月別:2009年10月

記事一覧
  • 岩屋堂紅葉の先取り情報

    PENTAX K10D+DA 16-45mm F4 / TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di 瀬戸の釜神神社に行ったあと、水野川の散策をしようと363号線を北上してみたものの、道が狭くて車をとめておける場所がない。しばらく置いてけるところがあれば、そこから歩いて上流を目指そうと考えていたのだけど、あきらめざるをえなかった。 そのまま帰るのも詰まらないので、岩屋堂へ寄って行くことにした。紅葉情報では色づき始めとあったので、どんなものか様子を...

    2009/10/31

    紅葉(Autumn leaves)

  • 段戸裏谷の写真を振り返って収穫ありと思い直した <第三回>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / 90mm f2.8 / DA 16-45mm f4 段戸裏谷シリーズ3回目の今回が最終回となる。余りもの写真を出し切って終わりにする。 あれから数日経ったけど、暖かいからまだ紅葉の見頃は続いていることだろう。11月2日から寒くなるというから、そうなったら一気に加速して、紅葉も終わりになるんじゃないだろうか。茶臼山はもうほぼ終わってしまったようだ。 強い風が吹き続けて、段戸湖のさざ波が消...

    2009/10/31

    紅葉(Autumn leaves)

  • 紅葉の原生林は被写体の宝庫のようなそうでもないような <第二回>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / 90mm f2.8 / DA 16-45mm f4 今日は段戸裏谷原生林の2回目を。 撮りきれないもどかしさを感じつつも枚数だけはたくさん撮ってきたから、全部で3回のシリーズとなる。今日と次回で残った写真を2回に分けて紹介したい。 冷静に振り返ってみると、どう撮るかよりも、何を撮りたいかということの方だ大切で、その気持ちが抜け落ちていたようにも思う。昨日はもうしばらく行きたくないと思っ...

    2009/10/29

    紅葉(Autumn leaves)

  • 紅葉に段戸裏谷原生林に宝物探しに行って力不足を思い知る <第一回>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / 90mm f2.8 / DA 16-45mm f4 愛知県内で一番早い紅葉スポットは茶臼山で、去年行って遅刻だった。 二番目が段戸裏谷原生林、通称きららの森で、今年はここから紅葉シーズンを始めようと決めていた。 段戸裏谷には2005年の7月に一度行ったことがある。あのときは最初、原生林の場所が分からず見当外れの森をさまよい歩いて迷子になった。今年はしっかり原生林の紅葉を撮るというのをテー...

    2009/10/29

    紅葉(Autumn leaves)

  • 時間の経過が生み出した明治村の静けさ <第二回>

    PENTAX K10D+PENTAX-M 50mm f1.4 今日はちょっと時間不足につき、明治村の写真を並べて簡単更新としたい。 季節感があまり関係ない明治村の写真は、こういうときに役立ってくれる。ネタに困ったときは、明治村か動物園に限る。 今日の明治村写真のテーマは、時間と静けさ。それと、光と影だ。 明治村の建物全体に言えることなのだけど、使われていたときからかなり時間が経過して、かつての温もりや生活感みたいなものが希薄な...

    2009/10/28

    施設/公園(Park)

  • 王子製紙撮りポイントを探して庄内川沿いを歩く

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4 王子バラ園へ行った日、王子製紙を撮るポイントを探して庄内川沿いを歩いてみた。 竜泉寺裏のお墓から撮れるのは分かっていたのだけど、あそこは電線が邪魔してしまうから、更に視界が開けた場所を見つけたいと前々から思っていた。車では探しきれないので、車を白沢渓谷の脇に置いて歩くことにする。 上の写真は川上町の北側で、ここまでは車が入ってこられるようにな...

    2009/10/26

    海/川/水辺(Sea/rive/pond)

  • 幸運なサンデー料理

    Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II 先週はとっちらかった料理になってしまったので、今週はまとまりを重視したサンデー料理にするつもりだった。しかしながら、今回もまた一貫性を欠いた料理となった。中華と洋食と、どっちつかずで、どちらにも寄り切れなかった。作る前からそういう予感も少しありつつ、作っていたら思いがけない失敗などもあり、例によって例の如く、着地点は料理任せということになった。 味のバランスは先週より...

    2009/10/26

    料理(Cooking)

  • 秋バラを撮りに行った王子バラ園でバラ撮りに迷う

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 この秋も春日井の王子バラ園に秋バラを撮りに行った。園内に一歩入り、ざっと見渡して、あれ? と思う。やけにバラの数が少ないのだ。ほとんどまばらという感じで、訪れる季節を間違えたかと思ったほどだ。 確かに10月の下旬ではやや出遅れた感はあるものの、去年より2日早い。去年の写真も見返してみたけど、それと比べて半分も咲いていない状態だった。一体どうしたことだろう。 いつもは咲...

    2009/10/25

    花/植物(Flower/plant)

  • 野草と虫撮りもこれが今年最後と思った <森林公園後編>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di 森林公園の一般エリアの芝生広場。ここまでは無料ゾーンなので、家族連れなどがのんびり過ごしている。駐車場も無料だし、安上がりでいい。植物園も200円だし、中まで入っても安いものだ。 年間パスポートの2,000円はやや微妙か。月に1回行かないと元が取れない。入園料500円の東山動植物園が2,000円ということを思うと、ここは1,000円でもいい。近所の人が毎日の散歩コースにするなら2,0...

    2009/10/24

    施設/公園(Park)

  • 花と虫の季節が終わっていくことを実感する秋 <森林公園・前編>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di アサギマダラのラストチャンスということで、もう一度森林公園へ行ってきた。しかし、今回も出会うことはできなかった。エサとなるフジバカマなどもほぼ枯れ果てていて、前回無数に飛んでいたヒョウモンチョウの姿さえなかった。あれではもういるはずもない。 旅するチョウ、アサギマダラはもう南へ向かってしまったようだ。来年こそ、どこかで出会いを果たしたい。 今年の虫シーズンも...

    2009/10/23

    施設/公園(Park)

  • 日々の中で撮った空や河原風景写真を並べてつなぐ

    FUJIFILM S2pro+NIKKOR 50mm f1.8 他 今日はちと時間がないので、河原などで撮った空風景を並べて、つなぐことにする。 うろこ雲のその後。時間と共に光が変わり、色も変化していった。 雲の動きは意外と早くて、あとから撮ろうなんて思っていると、その雲はもうなくなっている。いい雲を見つけたら、すぐその場で撮らないといけない。 うろこ雲は全部同じ日に撮ったもので、この間1時間も経っていない。秋の空は変化が目まぐ...

    2009/10/21

    海/川/水辺(Sea/rive/pond)

  • SLの流し撮りをするために <明治村-1>

    PENTAX K10D+PENTAX-M 50mm f1.4 / DA 16-45mm f4 明治村へ行ってSLを流し撮りしてきた。 もちろん、そのためだけに行ったわけではないのだけど、第一の目的はそれだった。 初めてにしてはまずまず上手くいった方だと思う。予想以上に低速走行で、距離も近かったから、だいぶイメージと違ってはいたのだけど。 SLの流し撮り、楽しいかも。10分か15分間隔くらいで往復どちらかがやってくるから、けっこうチャンスはある。ただ、...

    2009/10/21

    施設/公園(Park)

  • 秋のはじめのモリコロパーク風景 <後編>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4 今日はモリコロパークの続きで、後編をお送りします。 ここは日本庭園の西側にある大きめの池。名前はあるのかないのか、よく知らない。 少し木々が色づき始めて、静かな水面に映り込んでいた。 紅葉の見頃はまだ先でも、紅葉撮りのシーズンはもう始まっている。 シダが密集していて、その模様が面白かった。 太古の地球を思わせる。 温泉でも湧いてるのかと思いき...

    2009/10/20

    施設/公園(Park)

  • それぞれがそれぞれの方を向いた三者三様サンデー料理

    Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II 今日は全般的に、工夫がやや裏目に出たサンデー料理となった。それと、盛りつけの皿を間違えたというのもある。和洋中のどっちつかずになり、総合的にとっちらかった料理になってしまった。完成した写真を見て、自分でも何を作りたかったんだか、と思った。 組み合わせとしてもおかしなことになった。最初のイメージが正しくなかったところへもってきて、途中で計画変更を重ねたことで着地点が想像...

    2009/10/19

    料理(Cooking)

  • なんとなくモリコロパークで秋を感じる <前編>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di 秋晴れの日、なんとなくモリコロパークへ向かった。 愛・地球博が終わって4年。万博の記憶は風化しつつある代わりに、愛・地球博記念公園としてのモリコロパークが自分の中に定着した。特に何かあるというわけでもないのだけど、ときどき思い出して行きたくなる。 ギフチョウを撮った4月から半年ぶりの訪問となった。 リニモには結局まだ1回しか乗っていない。正確に言えば往復の2回だ...

    2009/10/18

    施設/公園(Park)

  • 自分の距離は中間距離だということを知る小幡緑地散策

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4 自然が書いた落書きのような風景。 池の浅瀬で、草や枯れ木が水面から顔を出して、映り込みと相まって、こういう光景が出来上がった。じっと見ていると、魚やハートやエビなどのイラストに見えてくる。 面白いところを見つけたと喜んだ。 最近になって自分の写真の距離感が少し分かってきた。一番好きなのは、レンズでいうと70mmから100mmくらいの画角だ。35mm換算にす...

    2009/10/17

    施設/公園(Park)

  • たぶんこれが今年最後の虫撮り <10月の海上の森・後編>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 今日は10月の海上の森、虫と花編をお届けします。 虫が少なくなった森は、夏休みが終わった昼下がりの公園のように寂しい。夏の森歩きは汗だくになるし、蚊にも刺されるし、クモの巣も顔に貼り付くけど、早くも夏が恋しくなった。 ここ数ヶ月、虫がいるのが当たり前みたいに思っていて、いなくなってみるとその存在のありがたみに気づく。野草もいいけど、虫は動く難しさと楽しさがある。 そ...

