだろうかと半信半疑だった。しかし、蓋を開...

    2010/10/30

    イベント(Event)

  • 長者町ゑびす祭りでトリエンナーレどころじゃない <第三回>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 10月23日の土曜日、長者町ゑびす祭りへ行ってきた。 長者町はトリエンナーレの主要会場の一つで、祭りを見ながらトリエンナーレも見て回って、一挙両得で自分は冴えてるねと思ったら、想像を超える大盛況によって私の甘い考えは打ち砕かれることになった。 長者町はかつて日本三大繊維問屋街といわれるほど活況を呈した街だった。それが繊維産業の衰退ともに見る影もなくひなびて、今ではかつ...

    2010/10/29

    イベント(Event)

  • 写真を撮りたかった名古屋市美術館 <トリエンナーレ・第二回>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 トリエンナーレ紹介の第二回目は、名古屋市美術館編をお送りします。 といいたいところなのだけど、ここは館内すべてが撮影禁止なので、お見せする写真が一枚もない。一般によく知られた作家の作品でさえ言葉だけで説明するのは困難なのに、話す方も聞く方もまったく知らない作家の知らない作品を言葉だけで伝えるなど、ほとんど不可能に近い。それを言っちゃあおしまいよという、自分の目で確...

    2010/10/28

    イベント(Event)

  • 行かなくてもいいけど行ってもいいトリエンナーレ <第一回>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 8月21日から始まった、あいちトリエンナーレ2010も、残り1週間を切った。今月いっぱい、10月31日が最終日だ。早く行って紹介して、これから行く人のお役に立ちたいと思っていたのに、なんだかんだで行くのも紹介するのも遅くなった。もはや情報としては役に立たないかもしれない。事後報告のような形になってしまった。 それでもまだ今週末があるから、今日から駆け足で紹介して、迷っている人...

    2010/10/26

    イベント(Event)

  • 尾張旭秋の風景

    PENTAX K-7+PENTAX DA DA 55-300mm f4-5.8 / 16-45mm f4 少し前に尾張旭に行って写真を撮った。夕方、短い時間。このときはコスモスがよく咲いていた。今はどうだろう。季節は止まることなく進んでいくから、同じ景色はもうない。 瀬戸電沿線風景も、秋色風情。 線路脇に咲くコスモス。可憐なようでいてたくましい花。 引き込み線の跡のようなものを見つけた。よく通っているところなのに、これまで気づかなかった。小屋みた...

    2010/10/26

    日常写真(Everyday life)

  • マンデー料理は普通の夕飯

    PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8 近頃は日曜に作ることが稀になったサンデー料理だけど、なんとか週に一度のペースは守って続けている。今回はマンデー料理になった。 料理も冒険心と向上心を持ってチャレンジしなければ、作っているだけではなかなか上達しないものだ。新しい試みをして、失敗をして、そこから学んでいくという過程を経なければ経験が身につかない。固まってしまった自分のスタイルを意識的に崩していく必要もあ...

    2010/10/26

    料理(Cooking)

  • 雨の犬山城戦国武将物語

    PENTAX K-7+PENTAX DA DA 55-300mm f4-5.8 / 16-45mm f4 なんとか最後まで雨が降らずに持ってくれ、という願いは通じなかった。ポツリ、ポツリと落ち始めた雨は、やがて雨脚を強め、本降りになった。自称晴れ男の看板を納めるときが遂にやってきたか。雨はいっこうにやむ気配を見せない。 しかし、撮った写真を見て、雨は天の恵みだったことを知る。一枚目のこの写真を撮れただけでも行ったかいがあった。雨が降らなければこの...

    2010/10/25

    イベント(Event)

  • 秋の東山植物園に収穫あり

    PENTAX K-7+TAMRON SP 90mm f2.8 ようやく念願のアサギマダラに出会うことができた。4年越しか、5年越しの思いが届いた。時期さえ間違えなければそれほど珍しい蝶ではないのに、これまでなかなか縁がなかった。ファーストコンタクトは、やっぱり感動もしたし、興奮もした。ギフチョウに初めて会ったとき以来の気持ちだった。 今の時期なら、東山植物園に行くと出会える確率が高い。合掌造り手前の池の裏手の山にいる。フジバカマ...

    2010/10/23

    動物園(Zoo)

  • 八事興正寺の千燈供養会はなかなかのもの

     9月に八事興正寺の観月会へ行ったとき、貼られているポスターで千燈供養のことを知った。これは絶対見たいと思った。 名古屋最大の火祭りだそうだけど、あまり知名度は高くないように思う。私は今までまったく知らなかった。ということは、ローカルニュースでもほとんど取り上げられていないということだろう。 今年は初の3日間開催ということで、10月15日から17日まで行われた。私が行ったのは、名古屋まつり二日目の日曜で、...

    2010/10/23

    イベント(Event)

  • まだ知らない瀬戸がある

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 / DA 55-300mm f4-5.8 ちょっと前のことになるけど、岩屋堂へ行ったときの行き帰りに撮った写真が残っていた。こういう小ネタも、メインのネタに挟みつつ、いきたい。 これは瀬戸市の風景だ。尾張瀬戸駅周辺から248号線沿線あたりのものが多い。 軒を貸して母屋を取られる、という言葉を思い出す。 店先で育てていたつもりの草花に建物が乗っ取られようとしている。 なんとなくコミカルな印...

    2010/10/22

    街(Cityscape)

  • タダで入った名古屋城でイベントは眺めるだけ

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 / DA 55-300mm f4-5.8 名古屋まつりの日曜日は、博物館、美術館、科学館、動物園など、市内13ヶ所の観光施設が無料解放される。せっかくだから2つ3つ回って得した気分になろうと考えていた。それも名古屋まつりの楽しみ方の一つだ。けど実際は、名古屋城に行ったところで時間切れとなった。このあと、八事興正寺へ行く予定が入っていた。 名古屋城は、夏の宵まつりのときも行っているし、周辺は...

    2010/10/22

    名古屋(Nagoya)

  • 二日連続で通って満足納得の名古屋まつり <第三回>

     名古屋まつり二日目の日曜日も、雲はやや多いながら穏やかな秋の一日だった。二日連続で繰り出すことになるとは、よほど名古屋まつりが好きなやつだと思われそうだ。 初日でだいたいの様子は掴んだので、二日目は落ち着いて臨むことができた。最初の日は初めてということもあって、イベント会場からイベント会場へとうろうろしすぎた。二日目はパレードを撮ることだけを考えていたから、一ヶ所に陣取って動かなかった。どうやら...

    2010/10/21

    イベント(Event)

  • 清洲越からも400年~名古屋まつり<第二回>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 名古屋まつり初日の土曜日に、清洲越夢歩きというイベントが行われた。清洲越というのは、それまで尾張の首府だった清洲から名古屋への引っ越しのことで、家康が決めたことだった。新しく名古屋城を築城して、首府の機能も、商人も、住人も、寺社仏閣まで、根こそぎの大引っ越しだった。つまり、名古屋開府400年ということは、清洲越400年でもあるわけで、今回のイベントはそういうことだった。...

    2010/10/20

    イベント(Event)

  • 今週の週一料理はチューズデー料理

    PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8 先週末は土日ともに遅くまで出かけていたので、サンデー料理ができなかった。その分が今週にずれ込んで、チューズデー料理になった。最近は日曜に作れないことが多くなっているから、週一料理とかに名前を変えた方がいいかもしれない。 今回もまたあり合わせの食材で作ったやっつけ料理だった。ぱっと見た感じ、色味が地味だ。茶色くはないけど、全体に黄色い。彩りが足りないのは、緑の野菜がな...

    2010/10/19

    料理(Cooking)

  • 初めての名古屋まつりを堪能した週末 <第一回>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 / DA 55-300mm f4-5.8 先週の土日に、名古屋まつりが開催された。全国的にはあまり有名ではないと思うけど、名古屋では一番大きな規模の祭りだ。 昭和30年(1955年)に始まり、今年で56回目となった。これだけ続けば、もはや伝統的な祭りと言ってもいいかもしれない。 実は、名古屋生活が長い私なのに、名古屋まつりはこれまで一度も見にいったことがなかった。どこかへ行ったときの行き帰りに...

    2010/10/19

    イベント(Event)

  • 海あり山あり森ありの佐久島散策 <第四回>

    PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4 佐久島で細い道を行くときは気をつけなければならない。簡易マップにない道を進んだら、二度三度と、行き止まりになって引き返すことになった。島だからどこかにつながっているだろうと思ったら、一度は畑に出た。島民のための農道だったようだ。 上の写真の道もそうで、つながっていると思ったところにつながってなくて、かなり行ってから戻らざるを得なくなった。時間と体力を無駄遣いした。...

    2010/10/18

    観光地(Tourist spot)

  • 佐久島の路地風景あれやこれや <三回>

    PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4 やっと始めた佐久島シリーズだったけど、2回やって、またしばらく間が空いてしまった。他のネタを優先させているうちに季節はますます進んで、もはや半袖では過ごせないほど秋が深まりつつある。佐久島の写真を見返すと、全編にわたって夏色一色で、もはや遠い日の思い出のように感じる。なんとか10月中には完結させられるといいのだけど。 3回目の今回は、西集落の路地散策編ということでお送...

    2010/10/16

    観光地(Tourist spot)

  • 名古屋駅西をチラ見散策

    PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4 大門エリアを抜けて、駅西へ向かう。ここまで来ると、名古屋駅の高層ビルがすぐ近くに見える。手前の低い家並みの通りでは、子供たちがボールを蹴って遊んでいた。バックにビルが見えていなければ、昭和の風景とほとんど変わらない。 駅の表側は早い時期から開発が進んで、こういった下町のような風情はほとんど残っていない。駅裏は開発が進まなかった。地価もかなり違うと思われる。このあた...

    2010/10/15

    名古屋(Nagoya)

  • 大門うろうろ散策で心残りあり

    PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4 大門の紹介がまだ途中だった。話があちこち飛んでいて、何が終わっていないのか自分でもよく分からなくなっている。とりあえずは、名古屋駅西シリーズと佐久島シリーズが終われば、一段落するはずだ。このあと出かける予定のトリエンナーレと名古屋まつりの前に、できればこれらを終わらせておきたい。 そんなわけで、今日も二本立てでいってみる。二本目は大門散策の後編ということでお届けし...

    2010/10/15

    名古屋(Nagoya)

  • 日常写真---秋の風景

    PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4 他 本編に入れられなかった写真がだいぶたまってきていた。ここでまとめて出すことにする。 どこかへ行ったときの行き帰りや、日常の中で撮った写真たちだ。 雨上がりの遊歩道。 枯れ葉の上に落ちた涙が滲んだよう。 秋は哀しい季節だと思う。 春の喜び、夏の歓び、冬の悲しみ。 終わりの予感は、死の予感にも通じる。 秋の明るい面を見よう。 収穫の秋、実りの秋。 秋の空。 もうす...

    2010/10/14

    日常写真(Everyday life)

  • アイボクの秋

    PENTAX K-7+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8 / DA 16-45mm f4 / TAMRON 90mm f2.8 アイボクで撮ったのは、コスモスだけではなかった。今日は昨日の続編ということで、アイボクの秋風景をお届けします。 入り口から入ってすぐのところで、ハロウィンのカボチャと人形が出迎えてくれる。 ハロウィンは元々ケルト人のお祭りで、のちにキリスト教国に引き継がれる形で世界中に広まっていった。日本では今ひとつ浸透しない。昔に比べれば...

    2010/10/14

    施設/公園(Park)

  • アイボクでコスモスを実験的に撮る

    PENTAX K-7+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8 / DA 16-45mm f4 / TAMRON 90mm f2.8 コスモスを撮りに、アイボクこと愛知牧場へ行ってきた。知る限り、近場で一番広いコスモス畑があるのがここだ。 今年はコスモスも遅れていて、満開にはまだ早かった。7、8分咲きといったところだろうか。けど、写真を撮るなら少し早めの方がいい。満開になると終わりかけの花も増えて、そういうところを外すのが難しくなる。早い分には蕾だから邪魔に...

    2010/10/13

    花/植物(Flower/plant)

  • 夕景から夜景にかけての名古屋港風景 <後編>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 これは昨日の名古屋港の続きで、夕景から夜景にかけての写真だ。 イタリア村の姿を見て少し安心して、再び夕日を撮ろうと名古屋港水族館のあるエリアへとやって来た。 名古屋港は、1992年に名古屋港水族館ができるまで、完全な工場地帯、倉庫街で、まったく観光地ではなかった。 地理的にここは名古屋の行き止まりのようなところで、1971年に金山と名古屋港を結ぶ地下鉄は開通していたものの...

    2010/10/12

    名古屋(Nagoya)

  • 中村公園から大門界隈の散策 <前編>

    PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4 これは戸田からの帰り道、佐屋街道を通って中村区へ行ったときの話。中村の大鳥居の前へとやって来た。 高さ24メートルのこの大鳥居は、昭和4年(1929年)に建てられた。 明治から戦後にかけて、名古屋市やその周辺部は、何度も編入や統合、分裂、再編入などが行われた。 明治11年に郡区町村編制法が施行され、名古屋区が発足した。栄村の一部が名古屋区に取り込まれ、中野高畑村、中島村、...

    2010/10/11

    名古屋(Nagoya)

  • 夕焼け時の名古屋港 ~イタリア村は今 <前編>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 堀川クルーズで終点の名古屋港まで行ったのは、夕景から夜景にかけての名古屋港風景を撮るという目的があったからだった。 名古屋港は久しぶりになる。ここ2、3年は訪れていなかった。閉鎖したイタリア村がどうなったのかも、ずっと気になっていた。 まずは船の揺れから立ち直るために、しばし海を眺めて心を落ち着けることにする。あらためて海の様子を見ると、この波では揺れないはずがない...

    2010/10/11

    名古屋(Nagoya)

  • 野菜高騰サンデー

    PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8 なんだか、野菜がやけに高い。猛暑の影響らしいけど、軒並み1.5倍くらいする。別に100円のものが200円になったからといって買えないわけではないけど、なんだかすごく損したような気になるから買いたくない。150円のジュースが250円で売っていたらすごく高いと思うのと同じだ。この前まで100円だったものが突然200円といわれても納得がいかない。 よって、今日のサンデー料理はなるべく野菜を買...

    2010/10/11

    料理(Cooking)

  • 堀川クルーズは名古屋人のための楽屋落ち的面白さ <後編>

    PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8 今日は昨日の続きで、ナゴヤ堀川歴史観光クルーズの後編をお送りします。 松重閘門を過ぎたあたりまで行ったから、今日はそのあとからということになる。 山王橋のところで上を名古屋高速が横切っている。エリアとしては、山王や正木あたりということになるのだけど、このへんはまったく馴染みがない。もう少し行った東には金山があり、西にはナゴヤ球場がある。北は大須で、その中間の地域は通...

    2010/10/10

    名古屋(Nagoya)

  • ナゴヤ堀川歴史観光クルーズに行ってきた<前編>

    PENTAX K-7+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8 / TAMRON 28-75mm f2.8 10月1日から始まった、ナゴヤ堀川歴史観光クルーズに行ってきた。 名古屋城外堀の西南、堀川にかかる朝日橋と名古屋港を屋形船で結ぶというものだ。この航路は私も以前からやるべきだとずっと思っていたので、まさに渡りに船とばかりに喜んで乗りにいったのだった。 船着き場は、朝日橋、納屋橋、白鳥、宮の渡し、名古屋港の5ヶ所。毎日上り、下りとも10本ほど運行...

    2010/10/09

    名古屋(Nagoya)

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長者町と現代アートが出会った幸運 <トリエンナーレ第五回>

イベント(Event)
トリエンナーレ5-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 今回のトリエンナーレでは、現代アートを勉強するというよりも、とにかく知識のないまま触れてみて、感じることを優先させようという気持ちで臨んだ。だから、事前の下調べはほとんどしなかったし、アーティストを覚えるために作者のプレートをじっくり読んだりということもしなかった。印象に残るものが残ればいいという考えだった。
 この作品もかなりインパクトがあって好印象だったのだけど、作者は知らないままだ。公式サイトが分かりづらいから、帰ってきてから調べようと思っても調べようがなかったりする。
 現代アートは古典美術とは違ってお勉強ではないし、その場限りで消えてしまう作品もけっこう多い。何かしら感じるものがあって、面白いと思えばそれでいいのだと理解した。
 今回、いろいろな作品に触れる中で、いくつかの作者の名前も覚えた。それだけでも充分収穫があったと思う。
 訳の分からないものも多いけど、考えていたほど取っつきにくいものではなかった。単純に面白いものや惹かれるものもあったし、少しだけ現代アートに近づけた気がする。

トリエンナーレ5-2

 洒落た街中ではなく、古い繊維街の長者町を会場に選んだのは正解だった。空きビルが多かったとか、借り賃が安かったなどの現実的な理由もあっただろうけど、最先端のアートと古い町が合体することで、プラスアルファの魅力が生まれた。
 展示品に関しては愛知芸術文化センターのものがよかったけど、作品めぐりをしていて一番楽しかったのが長者町だった。

トリエンナーレ5-3

 天井も壁もガラスも、すべてが作品のためのキャンバスになる。畳の上まで直接描かれている。
 残せるものは残して、このまま長者町をアートの町にしてしまえれば面白い。

トリエンナーレ5-4

 3つのモニターにそれぞれ別の空が映されている。雲が流れている。ただそれだけ。
 今回、インスタレーションという言葉を初めて知った。作品を、展示する環境と一体化させて、そこを芸術空間にするといった意味らしい。
 この作品などは、もっと徹底すればいいのにと思った。壁一面と天井、床まで空を映せば、自分が空の中にいるような気分になれる。

トリエンナーレ5-5

 突っ込みや追求は不要。落書きした本のページをびりびりに破いて、壁に貼り付けている。
 こんなもの芸術じゃないと腹を立てるのは間違っているのだろう。

トリエンナーレ5-6

 大きな両手の写真を裁断して編み直してあるそうなのだけど、どう見ればそう見えるのか分からなかった。見えたとしても何が面白いんだと思ってしまう。

トリエンナーレ5-8

 オーロラカーテンの部屋。
 不思議な感じがする。

トリエンナーレ5-7

 ゑびす祭りのとき外に出ていたビニールのウサギが室内にいた。モデルは宮迫の奥さんかもしれない。
 黒い方はよく分からなかった。

トリエンナーレ5-9

 メルヴェ・ベルクマンというトルコの女性カメラマンの作品らしい。大きなプリント写真。
 特に何がどういう感じもしなかった。

トリエンナーレ5-10

 帽子屋さんがトリエンナーレ会場の一つとしてマップに載っている。
 どこにそんなものがあるのだろうと店内を伺う3人(私を含めて)。
 トリエンナーレ絡みの帽子が販売されているとか何とかだったようだ。

トリエンナーレ5-11

 純喫茶クラウン。
 純喫茶という響きも懐かしい。看板をガムテープで補修しているあたりが微笑ましい。
 作家の絵が壁に描かれているそうだけど、見るには当然お客にならなければならない。

トリエンナーレ5-12

 ATカフェもトリエンナーレ絡みのようだ。この界隈では珍しいおしゃれスポットなので、休憩するにはいい。

トリエンナーレ5-13

 モリリンビルに半格納中のトリエンナーレ山車。
 自転車を漕いだら前に進むのかと思ったら、からくりが動く仕掛けになっているだけだった。

トリエンナーレ5-14

 この程度では中学生が夏休みの自由工作で学校に持っていっても褒められることはないだろう。

トリエンナーレ5-15

 黄色が気になったので、もう一度撮ってみた。前回よりこちらの方がいい。

トリエンナーレ5-16

 昔の日本映画の宣伝看板のような絵。
 描いたのは日本人ではなくナウィン・ラワンチャイクンというタイ人というのが意外で面白いと思った。

 あいちトリエンナーレ2010も、いよいよ明日10月31日が最終日となった。
 私としては見逃したものが少しあって、やや心残りはあるものの、まずは充分見て楽しんだから満足した。
 ブログのトリエンナーレシリーズは、もう少し続く。

台風で前倒しのサタデー料理

料理(Cooking)
サタデー料理-1

PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8



 今週はサタデー料理になった。台風接近を警戒して、今日はおとなしく家で過ごすことにした。明日は出かけられそうなので、前倒しで今日料理をしてしまうことにする。というわけで、サタデー料理だ。
 今週もありあわせの食材でまかなった。最近、このパターンが増えている。ゼロの状態からメニューを決めるよりも、手持ちの食材から作るものを考えた方がずっと楽だ。調理方法や味付けなど、何種類かに限られる。自分の好きな味付けにしてしまえば、食材は何でもかまわないとも言える。
 世の中には美味しい料理がたくさんあるけれど、自分が食べるものを自分が作る場合、今日食べたいものを食べたい味付けで食べられるのだから、他のどんな料理人が作るよりも美味しく食べられるというのはある。意外性や驚きは期待できないけれど。

サタデー料理-2

 自己流のエビナスチリ。
 ごま油を熱し、ショウガ、豆板醤、酒、みりん、しょう油、オイスターソース、ケチャップ、中華の素、塩、コショウ、砂糖、唐辛子、ラー油を炒める。少し水も加える。
 エビは下処理をして、酒、塩、コショウを振ったあと、軽くゆでる。水気を拭いて、カタクリ粉をまぶす。
 ナスは輪切りにして水にさらしたあと、タッパーに入れてレンジで2分加熱する。
 ベースのたれでタマネギを炒め、エビとナスをあとから入れて、強火で炒める。後半で切ったトマトと刻んだ青ネギも加える。
 最後に水溶きカタクリ粉でとろみをつけ、全体に馴染ませたら完成だ。

サタデー料理-3

 豆腐のフライ。
 絹ごし豆腐をしっかり水切りする。
 小麦粉、溶き卵、パン粉とつけて揚げる。
 パン粉に、粉チーズ、塩、コショウ、コンソメの素を混ぜて味をつける。本当は青のりも使うつもりだったのに、忘れていた。
 ソースは、オリーブオイル、白ワイン、コンソメの素、しょう油、カレー粉、うこん、塩、コショウ、砂糖をひと煮立ちさせる。
 豆腐のフライもけっこういける。ハムとかスライスチーズを挟むのもよさそうだ。

サタデー料理-4

 洋風オムレツ。
 ジャガイモを細切りにして、少し水にさらし、レンジで2分加熱する。
 オリーブオイルでスライスしたタマネギとジャガイモを炒める。
 卵をといて、牛乳、コンソメの素、塩、コショウ、砂糖、マヨネーズ、とろけるチーズを混ぜ合わせる。
 溶き卵を流し入れ、蓋をする。半熟で止めて、半分に折って、皿に盛る。
 ジャガイモを使っているところから、スペイン風オムレツのトルティージャと呼んでもいいかもしれないけど、あそこまでしっかり焼いてしまうと好きじゃないので、半熟にとどめた。

 とまあ、今日もこんな感じで無難なサタデー料理となった。
 台風は思ったよりも遠くを通り、昼過ぎには雨もあがってしまった。こんなことなら出かけられたのにと思ったけど、明日がある。
 週一料理もぼちぼちやっていくことにしよう。

長者町トリエンナーレ会場は面白くてインパクトあり <第四回>

イベント(Event)
トリエンナーレ4-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 トリエンナーレ長者町会場再び。
 ゑびす祭りも終わり、平日ということで、だいぶ静かになっていた。とはいえ、トリエンナーレに訪れている人は多く、普段の長者町と比べればまだまだ賑やかさが続いている。
 始まる前、愛知県や関係者は30万人の来場があれば大成功と言っていた。無関係な一般人としては、現代アートの祭典にそんなにも人が訪れるものだろうかと半信半疑だった。しかし、蓋を開けてみれば50万人を突破して55万人に迫ろうとしているという。愛知県民や名古屋人というのは、熱しやすく冷めやすい人種で、新しいものには飛びつくけど長続きしない。トリエンナーレの2ヶ月ちょっとというのは、愛知県民向きの開催期間だった。それと、愛・地球博でこういう大きなイベントの楽しさを初めて知ったというのもある。
 そんなわけで、この日は時間の余裕もあって、ゆっくりじっくり長者町会場を堪能してきた。急がずだいたい全部回って2時間半くらいだった。今週末は行列ができて大変だろうから、もっと時間を要しそうだけど。
 上の写真は、トリエンナーレのPR隊だ。たまたま行き会わせて、カメラを向けたらポーズを取ってくれた。かわいい。一人くらい、森三中みたいな子がいたら面白かっただろう。

トリエンナーレ4-2

 ルシア・コッホというブラジル出身の女性アーティストの作品。
 ただのグラデーションといってしまえばそれまでなのだけど、不思議に人の感覚に訴えかけるものがある。
 中心の青を見つめていると、赤い大地と暗い宇宙を連想する。
 伏見地下街にも別のグラデーション作品がある。

トリエンナーレ4-3

 クレイアニメみたいな作品。
 畳敷きの部屋から台所まで、たくさんの粘土細工が並べられている。
 何を表現しようとしているのかはよく分からないけど、なんだこれはというインパクトはある。

トリエンナーレ4-4

 ここまで粘土細工でびっしりだと、通常の生活はできない。寝る場所もない。
 作るのも大変だっただろうけど、片付けるのも大変だ。

トリエンナーレ4-5

 一見、何もないただの空き部屋に見える。何の説明もない。ここには作品がないんだと、すぐに部屋を出て行ってしまう人が多かった。気づくと、うわっと思う。

トリエンナーレ4-6

 壁一面にロッテガムの銀の紙が貼り付けてある。
 すごくお馬鹿っぽいけど、普通はこんなことは思いつかない。
 銀閣寺はこれでいったらどうだろう。少し離れて見たら、いい感じの銀箔みたいに見えるんじゃないだろうか。

トリエンナーレ4-7

 学生や若い世代が多いのもトリエンナーレの特徴だそうだ。特に若い女の子が二人、三人連れで訪れているのをよく見かけた。単独の女性もわりと多い。
 高校生以下の700円は激安だ。これなら軽い気持ちでチケットを買って、友達とみんなで回ると楽しいに違いない。
 これ、なんでもヤスっちゃう人の作品だよと、一人の子が言うと、へぇー、そうなんだー、面白ーいと盛り上がって写真を撮っていた。
 ヤスっちゃう? なんだろうと一瞬分からず、少し考えて、なるほど、なんでもヤスリで削ってしまうということかと、納得した。

トリエンナーレ4-8

 なんでもヤスっちゃう人こと青田真也は、アーティストでなければ危ない人と思われてしまったかもしれない。
 本当に何でも削ってしまう人で、小物のみならず、作り付けの家具でもなんでも徹底的に削る。すると、なんだか不思議なことになる。

トリエンナーレ4-9

 馬だって五重塔だって、何だって削ってしまう。
 むき出しな感じになったそれらは、着色されていたときとはまったく別のもののようになってしまうのだった。

トリエンナーレ4-10

 壁から天井にかけて無数の蝶が貼り付けられている。最初、本物の蝶かと思ってギョッとした。よく見ると、裏が印刷になっている。すべて蝶図鑑から切り抜いたものだ。その数、1万5,000。尋常じゃない。
 作者の名は、渡辺英司。植物図鑑を切り抜いていたのもこの人だろう。
 来る日も来る日も図鑑から蝶や植物を切り抜く作業を思うと、それはもう、芸術家というより職人だ。切り抜き職人と呼んだ方がいい。

トリエンナーレ4-11

 Aをかたどった作品。狭い部屋の中に吊ってあると邪魔で仕方ない。
 でこぼこな感じの質感はちょっとよかった。

トリエンナーレ4-12
 
 蝶は壁から天井までびっしり埋まっている。
 世界中にはこんなにもたくさんの種類の蝶がいるのかと、そのことにもあらためて驚く。

トリエンナーレ4-13

 展示場になっている古い建物自体の魅力も見逃せない。

トリエンナーレ4-14

 サイコロの目がびっしり並べられた床。基盤の裏みたいだ。
 現代アートの一つの方向性なのか、流行なのか、この手の作品がけっこう多い。誰も思いつかないことや、やらないことを、これでもかと偏執狂的に徹底するという手法。

トリエンナーレ4-15

 小さな万国旗の星をくりぬいた作品。
 現代アーティストは暇人で手先が器用な人しかなれないのか。

トリエンナーレ4-16

 freshというタイトルの作品。
 廃墟系アートというジャンルもあるのかもしれない。

トリエンナーレ4-17

 ビルの屋上から見る風景。古い小さなビルが肩を寄せ合っている。

トリエンナーレ4-18

 もはやどこからどこまでが作品なのか、分からない。

 長者町会場はかなり面白い。
 明日もこの続きをお送りします。

長者町ゑびす祭りでトリエンナーレどころじゃない <第三回>

イベント(Event)
トリエンナーレ3-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 10月23日の土曜日、長者町ゑびす祭りへ行ってきた。
 長者町はトリエンナーレの主要会場の一つで、祭りを見ながらトリエンナーレも見て回って、一挙両得で自分は冴えてるねと思ったら、想像を超える大盛況によって私の甘い考えは打ち砕かれることになった。
 長者町はかつて日本三大繊維問屋街といわれるほど活況を呈した街だった。それが繊維産業の衰退ともに見る影もなくひなびて、今ではかつての栄光の名残を見つけるのも難しいほど活気を失っている。だから、お祭りといってもそれほどたいしたことはないだろうと甘く見ていた。しかし、この週末ばかりはかつての賑わいを一時的ながら取り戻し、まるで長者町が昔に戻ったかのようだった。
 お祭り目当ての人だけでなく、トリエンナーレに訪れた人も相まって、道を歩くのも大変で、トリエンナーレの会場は行列ができているしで、途方に暮れて立ち尽くしてしまった。はて、この状況をどうしたものかと。

トリエンナーレ3-2

 長者町ゑびす祭りは、街の活性化をはかるために地域の商店街関係者が立ち上がって、2001年に始まった。今年で10回目となり、だいぶ認知度も上がってきたようで、大勢の人が訪れていた。お目当ては安い服やファッション関係のものだったり、フリマだったり、イベントだったり、そんなところだ。
 長者町の一角を封鎖して、道の両側にたくさんの露店が並んでいた。食べ物屋は少なく、多くが洋服関係というのはちょっと新鮮な光景だった。
 トリエンナーレとしての長者町は、チケットが必要な展示場が3ヶ所ほどあって、そのほか無料のものや壁画などがたくさん点在している。どこも狭いビルの中で展示しているから人の流れが悪く、この日は30分待ち、40分待ちとなっていた。3ヶ所で並んだら2時間もかかってしまうということで、早々にあきらめた。長者町は出直すことにして、とりえず祭りを見物することに気持ちを切り替えた。

トリエンナーレ3-3

 ビルの間の有料駐車場が特設ステージになっていて、バンドの演奏やパフォーマンスショーなどが行われていた。いかにも地元ローカルの手作りな祭りといった風情だ。
 若い女の子がボーカルのバンド演奏を聴いているのは、ベンチに座ることを目的としているような高齢者の方々だった。TRICKの山田奈緒子のマジックショーを思い出した。

トリエンナーレ3-4

 見覚えのないゆるキャラたちが集合していた。私が知らないだけで有名なキャラなんだろうか。とりあえず、おもてなし武将隊はいなかった。

トリエンナーレ3-5

 紙芝居に集まった子供は三人。

トリエンナーレ3-6

 トリエンナーレ用の山車と、その前でパフォーマンスをする一団。
 山車には自転車が2台乗っていて、人がこぐと山車が進む仕組みになっているような気がする。

トリエンナーレ3-7

 空いているトリエンナーレの展示場にもちらっと入ってみた。
 作品とは関係ところで、自分の影が巨大になったのが面白くて撮ってみる。

トリエンナーレ3-8

 これもトリエンナーレの作品の一つ。
 トリエンナーレに訪れている人は、ほぼ例外なく手にマップを持ってキョロキョロしているのですぐにそれと分かる。
 とにかく場所が分かりづらい。オリエンテーリング感覚で場所を探し当てることを楽しむという発想もあるにはあるのだけど。

トリエンナーレ3-9

 長者町はもっとレトロな雰囲気が色濃く残っていると思っていたけど、それほどでもなかった。近年、再開発が進んで、新しい建物や店も増えているようだ。
 それでも古いビルなどがちょこちょこ残っていて、そういうところを撮るのは楽しい。普段なら入りづらいところも、トリエンナーレ期間中はわりと入っていきやすい。

トリエンナーレ3-10

 猫が壁に描かれた階段。トリエンナーレどうこうではなく、以前からあったのだと思う。
 ビルなのに階段は木製というレトロ感。

トリエンナーレ3-11

 古さと新しさが混在して、そこに現代アートが加味されると、渾然一体となった不思議な魅力が出てくる。古い建物そのものがアートのようでもあり、境界線が曖昧になる。
 この壁画も、トリエンナーレのアートなのかどうか、判断がつかなかった。

トリエンナーレ3-12

 このビルはアートではない。でも、現代アートよりも魅力的だ。

トリエンナーレ3-13

 冗談なのか、悪ふざけなのか、アートなのか、よく分からない。
 汚れた壁に鮮やかなレモンイエローで何かが描かれている。
 これがアートというのなら、スプレーで描かれた落書きもアートということになる。

トリエンナーレ3-14

 街角のあちこちに、ピンクの服を着たガイドさんが立っていて、訊ねればいろいろ教えてくれる。
 この日は長者町会場をあきらめて、愛知芸術文化センターへ回ることにした。そのときの様子は前々回で紹介した。
 結局、日を改めて平日に出直した。それでもけっこうな人が訪れていて、場所によっては少し並ぶことになった。トリエンナーレは終盤にかけて盛り上がりを見せている。

 追記(More)として伏見駅地下街を紹介したい。伏見地下街もトリエンナーレ会場の一つとなっているのだけど、それよりも何よりも、これ以上ないほどのレトロ感がすごかった。ある意味、長者町で一番の収穫だったかもしれない。

写真を撮りたかった名古屋市美術館 <トリエンナーレ・第二回>

イベント(Event)
トリエンナーレ2-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 トリエンナーレ紹介の第二回目は、名古屋市美術館編をお送りします。
 といいたいところなのだけど、ここは館内すべてが撮影禁止なので、お見せする写真が一枚もない。一般によく知られた作家の作品でさえ言葉だけで説明するのは困難なのに、話す方も聞く方もまったく知らない作家の知らない作品を言葉だけで伝えるなど、ほとんど不可能に近い。それを言っちゃあおしまいよという、自分の目で確かめてくださいとしか言いようがない。
 とりあえず、ここを見てくださいという逃げの手を打って、私の名古屋市美術館紹介に代えさせていただきます。
 個人的な感想としては、あまり印象に残るものがなかった。オー・インファンのお香が燃えている文字の作品とか、ホアン・スー・チエの光るエイリアンのギミックみたいなのとか、塩田千春の血管的なチューブとか、そのあたりはそれなりに楽しめた。
 ジェラティンの光る床みたいなのは面白かった。あれはよかった。
 トリエンナーレのチケットで美術館の常設展も見られる。名古屋市美術館の代名詞ともなっているモディリアーニの「おさげ髪の少女」は、やはり素晴らしい。顔の作りとしては左右対称ではないし、ゆがんでいたり、なで肩すぎたり、ちょっとおかしなことになっているのだけど、瞳がとても魅力的で力強くて、じっと見ていると目が合ったようで目が離せなくなる。しばらく絵の前から離れられなかった。
 館の前の通路に、赤い紐みたいなのがたくさん引っかけられている。なんだこりゃと思ったら、これも作品だったらしい。ただの紐ではなくハンモックなんだとか。名古屋市美術館を設計した黒川紀章はあの世でどう思っているだろう。
 これからトリエンナーレを短期間で回ろうとしている人に対するアドバイスとしては、まず愛知芸術文化センターへ行くべきで、次は長者町がいい。この2ヶ所は楽しめる。名古屋市美術館と納屋橋は余裕があればということでいいと思う。