    2009/10/16

    虫/生き物(Insect)

  • 季節を確かめにいった海上の森で夏の終わりを実感する <前編>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 また少し森歩きをしてきた。アサギマダラという目的もあったのだけど、今回は季節がどこまで進んでいるかを確かめる意味合いの方が大きかった。そして、季節は思った以上に進んでいることを実感することになる。 まずセミが鳴いていない。1匹だけツクツクボウシが鳴いたのを聞いた以外は、ほぼ完全に沈黙していた。トンボも見たのは1匹だけ、チョウも数匹で、初秋の花も終わりかけていた。緑も...

    2009/10/15

    森/山(Forest/Mountain)

  • 自然史博物館から植物園エリアは駆け足となった <第四回>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / 90mm f2.8 動物園エリアをあとにして、次に自然史博物館の方へとやってきた。 前の広場に野外恐竜ランドというのがあって、そこには何体かの恐竜像が置かれている。子供が喜びそうだし、カップルが記念撮影をしたりしていた。 私も子供の頃は恐竜図鑑をよく読んだりしたものだけど、興味はあまり長くは続かなかった。今でも嫌いではないものの、特別思い入れがあるというわけでもない...

    2009/10/14

    動物園(Zoo)

  • のんほいパークのぼぉーっとした動物たちを見てなごむ <第三回>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di のんほいパークの3回目は、日だまりの中でぬーぼーとするライオンのメスからいってみよう。 ものすごくぼぉーっと過ごしている。一日やることがなくて暇を持て余しているのかもしれない。緊張感というものがまるでない。 野生動物も人間も、食うか食われるか、生きるか死ぬかという状況に身を置いてないと、生物として輝けないというのはある。人の場合は、他人に見られることでそれなり...

    2009/10/13

    動物園(Zoo)

  • これで彩りがよければ年間ベスト3サンデー料理だった

    Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II 今日のサンデー料理は、少しひねりのあるノーマル料理で、全体の出来が思ったよりもよかった。味や組み合わせのバランスも取れていたし、夕飯としては申し分なく美味しく食べられた。 特に珍しいものを使ったわけではなく、いつもの食材をいつものように料理しただけだけど、3品とも今まで作ったことはないと思う。多少ひねりを利かせている。 左手前は、いつもの白身魚料理で、トマトを使ったソー...

    2009/10/12

    料理(Cooking)

  • 長く間が空いて、のんほいパーク編を再開する <第二回>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di 豊橋の「のんほいパーク」編を、だいぶ前に1回やって長く中断したままになっていた。 東三河巡りをしたのが9月1日だから、もう1ヶ月以上経った。その間、いろんなところにちょこちょこ出かけて、そちらを優先していたから、のんほいパーク編を再開するきっかけがなかった。昨日の岩屋堂で一区切りついたから、ここらで続きをやってしまうことにする。 前回は動かないシロクマで終わった...

    2009/10/11

    動物園(Zoo)

  • ダイモンジソウを見るだけは見た岩屋堂

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4 野草に初めて興味を持ったのは、5年くらい前のことになる。デジカメを買い換えて、あちこち散策へ行くようになり、そのときいろいろな野草を見かけて撮り始めたことがきっかけだった。 興味を持ち始めるともっと知りたくなり、野草の図鑑を何冊か買った。それを見ていて、この花は絶対自分でも撮ってみたいと思うものがいくつかあった。5年の間にそれらは...

    2009/10/10

    海/川/水辺(Sea/rive/pond)

  • 飛行機のスピードにまったくついていけなかった素人ヒコーキ野郎

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4 台風が通過したあとは空がものすごい色に染まることがある。何年か前に見た空の色が忘れがたく記憶に残っている。 今日もそうなのではないかと期待して、さてどこへ夕焼けを撮りに行こうかと考えた。最初は長久手のソバ畑へ行こうと思っていたのだけど、何しろ風が強すぎた。台風が去って青空が戻っても風は残っていたので、花ものはあきらめた方がよさそうだった。 そ...

    2009/10/09

    飛行機(Airplane)

  • 越冬できない虫たちの姿に秋の訪れを感じた <10月の海上の森-後編>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / 70-300mm f4-5.6 Di 今日は海上の森の後半で、虫と花編をお送りします。最後の方でかわいくないクモが登場するので、苦手な方は途中で逃げてください。 一枚目は、おんぼろになった翅のチョウ。ヒョウモンチョウだろうか。あまり見覚えのないチョウだ。 傷んだ翅で、セイタカアワダチソウの蜜を吸っている姿に秋を感じた。 ヒョウモンチョウなら、成虫では越冬できない。幼虫で冬を越す。そ...

    2009/10/08

    森/山(Forest/Mountain)

  • 緑の森風景もあとひと月くらい <10月の海上の森-前編>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / 70-300mm f4-5.6 Di アサギマダラを探しに10月はじめの海上の森へ行ってきた。 しかし、写真の先頭がアサギマダラではないということは、撮れなかったことを意味する。あわよくば、というくらいの気持ちだったから、落胆はしていないけど、やっぱりそう簡単には見つからないかとちょっと残念ではあった。 海上の森はアサギマダラの渡りのコースではなく、たまに迷い込んでくるくらいで必ずい...

    2009/10/07

    森/山(Forest/Mountain)

  • 城下町から少し離れて犬山の町歩き <第三回・完>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 犬山城下町散策の3回目は、昔の城下の中心から少しはずれた東側を歩く。 現在の犬山の中心地は、やはり名鉄犬山駅周辺ということになるのだろう。駅は犬山城の南東1キロちょっとのところにある。 上の写真は、本町の通りから少し東に入った寺社が集まっているあたりの道だ。ここは昔からの寺社町なのか、戦後の区画整理で集めたのか、詳しいことは分からない。城下町全体に神社仏閣の数は多い。 ぷ...

    2009/10/05

    名所/旧跡/歴史(Historic Sites)

  • 普通の夕飯作りになってしまったノーマルサンデー料理

    Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II 今回のサンデーは、直前に慌ててメニューを決めたこともあって、アイディア不足のノーマルサンデーになってしまった。ある食材を使って作った3品なので、前に見たことがあるような料理が並ぶことになった。少しだけひねったつもりではあるけど、もしかしたら同じようなものを作ったことがあるかもしれない。もう過去の料理を全部思い出すのは無理なほど、サンデー料理も回を重ねてきた。完全オリジナ...

    2009/10/05

    料理(Cooking)

  • 犬山城下を歩いた夏の記憶もやや薄れがち <第二回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 今日は犬山城下町散策の続きで、2回目となる。 城前からまっすぐ南下して、本町の交差点まで歩いたあと、左に折れて犬山駅西まで歩いて、北に少し行ってまた左に入るというルートを通ったため、写真の順番がちょっとおかしなことになっている。この場所を知っている人には少し違和感があると思うけどご勘弁を。私自身、どういう順番で見たのか、よく覚えていないというのもある。 上の写真は旧・磯部...

    2009/10/04

    名所/旧跡/歴史(Historic Sites)

  • 暑い盛りに歩いた犬山の城下町をようやく紹介できる <第一回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 ここのところ、ブログの更新内容が現在から過去に行ったり来たりを繰り返している。立て続けに旅に出たり散策をしたりしたからなのだけど、今日はまた過去に戻る。 犬山の城下町を散策したのは、リトルワールドのナイターへ行く前だから、8月14日のことだった。時間だけでなく季節まだ戻ってしまった。お盆の時期といえば夏真っ盛りで、写真からも強い日差しが伝わってくる。今見返してみると、季節の...

    2009/10/03

    名所/旧跡/歴史(Historic Sites)

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岩屋堂紅葉の先取り情報

紅葉(Autumn leaves)
岩屋堂紅葉偵察-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm F4 / TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 瀬戸の釜神神社に行ったあと、水野川の散策をしようと363号線を北上してみたものの、道が狭くて車をとめておける場所がない。しばらく置いてけるところがあれば、そこから歩いて上流を目指そうと考えていたのだけど、あきらめざるをえなかった。
 そのまま帰るのも詰まらないので、岩屋堂へ寄って行くことにした。紅葉情報では色づき始めとあったので、どんなものか様子を見ておきたかった。
 個人的に岩屋堂の紅葉で一番楽しみなのが、上の写真の場所だ。浄源寺の参道が落ち葉で埋め尽くされる光景が好きで、毎年楽しみにしている。しかし、まだ全然だ。奥に比べてこちらはかなり遅い。色づき始めてもいなかった。
 撮りどきは例年通り12月の頭だろうか。いつも微妙に時期を外しているから、今年はジャストタイミングを狙いたい。

岩屋堂紅葉偵察-2

 イチョウの巨木もあって、この黄色が落ち葉絨毯の主役となる。
 モミジもイチョウもまだ青々していて、紅葉の気配はない。

岩屋堂紅葉偵察-3

 岩屋堂紅葉ポイントの中心地あたりは、こんな感じになっている。全体的にやや染まりつつあるといったところだ。
 今年の紅葉はきれいだという話を聞くけど、実際のところどうなのだろう。枯れ葉というか、傷んだ葉が多いという印象を持った。紅葉する前に落ちてしまった葉も多い。台風直撃の影響も少なからず受けているのだろうか。
 ライトアップは14日から23日ということで、そのあたりが見頃ということになりそうだ。