トリエンナーレ2-2

 中ではまったく撮れないので、外から中を撮ってみる。大きな人形がトンカン、トンカン、何かを叩いているような動きをしているのだけど、この写真からは伝わらない。
 写真撮影可にしてもよさそうなものもあったのに、全面禁止は残念だった。個人的には写真を撮れないと楽しくない。
 トリエンナーレは、鑑賞型というより体験型と呼んだ方がいいようなアートイベントだ。映像作品も多い。それはそれでいいのだけど、ネット時代の今、キーワードは共有なのだから、今後はもっと時代に即した形に変化していくべきだと思う。個人撮影が禁止なら、公式に写真や動画を配信して現地に行けない人も楽しめるようにするとか、色々方法はある。
 3年後(トリエンナーレはイタリア語で3年に一度という意味)は、どんなふうに変わるのだろうか。

トリエンナーレ2-3

 被写体は館の中にではなく外にある。

トリエンナーレ2-4

 ラブ&ピース。
 公園の一角にある落書きコーナー。これもアートなのか。

トリエンナーレ2-5

 くちびる。

トリエンナーレ2-6

 少し離れた場所にある中央広小路ビルでも作品がある。このピップ&ポップ(ニコル・アンドリヤヴィチとタニヤ・シュルツ)の作品も楽しみにしていたものの一つだ。これはぜひ見て欲しい。
 少し場所が分かりづらいので、街中のあちこちに立っているトリエンナーレスタッフに訊ねた方が早い。長者町と栄と名古屋市美術館の中間くらいに位置している。

トリエンナーレ2-7

 砂糖菓子のように繊細で、見ていると幸せな気分になる色遣いだ。食べられそうでもある。
 素材はプラスチックや顔料粉などだそうだ。
 人気作品で鑑賞は人数制限があるから、かなり待たされたけど、待ってでも見る価値がある。

トリエンナーレ2-8

 影の穴が星の形になるライト。原理はよく分からない。
 期間限定で名城公園で行われたものの縮小版だ。
 近くにいた女の子に助手をしてもらって撮る。

トリエンナーレ2-9

 葉っぱのついた木の枝だとこんなふうになる。
 一発芸的なものだけど、面白いと思った。

トリエンナーレ2-10

 長者町エリアの一角にいる馬。乱暴に作ってあるようだけど、離れるとちゃんと馬に見える。

トリエンナーレ2-11

 水玉プリウスの黒が走っていた。全部で3台あって、当日予約をすると無料で乗れるそうだ(要チケット)。

トリエンナーレ2-12

 ベロタクシーはたくさん走っている。これもチケットを持っていると無料で会場から会場へ運んでくれる。
 一度くらい乗っておけばよかったかなと思った。

トリエンナーレ2-13

 オマケは、COP10の写真。
 オアシス21の特設ステージにいるのは、江戸家猫八師匠だ。得意の動物の鳴き真似を交えつつトークイベントを行っていた。聞き入っている人たちの年齢層が高かった。

 トリエンナーレ紹介は明日以降も続く。

行かなくてもいいけど行ってもいいトリエンナーレ <第一回>

イベント(Event)
トリエンナーレ1-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 8月21日から始まった、あいちトリエンナーレ2010も、残り1週間を切った。今月いっぱい、10月31日が最終日だ。早く行って紹介して、これから行く人のお役に立ちたいと思っていたのに、なんだかんだで行くのも紹介するのも遅くなった。もはや情報としては役に立たないかもしれない。事後報告のような形になってしまった。
 それでもまだ今週末があるから、今日から駆け足で紹介して、迷っている人の背中を押したいと思う。1,800円は、しっかり全部回るなら安いし、全部回れなくても今ならチケットも安売りしてるはずだ。
 会場があちこちに分かれているから、一日で全部回るのはちょっと厳しい。主な会場は、愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、納屋橋、長者町で、少なくとも2日はかかる。特に最後の週末は混雑するのは間違いない。場所によっては行列ができる。
 どこから回るのがいいかといえば、愛知芸術文化センターがいい。ここが一番見るものもあるし、写真を撮れるものもそれなりにあって楽しめる。まずはそこから紹介を始めることにしたい。
 玄関前には水玉プリウスがとまっている。黒い水玉プリウスは街を走っているのを見た。赤のこれは展示用だろうか。
 水玉といえば草間彌生らしいのだけど、現代美術全般の知識がない私としては、誰でしょうそれ、といった感じだ。高校生の頃、やたら水玉の服を着ていた私だけど、あれは何か気の迷いだったとしか思えない。

トリエンナーレ1-2

 入ってすぐ、緑色の巨大風船みたいなのが目を惹く。これが大きな蛇のように会場をうねっている。
 だいぶ予備知識を仕入れて行ったので、驚きはなかった。むしろ何も知らないまっさらの状態で行った方が楽しめる気もする。

トリエンナーレ1-3

 愛知芸術文化センターは撮影可のものがわりとあるのだけど、不可のものも多くて、少し残念だ。
 これは撮影できるので、みんな撮っていた。水玉の草間彌生のカボチャだ。

トリエンナーレ1-4

 撮影できるのが限られているので、他の人のページを見ても、同じものが紹介されている。この彫刻のシロクマもそうだ。
 同じ作家の別作品は撮影不可となっているのはどういう理由なのだろう。マレーバクとかかわいかったので、撮りたかった。

トリエンナーレ1-5

 穀物で戦闘機を作ったのかと思ったら、戦闘機に穀物を貼り付けたものだった。
 武器と食物とのアイロニカルといったようなことだろうか。
 バングラディッシュの作家らしい。

トリエンナーレ1-6

 近づいて見てみる。カラーリングがいい。

トリエンナーレ1-7

 緑の蛇。本当の作品名は知らない。
 予約制で中に入ることもできるそうだ。

トリエンナーレ1-8

 これも人気の草間彌生作品、水玉の花。

トリエンナーレ1-9

 素材は分からないけど、テカテカした質感がよかった。

トリエンナーレ1-10

 これは面白かった。図鑑から切り抜いた植物がたくさん並べられている。偏執狂的だけど、ここまでやれば作品と呼べる。
 10階渡り廊下の奥なので、見落としがちだ。

トリエンナーレ1-11

 近くから見るとこんな感じ。針金で立たせてある。
 コツコツやれば誰でもできる。けど、たぶん、この人以外はここまではやらない。

トリエンナーレ1-12

 アフリカ音楽の部屋だったか。
 ライティングが格好良かった。

トリエンナーレ1-13

 これも作品なのか。ネオンライトが明滅して、光によって廊下の色が変化する。

トリエンナーレ1-14

 なんだかよく分からないものが、これでもかと壁の両側に貼り付けてある。
 面白いけど、意味は不明。現代美術は意味は分からなくても面白ければいいというところがある。

トリエンナーレ1-15

 映像作品が多いのもトリエンナーレの特徴で、中にはなかなか面白いものもあるけど、たいていはよく分からない。
 これは映像の中の写真だったのか、そうではなかったのか、映像は横目でちらっと見ただけなので内容は把握していない。

トリエンナーレ1-16

 テレビ塔とオアシス21。正面には名古屋駅のタワー。

トリエンナーレ1-17

 トリエンナーレとは関係のない常駐のオブジェだと思う。大地とかいうタイトルだったような気がする。

トリエンナーレ1-18

 切り取られた空。

トリエンナーレ1-19

 愛知芸術文化センターの建物。

トリエンナーレ1-20

 オアシス21にて。

 写真は撮れなかったのだけど、この会場で一番楽しみにしていたのが、宮永愛子の「結-ゆい-」という作品だった。
 舟の中にナフタリンで作った透明の靴が置かれていて、時間の経過と共に揮発して消えていくというものだ。すでに3分の2くらいが消失していたのだけど、とても繊細で美しい作品だった。
 トリエンナーレ全体でも、あの作品を見られたのが一番の収穫だった。この作家には今後も注目していきたい。
 他の会場は写真を撮れるものが少なくて、あまり紹介するものがない。長者町は、町並みとあわせてあれこれ撮るものがあったので楽しかった。
 今週はトリエンナーレ週間ということにして、引き続きトリエンナーレ関係について紹介することにしたい。

尾張旭秋の風景

日常写真(Everyday life)
尾張旭秋-1

PENTAX K-7+PENTAX DA DA 55-300mm f4-5.8 / 16-45mm f4



 少し前に尾張旭に行って写真を撮った。夕方、短い時間。このときはコスモスがよく咲いていた。今はどうだろう。季節は止まることなく進んでいくから、同じ景色はもうない。

尾張旭秋-2

 瀬戸電沿線風景も、秋色風情。

尾張旭秋-3

 線路脇に咲くコスモス。可憐なようでいてたくましい花。

尾張旭秋-4

 引き込み線の跡のようなものを見つけた。よく通っているところなのに、これまで気づかなかった。小屋みたいなものもある。

尾張旭秋-5

 休耕田の一部がコスモス畑になっている。お手軽なコスモス撮影ポイントとして、毎年のように訪れている。

尾張旭秋-6

 コスモスとセーラー服って、似合う。あらためてそう思った。

尾張旭秋-7

 田んぼの真ん中に丸い池みたいなのが作られている。目的はよく分からない。カルガモたちのたまり場になっている。

尾張旭秋-8

 スカイワードあさひにも登ってみた。
 沈む夕日の下が少し見えて、そのあとは雲に隠れてしまった。

尾張旭秋-9

 少し実験的に仕上げた一枚。レイヤーでノイズと和紙テクスチャーを重ねている。立体感が弱まって、平面的な絵になる。
 レイヤーも、もっと勉強してしっかりマスターしなければいけないレタッチの一つだ。

尾張旭秋-10

 稲刈りが遅い尾張旭は、ようやく刈り入れのシーズンになった。

尾張旭秋-11

 矢田川の夕景。
 そろそろ日没時間が5時になってきた。日が暮れるのが早い。

マンデー料理は普通の夕飯

料理(Cooking)
マンデー料理-1

PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8



 近頃は日曜に作ることが稀になったサンデー料理だけど、なんとか週に一度のペースは守って続けている。今回はマンデー料理になった。
 料理も冒険心と向上心を持ってチャレンジしなければ、作っているだけではなかなか上達しないものだ。新しい試みをして、失敗をして、そこから学んでいくという過程を経なければ経験が身につかない。固まってしまった自分のスタイルを意識的に崩していく必要もあるだろう。ここしばらく、頭打ちの状態が続いている。
 今回もありあわせの食材で作ったやっつけ料理になった。彩りという点でも手抜きがあった。いまだ課題は克服できていない。たまには変わった食材を使ってみたいという思いもある。

マンデー料理-2

 鯛の白ワイン蒸し刻みエビ付け。
 鯛は、塩、コショウ、白ワインを振って、しばらく置いたあと、レンジで1分加熱する。刺身用なので加熱時間は短めでいい。
 レタスは、塩、コショウ、コンソメの素、白ワインを振って、タッパーに入れてレンジで1分。
 エビは下処理をして、刻んだ長ネギと炒める。オリーブオイル、白ワイン、塩、コショウ、砂糖、コンソメの素、唐辛子で味付けをする。
 組み合わせは少し違うけど、お馴染み感のある一品だ。はずれのない安心感はある。

マンデー料理-3

 素揚げナスの味噌ソースがけ。
 ナスは皮をむいて、水にさらしてあく抜きをする。
 水気をよく拭いて、素揚げにする。柔らかくなるまで、少し時間がかかる。
 長ネギの白い部分を細切りにして、沸騰した湯にくぐらせる。
 味噌ソースは、酒、みりん、白だし、塩、赤味噌、唐辛子、砂糖、白ごまをひと煮立ちさせる。
 ナスは天ぷらが一番美味しいと思うけど、素揚げも悪くない。焼くよりもこちらの方が美味しいと思う。

マンデー料理-4

 カボチャの天ぷら刻みニンジンとタマネギ乗せ。
 カボチャは食べやすい大きさに切る。
 小麦粉に少量の水と、たっぷりのマヨネーズを混ぜる。塩、コショウ、砂糖で味付けをして、カボチャをくぐらせる。
 やや低めの温度でじっくり揚げる。あまり温度が高いと焦げてしまう。
 刻んだタマネギとニンジンをオリーブオイルと白ワインで炒め、塩、コショウ、めんつゆで味付けをする。
 カボチャの天ぷらの美味しさを再認識した。衣に味がついているので、何もつけなくてもパクパク食べられる。これはオススメ。

 美味しい夕飯になったけど、冒険心がないから、作り手としての満足感は足りない。
 来週は雨模様のようで、出かけられなかったら、ゆっくり落ち着いてサンデー料理が作れそうではある。

雨の犬山城戦国武将物語

イベント(Event)
犬山武将物語-1

PENTAX K-7+PENTAX DA DA 55-300mm f4-5.8 / 16-45mm f4



 なんとか最後まで雨が降らずに持ってくれ、という願いは通じなかった。ポツリ、ポツリと落ち始めた雨は、やがて雨脚を強め、本降りになった。自称晴れ男の看板を納めるときが遂にやってきたか。雨はいっこうにやむ気配を見せない。
 しかし、撮った写真を見て、雨は天の恵みだったことを知る。一枚目のこの写真を撮れただけでも行ったかいがあった。雨が降らなければこの写真は撮れなかった。晴れだけがいい天気というわけではないことを、あらためて思い知った。
 行ってきたのは、犬山で行われた、犬山城戦国武将物語というイベントだ。
 少し前に初めて知ったのだけど、今年で6回目になるそうだ。前日の土曜日は、秋の犬山祭りが開催されていた。
 城下町を甲冑武者が歩いたり、広場で火縄銃の演武が行われたりするというものだ。名古屋城の宵まつりで撮った鉄砲隊がよかったので、もう一度撮りたいと思っていた。

犬山武将物語-2

 城下町はまずまずの賑わいを見せていた。
 天気予報は、夕方から小雨模様という微妙なものだった。晴れていたら、もっと大勢の人が訪れていたんじゃないだろうか。
 遠くの山の上に小さく見えているのが、国宝の犬山城だ。お城好きで知られるロンブーの淳が、観光特使をやっている。
 犬山城は今日は登らなかった。

犬山武将物語-3

 広場でのイベントに先駆けて、城下町を甲冑武者や踊り子さんたちが練り歩いた。

犬山武将物語-4

 行進が終わったところで、みんなが広場に集まり、参加グループや参加者の紹介が行われた。
 これは女性の武者グループだ。凛々しい。

犬山武将物語-5

 規模はだいぶ違うものの、名古屋まつりの犬山版と言っていい。
 犬山城城主の成瀬正成や、正室おやすの方などは、一般公募で選ばれた人が扮していた。
 甲冑師の偉い先生がいて、自分で作った甲冑を身につけて参加していた人も多いそうだ。
 やや緩いところはあるものの、全体的におちゃらけずに真面目にやっていたところに好感を持った。武将たちもそれぞれなりきっていた。

犬山武将物語-6

 ちびっこ武者たちもたくさんいた。

犬山武将物語-7

 こういうイベントに太鼓演奏はつきものだ。まずは太鼓を叩かないと始まらないようなところがある。

犬山武将物語-8

 ヤングアイドルみたいな女の子たちと「武将かぞえ歌」の歌詞の内容とのギャップがよかった。
 ご存じ岡崎の家康は、不遇な幼少期を乗り越えて、見事天下を取りました、みたいな歌詞を、元気いっぱい歌っていた。

犬山武将物語-9

 たいていのイベントで鳴子踊りが行われるようになったのは、やはり、どまつり以降のことだろう。各地にチームも増えて、日頃から練習しているから、こうやって披露する場所があることはいいことだ。急造のチームじゃないし、踊りもしっかりしている。

犬山武将物語-10

 出陣シーンの寸劇が始まった。書状を持った家臣がお殿様に届け、殿がそれに書いたら、いざ出陣となる。
 わりと本格的で、なるほど、当時もこういう場面は必ずあったことだろうと思われた。
 昔の人は、戦国武将でもすごく字が上手い。秀吉なんかも、貧しい農民の出とは思えないほどちゃんとしている。出自は言われているよりもよかったんじゃないだろうか。幼少時代にまったく読み書きも習わずに育って、戦に明け暮れていたとしたら、あんな字は書けないはずだ。どこかで猛勉強、猛練習したんだろうか。

犬山武将物語-11

 このあたりからだんだん雨が強くなっていった。
 最初は小雨で濡れたままカメラだけタオルを巻いてかばっていたのだけど、それでは持たなくなって傘を差しての撮影となった。

犬山武将物語-12

 雨の中、火縄銃演武が始まった。ぎりぎりといった感じで、もう少し強くなっていたら、たぶん中止になっていただろう。雨の日は火縄銃は使えないというのは、ゲーム「信長の野望」では常識だ。
 実際、火薬が塗れて、何発か不発になっていた。演武の内容も、一部変更があったようだ。

犬山武将物語-13

 ポジション取りがまずかったとも思ったけど、正面に回ると背景が建物になってしまって興が冷める。バックに林があるところということでここを選んだから、そういう意味では間違いではなかった。

犬山武将物語-14

 余韻の煙と火花。カッコイイ。
 やっぱり火縄銃演武はいいものだと再認識した。

犬山武将物語-15

 このあと、小牧・長久手の戦いの再現ドラマなどがあったのだけど、お目当ての火縄銃を撮ったので、広場から離れた。
 雨が強くなり、観客もこんな感じでまばらになった。天気がよければ、4重、5重に取り囲んでいたはずだ。

犬山武将物語-16

 自分はいくら濡れてもかまわないのだけど、鞄がかなり濡れて、デジやレンズが心配になったので、もう帰ることにした。晴れていたら、城下町を散策して、夕方、木曽川沿いで夕焼けを撮ろうと予定していたけど、雨ではどうしようもなかった。
 それでも、雨だからこそ撮れた写真があって、充分満足できた。むしろ雨でよかったと言える。なので、晴れ男は返上しないことにした。晴れるべきときは晴れる。これまで何度も雨の天気予報を覆して晴れさせてきたのだ。今回は雨の必然があったと思うことにする。