岩屋堂紅葉偵察-4

 普段閉まっている店も開けて、そろそろ紅葉本番という雰囲気が出てきていた。食材などを運び入れているところもあった。
 見物客もパラパラと訪れていた。まだ早い。

岩屋堂紅葉偵察-5

 部分的にでも色づいたら、写真に撮るところは出てくる。
 紅葉を撮るには、ピークになってからでは遅い。7、8分くらいが葉の状態もいいから、撮り頃はそのときだ。

岩屋堂紅葉偵察-6

 赤いくれない橋の周辺が一番の見所となる。
 写真の通り、まだまだ早い。11月に入ってすぐに行くのは先走りすぎだ。2日以降の寒気でどれだけ進むかどうか。

岩屋堂紅葉偵察-7

 葉の間から瞬間的に人を捉えた。つもりが、微妙に遅れた。
 写真には反射神経も必要だ。

岩屋堂紅葉偵察-8

 フユザクラの季節はこれから長い。この前見たときと比べて花の数はほとんど増えていなかった。ポツリ、ポツリと少しずつ順番に咲くのだろう。

岩屋堂紅葉偵察-9

 紅葉の葉を背景に、ジョロウグモがまだ粘っていた。
 葉が落ちる頃までにはクモたちの姿もほとんど消えることになる。寒さに耐えきれなくなるのが先か、エサとなる虫がいなくなるのが先か。

岩屋堂紅葉偵察-10

 色づいたモミジの葉も傷みが目立つ。
 今年の紅葉はきれいだというのは、北の方の話なんだろうか。
 桜並木の紅葉も毎年の楽しみの一つなのだけど、今年は葉が落ちるのが早い。

岩屋堂紅葉偵察-11

 同じようなクモ写真ながら、こちらはクモの巣がきれいだったので載せておく。
 こいつは几帳面な性格のやつだ。仕事が細かい。

岩屋堂紅葉偵察-12

 滞在時間は30分弱で、三脚も持っていなかったので、このあたりで偵察は終わりとなった。水風景も手持ちでは撮れるものが限られる。

 紅葉本番の岩屋堂には、今年は行かないと思う。去年初めて行って様子は分かったし、今年もこれで一度行ったからもういい。撮れるものもだいたい決まっている。
 紅葉終盤に浄源寺だけは行くつもりでいる。できれば朝一で行きたい。
 そろそろ紅葉シーズンも始まったと見ていい。今年は段戸裏谷から始まってさい先がいい。この調子で最後まで追いかけることができればいいけど、さてどうなることか。最初から飛ばしすぎて途中で息切れしてしまうなんてこともありそうだ。
 紅葉とは別に、そろそろ遠出の旅にも出たくなってきている。

段戸裏谷の写真を振り返って収穫ありと思い直した <第三回>

紅葉(Autumn leaves)
段戸裏谷3-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / 90mm f2.8 / DA 16-45mm f4



 段戸裏谷シリーズ3回目の今回が最終回となる。余りもの写真を出し切って終わりにする。
 あれから数日経ったけど、暖かいからまだ紅葉の見頃は続いていることだろう。11月2日から寒くなるというから、そうなったら一気に加速して、紅葉も終わりになるんじゃないだろうか。茶臼山はもうほぼ終わってしまったようだ。

段戸裏谷3-2

 強い風が吹き続けて、段戸湖のさざ波が消えることはなかった。こうなると、森林の静かな湖を表現するのは難しい。

段戸裏谷3-3

 もみじの形をした葉っぱもそれぞれで、標準サイズのオレンジと緑があって、二回りくらい大きな黄色がある。どの葉っぱがどの木のものかは知らない。

段戸裏谷3-4

 大きめの木には名前のプレートがついている。
 この木は見て覚えたつもりだったのに、すっかり忘れてしまった。プレートのメモ撮りをしておくべきだった。木の名前は覚えたいという気持ちが弱い。

段戸裏谷3-5

 派手目の部分に光が当たったところ。こんな賑やかなところもある。

段戸裏谷3-6

 足元の落ち葉撮りにはまだ早い。落ち葉の絨毯の撮りどきは、紅葉シーズンの後半だ。風が強かった次の日の朝一番がいい。

段戸裏谷3-7

 水苔みたいな苔なのか、シダみたいなものか。

段戸裏谷3-8

 黄色い落ち葉の道。あまりきれいじゃない。
 落ち葉で木の種類が分かるくらいになるといいのだけど。

段戸裏谷3-9

 切り株に貝殻が刺さっているのかと思った。これもキノコだろうか。

段戸裏谷3-10

 ブナだったような、そうじゃないような。
 きららの森の主役はブナなのだから、もう少しブナを撮ればよかった。

段戸裏谷3-11

 行き帰りの33号線の風景。
 道が狭くて、車をとめておけるところがあまりないのだけど、撮りたくなる風景があちこちにあった。
 段戸湖の東の方に紅葉スポットがたくさんあるようだ。

段戸裏谷3-12

 峠の頂上あたりから見る遠景。
 あんな谷にも人の暮らしがあるのだと感心する。
 この近くに寧比曽岳の登山口があって、2005年に山登りをした。雨の日で、帰りに階段から滑り落ちて死にそうになったのをよく覚えている。

段戸裏谷3-13

 段戸川風景。このあたりはもう少ししたらモミジの紅葉がきれいになるだろう。
 珍しくこんな山の方の川にカルガモがいた。私に気づくとそそくさと逃げ出して、更に近づいたら飛んで逃げた。人に慣れてなかったのだろう。驚かせてしまったようだ。

段戸裏谷3-14

 とっさに流し撮り。
 もう少し落ち着いてピントを合わせたかった。シャッタースピードも遅くて、ややブレた。

 こうして段戸裏谷原生林の紅葉撮りは終わった。
 非常に無力感を伴う撮影だったけど、こうして更新を終えてみると、いろいろ収穫もあったことに気づく。今年行っておいてよかった。
 何年後になるか分からないけど、またぜひ行ってみたい。

紅葉の原生林は被写体の宝庫のようなそうでもないような <第二回>

紅葉(Autumn leaves)
段戸裏谷2-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / 90mm f2.8 / DA 16-45mm f4



 今日は段戸裏谷原生林の2回目を。
 撮りきれないもどかしさを感じつつも枚数だけはたくさん撮ってきたから、全部で3回のシリーズとなる。今日と次回で残った写真を2回に分けて紹介したい。
 冷静に振り返ってみると、どう撮るかよりも、何を撮りたいかということの方だ大切で、その気持ちが抜け落ちていたようにも思う。昨日はもうしばらく行きたくないと思ったけど、時間が経ったらまた行きたいと思うようになった。

段戸裏谷2-2

 今回、途中でC-PLフィルターのことを思い出してしばらく使って、終盤はまた外したのだけど、つけているときといないときの違いの大きさを再認識することになった。
 上の写真は使って撮ったときのものだ。水面の反射が取れてるのは予想通りとして、木々のテカりがここまで押さえられるは思ってなかった。
 C-PLは色を鮮やかにするために使うという思いがあったけど、効果はそれだけではない。これだけ風景の表情が変わってくるとなると、使いどころを考えて使い分けなくてはいけない。水面の映り込みは少なくなるし、ずっとつけっぱなしでいいというわけでもない。

段戸裏谷2-3

 訪れている人は、ポツポツといったところで、見頃となった現在も大挙して人が押し寄せるという場所ではない。週末はどれくらいの人が訪れるのか、見当がつかない。駐車場が狭いから、混雑すると大変そうだ。
 普段は静かでよいところだと思う。一年を通じて、鳥や花などを楽しめる。

段戸裏谷2-4

 驚いたことに、カキツバタの花が咲いている。違う花かとも思ったけど、どう見てもカキツバタだ。普通5月に咲くはずの花が10月の終わりに咲くとは考えにくい。それも一つではなく、いくつか咲いている。初夏と秋の二度咲きなんてこともあるのだろうか。
 紅葉をバックに咲くカキツバタは、小原村の四季桜以上に奇妙な光景だった。

段戸裏谷2-5

 久しぶりにヤマガラさんを撮った。
 ここは野鳥の宝庫でもあるから、鳥狙いでも楽しいところだ。この日もいろんな鳥の声がたくさん聞こえていた。ただ、まだ葉が生い茂っているから、散策途中のついでに撮るというのは難しい。撮るならじっくり腰を据えて待つ必要がある。もう少し冬が深まれば、デジイチの望遠レンズでも撮れるようになるだろう。

段戸裏谷2-6

 原生林というと昼間も日が差さないほど暗い森というイメージがあるかもしれないけど、実際は思うより明るい。鬱蒼としたジャングルというわけではない。
 途中に2ヶ所、湿地帯があったり、小川の流れがあったりしつつも、じめっとした感じもない。なので、私が好きな苔も意外と少ない。逆にそのあたりが物足りなくもある。

段戸裏谷2-7

 切り株から伸びる小さな芽。森の妖精たちが踊っているようにも見える。
 これは何の芽だろう。

段戸裏谷2-8

 ここの紅葉は全般的にこんなふうに染まっているところが多い。黄色とオレンジと赤が入り交じって、やや渋めだ。これでもうピークに近いんじゃないかと思う。この先は枯れ色になって、落ち葉が増えていく。

段戸裏谷2-9

 木の根元にわっと新芽が伸びたエリアがある。赤い実をつける低木だけど、何者か知らない。
 人間の手が入る森は、木を切ったところに上からの光が当たって低木が育つ。人間の手が入らない森は、高木が生い茂ってくると下の方に日が差さなくなって、低木や野草が育たない。だから、自然林よりも里山の方が植生は豊かだ。花が少なければ虫も来ないし、受粉による野草の広がりもない。
 人間の手が入っていない森林ほど豊かだと思うのは認識間違いだ。人間が森林と共存することで互いに豊かさを教授し合うことができたから、昔は上手くいっていた。木の伐採が必ずしも悪というわけではないし、割り箸を使わないことがエコなわけでもない。

段戸裏谷2-10

 風に揺れる葉。この日は風が強くて、三脚を使っても被写体ブレすることが多かった。中途半端になるとただの失敗写真だけど、それを逆手にとって風の表現として使うという手もある。
 これはまだちょっとシャッタースピードが速すぎた。NDフィルターを使ってもっと遅くした方がよかった。

段戸裏谷2-11

 人工物と自然の組み合わせも、いつも考えている。
 錆びた鉄色とグリーンのコントラストに惹かれるものがあった。

段戸裏谷2-12

 ハイキーは得意じゃないけど、たまにやりたくなる。
 表現の幅を広げるためにも、効果的だと思ったら積極的にやっていきたい。

段戸裏谷2-13

 この日は水風景をあまり撮れなかったのが残念だった。撮るのに適した場所が少ない。
 紅葉の終盤になれば、色づいた葉っぱが流れに落ちて、このあたりの流れも彩ってくれることだろう。それは、紅葉シーズン後半の楽しみということにしよう。