 本編に入らなかった写真があるので、追記に載せておく。

秋の東山植物園に収穫あり

動物園(Zoo)
東山植物園秋-1

PENTAX K-7+TAMRON SP 90mm f2.8



 ようやく念願のアサギマダラに出会うことができた。4年越しか、5年越しの思いが届いた。時期さえ間違えなければそれほど珍しい蝶ではないのに、これまでなかなか縁がなかった。ファーストコンタクトは、やっぱり感動もしたし、興奮もした。ギフチョウに初めて会ったとき以来の気持ちだった。
 今の時期なら、東山植物園に行くと出会える確率が高い。合掌造り手前の池の裏手の山にいる。フジバカマがエサなので、花を探した方が早い。案内板にも出ているから、行けば分かるはずだ。
 アサギマダラは、日本で唯一、長い旅をする蝶だ。春から夏にかけては標高1,000メートルから2,000メートルあたりの高地で繁殖をして、秋になると里に下りてきて、渡りの準備を始める。北から南へ。いったん、和歌山県に集合して、紀伊半島から四国に渡る。エサをたっぷり食べながら西へ向かい、ある者は室戸岬から南西諸島へ、ある者は足摺岬から九州へと旅立ってゆく。
 一日に数百キロ飛び、長旅のやつは遠く台湾まで2,000キロも旅をする。どうしてそんな長い距離を移動するのか、まだ分かっていない。
 寒い冬は南の洞窟で過ごし、春になって温かくなると、今度は北へ向かって旅立つ。その蝶は、南へ渡った蝶ではなく、新たに生まれた次の世代の蝶だ。誰に教えられることなく、北で生まれた者は南へ向かい、南で生まれた者は北を目指す。長い歳月、アサギマダラはそうやって命をつないできた。こんな頼りない体と翅のどこにそんな力が秘められているのだろう。
 街中ではまず目にすることはないこの蝶だけど、拠点にはどっさりいるから、地方によってはありふれた蝶ということになるかもしれない。多くの人は、一生目にしないままだろう。でも、そういう蝶がいることを知っておいて欲しいと思う。もし、出会うことができたら、それは長い旅の途中だから、優しく見守ってあげたい。頑張れなんてはげましはいらない。むしろおまえがもっと頑張れと励まされるようだ。

東山植物園秋-2

 このとき見かけたのは2匹(頭)で、1匹はすぐにどこかへ飛んでいってしまった。残った1匹が撮影に協力してくれた。蜜を吸うのに夢中だったこともあるだろうけど、それにしても人を恐れない蝶だ。特に横から接近すると、マクロレンズの最短距離近くまで超接近することができる。この写真はトリミングしていない。
 正面から近づくと、ある程度のところで飛んでしまう。横の視野が狭いのかもしれない。

東山植物園秋-3

 飛翔姿もなんとか撮りたいと粘ったのだけど、このときは曇り空でシャッタースピードが稼げず、苦戦した。望遠ではなく、どうにかマクロレンズで撮ろうと意地を張ったら、これが精一杯だった。
 飛翔姿の撮影は来年の課題として残しておくことにする。

東山植物園秋-4

 長く相手をしてくれてありがたかった。無事に南の島までたどり着けるといい。

東山植物園秋-5

 初めてということでは、ワレモコウもやっと撮ることができた。これも不思議と縁がなかった花で、10年くらい前から撮りたいと思いながら撮れずにいた。
 なかなかかわいいやつだ。

東山植物園秋-10

 初めてつながりで、チョコレートコスモスも出会いたいと思っていた花だった。あるとなると、あっけなくあるものだ。
 普通のコスモスとは葉っぱが全然違って、やや情緒に欠けるのが残念なところだ。でも、この深い色はやっぱりよかった。

東山植物園秋-6

 秋になって湿地もだいぶ寂しくなった。今咲いているのは、このサワギキョウと、そのほか2、3種類くらいのものだ。
 シラタマホシクサはまだ少し残っていた。
 湿地もこれで来年の春先までお休みとなる。

東山植物園秋-7

 3月にタンポポを見ると、春が来たと思うけど、なんだかんだで一年中咲いているような気もする。1月、2月は完全に消えるのだろうか。

東山植物園秋-8

 そろそろ秋バラの見頃だ。東山植物園は種類が少ないし、好きなバラがない。王子バラ園に行けるかどうか。

東山植物園秋-9

 バラの中のアブ。ピンクの部屋はあまり似合わない。

東山植物園秋-11

 モミジはまだ青々として、紅葉の気配はない。猛暑の影響で今年は少しずれ込むのか。

東山植物園秋-12

 少し色づきかけた葉っぱ。着実に秋は深まっている。

東山植物園秋-13

 トチの実。食べられたりするんだろうか。

東山植物園秋-14

 水辺のかわいい葉。菌の妖精みたいだ。

 アサギマダラに出会えたことが嬉しかったので、大満足だった。ワレモコウやチョコレートコスモスも撮れたし、収穫の多い東山植物園の秋だった。
 年間パスポートが来月の初めで切れるから、その前にもう一度行こうと思っている。次が10回目で、何か記念品がもらえるらしい。

八事興正寺の千燈供養会はなかなかのもの

イベント(Event)
千燈供養会炎




 9月に八事興正寺の観月会へ行ったとき、貼られているポスターで千燈供養のことを知った。これは絶対見たいと思った。
 名古屋最大の火祭りだそうだけど、あまり知名度は高くないように思う。私は今までまったく知らなかった。ということは、ローカルニュースでもほとんど取り上げられていないということだろう。
 今年は初の3日間開催ということで、10月15日から17日まで行われた。私が行ったのは、名古屋まつり二日目の日曜で、最終日だった。名古屋まつりと重ならなければ初日に行っていち早く紹介したのだけど、また来年のための情報ということで紹介することにしたい。



行列行進

 実際に行燈の数が千あるのかどうかは分からない。かなりの数の行燈が並べられ、暗くなると火がともされる。
 千燈供養会(せんとうくようえ)の名前の通り、先祖の供養のための行事には違いない。
 起源や由来を知らないまま行ったのだけど、帰ってきてから明治の濃尾地震(1891年10月28日)で亡くなった人たちを弔うために始まったものだということを知った。毎年10月の第三土曜日と決まっているとのことだ。
 僧侶たちの列が、本堂前を出発して、奥の大日堂へ向かった。どういう行事で、どんなふうに進行するのか把握できていないまま、とりあえず様子を見ながらあとからついていくことにした。



石段と本堂

 僧侶のあとを一般の人たちが続き、それから小さな子供を連れた家族が歩いていく。稚児行列というもののようだ。
 奥に見えているのが本堂なのだけど、この日、本堂は完全な脇役で、行列が去ったあとは、もぬけの殻だった。



奥の院へ続く参道

 そういえば興正寺の奥は今まで一度も入ったことがなかった。



興正寺五重塔

 いつもは主役の五重塔も、この日ばかりは影が薄かった。写真を撮っている人もほとんどいない。



大日堂前の護摩壇

 大日堂の前には大きな護摩壇が作られていて、周りには結界が張られている。
 稚児行列の親子が順番に入り、祈祷を受けていた。



和太鼓演奏

 やや唐突な感じで、パッとライトがともり、おもむろに和太鼓の演奏が始まった。急激な展開にやや戸惑う。
 それまでの厳かな雰囲気から一転して、ショーの始まりを告げる景気づけの太鼓演奏のようだった。これも供養のための演奏なのだろうけど。
 あまりにも至近距離だったので、大きな音が腹に響いてちょっと怖かった。



千燈の列

 暗くなって火がともされた。幻想的な光景だ。



夜空に浮かぶ月

 この日は夜になって風が強くなり、雲が晴れて月が出た。



護摩壇の大火

 護摩壇に火が入ると、瞬く間に燃え上がり、煙が風に流されて、大火事のようになった。風下にいたら大変なことになっていた。火の粉もどんどん降ってくる。



炎と僧侶のシルエット

 名古屋最大の火祭りといわれるゆえんはここにあったのかと納得した。
 大きな炎はまるで生き物のようにうごめき、こちらに襲いかかろうとしているかのようで、本能的な恐怖を感じる。それと同時に、見入ってしまうような魅力もある。
 火と水は対極にありながら、似ているところがある。どちらも意志を持っているように見えることがある。



薪能

 薪能(たきぎのう)もおこなわれた。撮影禁止ということで遠巻きに眺める。



五重塔ライトアップ

 初めての千燈供養会は、なかなかに感じ入るものがあった。普段は体験することがない雰囲気も味わえたし、写真も撮ることができた。供養という趣旨からは外れたかもしれないけど、こうして紹介できたことは何らかの供養につながるのではないかと思う。
 

まだ知らない瀬戸がある

街(Cityscape)
瀬戸風景-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 / DA 55-300mm f4-5.8



 ちょっと前のことになるけど、岩屋堂へ行ったときの行き帰りに撮った写真が残っていた。こういう小ネタも、メインのネタに挟みつつ、いきたい。
 これは瀬戸市の風景だ。尾張瀬戸駅周辺から248号線沿線あたりのものが多い。

瀬戸風景-2

 軒を貸して母屋を取られる、という言葉を思い出す。
 店先で育てていたつもりの草花に建物が乗っ取られようとしている。

瀬戸風景-3

 なんとなくコミカルな印象を受けた。設計はこれでよかったのだろうか。窓の大きさや位置がユニークだ。
 玄関上のモダンなランプが目を惹いた。

瀬戸風景-4

 248号線は、ものすごい上り坂なので、赤津方面から行ってみたら少しは楽なんじゃないかと行ってみたら、こちらも負けず劣らず長い上りで、ヨレヨレになった。岩屋堂はどこから行っても上りがきつい。その代わり、帰りは下り坂ばかりでものすごく楽だ。
 上の写真は赤津地区にあった建物だ。散策マップみたいなものもあったから、古い家屋が点在しているようだ。機会があれば回ってみたい。

瀬戸風景-5

 瀬戸は丸ポストがけっこう残っている。
 自分が利用者の立場なら、厚いものが入らなくて不便に感じるだろうけど、風景としてはとてもいい。

瀬戸風景-6

 瀬戸陶磁器会館の建物はレトロだ。いつも通らない裏手の道にあって、初めて場所を知った。

瀬戸風景-7

 岩屋堂公園の中にある建物。
 昔は住居兼店舗だったんじゃないかと思う。

瀬戸風景-8

 瀬戸川沿いに古い建物がつらなっている一角がある。車で前を通るたびに気になっていた。自転車なら止まりたいところで止まれる。
 近くで見ると、これがまたなかなかに雰囲気がある。

瀬戸風景-9

 すべて空き家だろうと決めつけていたら、一軒、中から人の気配がして驚いた。まだ住んでいる人がいるから取り壊されずに残っているのか。それとも、人の気配は気のせいだったか。

瀬戸風景-10

 和洋菓子店の名残。

瀬戸風景-11

 いい路地を見つけた。この通りは知らなかった。

瀬戸風景-12

 こんなところでも咲いてしまうのがヒガンバナだ。決して育ちのいい花ではない。言い方を変えれば、たくましい。

瀬戸風景-13

 ここは昭和の延長戦をやっている。世の中のすべてがめまぐるしく変化しているわけではない。

瀬戸風景-14

 教会はこの通り沿いにあったのか。初めて知った。

瀬戸風景-15

 夕焼け。そして、夕暮れ。
 多宝塔っぽいのは、宝泉寺だろうか。

瀬戸風景-16

 おなじみのパルティせと。

 よく行っているつもりでも、通っている道は限られている。まだまだ私の知らない瀬戸がありそうだ。瀬戸は奥が深いと思い知った散策となった。今後も撮っていきたい町だ。

タダで入った名古屋城でイベントは眺めるだけ

名古屋(Nagoya)
名古屋城-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 / DA 55-300mm f4-5.8



 名古屋まつりの日曜日は、博物館、美術館、科学館、動物園など、市内13ヶ所の観光施設が無料解放される。せっかくだから2つ3つ回って得した気分になろうと考えていた。それも名古屋まつりの楽しみ方の一つだ。けど実際は、名古屋城に行ったところで時間切れとなった。このあと、八事興正寺へ行く予定が入っていた。
 名古屋城は、夏の宵まつりのときも行っているし、周辺はちょくちょく巡っているので、久しぶりという感じはない。
 この日の目当ては二つ。一つは期間限定のお堀めぐりで、もう一つは本丸御殿の屏風の特別公開だった。
 しかし、考えることは誰も同じで、そういう場合の私の考えは往々にして甘い。気合いの違いにあっけなくはじき飛ばされてしまうのであった。
 何はともあれ、入城するのはタダなので、入らなければもったいない。

名古屋城-2

 門から入ってすぐのところに、山車が展示されていた。やけに人だかりができている、近づいてみたら、カラクリ人形が動いているのを見ている人たちだった。
 この日は名古屋市内外からたくさんの山車が集められていた。まだけっこう残っているものだ。

名古屋城-3

 予想はしていたけど、思った以上に長い列を見て、並ぶ気力をなくした。短い期間限定が前日に始まったばかりで、それに加えてこの日は無料開放日、人が来ないはずがない。
 流れながら見るのではなく、人数制限をして、ヘルメットをかぶっての見学ということで、なかなか進まない。表からちらっと見えただけでもよしとした。
 本丸御殿の完成は平成29年の予定となっている。気の長い話だ。その前に玄関だけは先行公開するようだから、それは見にいきたい。

名古屋城-4

 工事現場のフェンスにプリントされた屏風絵。これだけで見た気分になっておいた。

名古屋城-5

 天守閣はこの前登ったばかりだったので、このときは行かなかった。
 秋空に金シャチが映えていた。

名古屋城-6

 石垣というのは、芸術的に美しいものだと、あらためて思う。

名古屋城-7

 お城の秋といえば、菊人形がつきものだ。
 どうして菊で人形を飾るのか、その意味はよく分からないのだけど。

名古屋城-9

 やっているのは聞いて知っていたけど、実際に見るとちょっと驚く、クレーンによる空中散歩。
 16、17日と、23、24日限定のイベントで、クレーンで地上20メートルまで上がってあたりを見渡すことができるというものだ(200円)。
 楽しそうだけど、やっぱり並ばないと体験できない。

名古屋城-8

 当然、おもてなし武将隊はいる。普段から名古屋城で観光案内などをしているはずだけど、週末は特に忙しそうだ。
 追っかけっぽい女の子たちの姿も見られた。最初はちょっと侮っていたおもてなし武将隊だけど、ここまで盛り上がれば成功だ。各地でもこれに習っていろいろな武将隊が誕生しているという。ゆるキャラブームに続けるか。

名古屋城-10

 ミニチュアの合掌造りと水車小屋みたいなのが作られていた。普段はこんなところにこんなものはない。
 右手前が西南隅櫓で、宵まつりのときの特別公開で中に入った。この日は西北隅櫓が特別公開されていた。

名古屋城-11

 お堀めぐりは、人数が限られていて競争率が高く、並んでも乗れそうになかった。
 けど、乗るより撮る方がしたいわけだから、こうして撮れて満足だ。普段は見られない光景で、新鮮だった。
 これと堀川クルーズは、ぜひレギュラー化して欲しいと思う。

名古屋城-12

 名城公園の猫たちにも挨拶していくことにした。

名古屋城-13

 秋の日、まったりとくつろぐ猫たち。

 私の名古屋まつりはこうして終わったのだけど、まだ続きがあった。このあと、八事興正寺へ向かうことになる。そのときの話はまた次回としたい。

二日連続で通って満足納得の名古屋まつり <第三回>

イベント(Event)
名古屋まつり3-1




 名古屋まつり二日目の日曜日も、雲はやや多いながら穏やかな秋の一日だった。二日連続で繰り出すことになるとは、よほど名古屋まつりが好きなやつだと思われそうだ。
 初日でだいたいの様子は掴んだので、二日目は落ち着いて臨むことができた。最初の日は初めてということもあって、イベント会場からイベント会場へとうろうろしすぎた。二日目はパレードを撮ることだけを考えていたから、一ヶ所に陣取って動かなかった。どうやらこれが名古屋まつりを楽しむ基本姿勢のようだ。二日目はあまりイベントがなかったこともある。
 パレードものを撮るときは、背景と光の方向が重要な要素となる。できることならベストポジションを取りたかったところではあったのだけど、やや出遅れて沿道はすでにほとんど埋められていた。特に市役所前と栄はびっしり人がいたのであきらめて、その中間地点で適当な場所を見つけた。背後に緑があって、建物があまりうるさくないところという理由で、ここを選んだ。大津橋の少し南あたりだ。愛知県庁大津橋分室というレトロなビルが建っているところでもある。
 光は順光気味の斜光で、進行方向から入っていたので、まずまずの条件だった。本当は逆光が好きなのだけど。



名古屋まつり3-2

 バトントワリングの皆さん。
 良く言えば多種多様、悪く言えば寄せ集め的なパレードで、英傑行列とはまるで無関係のパレードメンバーが続々と続く。全国大会で男女アベック優勝した平針中学ハンドボール部も便乗パレードしていた。優勝おめでとう、などと声援が飛んで、照れくさそうにしていた。自分がその立場だったら、当日はハライタで休んだと思う。



名古屋まつり3-3

 はち丸くんも乗ったパレードカー。司会は地元のタレントさんかもしれないけど、見覚えはない。
 謹慎明けの矢野きよ実もどこかのパレードカーに乗っていたはずだ。先頭の方だったのか、私が着いたときには通り過ぎてしまっていたのだろう。



名古屋まつり3-4

 フラワーカーから手を振るちびっこたち。COP10関係だっただろうか。パレードカーは他にも何台か出ていた。
 ずっと昔は、花電車が名古屋まつりの呼び物だった。私が子供だった頃は、花バスというのが市内を走っていた。現代はフラワーカーと名を変えた。



名古屋まつり3-5

 楽隊の演奏などもある。
 何にしても騒々しい。お祭り騒ぎとはこのことだ。



名古屋まつり3-6

 中日フォトメイツ。
 中日写真協会というところが開催しているミスコンで、選ばれると一年間、こういうイベントに参加したり、撮影会でモデルを務めたりする(たぶんそうだと思う)。



名古屋まつり3-7

 どまつりの流れでチームが参加してよさこいを踊っていた。
 沿道の観客はどまつりの方が多かったような印象を受けた。名古屋まつりも100万人を超えているんだとか。



名古屋まつり3-8

 名古屋人にはお馴染みのナナちゃん人形も参加させられている。足は邪魔なので上半身だけのジオング状態だ。この週末は、名駅のナナちゃんは下半身だけ立っているのだろうか。
 桜台高校の学生がデザインした服を着せてもらっている。これも毎年の恒例だ。