 次回に続く。

紅葉に段戸裏谷原生林に宝物探しに行って力不足を思い知る <第一回>

紅葉(Autumn leaves)
段戸裏谷1-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / 90mm f2.8 / DA 16-45mm f4



 愛知県内で一番早い紅葉スポットは茶臼山で、去年行って遅刻だった。
 二番目が段戸裏谷原生林、通称きららの森で、今年はここから紅葉シーズンを始めようと決めていた。
 段戸裏谷には2005年の7月に一度行ったことがある。あのときは最初、原生林の場所が分からず見当外れの森をさまよい歩いて迷子になった。今年はしっかり原生林の紅葉を撮るというのをテーマとして、4年ぶりに出向いていったのだった。
 そして私は、原生林に返り討ちに遭い、自分の実力不足を思い知らされ、元気なく帰途につくことになる。
 正直、あのロケーションは上級者向けの難しい被写体だと思う。香嵐渓のようにどこを撮っても鮮やかで絵になるのとは違って、素材を活かしていいポイントを見つけて、的確に切り取る確かな目が必要となる。風景としてはとても雑然としていて、ありのままを撮っただけではひどく整理不足の雑多な写真になってしまう。
 あれだけの素材があってそれを活かせなければ何を言っても言い訳になってしまうのだけど、分からない、分からないと、首をひねり、頭を振りながらの撮影歩きとなった。どう撮っていいのか分からない。明日もう一度行ったらもっといい写真が撮れるかといえばその自信もない。
 撮りきれなかった悔しさよりも、撮れなかった無力感にヘコんだ。ここ最近、ちょっと写真が撮れるような気になっていただけに、失った自信は大きい。今回は被写体に完敗した。たぶん、向こう3年は行く気になれないんじゃないかと思う。

段戸裏谷1-2

 段戸裏谷原生林へ行くには、まず段戸湖を目指すことになる。
 香嵐渓を抜けて、153号から33号線に入り、あとは細い山道をくねくね上り下りして50分ほどで到着する。
 段戸湖の無料駐車場に30台くらいはとめられる。
 ここは治水のための人造湖で、ニジマスやイワナなどを放流してあり、有料の釣り場となっている。1日3,000円。
 前回行ったとき、腰まで浸かってフライフィッシングをしている人がいて、今回もそのシーンをぜひ撮りたいと思ってたのだけど、残念ながら釣り人はみなさん岸からだった。秋は冷たすぎるか。
 この日は風も強くて、湖面にさざ波が立って、その点でも写真としては厳しかった。

段戸裏谷1-3

 水の透明度は高く、泳いでいる魚もよく見える。それだけに釣るのは難しそうだ。
 アマゴやイトウなども放流されているらしい。イトウなんて、幻の魚として釣りキチ三平で読んで以来見聞きしたことはない。普通に泳いでいたのだろうか。

段戸裏谷1-4

 段戸裏谷は、ブナ、モミ、ツガを中心とした原生林で、127ヘクタールの96パーセントが天然林だそうだ。
 原生林というのは人の手による伐採や山火事などがほとんどない森林のことをいい、まったく手つかずの森林を原始林と呼ぶ。
 原生林も今となっては非常に少なくなっていて、愛知県内でも数ヶ所しかない。段戸裏谷は県内最大のブナ林で、樹齢200年を越える木も多いという。
 近づいてみると迫力というか、確かな存在感がある。

段戸裏谷1-5

 原生林の中はこんな感じに紅葉している。黄葉と言った方がいいかもしれない。一般的なイロハモミジの赤い紅葉とは違って、やや地味だ。
 この景色の前に立って、どう撮ればいいのかと立ち尽くす。天然林だから、統一感といったようなものがないし、障害物だらけで、ままらない。色づいている葉っぱを撮っても面白くないし、原生林らしさって何だろうと考える。

段戸裏谷1-6

 苔むしている倒木をようやく見つける。
 屋久島や白神山地のようにこんなのがゴロゴロ転がっているようなイメージを抱いていくと肩すかしを食う。そこまで森深くはない。
 撮るもの、撮るものと、呪文のように心の中でつぶやきながら、上を見て、下をキョロキョロしながら歩く。探し物はなんですか。見つけにくいものですか。

段戸裏谷1-7

 巨木と紅葉の足元では、枯れ葉に混じって次の世代の芽が育ってきている。
 森も姿形を変えながら、世代を重ねて生き続けている。

段戸裏谷1-8

 見上げれば、赤、黄色、緑の彩り三重奏。

段戸裏谷1-9

 原生林とはいえ、4パーセントは人間によって植林されているから、モミジやヒノキやらもある。
 標高は1,000メートルほどなので、平地よりも季節の進みは2~3週間先行といったところだろうか。モミジの色づきはもう少し先に見えたけど、全体の紅葉としてはもう見頃に入っている。

段戸裏谷1-10

 原生林らしさというのは、むしろこういう渋枯れの風景かもしれない。こんな景色は、海上の森でも見られない。

段戸裏谷1-11

 原生林の中は散策路がしっかり整備されていて、歩きに関するワイルドさはない。ヒールは無理でもスニーカー程度で大丈夫だ。
 付随する自然観察路をあわせて歩いても、1時間半くらいだろう。それほど広い場所ではない。
 私は写真を撮りながらゆっくり歩いたから、一周回って4時間ちょっとだった。休憩はしてないけど、立ち止まっている時間も長いから、普通はそんなにかからない。

段戸裏谷1-12

 水キャンバスに自然が描いてみせた秋色風景。
 段戸湖や段戸川など、水は豊富なのに水風景を撮れる渓谷のようなところはあまりない。

 これ見よがしのどうだという写真が撮りたかったわけではないのだけど、写真家の米美知子がよく言う「宝物探し」という気分で行って、宝物が見つけられなかった失望感というのが今回の私の気分だった。行く前はあれもこれも撮り切るんだと張り切っていて、気合いが空回りした。
 それにしても、あそこは難しい。全然手応えがなかった。
 それでも、撮ってきた写真で出せるものは出しておきたい。次回につなげるためにも。

時間の経過が生み出した明治村の静けさ <第二回>

施設/公園(Park)
明治村2-1

PENTAX K10D+PENTAX-M 50mm f1.4



 今日はちょっと時間不足につき、明治村の写真を並べて簡単更新としたい。
 季節感があまり関係ない明治村の写真は、こういうときに役立ってくれる。ネタに困ったときは、明治村か動物園に限る。
 今日の明治村写真のテーマは、時間と静けさ。それと、光と影だ。
 明治村の建物全体に言えることなのだけど、使われていたときからかなり時間が経過して、かつての温もりや生活感みたいなものが希薄なり、眠りについたような静けさをたたえている。観光客が大勢訪れても、そこに温かみのようなものを加えることはできない。
 だから、明治村の写真は静かな雰囲気になりがちだ。撮り手の私も感情を込めずに、ありのままを撮ればいいのだと思う。感傷は必要ない。

明治村2-2

 石川啄木が下宿していた家の床屋の店内。啄木は二階に間借りして、新婚の二年間をこの家で過ごしている。
 この床屋の椅子にも座っただろうか。

明治村2-3

 聖ザビエル天主堂も、建物はもちろん使われていた本物で、内部の雰囲気も悪くないのだけど、現役で使われている教会や大聖堂などとは決定的に空気感が違う。人の祈りが生み出す濃密な空気は、もう抜けてしまって残っていない。
 それは、現役の教会に行ってみるとはっきり分かると思う。名古屋なら布池教会や南山教会は誰でも入れるところなので、一度行ってみることをおすすめしたい。

明治村2-4

 のれんから漏れ入る表の光。
 わずか布きれ一枚のことだけど、これだけで内と外とをはっきり区別している。日本人の知恵が生んだ発明だ。

明治村2-5

 夏目漱石や森鴎外が住んでいた借家の居間。鴎外は明治23年から一年間、漱石は明治36年から3年間、この家を借りて生活していた。
 二人もお茶を飲みながら、庭を眺めたりしたことだろう。
 縁側には猫の置物が置いてある。吾輩は猫であるのモデルとなった猫だ。
 庭には漱石が好きだったボケの木が植わっている。

明治村2-6

 近頃めっきり見なくなった下駄。
 私は車に積んでいるので、履こうと思えばいつでも履ける。
 子供の頃は、店に下駄履きの方入場お断りみたいな貼り紙が貼られていた。気づいたらそういう貼り紙も見なくなっていた。下駄を普段履きしてる人もいない。

明治村2-7

 昔は行燈だったから、室内もずいぶん暗かったことだろう。まともに本も読めない。
 こういう電球色の方が落ち着くことに気づいて、蛍光灯よりも電球で間接照明にする人も増えているようだ。かつて蛍光灯の明るい白さは豊かさや便利さの象徴のようなものだったけど、白すぎて温かみに欠ける。

明治村2-8

 白いレースのカーテンを通す柔らかい光は優しい。
 光の種類によって人の気持ちに及ぼす影響は違ってくる。

明治村2-10

 洋館の廊下。板敷きの床が歩くたびにギシギシきしみ音を発する。
 天井は高く、廊下の大きな窓がたっぷりの光を取り込む。こういう設計思想に明治の日本人は驚いたことだろう。日本家屋にはなかった発想だから。

明治村2-11

 最後に少しだけ季節感のある写真を。
 今となっては季節外れとなったヒガンバナがわずかに咲いていた。波打つガラスを通して見る景色は、時間さえも遡って見せるようだ。

 ネタと時間が足りないときは、明治村シリーズを挟んでいくことにしよう。

王子製紙撮りポイントを探して庄内川沿いを歩く

海/川/水辺(Sea/rive/pond)
庄内川散策-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4



 王子バラ園へ行った日、王子製紙を撮るポイントを探して庄内川沿いを歩いてみた。
 竜泉寺裏のお墓から撮れるのは分かっていたのだけど、あそこは電線が邪魔してしまうから、更に視界が開けた場所を見つけたいと前々から思っていた。車では探しきれないので、車を白沢渓谷の脇に置いて歩くことにする。
 上の写真は川上町の北側で、ここまでは車が入ってこられるようになっている。後ろには東名阪が走り、庄内川大橋が架かっている。左手の前方に名古屋駅のビルが見える。
 とりあえず一度河原まで降りてみることにした。

庄内川散策-2

 このあたりは、それなりに川幅があるものの、水量はさほど多くなく、流れも早くない。
 べたっとした景観で、面白みはない。カモたちもいない。
 東の方をずっと見やってみても、橋らしいものはない。どこかで向こう岸に渡れるのではないかという予想は外れた。
 庄内川大橋を渡らないなら、500メートル西の松川橋を渡るしかない。東は5キロ以上遡らないと橋はない。このへんは歩きの人間にとっては不便な場所だ。
 川沿いから少し戻ったところに踏み跡でできた道があったので、そこを歩いて東へ行ってみることにした。

庄内川散策-3

 見上げれば秋らしい空が広がっている。
 青色に白い墨が溶けて滲んだような表情は、秋の典型的な空だ。

庄内川散策-4

 しばらく歩いて背の高い雑草が途切れた場所から王子製紙の煙突が見えた。
 ここでもやはり電線が邪魔をする。手前に鉄塔が建っているから、その線を避けないことにはどうしようもない。

庄内川散策-5

 東に500メートルくらい歩いただろうか。堰があって、ここで道が途切れたようになっている。
 ここに魚が集まるのだろう。お馴染みの鳥たちが全員集合していた。アオサギにダイサギ、カワウにカモたち。左隅にちょこんと写っているのは、カワセミだったかもしれない。

庄内川散策-6

 めったに人が訪れないところで油断していたのだろう。私の姿を見つけると驚いて飛んで逃げていった。こんなところにまさか人間が来るとは、と彼らは思ったかもしれない。
 肉眼で見たときはマガモに見えたけど、アオクビアヒルという可能性もあるだろうか。たぶん、マガモだと思う。

庄内川散策-7

 夕陽を浴びながら、川の中でダイサギが佇んでいた。
 ススキなどが西日を浴びる風景は、秋の深まりを感じさせる。

庄内川散策-8

 水鏡に写る風景。向こう岸を自転車が行く。
 向こうからこちらを見たら、藪の中でカメラを持ってかき分けるようにして歩いている人の姿を見てちょっと驚いたかもしれない。

庄内川散策-9

 ダイサギかコサギの群れが一斉に飛び立って去っていった。
 全部で10羽くらいが群れになって固まっていたようだ。このあたりのどこかにコロニーがあるかもしれない。

庄内川散策-10

 結局、この川沿いでは電線を逃れることができないことが分かった。位置的にも低すぎて、全体を見ることができない。
 この先を進むと竜泉寺裏のお寺まで続いているように地図にはあるのだけど、実際はけものみちのようになっていて、進む気がしなかった。
 堰があるところには水門のハンドルなどがあって、車でも人が入ってきているようだけど、その先は踏み跡しかない。ここであきらめて引き返すことにする。

庄内川散策-11

 光る道。
 そこだけ光が当たって、柔らかな風景が現出した。

庄内川散策-12

 庄内大橋の夕景。
 この日は金色気味に空が焼けた。

庄内川散策-13

 まだ少しあきらめきれなかったので、最後に川東山の住宅地からの可能性を探ってみることにする。
 ここは高台の土地になっていて、開けた場所さえあれば、上から見下ろせると思った。
 家と家との間から、名駅ビル群が見えた。
 しかし、ここでも電線と手前の木々によって視界は防がれてしまった。

庄内川散策-14

 静かな住宅街を歩き回って、ようやく一ヶ所、ちょっといいポイントを見つけた。
 ただ、角度がよくないし、やはり遠すぎる。鉄塔も邪魔だし、左には木が写り込んでいる。
 住宅地の家と家との間の細い道だから、夜に行って三脚を立てて撮れるような場所でもない。
 これなら竜泉寺街道のチャンバリンからの方がよさそうだ。
 もしくは、別角度からの可能性を探った方がいいのだろうか。

庄内川散策-15

 日没となり、この日の散策はここまでとなった。
 王子製紙の撮影ポイントは見つからなかったものの、歩いたことで分かったこともあったし、次につながるはずだ。
 庄内川も一部しか知らないから、今後も機会を見つけて歩いてみたい。

幸運なサンデー料理

料理(Cooking)
まとまり重視サンデー

Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II



 先週はとっちらかった料理になってしまったので、今週はまとまりを重視したサンデー料理にするつもりだった。しかしながら、今回もまた一貫性を欠いた料理となった。中華と洋食と、どっちつかずで、どちらにも寄り切れなかった。作る前からそういう予感も少しありつつ、作っていたら思いがけない失敗などもあり、例によって例の如く、着地点は料理任せということになった。
 味のバランスは先週よりずっとよかったのだけど。

 まず何が失敗したかといえば、魚の団子揚げだ。
 どこにそんなものがあるんだとあなたは思ったかもしれない。ほら、目の前にあるじゃないですか。左手前の、ぐちゃぐちゃっとしたやつ。なんてこった。
 メカジキを細かく切って、刻んだタマネギ、小麦粉、塩、コショウ、マヨネーズ、コンソメの素を混ぜ合わせ、団子状にして揚げたのだけど、揚げてる最中にボロボロ崩れてきて、最終的にはほぼすべて分解してしまったのだった。びっくり。
 つなぎが足りなかったのと、ふんわりさせようと入れたマヨネーズがいけなかったようだ。練りもまったく足りなかった。
 しょうがないので取り出して、フライパンで炒めてみた。
 それで、タルタルソースと絡めて食べてみたところ、これが美味しいから料理というのは何が幸いするか分からない。最初から炒めていたら、これはこれで普通に美味しい料理として成立したはずだ。レタスに包んで食べたのも正解だった。
 この失敗は別の料理につながる可能性を感じさせるものとなった。もう少しアレンジを加えて更に美味しいものが作れそうな気がする。

 右側もちょっと不思議な一品だった。これも思惑とは違うものが出来上がった。
 ベースはジャガイモで、こんなような料理が外国にあるのではないか。スペインあたりかもしれない。
 ジャガイモを皮のままラップしてレンジで4分加熱して、皮をむいてつぶす。
 刻んだニンジン、バター、とろけるチーズ、コンソメの素、牛乳、卵、マヨネーズ、塩、コショウ、砂糖、小麦粉を混ぜ合わせて、卵焼き用のフライパンで焼く。
 ソースはコンソメスープにとろみをつけたもので、最後に青のりと粉チーズを振りかける。
 ジャガバターチーズの変形のようなもので、わりと美味しい。ただ、食感が少しパサパサなので、そのあたりに改良の余地がある。山芋のすり下ろしとかを混ぜてみたらどうだろうか。もっとふんわりした食感になると、更に美味しくなる。

 奥は、豆腐とエビの豆板醤炒めで、これは中華だった。
 ごま油で長ネギの刻みを炒め、ニンニク、ショウガを加え入れる。
 下ごしらえしたエビを投入し、酒、みりん、しょう油、バルサミコ酢、豆板醤、オイスターソース、中華の素、塩、コショウ、砂糖、唐辛子で味付けをする。
 エビはいったん取り出して、切り分けた絹ごし豆腐を入れて、しばらく煮込む。
 もう一度エビを戻して、水溶きカタクリ粉を入れ、混ぜ合わせたら完成だ。
 麻婆豆腐とエビチリのどっちつかずのやつみたいなものだけど、これは間違いのない味だ。安心感と安定感がある。

 というわけで、今日もまた着地点が定まらずにフラフラしたサンデー料理となったわけだけど、結果オーライで美味しい料理となった。
 人間万事塞翁が馬。予定通りいけば幸せになれると決まっているわけでなく、失敗が成功につながったりもする。運も実力の内、ということにしておこう。
 運がよければ美味しい夕食になるという家庭の主婦ではちょっと困るけど、私は趣味の料理だからこれでいい。
 これからも、いろいろ試しつつ、楽しんで作っていくことにしよう。

秋バラを撮りに行った王子バラ園でバラ撮りに迷う

花/植物(Flower/plant)
秋バラ-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8



 この秋も春日井の王子バラ園に秋バラを撮りに行った。園内に一歩入り、ざっと見渡して、あれ? と思う。やけにバラの数が少ないのだ。ほとんどまばらという感じで、訪れる季節を間違えたかと思ったほどだ。
 確かに10月の下旬ではやや出遅れた感はあるものの、去年より2日早い。去年の写真も見返してみたけど、それと比べて半分も咲いていない状態だった。一体どうしたことだろう。
 いつもは咲いているはずのコスモスは影も形もなく、花畑自体に花が咲いていないのも驚いた。隅の方に倒れた花があったから、もしかしたら台風の影響をず受けたのだろうか。
 それにしても、思いがけない寂しさだった。花も軒並み進んでいて、きれいに咲いているのが少なかった。今年の秋は暖かいような涼しいような、ちょっと分かりづらい気候になっている。紅葉はどうなんだろうか。
 半年ぶりのバラ撮りとなったわけだけど、やっぱりバラは難しいとあらためて感じた。工夫の余地が少なくて、どう撮っていいのか分からない。美しいものはそのまま素直に撮ればいいとは思うものの、それではありきたりで面白みのない写真になってしまう。
 なんとか工夫して撮ろうという試みが、今回は裏目に出た。帰ってきて写真を見て、ちょっと失敗したなと思う。今日はそんな秋バラの写真をお届けします。