名古屋まつり3-10

 あ、ムッシュかまやつ!? と思ったら、違った。宣教師に扮した人だった。
 後ろ姿はメーテルの偽物みたいだった。



名古屋まつり3-9

 女子高生らしい女の子たちが浴衣姿で歩いていたけど、何の説明もないのでどういう集団か分からなかった。
 背の高い外国人の女の子がひときわ目立っていた。



名古屋まつり3-11

 琉球エイサー踊りのメンバーの先頭を歩いていた女の人。沖縄っぽいなと思う。



名古屋まつり3-12

 三英傑の主役は信長だ。名古屋城を築城した家康ではなく、やはり人気優先ということだろうか。
 信長だけが馬に乗って練り歩くから、信長役は馬に乗れることが応募の条件になっている。



名古屋まつり3-14

 のぼりに第三十五普通連隊とある。武将役などで守山駐屯地の自衛隊員が400人も協力しているんだそうだ。どこからこんなにも武者役の人を集めてきたのかと思ったら、そんなことだったのか。



名古屋まつり3-15

 わらじ係の人がいて、切れたりしたわらじを交換している姿があった。そういえば、意外とこういう細かい部分には気を配っている。メガネは仕方がないにしても、武将姿にスニーカーでは興が冷める。



名古屋まつり3-16

 ときどきアドリブのパフォーマンスが入ったり、ちょっとしたファンサービスなどが行われたりもする。全体的にパレードは緩い感じがある。

 二日間にわたって、けっこう名古屋まつりを見切った感がある。いくつか見られなかったイベントはあったものの、だいたいの全体像は見えた。思った以上に楽しめてよかった。一回見たら二度と見たくないといったようなものではなく、また行きたいという気持ちになった。二日目も行ったのは正解だった。初日だけなら物足りない思いが残っていた。
 写真がまだだいぶ残っている。2回に分けようと思ったけど、他のネタが溜まっているので、一回に圧縮することにする。残りは追記(More)で。

清洲越からも400年~名古屋まつり<第二回>

イベント(Event)
清洲越-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 名古屋まつり初日の土曜日に、清洲越夢歩きというイベントが行われた。清洲越というのは、それまで尾張の首府だった清洲から名古屋への引っ越しのことで、家康が決めたことだった。新しく名古屋城を築城して、首府の機能も、商人も、住人も、寺社仏閣まで、根こそぎの大引っ越しだった。つまり、名古屋開府400年ということは、清洲越400年でもあるわけで、今回のイベントはそういうことだった。毎年行われているわけではない。
 枇杷島あたりから2時間以上かけて、山車などを曳いた一団が名古屋城に向けて歩くというもので、着いた頃にはすっかり日が暮れて暗くなっていた。途中で追いついてそこから私も一緒に歩こうと思っていたのだけど、久屋広場で郷土芸能などを見ていたら遅くなってしまって、門前でなんとか間に合った格好だった。
 何台もの山車が続き、前後には提灯を持った人たちがぞろぞろ歩いていた。ギャラリーも思った以上に多く、名古屋城前はかなり盛り上がっていた。

清洲越-2

 門の前はこんな感じで、群衆がうごめいていた。やがて門が開くと、一斉に人々がなだれ込んでいった。清洲越の関係者だけだったのか、一般の人も入ってよかったのか、判断がつかないまま、門前でやってくる人たちを待ち構えて写真を撮ることにする。

清洲越-3

 何しろ暗くて、どういう状況になっているのか、はっきりは分からない。明かりは提灯と少しの街灯だけだ。
 もっと明るく撮ってもよかったのだけど、現場の雰囲気重視ということで、あえて暗いまま撮った。

清洲越-3

 普通に撮ると被写体ブレがすごいので、人の動きに合わせて流し撮りしてみた。そうすると、人は止まるけど提灯の明かりは止まらない。
 フラッシュ撮影もしてみたけど、雰囲気が壊れてしまうから、こういうシーンでのフラッシュ写真は好きになれない。
 結果、たくさん撮ったわりには使える写真が少なかった。

清洲越-4

 暗いからよく見えないものの、山車はそれぞれ少しずつ違っているようだった。提灯の紋なども違う。

清洲越-6

 少し離れたところにも別の山車がたくさんあった。この日は大山車まつりというのも行われていたから、そのやつが名古屋城前に集合していたのだと思う。津島あたりからも来ているようだった。

清洲越-7

 現在、名古屋ではCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が行われている。それに伴って、テレビ塔がグリーンにライトアップされている。エコを意識した色なのだろう。少し前から始まって、12月25日まで続く。

清洲越-8

 オマケその1。帰り道の信号待ちで、流し撮りの練習をする。

清洲越-9

 オマケその2。自転車も流し撮り。

 こうして初の名古屋まつりをたっぷり堪能したものの(途中で抜け出してトリエンナーレも挟み込んだ)、写真的にはもうひとつ納得できないモヤモヤ感が残った。初日で満足したら次の日は別のところへ行くつもりだったけど、しっかり撮れた気がしなかったので、翌日も行くことにしたのだった。
 というわけで、名古屋まつりシリーズは2日目編へとつづく。

今週の週一料理はチューズデー料理

料理(Cooking)
チューズデー料理-1

PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8



 先週末は土日ともに遅くまで出かけていたので、サンデー料理ができなかった。その分が今週にずれ込んで、チューズデー料理になった。最近は日曜に作れないことが多くなっているから、週一料理とかに名前を変えた方がいいかもしれない。
 今回もまたあり合わせの食材で作ったやっつけ料理だった。ぱっと見た感じ、色味が地味だ。茶色くはないけど、全体に黄色い。彩りが足りないのは、緑の野菜がないからだ。野菜の高騰も少しずつ収まってきているから、次回からはもう少し緑の野菜を復活させたいところだ。料理における緑色の重要さを再認識した。野菜が高いなら、自分で種から育てるという手もある。まずはバジルあたりから挑戦してみようか。

チューズデー料理-2

 豆腐とツナのハンバーグ。
 絹ごし豆腐をしっかり水切りして、油切りしたツナ缶、卵黄、カタクリ粉、パン粉、ちぎったスライスチーズ、コンソメの素、塩、コショウを混ぜ合わせて、よくこねる。
 それをハンバーグのような形にして、オリーブオイルでじっくり焼く。
 ソースは、卵白、マヨネーズ、しょう油、塩、コショウ、砂糖、マスタード、カレー粉を混ぜて、ハンバーグの裏表に塗りながら焼いていく。卵白入りなので、適度な固さの衣になる。
 パセリ粉を振ったら完成だ。
 ふわふわ食感で、とても美味しかった。肉を使わなくても美味しい豆腐ハンバーグはできる。

チューズデー料理-3

 マグロとナス炒めポーチドエッグのせ。
 イメージしていたよりも地味な色合いの料理になってしまった。トマトを使うと、もう少し見た目もよくなかったように思う。
 ナスは切って水にさらす。
 マグロは塩、コショウ、酒を振ってしばらく置く。
 炒め時間短縮のため、タッパーにナスとマグロを入れて、2分加熱する。
 ごま油で長ネギを炒め、ナスとマグロを追加する。
 酒、みりん、しょう油、中華の素、塩、コショウ、唐辛子で味付けをしながら、強火でざっと炒める。
 ポーチドエッグは、水に塩と酢を入れて、沸騰したら、割った卵をそっと入れて、固める。穴あきお玉ですくって、ペーパーで拭く。
 最後にポーチドエッグを乗せて完成となる。食べるときは卵を割って食べる。
 アイディアとしては悪くなかったけど、やや完成度が低かった。もう少し工夫すれば、見た目も味ももっと良くなる可能性がある。

チューズデー料理-4

 ジャガイモとニンジンの甘旨煮。
 肉じゃがの変形といえばそうかもしれない。
 鍋に酒、みりん、しょう油、ダシの素、白だしを入れ、そこに切ったジャガイモ、ニンジン、鶏肉、タマネギを入れて煮ていく。
 最初は強火で沸騰させて、あく取りをする。その後、中火にして、アルミホイルで作った落としぶたを乗せて、しばらく煮る。
 8割方完成したところで、塩、コショウ、砂糖を加えて、味を調える。
 その後、いったん火を止めてさます。落としぶたも取る。さましながら味をしみこませることで美味しさが増す。
 最後に再加熱して出来上がりとなる。
 最初に具材を炒めないのがコツで、水から煮ていくことで味がよく染み込む。油も使っていないから、くどさもない。銅鍋を使うと、具も煮崩れない。

 間に合わせの簡単夕飯的なチューズデー料理ではあったけど、美味しく食べることができた。これくらいなら毎日作れなくもないけど、メニューを考えるのが大変だ。やっぱり料理は週一でいい。
 来週末も出かけるから、もしかしたら料理は一週休みになるかもしれない。

初めての名古屋まつりを堪能した週末 <第一回>

イベント(Event)
名古屋まつり1-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4 / DA 55-300mm f4-5.8



 先週の土日に、名古屋まつりが開催された。全国的にはあまり有名ではないと思うけど、名古屋では一番大きな規模の祭りだ。
 昭和30年(1955年)に始まり、今年で56回目となった。これだけ続けば、もはや伝統的な祭りと言ってもいいかもしれない。
 実は、名古屋生活が長い私なのに、名古屋まつりはこれまで一度も見にいったことがなかった。どこかへ行ったときの行き帰りにばったり遭遇したことはあっても、わざわざこの祭りだけを見にいこうとは思わなかった。
 今年はいろいろ初めてづくしの年だから、名古屋まつりも一度見にいってみようと思い立った。トリエンナーレも絡めつつという思惑もあった。
 上の写真は、土曜日の名古屋駅前の様子だ。中央に小さく写っているのが信長役の人で馬に乗っている。沿道は大勢の観客で埋め尽くされていた。
 コースは土日で違って、土曜は名古屋駅から矢場町まで、日曜は市役所から赤門までというルートだった。
 名古屋まつりといっても他県の人はどんな祭りか知らないと思う。見てきたのに、なんといって説明したらいいのか分からないのだけど、簡単にいうと一般公募で選ばれた人が、信長、秀吉、家康の郷土三英傑に扮して、名古屋の街を練り歩くというものだ。それに伴って、いろんなパレードやイベントなどが行われる。もともと神社などの祭礼ではなく、商業まつりとして始まった。神事ではないのに山車が曳き回されるのは、名古屋東照宮の名古屋祭が由来となっている。
 そんなわけで、何回かに分けて、名古屋まつりで撮ってきた写真を紹介したいと思う。あまり楽しげではないと感じたとしたら、それは私のせいでもあるけど、私だけの責任ではない。そもそも名古屋まつりというのは、そんなに楽しいものではないのだ。ニュースなどでは昔からよく見ていて、だいたい想像していた通りだった。私の写真がきっかけとなり、来年に向けて少しでも興味を持ってもらえればいいのだけど、さてどうだろう。

名古屋まつり1-2

 今年の三英傑は、どの人もよく似合っていた。信長も信長らしかったし、秀吉も家康もそれっぽかった。
 残念なのは、カツラがコント用っぽいところだ。もっと本格的な時代劇風のものにもできるはずだ。山田かつらさんに頼めなかったのか。
 三英傑は、それぞれ地元百貨店の三越、丸栄、松坂屋が提供している。どの程度の出資額かは想像がつかないけど、決して安い金額ではないはずだ。お付きの総勢は700人もいる。全員の衣装や手当も百貨店持ちなんだろうか。それにしても、カツラだけお金が回らなかったとは考えにくい。

名古屋まつり1-3

 三英傑ゆかりの姫役も、祭りに華を添えている。濃姫とか、ねねとか、千姫とか。
 以前は百貨店の女性店員がやっていたようだけど、最近は公募のコンテスト形式になったと聞いた覚えがある。
 この人など、おひな様のようだ。

名古屋まつり1-4

 三英傑はおじさんたちだけど、姫たちは若い女の子だから、モデル撮影会と思えば楽しい。せっかくだから、きれいに撮りたい。

名古屋まつり1-5

 何故か、大谷吉継隊が参加していた。関ヶ原では西軍の主力として東軍の家康と敵対した武将だ。名古屋とも縁やゆかりはないはずだ。
 三英傑の他に、配下の武将たちもそれぞれ扮して参加しているのだけど、反家康の大谷吉継がいたのはどうしてだろう。吉継は本来、家康側の人間で、東軍で戦うはずだったのが、石田三成との友情によってやむなく西軍側になったとされているから、そのあたりの事情を与して名古屋まつりに参戦したのだろうか。
 三英傑は百貨店が受け持っているとして、こういう個別の部隊の人たちは誰が衣装などを用意しているのだろう。まさか、趣味で集まった人たちというわけでもないだろう。

名古屋まつり1-6

 外国人も物珍しかったようで、楽しそうに写真を撮っていた。これぞニッポンの本欄の姿と思っただろうか。姫役の人たちはゲイシャガールと思ったかもしれない。
 行進しているのは、少年鼓笛隊の少年少女たちだ。演奏していたのは、新政府軍の行進曲に似ていた気がするけど、違う曲だろうか。

名古屋まつり1-7

 外国人ビジネスマンも、思わず立ち止まって携帯のカメラで写真を撮っていた。本国の友人に送って見せてあげると喜ばれそうだ。

名古屋まつり1-8

 中心街の道路を長時間に渡って大がかりに封鎖して行われるから、何も知らずに車で名古屋市街地へ来た人は気の毒だ。かなりの渋滞に巻き込まれることになる。
 道路を横断しているのは、シャチばやし隊の面々だ。

名古屋まつり1-9

 セントラルパークの各広場でも、さまざまなイベントが行われていた。
 屋台の上で踊っていたのは、ハワイアンの人たちだったか、違ったか。
 飲食店の屋台も、たくさん並んでいた。

名古屋まつり1-10

 別の会場ではヘアメイクの実演会などもあった。
 時間の都合で祝い菓子まきに参加できなかったのは残念だった。

名古屋まつり1-11

 すっかりお馴染みになった、おもてなし武将隊も、当然やって来ていた。かれこれ3、4回は見ただろうか。テレビでもよく見るし、顔も覚えてしまった。追っかけの女の人たちの声援が飛んでいた。
 最初は名古屋市の緊急雇用対策のためにハローワークで募集して選ばれたメンバーだったのが、少しずつ知名度が上がるとともに人気が出て、当初2010年9月までの半年限定の予定が、2012年まで延長されることになった。意外なところにチャンスは転がっているものだ。

名古屋まつり1-12

 パレードが終わった夕方、三英傑と姫たちが一堂に会する機会があった。
 これは家康の音頭で勝ちどきをあげている場面だ。エイエイ、オー。

名古屋まつり1-13

 各地のゆるキャラも集まっていた。
 はち丸は名古屋のゆるキャラということになるんだろうか。

名古屋まつり1-14

 これは初めて見る。犬山のゆるキャラ、わん丸君というらしい。

名古屋まつり1-15

 郷土芸能の正調名古屋甚句とかまで見てしまった。どれだけ名古屋まつりを堪能してるんだと、自分でも思った。
 このあと、名古屋城へ移動して、清洲越夢歩きを見にいった。そのときの様子は、また次回ということにしたい。
 つづく。

海あり山あり森ありの佐久島散策 <第四回>

観光地(Tourist spot)
佐久島4-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4



 佐久島で細い道を行くときは気をつけなければならない。簡易マップにない道を進んだら、二度三度と、行き止まりになって引き返すことになった。島だからどこかにつながっているだろうと思ったら、一度は畑に出た。島民のための農道だったようだ。
 上の写真の道もそうで、つながっていると思ったところにつながってなくて、かなり行ってから戻らざるを得なくなった。時間と体力を無駄遣いした。
 それはともかくとして、佐久島の魅力の一つは、海はもちろんのこと、森と山があることだ。これで清流のような川があれば言うことはないのだけど、それでも森歩きが楽しめるのが嬉しい。基本的には平坦な道が多い島だけど、その気になればちょっとした山登りもできる。

佐久島4-2

 大山へ向かったつもりが、道を間違えていたらしい。民家の庭に出た。
 そこでまたもや行き止まりとなり、仕方なく引き返すことになる。
 庭にあるベンチがちょっと魅力的だった。くたびれて座りたい気持ちもあったけど、たぶんこれはこの家の人のものだ。勝手に座っていいやつではない。

佐久島4-3

 とりあえず集落の外れに当たる東西のメインストリートまで戻った。そこで進路を変えて西に向かった。上の写真は、白浜という名前の海岸だ。
 夏休みというのに人っ子一人いない。島の中では海水浴場という位置づけの浜ではないのだろうか。

佐久島4-4

 白浜の東から大山へ向かう道があったので、そこから登っていくことにした。ここはかなりの急坂だ。
 途中で女性二人組とすれ違った。佐久島も若い人が訪れるようになった。しかも、女子。マスコミがあおる力は大きいと、あらためて思い知る。

佐久島4-5

 山の神塚古墳へとやって来た。
 古墳を訪れるたびにいつも抱く思いは、古墳って面白くないな、という感想だ。
 神社より全然面白みがない。由緒も分からないし、造られた年数も世紀単位だし、誰が埋葬されているのかもはっきりしない。昔の誰かのお墓というのでは、楽しいはずもない。中も見せてくれないし。
 それでも、古墳があると知ると、なんとなく行かずにはいられないような気持ちになることも確かだ。

佐久島4-6

 白山社という小さな神社があった。
 荒れているというより、放置されきってるという表現がぴったりで、この状態で神様が住むのは厳しいだろうと思われた。
 けっこう山道はきついし、過疎の島ではなかなかお世話をする人がいないのだろう。

佐久島4-7

 見づらいけど、鉄の輪っかをつないでドーム状にしたもので、空の水-山と名付けられている。姉妹版で空の水-海というものもあるらしいけど、それは見ていない。

佐久島4-8

 島の北側の海岸線も興味があったのだけど、そこまで足を伸ばすと東エリアを散策できずに時間切れになりそうだったので、山を下りた。
 またメインストリートに戻った。この道を通って東の集落へ向かう。
 前からノーヘルのスクーターが来た。郵便局の人だった。島だから治外法権で大丈夫なのだと思う。

佐久島4-9

 廃屋っぽい建物。元は何だったのか、予測できない。

佐久島4-10

 海岸線に広がる海食棚。佐久島を代表する景色の一つだ。
 隣の島の日間賀島や篠島ではこんなふうにはなっていない。

佐久島4-11

 佐久島小中学校。
 人口が少ないこともあって、島の子供はみんなこの学校に通うことになる。西と東の集落の中間あたりなので、不公平はない。
 佐久島には高校の分校が作られた歴史がない。だから、高校進学するなら必ず島の外へ出なければならない。

佐久島4-12

 レンタサイクルの男子と女子。民宿の泊まり客だったろうか。
 名古屋から充分日帰りできるところだけど、一泊してゆっくりするのもいい。そうすれば、夕焼けも朝日も見られる。夜はきっと真の闇も体験できるだろう。

佐久島4-13

 島で一つの町立診療所。一つでもあるのとないのとでは大違いだ。

佐久島4-14

 アートの島らしく、こんなところもアートなのかと思ったりした。
 しかし、診療所の告示板、古すぎないか。紙が茶色に変色している。いつのお知らせなんだろう。

佐久島4-15

 思わず吹き出した、テナント募集の物件。
 誰が借りるか! と一人でツッコミを入れてしまった。
 あばらやの極みのようなこの状態から使えるにするよりも、一度壊して建て直した方が早くて安上がりだ。
 ガスはプロパンとしても、水道や電気は来てるんだろうか。
 たぶん、かなり安いだろうから、一からコツコツ仕上げていくつもりなら楽しいかもしれない。

 佐久島はこのあたりでちょうど半分ということになる。
 つづく。

佐久島の路地風景あれやこれや <三回>

観光地(Tourist spot)
佐久島3-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4



 やっと始めた佐久島シリーズだったけど、2回やって、またしばらく間が空いてしまった。他のネタを優先させているうちに季節はますます進んで、もはや半袖では過ごせないほど秋が深まりつつある。佐久島の写真を見返すと、全編にわたって夏色一色で、もはや遠い日の思い出のように感じる。なんとか10月中には完結させられるといいのだけど。
 3回目の今回は、西集落の路地散策編ということでお送りします。島といえば路地が定番で、佐久島も例外ではなかった。この島でも魅力的な路地にたくさん出会うことができた。
 ここでは瓦を積んで塀にしていた。安定性はどうなのだろう。地震のときちょっと心配だ。

佐久島3-2

 どこへ行っても崩れかけた家とかを探してしまう。探すつもりはなくても反応してしまう。
 この崩れっぷりは見過ごせない。

佐久島3-3

 人が住まなくなった人家に植物が侵入している様が好きだ。そんな植物を応援したくなる。
 と同時に、人間はちょっと油断したら自然の持つ力強さに負けてしまうのだと、あらためて思い知る。

佐久島3-4

 黒板の家並み。空き地には花と雑草がごた混ぜになりながら生えている。
 この自由な感じも島らしさだ。

佐久島3-5

 黒い板張りがはがれ、中の土壁もはがれ落ちつつある。
 島へ行っても、こんなところを見つけて喜んで撮っている。

佐久島3-6

 家のドアの掛け金。

佐久島3-7

 空き家になっている大葉邸を、丸ごとアート作品に見立てて、展示している。
 庭までは断りなく自由に入っていっていい。家の中も頼めば入れてくれるそうだ。

佐久島3-8

 夏の青空。屋根の感じがうちの田舎に似ていた。

佐久島3-9

 荷車が近代的だった。答志島にあったじんじろ車と比べると、だいぶ最新モデルだ。これが佐久島のスタンダードなんだろうか。

佐久島3-10

 島のあちこちで祠に入った弘法さんを見かける。四国八十八ヶ所にならって、大正5年に88の祠を建てたんだそうだ。
 88個全部見つけるのは大変だけど、弘法巡りをすると楽しいかもしれない。

佐久島3-11

 路地を行くのは、わくわく感もあり、安らぎも感じる。
 島人に挨拶すれば当たり前に挨拶が返ってくるのも、嬉しい。子供とかは向こうから挨拶してくれる。

佐久島3-12

 これも佐久島では有名なアート作品の一つ、大和屋観音だ。

佐久島3-13

 路地風景。影になっているところに弘法さんの祠がある。

佐久島3-14

 古い看板。かつては島に婚礼寝具を売る店があったんだろうかと思ったら、住所は一色町味浜西乾地になっている。本土のものだ。
 それにしても、この店も今はもうないだろう。

佐久島3-15

 路地を抜けたら海が見えてきた。

佐久島3-16

 この日は、おじさま、おばさまあわせて10人くらいのグループが一緒の船に乗っていて、みなさん高級一眼とレンズを持っていた。佐久島で撮影会だったようだ。
 佐久島は魅力的な被写体がたくさんあるから、仲間で撮りにいくにはいいところだ。みんな同じような写真にはならないはずだ。

 佐久島シリーズは、あと3、4回分くらいの写真が残っている。ここまで遅くなってしまっては焦っても仕方がないから、ぼちぼちやっていくことにしたい。
 つづく。

名古屋駅西をチラ見散策

名古屋(Nagoya)
名古屋駅西-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4



 大門エリアを抜けて、駅西へ向かう。ここまで来ると、名古屋駅の高層ビルがすぐ近くに見える。手前の低い家並みの通りでは、子供たちがボールを蹴って遊んでいた。バックにビルが見えていなければ、昭和の風景とほとんど変わらない。
 駅の表側は早い時期から開発が進んで、こういった下町のような風情はほとんど残っていない。駅裏は開発が進まなかった。地価もかなり違うと思われる。このあたりは50年後もあまり変わらないような気もする。

名古屋駅西-2

 則武本通3の広い交差点に出た。正面に駅西銀座商店街の看板が見えている。ここが西の入り口になる。
 右手には立派な煙突が見えている。銭湯のものだ。

名古屋駅西-3

 駅西銀座商店街に入ってすぐのところに、金時湯という銭湯がある。まだ現役でやっているようだ。

名古屋駅西-4

 昔は大変な賑わいだったという商店街も、今はシャッターが降りた店が多く、今どきの典型的な商店街の姿をしている。
 それでもまだ営業している店がそれなりにあって、駅表とはまったく違った顔を見せる。たぶん、観光客は駅裏など訪れないから知らないと思う。これも名古屋の風景の一つだ。時間に余裕があればちらっと見ていって欲しい。ビッグカメラの裏の道をまっすぐ行ったところだ。

名古屋駅西-5

 洋傘卸の店。ジャノメ傘という響きも懐かしい。昔は、傘のことをコウモリと呼んでいた。家を出る前、コウモリ持った? なんて会話が交わされたものだ。

名古屋駅西-6

 昔ながらの魚屋さんで、もはや古典といってもいいような店だ。スーパー以外の魚屋、肉屋といった個人の店は本当に少なくなった。

名古屋駅西-7

 子供の頃にあったような店だ。駄菓子屋というかお菓子屋というか、学校帰りに寄ると楽しい店があった。現代の子供たちにとっても、こういう店は必要だと思う。コンビニでは大人になったときに思い出の店にはならない。

名古屋駅西-8

 わりとあっさり、東の入り口に到着してしまった。もう少し見所が多いと思っていたけど、興味を惹くところはあまりなかった。
 次の機会があれば、反対側の歩道を歩いてみることにしよう。何か発見があるはずだ。

名古屋駅西-9

 駅裏すぐのところに、椿神明社というのがある。村社とあるから、このあたりの中心的な神社だったのだろう。
 ずっと昔、このあたりは伊勢神宮の神領地で、この椿神明社を外宮に、牧野町にある神明社を内宮にたとえていたそうだ。
 それにしてもすごいロケーションのところに残ったものだ。

名古屋駅西-10

 名古屋駅を突っ切るには、南の笹島交差点か、北の則武一丁目交差点のガード下しかない。このときは北からくぐることにした。ここのトンネルがちょっと好きというのもあって。

名古屋駅西-11

 歩道に不思議な光の模様ができていた。ルーセントタワーの何かだと思う。
 地下道のルーセントアベニューも撮りどころがたくさんあって面白いのだけど、このときは寄らなかった。機会をあらためて撮りにいきたい。

名古屋駅西-12

 スパイラルタワーズも、なかなかフォトジェニックな建物で、もっと格好良く撮りたいという気持ちがある。
 中は入ったことがないから、一度くらい入っておきたいとも思う。

名古屋駅西-13

 少し北上しながら帰った。
 桜湯は、やっているようなやっていないような、どっちとも判断がつかなかった。何年か前までは確実に営業していたはずだけど、今はよく知らない。

名古屋駅西-14

 円頓寺商店街は、表から見ただけだった。

名古屋駅西-15

 蔵のような建物があったのは、四間道だったか、違ったか。

 名古屋駅裏から大門一帯にかけては、まだまだ奥深さがありそうだから、機会があればまた散策してみたい。

大門うろうろ散策で心残りあり

名古屋(Nagoya)
大門散策-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4



 大門の紹介がまだ途中だった。話があちこち飛んでいて、何が終わっていないのか自分でもよく分からなくなっている。とりあえずは、名古屋駅西シリーズと佐久島シリーズが終われば、一段落するはずだ。このあと出かける予定のトリエンナーレと名古屋まつりの前に、できればこれらを終わらせておきたい。
 そんなわけで、今日も二本立てでいってみる。二本目は大門散策の後編ということでお届けします。
 大門はどこが見所なのかよく分からず、同じところをぐるぐる回ることになった。エリアとしては、西の鳥居通4から東の椿町の横筋と、南の大門交差点から北の大秋町4の縦筋が交わるあたり一帯ということになるのだと思う。
 このときは自転車に乗りながらだったので、歩きとは少し違う視点になったかもしれない。もし歩いて回っていたら、写真も多少違ったものになっただろう。自転車と歩きと、それぞれのメリットとデメリットがある。

大門散策-2

 角の家というよりコーナーの家と呼びたい。道に合わせるように角が丸くなっている家というのがたまにある。丸い方が通行者にとっては見通しがよくなるし、家の人にしても車がこすっていかないという安心感がありそうだ。
 この家はもう人が住んでいないようだ。かつてはお店だったかもしれない。

大門散策-3

 こんなオールドファッションの店構えが似合うのも大門という町だ。
 筆とか硯とかを中心とした書道屋さんのようだ。文具店とうたっているものの、匂い付きの消しゴムとかは売ってそうにない。

大門散策-4

 廃アパート。古いには古いけど、それほど築年数が経っているようにも見えない。
 大門あたりから名古屋駅までは、1キロちょっとだから、便利といえば便利だけど、日常的に歩くにはやや遠いか。西の中村日赤駅から地下鉄に乗ると北を回るから名古屋駅は3駅目になる。
 名古屋の駅裏は昔から馴染みがなくて、よく知らない。自分が住むというイメージが沸かないところだ。

大門散策-5

 民家の玄関先で猫が水を飲んでいた。下町には猫がよく似合う。

大門散策-6

 昔日の面影を色濃く残す建物。中村遊郭があった頃、この建物は遊郭として使われていたところだ。
 長らく料亭稲本として営業していたけど、それさえも時代の波に飲み込まれて、現在はデイサービスべんがら亭となっている。
 大門も、ここ数年でかなり様変わりしてしまったようだ。

大門散策-7

 べんがら色を見ると、東山魁夷の一力を思い出す。絵を知っていて、あとから実際の京都の一力を見たので、けっこう感動した。ああ、あの一力がそのままある、と。

大門散策-8

 素盞男神社があった。詳しくは知らないけど、名前からしてスサノオを祀っているのは間違いない。
 どういう経緯で祀られるようになったのかなど、詳しいことは調べていない。
 近くには松原八幡社というのもあった。
 お寺はたくさん点在している。

大門散策-9

 すごい合体ぶりだ。日本家屋とコンクリートの建物を強引にくっつけている。そして、両方が崩壊しかけている。見ていても危なっかしい感じだ。

大門散策-10

 上の階のブラインドの羽みたいなのが面白くて撮った。一階を見たら、そこにも味わいがあった。

大門散策-11

 写真では古い建物ばかり撮っているけど、実際は普通の住宅街に近い景観となっている。
 ただ、高い建物は少なく、昔ながらの家が点在する低い町並みと、遠くに見える高層ビルとのギャップは激しい。

大門散策-12

 これは長屋といっていいんじゃないだろうか。とても懐かしい雰囲気だ。子供の頃は、こういう長屋造りの家屋がまだたくさんあった。気づいたらほとんど消えてなくなっていた。

大門散策-13

 何かの看板がかかった古めの家。千歳の上の文字が読み取れない。何が書いてあったか覚えていない。
 ひょっとすると旅館かもしれない。

大門散策-14

 黒いトタン張りの建物は、大門寺というお寺さんらしい。

 これで私の大門散策は終わりとなるのだけど、大門横丁と大門小路を見つけられなかったのが、とても心残りだった。かなり探したつもりだったのに、見つからなかった。チャンスがあれば再訪したい。
 このあと、更に東に進んで、駅西銀座を散策した。そのときのことはまた次回ということにしよう。

日常写真---秋の風景

日常写真(Everyday life)
日常写真秋-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4 他



 本編に入れられなかった写真がだいぶたまってきていた。ここでまとめて出すことにする。
 どこかへ行ったときの行き帰りや、日常の中で撮った写真たちだ。

日常写真秋-2

 雨上がりの遊歩道。
 枯れ葉の上に落ちた涙が滲んだよう。

日常写真秋-3

 秋は哀しい季節だと思う。
 春の喜び、夏の歓び、冬の悲しみ。
 終わりの予感は、死の予感にも通じる。

日常写真秋-4

 秋の明るい面を見よう。
 収穫の秋、実りの秋。

日常写真秋-5

 秋の空。

日常写真秋-6

 もうすぐ寒い冬がやってくる。ノラにとっては厳しい季節だ。

日常写真秋-7

 庭でくつろぐ猫。
 飼い猫にとってはコタツやストーブの冬か。近頃は床暖房の冬かもしれない。

日常写真秋-8

 川沿いの田んぼの中に、馬と羊と山羊がいる。最初に見たときは驚いた。今はその道を通るのが楽しみになった。

日常写真秋-9

 飲食店の前。秋の演出がマイナス方向に作用している。

日常写真秋-10

 手作業から機械に変わっても、秋の稲刈りの風景は日本の秋だ。

日常写真秋-11

 今年はススキも遅い。

日常写真秋-12

 水面の写り込みが、緑一色から秋色へと少しずつ変わってきている。
 カイツブリが滑るように水上をゆく。

日常写真秋-13

 高速道路と農作業の煙。降り注ぐ秋の柔らかい日差し。

日常写真秋-14

 夕暮れ空を映す川面。日暮れが早い。

日常写真秋-15

 街の光。秋の夜長。

日常写真秋-16

 夜の明かり。
 これから冬にかけて、夜の写真が増えそうだ。

アイボクの秋

施設/公園(Park)
アイボク-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8 / DA 16-45mm f4 / TAMRON 90mm f2.8



 アイボクで撮ったのは、コスモスだけではなかった。今日は昨日の続編ということで、アイボクの秋風景をお届けします。
 入り口から入ってすぐのところで、ハロウィンのカボチャと人形が出迎えてくれる。
 ハロウィンは元々ケルト人のお祭りで、のちにキリスト教国に引き継がれる形で世界中に広まっていった。日本では今ひとつ浸透しない。昔に比べればだいぶ認識は高まったものの、明日はハロウィンだけどどんなコスプレするの、なんて会話は耳にしたことがない。街でカボチャのお面をかぶっている人も見たことがない。日本で流行らないのは、恋人たちのイベントではないからだ。

アイボク-2

 コスモスの道と秋の空。
 電線が邪魔だけど、のちにこの電線が生きることになる。

アイボク-3

 コスモス畑と十字架。
 近くに南山教会があるからその関係かもしれない。
 コスモスの故郷はメキシコだ。高原地帯で強い風に吹かれて咲いている。コロンブスがアメリカ大陸を発見したあと、スペイン人がメキシコで咲いているのを見つけて国に持ち帰ったことで世界に知られるようになった。日本には江戸時代に入ってきた。江戸の町とコスモスというのはあまりイメージが沸かない。

アイボク-4

 蝶の幼虫は、どう見てもかわいくない。これがあんなきれいな蝶になるとは思えない。

アイボク-5

 眼に縞模様があるこいつは、最近よく会うやつだろうか。
 たぶんハナアブの仲間だとは思うけど、詳しくは知らない。ハナバチはもっと眼が小さい。
 トンボや蝶がずいぶん少なくなった。そういうところでも秋を感じる。

アイボク-6

 コスモス畑の中に、ポツリと一つ、ヒマワリが咲いていた。
 完全に出遅れているけど、遅刻を感じさせないほど元気一杯だ。今年の夏は暑すぎたから、今くらいの時期が気候的にはよかったかもしれない。けど、仲間がまったくいなくて寂しいことだろう。

アイボク-7

 この日は雲の間に太陽が隠れることが多くて、太陽待ちの時間がけっこうあった。これはそのとき、ベンチに腰掛けて撮った一枚だ。
 低いところに雲がなかったから、夕焼けは期待できると思った。

アイボク-8

 牛さんにちょっとだけ挨拶しておいた。
 どうぶつ広場は有料になってしまったので、最近入らない。

アイボク-9

 西日を浴びる馬の尾。
 やっぱり逆光はいい。

アイボク-10

 電線と蜘蛛。
 五線譜と音符に見立てようとしたけど、あまり上手くいかなかった。

アイボク-11

 ワンコの記念撮影、ハロウィンバージョン。

アイボク-12

 夕焼け風景を撮るために、近くの愛知池に移動した。
 風がない穏やかな日で、美しい鏡面世界を見ることができた。

アイボク-13

 池の北を、名鉄豊田線が通っている。

アイボク-14

 夕日は滑るように沈み、残照がより一層濃いオレンジで水面を染めた。
 この風景を撮れたことで満足して、帰ることにした。
 アイボクでまだ撮ったことがないのは、菜の花畑だ。次に訪れるのは、半年後になるだろうか。

アイボクでコスモスを実験的に撮る

花/植物(Flower/plant)
コスモス-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8 / DA 16-45mm f4 / TAMRON 90mm f2.8