秋バラ-2

 一応三脚も持ってはいったものの、明るい条件でシャッタースピードが充分だったのでほとんど手持ちで済ませてしまった。けど、マクロの場合、いくらシャッタースピードがあっても自分自身の構えが前後に微妙に動いてしまうから、どうしてもピントが甘くなりがちだ。横着せずに三脚を使うべきだった。
 三脚の必要性というのをここのところ強く実感している。どれだけいい条件でいい被写体に出会っても、ピンぼけと手ぶれで写真は台無しになってしまう。三脚でそれがふせげるなら、少々恥ずかしいくらいは我慢しないといけない。
 人はそうやって帽子をかぶり、リュックを背負い、ベストを着るようになっていくのだろうか。

秋バラ-3

 一枚くらいは普通に撮ろうと思って撮ってみたけど、やっぱり詰まらない。
 私としてはバラそのものに興味があるわけではなく、バラを借りて自分が気に入る写真を撮りたいだけで、品種にもこだわっているわけではない。今回はプレートの名前を見ることもなかった。

秋バラ-4

 カップ咲きを横から逆光気味に光を入れて撮ってみたらどうか。
 これもあまり面白くない。

秋バラ-5

 花びらに光を透かして正面から撮ってみる。
 これも効果的とは言えない。

秋バラ-6

 こうなったらいっそのこと、日の丸でどうだ。
 って、これはさすがにいけない。いけなすぎて、かえって斬新と言えなくもないか。

秋バラ-7

 思い切って、しべだけ撮ってみるも、意味がない。
 撮っていて、ますます分からなくなっていく。

秋バラ-8

 近接撮りの定番といえばこんな感じか。
 バラは色と花びらの形が真骨頂で、開ききっているより蕾に近い方が被写体向きだ。

秋バラ-9

 好きなマダム・ヴィオレも、全部開いてしまっているものばかりで、状態のいいものはなかった。
 マダムも開けっぴろげすぎるのはいけない。恥じらいがないと。

秋バラ-10

 久しぶりに荒城の月と再会することができた。今回これが一番嬉しい収穫だった。ここ数年、すれ違って見ることができなかったから。
 まともな逆光だったので、前から一度試してみたいと思っていた日中シンクロに挑戦してみた。昼間の明るいときに強い逆光だと被写体が暗くなってしまうから、フラッシュで光を当てて撮影するのを日中シンクロという。変な造語で分かりづらい。
 しかしながら、光が調整できない内蔵フラッシュでは日中シンクロは難しい。絞りを明けると明るくなりすぎるし、不自然な感じになる。ただ、上手くいけば、こういうシーンでも被写体を明るくしたまま青空の色を残すことができる。日中シンクロしないと空の色は白く飛んでしまう。
 小さなレフ板みたいなものを持参して、正面から光を回すというのもテクニックとしてある。水着ギャルの撮影会みたいなことになるけど。

秋バラ-11

 こんなシジミチョウは見たことがない気がする。アカシジミにしては色が薄すぎる。点の模様は一つだけで、はっきりした筋も見えない。
 ちょっと保留。

秋バラ-12

 ミツバチのお尻だけ。
 この時期は野草がだいぶ少なくなっているから、バラの蜜は貴重だろう。秋になっても、まだ忙しく集め回っていた。

秋バラ-13

 ホトケノザが咲いていてびっくりした。こんな時期に。
 春先の2月くらいから咲き始めるトップバッターが、こんなにロングランだとは知らなかった。普通は夏前には姿を消すものなのだけど。

秋バラ-14

 タンポポは冬近くなっても咲いているやつがいる。数は少ないながら。
 アップで見るとこんなふうになっている。段カットみたいになっているのか。

秋バラ-15

 花畑だったところに小さな芽が顔を出していた。
 土も入れ替えて、花畑をあらたに作り直しているようだ。育つまでにはしばらくかかるだろう。

 これで秋バラを撮ったとするには物足りない。せめてどこかでもう一回撮りたい。
 この秋の王子バラ園はあまりオススメできない。他の場所はどんな状況になっているんだろう。機会があれば、東山植物園あたりで確かめたい。

野草と虫撮りもこれが今年最後と思った <森林公園後編>

施設/公園(Park)
森林公園2-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 森林公園の一般エリアの芝生広場。ここまでは無料ゾーンなので、家族連れなどがのんびり過ごしている。駐車場も無料だし、安上がりでいい。植物園も200円だし、中まで入っても安いものだ。
 年間パスポートの2,000円はやや微妙か。月に1回行かないと元が取れない。入園料500円の東山動植物園が2,000円ということを思うと、ここは1,000円でもいい。近所の人が毎日の散歩コースにするなら2,000円でも高くないだろうけど。

森林公園2-2

 竹林は惹かれる被写体で、よく挑戦するのだけど、なかなかイメージ通りにいかない。手前の竹の配置をどこにどれくらい置くかで印象が決まる。そこが難しい。

森林公園2-3

 竹の葉。
 ここ最近、やや抽象画的な風景写真を撮りたい気持ちが強くなっている。それも地味なやつ。渋い写真が撮りたい。

森林公園2-4

 遠くの方にポツポツ、カモたちが浮いていた。例によって遠すぎてよく見えない。
 帰ってきて写真を確認するも、やっぱりよく分からない。これはカワアイサっぽいけどどうだろう。
 それとも、普通の渡りガモだろうか。

森林公園2-5

 こちらは更に遠くて小さい。全然分からない。分かるのは、遠くの方にカモ類が浮いているということだけだ。
 カモ撮りはもっと小さな池か、狭い川へ行くしかない。海となると、更に手に負えない。
 秋冬になると、デジスコが欲しくなる。

森林公園2-6

 スズメガの一種で、ホシホウジャクというやつのようだ。
 オオスカシバなども同じ仲間になる。
 ホトトギスの花の間をせわしなく飛び回って蜜を吸っていた。
 こいつは11月くらいまでいる。

森林公園2-7

 近頃あちこちでよく見かける小さい赤トンボ。
 マユタテアカネということで結論づけた。マイコアカネでも、リスアカネでもない。

森林公園2-8

 たぶん、チョウセンカマキリだと思う。オオカマキリより少し小さい感じだったから。
 カマキリの点目はよく動く。こちらをにらんだり、明後日の方を向いていたりで、近くでよく見るととぼけた表情が面白い。
 カマキリは自分に自信があるからか、近づいてもいっこうに逃げようとしない。人間にだって負けないつもりでいるのかもしれない。

森林公園2-9

 コバネイナゴか。
 おんぶ状態で、普通は下がオスで上がメスと思うけど、実際は大きい方がメスで、小さなオスが背中に乗っている。

森林公園2-10

 東から入ると、観察湿地Fまでは遠いので、CとAに行った。
 Aは、ほぼカラカラに乾いてしまっていて、もはや湿地とは呼べないような状態になっている。植生も変わってしまったんじゃないか。
 その中でもホソバリンドウがまだよく咲いていた。茶色がちな湿地の中で、青はよく目立つ。
 これで湿地の花も半年ほど休みになって、また来年の春にハルリンドウから始まる。

森林公園2-11

 ウメバチソウの花もまだたくさん見られる。秋らしい清楚な白だ。
 梅鉢というのは家紋の一つで、前田家や、天満宮でお馴染みの菅原家などがそうだ。

森林公園2-12

 セグロセキレイ。
 一年中いるありふれた鳥だけど、冬に見る印象が強い。
 ハクセキレイよりも水辺によくいる。

森林公園2-13

 東入口近くの噴水と花壇。ここの芝生がふかふかで歩くと気持ちがよかった。
 植木の刈り込みがすごいことになっている。植木屋さんがやりすぎのような気もする。

森林公園2-14

 帰りに、スカイワードあさひに寄っていった。
 展望台に着いたとき、沈む太陽の頭が数秒間見えた。間に合ったといえば間に合ったけど、あと1分早く着きたかった。
 夜景まで粘るには時間がありすぎたから、これで帰ることにする。ここは夜9時まで開いているし、三脚を持ち込めるから、夜景も撮れる。
 冬は白く雪をかぶった御嶽山がよく見える。

 次に森林公園に行くときは、鳥が目当てということになる。紅葉が終わって葉が落ちれば、木の上の冬鳥も見つけやすくなる。その頃には池のカモも増えている。
 今年の野草と虫撮りの季節は終わった。

花と虫の季節が終わっていくことを実感する秋 <森林公園・前編>

施設/公園(Park)
森林公園1-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 アサギマダラのラストチャンスということで、もう一度森林公園へ行ってきた。しかし、今回も出会うことはできなかった。エサとなるフジバカマなどもほぼ枯れ果てていて、前回無数に飛んでいたヒョウモンチョウの姿さえなかった。あれではもういるはずもない。
 旅するチョウ、アサギマダラはもう南へ向かってしまったようだ。来年こそ、どこかで出会いを果たしたい。
 今年の虫シーズンも、ほぼ終わった。この日は居残り組に少しだけ会うことができたけど、それも数少なくなっていた。季節は進み、秋は着実に深まっている。
 久しぶりに東門から入って、中央部にかけての3分の2くらいを歩いてきた。東エリアは5年ぶりくらいだったので懐かしくもあり、忘れている部分も多かった。
 秋の森林公園写真を、前後半2回に分けてお届けします。

森林公園1-2

 切り株を覆う苔に赤い木の実が落ちて、そこに弱い光が当たる。
 秋は足元からやって来る。見上げる木の葉はまだ色づかない。

森林公園1-3

 主のいなくなったクモの巣に、秋の日差しが降りかかる。
 立派な巣も、冬の風に吹かれて傷み、いつの間にか消えてなくなる。

森林公園1-4

 夏の水風景は涼しげに映るのに、秋の水風景は冷たく感じる。
 最近は冬も暖かくなって、あまり氷が張らなくなったけど、氷や霜風景も撮ってみたい。

森林公園1-5

 水鏡が映すのは、ススキやセイタカアワダチソウの花。これも秋のワンシーン。

森林公園1-6

 猫じゃらしの親玉みたいなやつ。
 ムラサキエノコログサか、チカラシバか。チカラシバっぽいけど、違うかもしれない。

森林公園1-7

 池の波打ち際水紋。水と風と光が作る風景。

森林公園1-8

 職員の人がバイクにホウキを積んで出動。岩本橋にて。
 秋は掃いてもはいても落ち葉が降ってきて、キリがない。掃除が大変だ。

森林公園1-9

 木漏れ日の中をいくランナー。
 植物園は有料だけど、公園や歩道を走るより安全だ。障害物も少ないし、下も土だから走りやすい。ここで本格的に走っている人を見たのは初めてだけど、いい考えだと思った。いや、私は走らないけど。