 コスモスを撮りに、アイボクこと愛知牧場へ行ってきた。知る限り、近場で一番広いコスモス畑があるのがここだ。
 今年はコスモスも遅れていて、満開にはまだ早かった。7、8分咲きといったところだろうか。けど、写真を撮るなら少し早めの方がいい。満開になると終わりかけの花も増えて、そういうところを外すのが難しくなる。早い分には蕾だから邪魔にはならない。
 アイボクは去年の夏にヒマワリを撮りに行って以来だった。なんだかんだで、年に一度くらいのペースで行っている。去年のヒマワリはみんなうなだれて元気がなかったけど、今年はどうだったのだろう。去年は冷夏で、今年は猛暑だったから、今年の方が元気だっただろうか。それとも、ヒマワリにとっても今年の夏は暑すぎたかもしれない。
 今回のコスモス撮りのテーマは、実験だった。K-7にもだいぶ慣れてきて、多彩な機能を少しずつ使えるようになってきた。特にフィルター系の面白い機能があるから、あれこれ使っていきたいと考えている。カメラ内でRAW現像しなければいけないなど、いろいろやっかいな点はあるのだけど。

コスモス-2

 今回は人撮りがメインの狙いではなかったからあまり撮らなかったのだけど、いいシチュエーションにいい被写体を見つけたら、やはり撮らずにはいられない。

コスモス-3

 カメラ内フィルターのハイコントラストだとこんな風になる。被写体によっては使えそうな感じがある。深い森の中とかいいんじゃないか。
 いろいろなフィルターがある中で、トイカメラ、ミニチュア、レトロなどは、積極的に使っていきたい。HDRも少しやってみたけど、使いどころが難しそうだ。

コスモス-4

 上と同じ写真をノーマルで撮って、レタッチソフトで加工したのがこれだ。明瞭度を大きく下げ、補助光をたっぷり当てて、彩度を上げるとこんな仕上がりになる。
 写真は撮ったままいじってはいけないという考え方もあるけど、フィルムカメラでもリバーサルフィルムを使ったり、多重露光をしたり、覆い焼きをしたりといったことをしていたわけだから、そんなに頑なになる必要はないと思う。
 大切なのは、自分のイメージを映像として完成させることだから。

コスモス-5

 カスタムイメージ「ほのか」で撮るとこうなる。淡い色調で、被写体を選びそうだ。上手くはまるといい感じに仕上がりそうな予感はある。
「リバーサルフィルム」も、風景を撮るときに使ってみたい。
 ただ、カスタムイメージはRAWで撮るとレタッチソフトに反映されないので、jpegで撮るか、RAWで撮ってカメラ内現像しなければいけないのが面倒だ。これは買う前は知らなかった罠みたいなもので、「雅」をメインに使おうと思っていただけに誤算だった。

コスモス-6

 ミツバチがたくさん飛び交っていて、安心する。一時期に比べてミツバチが増えてきたように思う。
 足や体は花粉まみれになっている。

コスモス-7

 ソフトフィルター仕上げで。

コスモス-8

 実験の中でメインとして考えていたのが、日中シンクロだった。ここのところちょくちょくやっているけど、まだ自分のものにはできていない。太陽の位置や光の強さによってどういう仕上がりになるのか、撮ってみるまで分からない。あらかじめ仕上がりをイメージして撮れるようになれば、日中シンクロを使いこなしているということになるだろう。

コスモス-9

 想像したほど白く飛ばずに色が残る。前回のように透明感のある仕上げにするにはどうしたらいいのだろう。夕方の太陽で光の強さが足りなかったのか。

コスモス-10

 逆光でフラッシュを使わないパターン。空の青をしっかり残そうとすると、花は暗くなる。
 レフ板で手前から光を当てるという手はある。しかし、そのためには助手がいる。片手でレフ板を持って、もう一方の手でカメラを持ってシャッターを切るということもできなくはないけれど。

コスモス-11

 面白い絵になった。個人的には好きだ。

コスモス-12

 フラッシュなんて使わないからカメラについてなくてもいいと思っていたけど、使い始めると楽しくなってくる。本格的なスピードライトも欲しくなる。

コスモス-13

 途中からはずっと逆光で撮っていた。シルエット表現も忘れないようにしなければ。

コスモス-14

 この一枚を、今日の実験の解答ということにしたい。
 日中シンクロの面白さをあらためて知った。
 K-7のフィルターやカスタムイメージについては、今後も積極的に試していきたいと思っている。
 ムービーはまだ使っていない。これからだ。一般のムービーカメラとは違って交換レンズによるいろんな撮影ができるから、やり始めると楽しそうだ。
 なにはともあれ、今年はこれでコスモスも終わりということになる。ヒガンバナ、コスモスと、しっかり撮ったから、次の紅葉に気持ちを切り替えたい。山の方ではそろそろ紅葉が見頃を迎えている。

夕景から夜景にかけての名古屋港風景 <後編>

名古屋(Nagoya)
名古屋港2-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 これは昨日の名古屋港の続きで、夕景から夜景にかけての写真だ。
 イタリア村の姿を見て少し安心して、再び夕日を撮ろうと名古屋港水族館のあるエリアへとやって来た。
 名古屋港は、1992年に名古屋港水族館ができるまで、完全な工場地帯、倉庫街で、まったく観光地ではなかった。
 地理的にここは名古屋の行き止まりのようなところで、1971年に金山と名古屋港を結ぶ地下鉄は開通していたものの、まるで回遊性がなく、人の流れも悪かった。
 名古屋港水族館ができた当時、あんなへんぴなところに誰が行くんだと、名古屋人はみんな言ったものだ。実際、最初の頃は人も入らず、水族館の評判は悪かった。
 少しずつ変わり始めたのは、2001年に北館が完成してからだ。世界最大級の野外水槽が話題となり、2003年にはシャチのクーがやって来て人気者となった。
 水族館はだいぶ良くなったという評判を呼び、入場者も順調に増えていった。
 2004年には国内初のベルーガの赤ちゃんが誕生。
 2005年にはイタリア村がオープンと、明るい話題が続いた。2005年は愛・地球博があった年で、思えば名古屋の勢いが一番あった頃だ。
 その後、2008年にイタリア村が閉鎖し、世間的にも不況が続いて、名古屋港も行き詰まった感じになっている。
 2011年にオープンするリニア・鉄道館は、少し離れた金城ふ頭に作られた。名古屋港には土地がなかったのか、なんであんな遠くに作ったのだろう。あれが名古屋港にできていたら、再び活況を呈したのは間違いなかったのに、分散してしまったのは少しもったいない気もする。
 リニア・鉄道館は、JR東海が満を持してやったものだから、全国から大勢の鉄道ファンがやってくるはずだ。せめて、金城ふ頭と名古屋港を鉄道で結ぶ必要はあると思う。ここで回遊性を生み出せば、名古屋港エリアはもっと発展することになる。そんな計画があるのかないのか。

名古屋港2-2

 夕日が沈む。たたずむ人や、ベンチに座る老人。いちゃつく恋人たち。それぞれの時が静かに過ぎてゆく。

名古屋港2-3

 夕焼け色の空と海。
 秋は夕日の逃げ足が速い。ほどなくして、すぐに暗くなり始めた。

名古屋港2-4

 名古屋港水族館のガラス張りの建物。空を映す。

名古屋港2-5

 これも水族館の建物の一部だと思う。
 デザインがカッコいい。

名古屋港2-6

 どこからともなく現れた猫が、悠然とした足取りで水族館の方に向かって歩いていった。
 名古屋港は港といっても小さな港町とは違う。ここに猫がいるのはかなり違和感があった。
 けど、このあと、遊園地の敷地内でたくさんの子猫を見ることになり、認識を改めた。名古屋港には意外と多くのノラ猫がいるらしい。

名古屋港2-7

 JR貨物名古屋港駅跡地に作られた遊園地、シートレインランド。
 昭和レトロ感が漂う遊園地で、雰囲気としてはデパートの屋上にあったやつに近い。
 いつ行っても人がほとんど訪れていない。お客よりもアトラクションの係の方が多い。
 観覧車は高さ85メートルと、東海地区で最大級のものだ。周囲に高い建物がないので、上までいくと遠くまで見渡すことができる。その分、妙に怖い。
 手前にメリーゴーランドがある。これがぐるぐる回っているところをスローシャッターで撮ろうと思っていたのに、お客がいなくて止まったままだった。しばらくうろつきながら動くのを待ったけど、誰も来なかった。

名古屋港2-8

 フリーフォールみたいなアトラクションだろうか。これも動いていなかったのでどんなものか分からなかった。

名古屋港2-9

 遊園地の片隅でこんな花が咲いていた。ああ、これ、知ってる。夕方から咲いてくるやつだ。でも、名前が出てこない。今になっても思い出せない。

名古屋港2-10

 少し高いところからシートレインランドの全域を撮ってみる。
 ふと、映画『ビッグ』を思い出した。ここならあんなマシンがありそうな気がしてくる。

名古屋港2-11

 一通り撮ったところで、そろそろ帰ることにする。
 中途半端にイルミネーションが施された南極観測船ふじも撮っておく。
 後ろのポートビルは、やはり海の側から見た方がカッコいい。

名古屋港2-12

 シャチとイルカのイルミネーション。
 人気者だったシャチのクーは、イタリア村が閉鎖したのと同じ2008年に死んでしまった。一度しか見てないけど、ニュースを聞いて悲しい気持ちになった。
 今年になって、新たなシャチのナミがやって来た。今度見にいこう。

名古屋港2-13

 トリトン方面の夜景を撮ったところで、おしまいにした。
 夕景から夜景にかけての名古屋港風景をたくさん撮って満足した。
 名古屋港の冬の風物詩となったスターライトレビューは今年も行われるのだろうか。イルミネーションの季節になったら、また訪れたい。

中村公園から大門界隈の散策 <前編>

名古屋(Nagoya)
中村1-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4



 これは戸田からの帰り道、佐屋街道を通って中村区へ行ったときの話。中村の大鳥居の前へとやって来た。
 高さ24メートルのこの大鳥居は、昭和4年(1929年)に建てられた。
 明治から戦後にかけて、名古屋市やその周辺部は、何度も編入や統合、分裂、再編入などが行われた。
 明治11年に郡区町村編制法が施行され、名古屋区が発足した。栄村の一部が名古屋区に取り込まれ、中野高畑村、中島村、大秋村が合併して則武村になった。
 明治22年、栄村と則武村が合併して鷹場村となり、上中村、下中村、稲葉地村が合併して織豊村となる。
 同年、市制が施行され、名古屋市が誕生する。
 明治39年には鷹場村、織豊村、日比津村が合併して中村となった。
 中村が名古屋市に編入されたのは大正10年で、西区の一部となった。
 昭和12年に中区と西区の一部が分割され、新たに中村区として独立した。旧中村の一部は西区に残った。
 昭和19年には栄区が新設され、旧中村の一部も取り込まれた。
 昭和45年、栄区が中区に編入され、現在に至っている。
 中村は、秀吉と加藤清正の生まれ故郷なのだけど、名古屋出身かというとやや微妙なところで、愛知県愛知郡の出身といった方が正しいのかもしれない。現在の名古屋市中村区といえばそうなのだけど。
 加藤清正は、秀吉の遠縁に当たるとされていて、子供のときから子分のように秀吉に従っていた。家は隣といっていいほどの近さだった。
 生涯秀吉への忠誠を誓った清正が、どうして関ヶ原では家康の東軍に従ったかといえば、単純に言って石田三成が嫌いだったからだ。秀吉の嫡男である秀頼に対しては最後まで気持ちを残していて、なんとか家康と和解させようともしている。
 熊本城を築いて有力大名となっていた清正は、関ヶ原のあと、名古屋城築城の責任者に任命された。城造りの名手とされたということもあったけど、家康にとっては驚異となり得る存在だから、お金を使わせて力を弱めるという狙いもあった。
 そのあたりの歴史に思いをはせつつ現地を訪れると、なかなか感慨深いものがある。

中村1-2

 大鳥居から500メートルほど北へ進むと、中村公園がある。入り口には豊国神社(とよくにじんじゃ)の鳥居が建っている。
 豊国神社は、秀吉ゆかりの神社で、「とよくにじんじゃ」や「ほうこくじんじゃ」の名前で、全国にいくつかある。徳川の天下になってからは大っぴらに祀ることができなくなったから、古くから残っているものは少ない。京都や長浜のものが古いのは、やはり西国だったからというのがある。それらも江戸時代は名前を変えたりして隠れてこっそり祀っていた。
 生誕の地、中村にある豊国神社も歴史は浅く、明治18年に地元の有志によって創建されたものだ。江戸時代が終わってしばらく経って、ようやく秀吉の存在が見直されることになったというのが分かる。

中村1-3

 豊国神社は、中村公園の南側にある。どこからどこまでが境内なのか、はっきりしない。
 公園の北半分は名古屋競輪場で、東には常泉寺と妙行寺がある。妙行寺が清正の生家があったところとされている。
 社殿はごく質素で、小さい。秀吉生誕の地にある神社としては、ちょっと拍子抜けしてしまうくらいのものだ。金ピカ好きだった秀吉には物足りないことだろう。
 私がここを訪れるのは2回目だった。前回は7、8年くらい前だっただろうか。特に変わった印象はなかった。

中村1-4

 神社の北には、昭和の面影が色濃い軽食屋さんがある。競輪場を訪れたおじさんたちのたまり場になっていそうだ。店内からはそれらしい声も聞こえてきた。そんな感じも懐かしい。

中村1-5

 このときはレースの開催中で、それなりに賑わいが感じられた。昔に比べたらだいぶ明るい雰囲気になったのだろう。

中村1-6

 中村公園をあとにして、大門(おおもん)へ向かった。
 大門は、かつて遊郭があった地区で、現在でも昭和レトロの名残が残るところだ。この町を散策するのが、この日一番の目的だった。
 途中に銭湯を見つけた。このあたりはまだ利用客が多いようで、現役の銭湯が何軒か残っている。

中村1-7

 古い町並みが残るのは、中村赤十字病院の東から、名古屋駅西の商店街にかけてだ。町名でいうと、大門町、松原町、中島町あたりになると思う。
 新しい家やマンションも建っている中で、こそっと古い家や建物が挟まっている。
 現在も残る名古屋の下町の一つと言えそうだ。

中村1-8

 なかなか趣のある建物だ。かつては銭湯だったところだろうか。

中村1-9

 格子が残る古い家。家の前の道を半ば私物化しているあたりに下町風情を感じる。

中村1-10

 昔からの家屋がけっこう残っている。歓楽街だったこともあって、一般の民家なのか、店舗だったのか、ちょっと区別がつかないようなところが多い。かつて料亭だった建物が今はデイサービスの本拠として使われているあたりに時代を思わせる。
 景観保存地区でもなく、観光地でもないから、全体的には雑然とした雰囲気となっている。観光目的で写真を撮っていると、浮いている感じで少し落ち着かない。

中村1-11

 ここは遊郭だった建物だろうか。この界隈では有名なところで、大門を紹介するときによく出てくる。

中村1-12

 建物の横にはこんな絵が掛かっている。

中村1-13

 古そうなアパートだけど、けっこう規模が大きい。二棟並んで建っている。
 このあたりもレトロ感が溢れている。

中村1-14

 なかなかに昭和だ。平成22年になっても、まだ昭和は消えていない。

中村1-15

 名古屋駅のタワーが見えた。でも、まだまっすぐは向かわない。もう少しこのあたりをぐるぐる巡って散策を続けることにする。
 つづく。

夕焼け時の名古屋港 ~イタリア村は今 <前編>

名古屋(Nagoya)
名古屋港1-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 16-45mm f4



 堀川クルーズで終点の名古屋港まで行ったのは、夕景から夜景にかけての名古屋港風景を撮るという目的があったからだった。
 名古屋港は久しぶりになる。ここ2、3年は訪れていなかった。閉鎖したイタリア村がどうなったのかも、ずっと気になっていた。
 まずは船の揺れから立ち直るために、しばし海を眺めて心を落ち着けることにする。あらためて海の様子を見ると、この波では揺れないはずがないことが分かる。あの屋形船は海仕様ではない。
 正面に見えている橋は名港トリトンだ。白かったから中央大橋だと思う。右手の遠くに見えているのが、西大橋になるはずだ。
 夕日が沈む時刻が近づいてきた。あまりのんびりもしていられないということで、まずはイタリア村の方へ向かうことにした。

名古屋港1-2

 外から見る限り、主要な建物はそのまま残っている。もっと壊されていると思っていたから、少し驚きもしたし、嬉しくもあった。閉鎖から2年経っているとは思えないくらいだ。

名古屋港1-3

 近づいてみると、やはりそれなりに荒れている。建物はすすけ、ところどころに雑草が生えてきている。ちょっとしたゴーストタウンのような雰囲気だ。
 けど、見ようによっては映画セットでいうところの「汚し」がほどこされていて、営業していた頃よりも本物感が出てきているとも言える。歳月を経た建物といった外観が、以前より本物らしく見えるというのも皮肉な話だ。

名古屋港1-4

 イタリア村を訪れた回数は、ほんの3回程度にすぎないけど、どれも思い出深いものだから、なくなってしまったのはとても残念に思っていた。けれど、これだけ建物が残っていれば、それほど感傷的になることもないと思い直した。充分、思い出に浸ることはできる。
 今年2010年の秋、新たな事業主を募って、再出発を目指すという発表があった。同じ形にはならないにしても、近い将来、新しいイタリア村として復活する可能性が出てきた。これだけ建物が残っていれば、充分再利用できる。

名古屋港1-5

 運河の近くまでは行けるようになっている。そこから先は立ち入り禁止になってはいるけど、はっきり言ってガードは緩い。乗り越えて行くことはたやすい。今はどこが管理しているのか。

名古屋港1-6

 正面入り口の横は、雑草が生い茂っている。このあたりは廃墟っぽい。

名古屋港1-7

 正面の門。ここだけ切り取ってみると、営業していたときとそれほど変わらないように見える。定休日の入り口前といった感じだ。
 それにしても、いい具合に西日に照らされていた。今のイタリア村にこのライティングはぴったりだった。