森林公園1-10

 シラタマホシクサもすっかり枯れ模様になっていた。夏の終わりにはあれほど青々としていた湿地も、今は茶色が支配する世界になった。
 湿地シーズンもいよいよ終わりが近づいた。

森林公園1-11

 こういうのを見ると何でもススキと思うけど、実際はそうじゃない。ススキにもいろんな種類があるし、他にもこんな雑草っぽいやつがたくさんある。
 これはチガヤに似てるけど、時期が違うか。分からない。

森林公園1-12

 色づき始めた木の葉。名前は知らない。

森林公園1-13

 小さな池にいたカルガモたち。
 大きな池では渡りのカモたちが幅を利かせるようになって、カルガモはよそへ追いやられることもある。夏の間はゆっくりできたのに、冬場は他のカモ軍団と共同生活になる。カルガモたちはどういう気持ちなんだろう。

森林公園1-14

 小さく花を咲かせた冬の桜。
 八重咲きっぽいから、十月桜だろうか。

 虫や花もすっかり減って、歩いていて寂しい気持ちになった。夏の間は夏の豊かさに気づかず、秋になって夏を懐かしく思い出す。
 秋冬にしか撮れないものもあるけど、春夏の多彩さには遠く及ばない。待つとなると、来年の春までは長く感じられる。
 秋の森林公園後編に続く。

日々の中で撮った空や河原風景写真を並べてつなぐ

海/川/水辺(Sea/rive/pond)
河原の空風景-1

FUJIFILM S2pro+NIKKOR 50mm f1.8 他



 今日はちと時間がないので、河原などで撮った空風景を並べて、つなぐことにする。

河原の空風景-3

 うろこ雲のその後。時間と共に光が変わり、色も変化していった。
 雲の動きは意外と早くて、あとから撮ろうなんて思っていると、その雲はもうなくなっている。いい雲を見つけたら、すぐその場で撮らないといけない。

河原の空風景-4

 うろこ雲は全部同じ日に撮ったもので、この間1時間も経っていない。秋の空は変化が目まぐるしい。傾いた太陽も、みるみる沈んでいく。

河原の空風景-5

 矢田川。いつもの土手から、沈む夕陽を撮る。

河原の空風景-6

 同じ太陽でも、大写しするとまったく違う表情になる。

河原の空風景-7

 土手の下から。ここもよく撮る場所だ。
 土手の草も秋模様で、夏は去ったことを知る。

河原の空風景-8

 夕陽を浴びて輝くススキ。
 ススキも見慣れてきた。

河原の空風景-9

 矢田川の少し離れた場所。
 セグロセキレイか、ハクセキレイか。
 遠くに名古屋駅のビルが見えている。

河原の空風景-10

 これは河原じゃない。カーマの屋上駐車場から見る景色だ。

河原の空風景-11

 矢田川と香流川の合流地点。
 沈む夕陽を追いかけて追いつけず。

 秋になると夕焼け写真が増える。そろそろ日没時間が5時前になってきて、日没との戦いになる。
 そろそろ旅に出て、またたくさん写真を撮ってくる必要がありそうだ。

SLの流し撮りをするために <明治村-1>

施設/公園(Park)
明治村1-1

PENTAX K10D+PENTAX-M 50mm f1.4 / DA 16-45mm f4



 明治村へ行ってSLを流し撮りしてきた。
 もちろん、そのためだけに行ったわけではないのだけど、第一の目的はそれだった。
 初めてにしてはまずまず上手くいった方だと思う。予想以上に低速走行で、距離も近かったから、だいぶイメージと違ってはいたのだけど。
 SLの流し撮り、楽しいかも。10分か15分間隔くらいで往復どちらかがやってくるから、けっこうチャンスはある。ただ、場所が限られているので、3回も撮ると飽きる。なにしろ、根っからの鉄道ファンというわけではないから、その点は仕方がないところだ。この日は明治村の隅々まで全部の建物を見る予定でもあった。
 行ってきたのは9月終わりのことになる。それから昨日まで優先するネタがあったので、明治村は後回しになっていた。季節感はあまり関係ないネタだから、つなぎや穴埋めには最適だ。
 一回目の今日は鉄道編ということでお届けします。

明治村1-2

 逆から来たやつでもう一回。
 流し撮りするときは手ぶれ補正を切った方がいいらしい。そのせいもあってか、少しブレた。
 画角的にも難しさというか迷いがあった。一枚目が16-45mmのズームで、二枚目は50mmの単焦点を使っている。
 とっさにズームを動かして画角を調整するほど余裕はない。こういうのも慣れないと勝手が分からない。
 煙を入れるなら、やはり広角ズームの方がよさそうだ。

明治村1-3

 煙を吐きながら去っていく後ろ姿。
 明治村のSL撮影で一番難しいのは、乗客の視線に耐えることかもしれない。照れたら負けだ。

明治村1-4

 京都の市電も走っている。ただ走っているだけではなく、見学者の移動手段として使われている。
 明治44年から45年にかけて製造されたものというから、もう100歳近い。SLも同じ年にアメリカで製造されたものだ。

明治村1-5

 京都に市電が走り始めて間もない頃、まだ市民は市電というものに慣れておらず、交通ルールも知られていなかった。そのため、市電には少年が乗り込んで、前方で危険なことがありそうだと電車を飛び降りて、大急ぎで知らせていた。いわゆる先走りというやつで12歳から15歳の少年が任務当たっていたのだった。
 しかし、少年が市電にひかれるなどの事故が相次ぎ、やがて廃止になった。そりゃそうだろう。そもそもそんな任務を中学生くらいの少年にやらせることに無理がある。エピソードとしては面白いけど。

明治村1-6

 こちらは静態保存されている尾西鉄道蒸気機関車1号。
 明治30年、アメリカブルックス社製造で、愛知県の尾西鉄道を走っていた。
 イメージにある蒸気機関車とはスタイルが違っていて、コンパクトだ。

明治村1-7

 機関車の運転室。鉄メカニックがすごいことになっている。複雑なんだか単純なんだかよく分からない。

明治村1-8

 油光りというかなんというか、退廃的で美しい。
 いまどきのメカには、こういうにじみ出る美しさというのは期待できない。

明治村1-9

 静態保存されている蒸気動車。 
 蒸気機関車ではなく、蒸気動車というのだけど、構造的な違いを今ひとつ理解できない。床に小型ボイラーを装備して、台車にシリンダーを付けて駆動するらしい。そもそも機関車の仕組みもよく分かっていないというのもある。
 明治45年に大阪の汽車製造株式会社で製造された一台で、特徴としては、運転室、客室、機関室の3つが一つになっているというのがある。客室もものすごく暑そうだ。
 蒸気動車は、昔、瀬戸電にも採用されていた。1905年から1907年までというから、当時のことを覚えている人はごく少ない。

明治村1-10

 明治天皇御料車と昭憲皇太后御料車の2台が保存展示されている。
 内部を見学できることがあるようなのだけど、どういうタイミングでできるのか知らない。時間制なのか、予約制なのか、特別なときだけなのか。今まで一度も内部は入ったことがなく、外からのぞくだけだ。庶民らしく。

明治村1-11

 外から見るだけでも、豪華で上質な内装ということが分かる。美術工芸品のような仕上がりになっているらしい。一度見てみたいものだ。

 今回の明治村行きではSL流し以外にあまり収穫がなかったのだけど、写真はたくさん撮ってきたから、今後も折りを見て紹介していくことにしたい。

秋のはじめのモリコロパーク風景 <後編>

施設/公園(Park)
モリコロ秋2-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4



 今日はモリコロパークの続きで、後編をお送りします。
 ここは日本庭園の西側にある大きめの池。名前はあるのかないのか、よく知らない。
 少し木々が色づき始めて、静かな水面に映り込んでいた。
 紅葉の見頃はまだ先でも、紅葉撮りのシーズンはもう始まっている。

モリコロ秋2-2

 シダが密集していて、その模様が面白かった。
 太古の地球を思わせる。

モリコロ秋2-3

 温泉でも湧いてるのかと思いきや、霧の演出でこんな風景が作り出されていた。
 意味はよく分からなくても、おっと思わせる。

モリコロ秋2-4

 日本庭園にある茶室前の庭。
 枯山水のよさは分からないけど、苔風景には素直に心惹かれる。

モリコロ秋2-5

 カエデとモミジの違いが理解できていない。
 イロハモミジもカエデの一種で、モミジを漢字で書くと紅葉になる。他にもいろんな種類がある。

モリコロ秋2-6

 去年、同じ場所に若い女の子5人組が立っていて絵になった。今年はカップルだった。

モリコロ秋2-7

 逃げるカルガモは、水紋が狙い目。

モリコロ秋2-8

 アオサギがダイサギを追いかけ回していた。自分の縄張りに入られて怒ったようだ。

モリコロ秋2-9

 黄金色に染まった水面にカイツブリが浮いていて、撮ったと思ったら水中に潜って間に合わなかった。真ん中の穴が空いているのがその場所だ。

モリコロ秋2-10

 地平近くが厚い雲に覆われて、沈む夕陽を捕まえられなかった。

モリコロ秋2-11

 日没後、止まった観覧車。ここは5時で営業が終わってしまうから、観覧車からの夜景は楽しめない。
 前は日没後にライトアップをしていたのに、最近はやめてしまったのだろうか。撮ろうと思って6時まで待ったのに、とうとう明かりはつかなかった。エコか。