名古屋港1-8

 しつこくイタリア村を撮る。あらためてフォトジェニックな建物だと思った。ああ、もったいない、もったいない、と何度も心の中でつぶやく。

名古屋港1-9

 沈む夕日を撮るために、港の方に戻った。
 今の時期はあまりいい場所に沈まない。いい撮影ポイントも見つけられなかった。

名古屋港1-10

 夕日を撮っているところに、ちょうどいい具合に船がやって来た。ありがたい。船がいるのといないのとでは、写真が全然違ってくる。

名古屋港1-11

 ポートビルの窓に描かれた絵。
 上手いんだか下手なんだか、素人なんだかプロなんだか、判断がつかない。ヘタウマみたいにも思えるし、ただの落書きの延長のようでもある。

名古屋港1-12

 日本の二代目南極観測船として活躍した「ふじ」が名古屋港につながれて余生を送っている。中を見学することもできるようになっている(300円)。まだ一度も入ったことはない。この時間はもう終わっていた。

名古屋港1-14

 海上自衛隊のヘリコプターも展示品なんだろうか。まだ稼働する機体かもしれない。

名古屋港1-13

 ポートビルがあるエリアと、名古屋港水族館があるエリアをつなぐ橋。
 夕日が沈もうとしている。

 名古屋港水族館エリアと夜景編に続く。

野菜高騰サンデー

料理(Cooking)
非緑黄色サンデー1

PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8



 なんだか、野菜がやけに高い。猛暑の影響らしいけど、軒並み1.5倍くらいする。別に100円のものが200円になったからといって買えないわけではないけど、なんだかすごく損したような気になるから買いたくない。150円のジュースが250円で売っていたらすごく高いと思うのと同じだ。この前まで100円だったものが突然200円といわれても納得がいかない。
 よって、今日のサンデー料理はなるべく野菜を買わず、手持ちの食材でなんとかするという方向性にならざるを得なかった。付け合わせのためだけにわざわざ高い野菜を買うなんて、もってのほかだ。贅沢は敵です。欲しがりません、値下がりするまでは。
 しかし、猛暑というのはやはりいろんなところで悪い影響が出るもので、あらためて平年並みであることの重要さを知ることになった。暑さを我慢すればいいとかそういうことではないのだ。

非緑黄色サンデー2

 ナスとエビがあったから、とりあえず組み合わせれば何か1品はできる。ナスとエビの相性はいい。
 ナスは輪切りにして、水にさらす。水を切って、タッパーに入れて、2分加熱する。
 エビは塩、コショウ、酒を振って、よく揉んだあと、いったん水洗いして、水を拭き、もう一度塩、コショウ、酒を振って、少し置く。
 長ネギの刻みとエビを、ごま油とショウガで炒める。ナスを追加して、酒、みりん、しょう油、酢、豆板醤、砂糖、塩、コショウ、中華の素、チリソースで味付けをする。
 やや洋風寄りの中華ナス・エビ炒めの完成だ。
 手間を惜しまなければ、ナスを素揚げにした方が美味しくなるかもしれない。

非緑黄色サンデー3

 白身団子の和風スープみたいなものだ。
 白身魚を刻んで、白はんぺんとよく混ぜ合わせる。
 卵、小麦粉を加えてよくこね、塩、コショウ、ショウガで下味をつける。
 それを丸めて、沸騰したお湯に入れて、しばらく煮る。
 一方でスープを作る。水にダシの素、白だし、酒、みりん、しょう油を入れて、温める。そこにニンジンと白菜の芯を入れて、柔らかくなるまで煮る。
 白身団子、白菜の葉、しめじ、絹ごし豆腐を入れ、白だし、塩、コショウで味を調えればできあがりだ。
 ふわふわの白身団子はとても美味しい。久しぶりに団子を作ろうとして団子になった。お湯でゆでるのがポイントだったのだ。形が整ったところでそこから焼いてもいい。
 肉を使わないヘルシースープとしてもオススメできる。

非緑黄色サンデー4

 イカのフリット、トマトケチャップソースがけだ。
 イカは処理をして一枚にして、斜め格子に浅く筋をつける。水気をよく拭いて、一口大に切る。
 衣は、卵、小麦粉、塩、コショウ、砂糖、カレー粉、バジル粉を混ぜ、ここで味付けをしてしまう。
 イカに衣をしっかりつけて、油で揚げる。固くならないように短時間で揚げるといい。
 ケチャップソースは、トマトが高くて買えなかったので、トマト抜きで作った。刻みタマネギ、ケチャップ、白ワイン、オリーブオイル、塩、コショウ、砂糖、オイスターソース、しょう油、コンソメの素で作った。トマトを使わなくてもあまり味は分からないかもしれない。
 最後に粉チーズとパセリ粉を振る。
 天ぷらとは違う洋風のフリットも美味しい。タコとかでもいけるんじゃないかと思う。

非緑黄色サンデー5

 オマケとして、余ったご飯でせんべいを作ってみた。
 ご飯とカタクリ粉をよく混ぜ、ラップで平らにつぶし、レンジで両面を加熱する。
 それを今度は魚焼きグリルであぶり焼きしながら、しょう油、みりん、唐辛子、砂糖をまぜたたれを両面に塗る。こんがりしてきたら完成だ。
 食べてみると、せんべい屋さんの偉大さを知る。完成度が低すぎる。出来損ないの濡れせんべいみたいだ。はっきり言って、オススメできない。
 でも、ネタとしては面白いから、よかったら一度作ってみてほしい。ご飯のおこげが好きな人なら、意外とやみつきになるかも。

 そんなこんなのサンデー料理だった。

堀川クルーズは名古屋人のための楽屋落ち的面白さ <後編>

名古屋(Nagoya)
堀川クルーズ2-1

PENTAX K-7+TAMRON 28-75mm f2.8



 今日は昨日の続きで、ナゴヤ堀川歴史観光クルーズの後編をお送りします。
 松重閘門を過ぎたあたりまで行ったから、今日はそのあとからということになる。
 山王橋のところで上を名古屋高速が横切っている。エリアとしては、山王や正木あたりということになるのだけど、このへんはまったく馴染みがない。もう少し行った東には金山があり、西にはナゴヤ球場がある。北は大須で、その中間の地域は通り過ぎるだけなので、何があるのか、ほとんど知らない。船から見える景色にも見覚えがない。
 それにしても、ここまで特に面白い風景が登場せず、名古屋の人はともかく、観光客に申し訳ないような気持ちになる。もう少し何か見えるだろうと思っていたけど、あそこまで何もないとは予想していなかった。個人的には、だからこそ逆に面白いと思ったのだけど。

堀川クルーズ2-2

 ビニールシートと段ボールのおうちの人たち。どれくらい世間の情報を掴んでいるのか分からないけど、急に屋形船が頻繁に行き来するようになって、かなり戸惑っているんじゃないだろうか。今まで静かな暮らしをしていただろうに、お互いに気まずい。
 これも名古屋の街の風景の一部といえばそうだ。

堀川クルーズ2-3

 尾頭橋近くで橋梁の下をくぐる。金山駅が近いから、東海道本線と中央線と名鉄名古屋本線の3本が平行に走っている。
 写真は今まさに頭上を列車が通過しているところなのだけど、ほとんど写っていない。タイミングが合えば、面白い写真が撮れそうだ。

堀川クルーズ2-4

 ときどき、思い出したように柳の木が植わっている。風情として川縁の柳はいい。
 ただ、堀川はこれまで観光資源とは一切考えられてこなかったので、基本的にはすべてにおいて愛想はない。見栄えも含めて整備されているのは、納屋橋の周辺だけだ。
 この船ルートを今後もレギュラー化するのなら、川沿いの風景を全面的に見直す必要がありそうだ。とてもそんなお金はないだろうけど。

堀川クルーズ2-5

 これは白鳥の船着き場から見た風景だったか、宮の渡しから見た風景だったか、はっきり思い出せない。
 見えている橋が新幹線の橋梁なら宮の渡しだし、違ったら白鳥だ。

堀川クルーズ2-6

 屋形船を見た部活帰りらしい中学生が走って追いかけてきた。それがよかった。

堀川クルーズ2-7

 だんだん港町っぽくなっていく。川岸には船の修理工場などの工場が建ち並んでいる。

堀川クルーズ2-8

 川幅がかなり広くなり、大きめの船が横を通ったりするようになる。その波をかぶると、小さな屋形船は波に翻弄され、大型船が作った波がぶつかって、ドンっと大きな音がして驚かされる。
 この船で大丈夫なんだろうかと、やや心配になってくる。

堀川クルーズ2-9

 上を走っているのは、たぶん23号線だ。車では何度となく通っている道も、下から見るとまったく知らないところのようで新鮮に映った。
 名古屋城の堀横から出発して、このあたりまで来ると、だいぶ遠くまで来た感じがする。

堀川クルーズ2-10

 門というのかバリケードというのか、高潮が来たときはここを閉めるようになっているのだろう。ここから先はいよいよ海に出る。

堀川クルーズ2-11

 大きな船が増えて、堀川では大きな顔をしていた屋形船も、ここでは頼りない小舟だ。この日は風も弱く、海も穏やかだったけど、それでも揺れがだいぶ大きくなった。

堀川クルーズ2-13

 遠くにイタリア村の名残が見えてきた。ここまで来ると、もうゴールは近い。
 手前の立体駐車場ももう使われてないのだろうか。やや廃墟めいた風景となっている。

堀川クルーズ2-14

 名古屋港のポートビル。地上から見るとなんか変な格好をしているように見えていたけど、海から見ると悪くない。ちょっと格好良いかもしれないと見直した。
 左手のドームとピラミッドは、名古屋港水族館だ。
 名古屋港の船着き場は、ポートビルの下あたりになっている。

堀川クルーズ2-15

 波がうねる、うねる。夕日色に染まってきれいだと喜んで撮っていたけど、それどころではなくなった。

堀川クルーズ2-16

 岸壁に当たってできる波と、風が作る波がぶつかって、三角波のような複雑な波を作り出している。
 船は大揺れに揺れ、上下、左右、斜めの動きが加わって、完全に波間に翻弄される小舟状態となった。普段からいつもそうなのだろうか。
 船の背丈が低く、船をつける岸壁は高い。下船するためには梯子段をかけなくてはならないのだけど、船の揺れが激しすぎて、かけるのに5分ほどかかった。乗客も怖い、怖いと言いだし、大丈夫かと不安の声が上がる。基本的に乗り物酔いはしない私でさえ、こみ上げてくるものがあった。それは熱い涙とか怒りとかではない、出してはいけないものだ。
 なんとか梯子段もかかり、逃げるように船をあとにしたとき、口の中がちょっと酸っぱかった。

堀川クルーズ2-17

 船に弱い人は、宮の渡しと名古屋港の間は乗らない方がいいかもしれない。堀川クルーズを味わうだけなら、納屋橋から宮の渡しまでで充分だと思う。
 個人的な感想を言えば、堀川クルーズは、名古屋人のための楽屋落ちみたいな面白さだと思った。普段見慣れた風景を堀川の船から見るというのはとても新鮮で、特に見所はなくても新鮮さだけで楽しめる。言い方を変えれば、名古屋の街をよく知らない観光の人にとっては、風景としての面白さはほとんどないのではないかと思われる。
 観光の人なら、船旅自体を楽しもうとは思わず、白鳥近くの熱田神宮や白鳥庭園を見にいくための交通手段プラスアルファくらいのつもりで利用するのがよさそうだ。
 もちろん、すべてを味わい尽くしたいなら、私のように朝日橋から名古屋港まで行かねばならない。なんなら往復してもいい。波間に翻弄されるのも普段は味わえない愉快な体験だ。
 そんなわけで、名古屋の人には特にオススメしたい、堀川クルーズだった。10月24日までの限定運行なので、チャンスがあれば一度乗ってみて欲しい。

ナゴヤ堀川歴史観光クルーズに行ってきた<前編>

名古屋(Nagoya)
堀川クルーズ1-1

PENTAX K-7+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8 / TAMRON 28-75mm f2.8



 10月1日から始まった、ナゴヤ堀川歴史観光クルーズに行ってきた。
 名古屋城外堀の西南、堀川にかかる朝日橋と名古屋港を屋形船で結ぶというものだ。この航路は私も以前からやるべきだとずっと思っていたので、まさに渡りに船とばかりに喜んで乗りにいったのだった。
 船着き場は、朝日橋、納屋橋、白鳥、宮の渡し、名古屋港の5ヶ所。毎日上り、下りとも10本ほど運行されている。ただし、朝日橋と納屋橋の間は潮流の関係で日によって時間が違うので、行くときはあらかじめ調べておいた方がいい。干潮になると水が減って、少ない日は一日2本しかない。納屋橋から先は、毎日定時で運行している。
 運賃は2区間まで500円、一日乗船券が1,000円となっている。今月1日から24日までの期間限定ということを考えると、まずまず納得のいく料金設定じゃないだろうか。これも名古屋開府400周年の記念イベントの一つだ。
 ちなみに、8日からは名古屋城の堀をめぐる舟というのも始まる。これは名古屋城内に入らなければならず、定員制なので、乗るのはなかなか厳しいかもしれない。
 せっかくなので、朝日橋から名古屋港まですべての区間を乗ってみることにした。全部乗ると、約1時間半ほどの船旅となる。

堀川クルーズ1-2

 近年、堀川の水もだいぶきれいになったとはいえ、まだまだ清流にはほど遠く、水面に映る太陽を撮ると、この通り、宇宙の銀河を撮ったような写りになる。落ちて水を飲んだら、タダでは済みそうにないなと思う。
 それでも、以前のように悪臭はほとんどしなくなった。庄内川から水を引き込んで浄化するという作戦は、一応効果を上げているようだ。昔の状態なら、クルーズなんてのはたぶん実現しなかった。

堀川クルーズ1-3

 船が出発して早速撮影を始めると、思った以上に暗い。両岸は影になっていて、シャッタースピードが上がらないから、普通に撮るとブレブレの写真になってしまう。
 望遠ズームで印象的な部分を切り取っていこうと考えていたけど、すぐに無理だと分かった。暗い望遠では何も撮れない。明るい標準ズームに交換する。
 それでも、慣れないうちはどう撮ればいいのか分からずに戸惑った。

堀川クルーズ1-5

 波を撮っても、こんな感じ。水面も暗く、日陰になっているところはどうにもならない。
 観光クルーズなので、船は決して急いではいない。時速30キロか40キロくらいだろうか。離島へ向かう高速船のようなスピード感ではない。

堀川クルーズ1-4

 いったん落ち着いて、船内を撮ってみる。物珍しさも手伝って、まずまずの乗船率だった。途中からは満席になった。
 ジュースとコーヒーが飲み放題なので、乗船料の1,000円分を取り戻すべく、ガブ飲みしてみるというのもいいかもしれない。もちろん、船内にトイレはないけれど。

堀川クルーズ1-6

 景色が前から後ろに流れるのだから、それに合わせて流し撮りをすればいいのだと気づいた。日頃培った流し撮りテクで、ビルを止めて写す。動かないものを自分が動いて流し撮りするというのも変な話だけど、やっているうちにコツを掴んだ。電車などを撮るときとは逆の動きになる。
 個人的にはこんな古い建物などを撮って喜んでいたけど、一般的には見所はほとんどない。観光地の風情もなければ、美しい風景も出てこない。あるのは油断した街の普段着の姿だけだ。途中で飽きたおじさんなどは、居眠りをしていた。

堀川クルーズ1-7

 橋の下に、ゴンドラらしき舟がつながれていた。イタリア村で使われてたものだろうかと思ったけど、実際のところは分からない。あの舟で堀川を下るのは、ちょっと考えてしまう。

堀川クルーズ1-8

 ほどなくして最初の船着き場である納屋橋に到着した。朝日橋からは15分足らずだ。
 このあたりは堀川沿い再開発地域になっていて、遊歩道が整備され、おしゃれな店なども並んでいる。堀川沿いでは一番いいところだ。
 船旅はここでいったん中断する。朝日橋から乗って、ここから先へ行く場合は、船の乗り換えが必要となる。
 名古屋城まで行く船は限られていて、その船までは2時間の間があったから、その間に、あいちトリエンナーレの納屋橋会場へ行くことにした。
 トリエンナーレの会場は主に5ヶ所で、それぞれ別の日に見ることができるようになっている。トリエンナーレについては、またあらためて紹介することにしたい。

堀川クルーズ1-9

 名古屋城関連のイベントということで、金シャチは欠かせない。船にももちろんついているし、船着き場にもいる。

堀川クルーズ1-10

 よどんだ堀川を見ていると、少し気持ちがどんよりする。もう少しなんとかならないものかと、もどかしい。底にへどろが溜まっていて、そう簡単にどうにかできるものではないらしい。もし、ヘドロを無理矢理流してしまうと、今度は名古屋港の海が汚れて大変なことになる。底をさらって別の場所に捨てるとなると、莫大な費用がかかる。家康ならどうしただろう。加藤清正や福島正則になんとかしろと、無理難題を押しつけただろうか。

堀川クルーズ1-11

 堀川沿いの古い住宅。なかなかに年季が入っていて、いい味わいを見せている。観光資源ではまったくないけど、個人的には喜んだ。

堀川クルーズ1-12

 とても好きな風景だ。彼岸花が彩りを添えている。
 この頃には、すっかり流し撮りもできるようになっていた。

堀川クルーズ1-14

 あえて流すのもありだ。暗い橋の下を通るとき、スローシャッターで撮ると、面白い絵になる。

堀川クルーズ1-15

 船から見える堀川沿いの数少ない見所の一つがこれ、松重閘門(まつしげこうもん)だ。
 堀川と中川運河の間にある門で、水位の調整のために作られた。美しい尖塔を持っている。
 役割を終えたときに取り壊される予定だったのが、それはもったいないと住民の保存運動が起こり、保存されることになった。名古屋市の都市景観重要建築物に指定されている。
 一度見たいと思っていたから、見られたのは収穫だった。特にこの角度から見るのは貴重だ。

堀川クルーズ1-16

 熱田が近づくと、少しずつ川幅が広くなり、貯木場や製材所が増えてくる。白鳥の船着き場はもうすぐだ。

 まだ先は続くのだけど、今日のところはここまでとして、続きは明日にする。
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