モリコロ秋2-12

 遠くに名古屋を代表する建物群が全員集合している。
 モリコロパーク自体は夜の7時まで開いてるから(冬場は6時半)、ここからの夜景は狙い目だ。
 電線などの邪魔もないし、300mm程度の望遠で撮ることができる。

モリコロ秋2-13

 こいの池前。向こうは温水プールやスケート場が入ってる建物。
 温水プールの営業は終わったと書いてあったけど人の出入りがあったから、スケートの人たちだろうか。小さな女の子を何人か見たから、フィギュアスケートの教室でもあるのかもしれない。

モリコロ秋2-14

 日が暮れるのが早くなって、6時ともなると真っ暗になってしまう。
 暗くなってしまってはもう撮るものもなく、帰るしかない。まずまず収穫もあったし、今回はここまでとした。
 モリコロもこれが今年最後になるだろうか。

それぞれがそれぞれの方を向いた三者三様サンデー料理

料理(Cooking)
工夫がやや裏目サンデー

Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II



 今日は全般的に、工夫がやや裏目に出たサンデー料理となった。それと、盛りつけの皿を間違えたというのもある。和洋中のどっちつかずになり、総合的にとっちらかった料理になってしまった。完成した写真を見て、自分でも何を作りたかったんだか、と思った。
 組み合わせとしてもおかしなことになった。最初のイメージが正しくなかったところへもってきて、途中で計画変更を重ねたことで着地点が想像とは違ってしまった。こんなはずではなかった。
 味付けが間違ったわけではないから、単品としては普通に食べられた。ただ、3人が一品ずつ作ってもこんなにバラバラなものはできない。おばあちゃんとお父さんと娘がそれぞれ作って持ち寄ったみたいな夕飯だ。面白いといえば面白い。

 まず一番手前だけど、久しぶりにコンビーフが食べたくなって作った一品だ。
 キャベツを千切りにして、シーチキンとコンビーフを混ぜてごま油で炒め、塩、コショウ、しょう油、マヨネーズ、マスタードで味付けをした。
 仕上げに青のりと粉チーズを振る。
 酒のつまみみたいな料理だけど、なかなか美味しかった。コンビーフは記憶の中にある味で懐かしさを感じた。焼いたトーストに挟んでサンドイッチにしてもいいかもしれない。

 左奥は、カボチャスープのようなものとなっている。
 最初はカボチャを焼いて、カボチャソースをかけて食べようと思っていたのだけど、カボチャを下茹でする時間が長すぎてくちゃくちゃになってしまったので、カボチャスープに変更せざるを得なかった。
 タマネギとニンジンを茹でて、砕けたカボチャを混ぜ入れ、白ワイン、白しょう油、みりん、砂糖、塩、コショウ、コンソメの素、マスタード、マヨネーズで味付けをして、コトコト煮込んだ。
 終盤でブロッコリーを入れて、最後にとろけるチーズを加えて混ぜる。
 これは洋食のときに食べたらよかっただろうけど、煮物やコンビーフとの相性はよくなかった。カボチャ特有の甘さは、和食系のものとは合わない。料理も組み合わせを間違えると、それぞれのよさを打ち消し合ってしまう。

 右奥は、結果的にサトイモの煮っ転がしのような料理になった。最初はそういうつもりはなかった。
 サトイモを茹で、タマネギ、鶏肉を炒める。
 煮たサトイモとマグロのサイコロ、しめじを加えて、更に炒めていく。
 酒、みりん、しょう油、砂糖、塩、コショウ、唐辛子で味付けをして、焼き煮みたいにする。
 これぞ茶色料理の決定版みたいな仕上がりになった。他の色は一切許さない。女の子のお弁当に入っていると恥ずかしいおかずの代表だ。
 味としては和食の基本だから、まずいはずはない。私はサトイモが好きだし、今回の中では一番美味しかった。ただ、こいつが全体のバランスを崩す要因になったのは間違いない。同じ食材を使うにしても、もっと洋風寄りにしておけば、バランスはよくなっていたはずだ。

 今回はコンビーフやカボチャといった普段あまり使わない食材を使ったことで、そちらに気が回りすぎた感がある。食材を使いこなすことを優先して、全体像を見失っていた。
 和食にしても洋食にしても、基本的な方向性は必要だ。それぞれの料理が勝手に自己主張をしたら、料理としてのハーモニーは奏でられない。
 そんなわけで、やや失敗めいたサンデー料理になってしまったけど、これに懲りずに今後も新たな可能性の追求を続けていきたいと思っている。工夫が裏目に出ることもあれば、思いがけない成功につながることもある。
 サンデー料理の成功は美味しくできることではなく、今まで自分が食べたことがない料理ができることという基本を忘れないようにしたい。

なんとなくモリコロパークで秋を感じる <前編>

施設/公園(Park)
モリコロ秋1-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 秋晴れの日、なんとなくモリコロパークへ向かった。
 愛・地球博が終わって4年。万博の記憶は風化しつつある代わりに、愛・地球博記念公園としてのモリコロパークが自分の中に定着した。特に何かあるというわけでもないのだけど、ときどき思い出して行きたくなる。
 ギフチョウを撮った4月から半年ぶりの訪問となった。
 リニモには結局まだ1回しか乗っていない。正確に言えば往復の2回だけど、また乗りたいというほど魅力的なものでもない。それよりも被写体として、もう少し追いかけてみたいという気持ちの方が強い。偶然頼みではなく、場所を決めて狙って撮らないといい写真は撮れない。街でリニモの写真を撮っている人を見たことはないのだけど。

モリコロ秋1-2

 モリコロパークへ行く前に、一つ探し物があった。
 前熊あたりにソバの花畑があるらしいという曖昧な情報を得ていて、それを撮ってみたかったのだ。しかし、探したけど見つからず。前熊といってもそれなりの広さがあって、手がかりなしに探し当てるのは難しかった。時期的に遅くて、もう収穫されてしまったあとだったのかもしれない。
 東小学校の裏手あたりだと読んだのけど、見当違いだったか。
 上の写真はもっと北西のあぐりん村があるあたりだ。どうやらこちらではなさそうだ。
 ここらも米の刈り入れは遅く、まだ稲が実っていた。白く輝いているのはススキだ。

モリコロ秋1-3

 麦わら帽子をかぶって農作業中の二人。
 時代は変わっても変わらない風景がある。
 コスモス畑が点在していたから、もっと早い時期に訪れればコスモスを撮れそうだ。もう終わりかけの花が多かった。
 ソバ畑はあきらめて、モリコロパークへ向かうことにする。

モリコロ秋1-4

 最近は西駐車場に車をとめるようにしている。こちらの方がどこへ行くにもアプローチしやすい。
 まずはこいの池でカモを撮って、大芝生広場と花畑を見たあと、散策路を歩いて、日本庭園を回り、最後に観覧車を撮るというのが定番コースになっている。

モリコロ秋1-5

 カモたちはちょこちょこ渡ってきている。
 ざっと見た感じ、ホシハジロやキンクロハジロたちのようだった。
 ここも遠くてはっきりとは見えない。

モリコロ秋1-6

 浮き草も夏の残骸というか、秋模様。
 季節が進めば、枯れて底に沈んでしまう。

モリコロ秋1-7

 ここのコスモスはまだよく咲いていた。今がちょうど見頃といったところだ。
 ただ、台風でなぎ倒されてしまって、半分寝ているようなものも多かった。
 コスモス畑といえばアイボクと思っていたけど、モリコロパークが上回ったかもしれない。

モリコロ秋1-8

 コスモス畑では微笑ましいシーンに出会うことが多い。
 カップルや親子や友達同士など、どんな組み合わせでも楽しげに映る。

モリコロ秋1-9

 なにやら謎のドームを建設中だった。
 モリコロパークはいまだに工事が続いていて、最終的に完成するのは2010年ということになっている。ただ、まだ手つかずの空き地も残っているし、来年中に全部終わるような気はしない。
 このドームは体育館らしい。最後の目玉ということになるだろうか。

モリコロ秋1-10

 大芝生広場の親子。
 ここは気持ちのいいところで、寝そべるのも走り回るのもいい。
 この芝生広場が万博のときの面影を一番残しているところかもしれない。ここで疲れ果てて寝ているお父さんをたくさん見かけた。

モリコロ秋1-11

 クローバーが大量。秋になっても若葉のように輝いている。
 四つ葉のクローバーの確率は10万分の1といわれている。そんなものを探す気力はない。

モリコロ秋1-12

 これはヒルガオだろうか。夕方になっても元気に咲いていた。
 葉っぱをちゃんと撮らないから判別が難しくなる。ヒルガオの葉っぱは細長いはずだから、これはコヒルガオか。自信はない。

モリコロ秋1-13

 燃えるように赤く色づいた葉っぱ。これが枯れているというのだから、不思議な話だ。

モリコロ秋1-14

 秋といえばこれ。キンモクセイだ。
 かなり強烈な香りで、近くにあるとすぐに分かる。キンモクセイの匂いも秋を実感させるものの一つだ。

 写真が多くなったので、今日のところはここまでとして、次回の後編に続く。

自分の距離は中間距離だということを知る小幡緑地散策

施設/公園(Park)
小幡緑地-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4



 自然が書いた落書きのような風景。
 池の浅瀬で、草や枯れ木が水面から顔を出して、映り込みと相まって、こういう光景が出来上がった。じっと見ていると、魚やハートやエビなどのイラストに見えてくる。
 面白いところを見つけたと喜んだ。
 最近になって自分の写真の距離感が少し分かってきた。一番好きなのは、レンズでいうと70mmから100mmくらいの画角だ。35mm換算にすると、100mmから150mmあたりになる。この中間距離に自分の画角がある。
 なので、風景というかネイチャー写真を撮るときも、最近は70-300mmの望遠レンズを使うことが多い。しばらくこの中間距離を突き詰めていくことにしよう。カラオケの十八番のように、自分の得意な被写体や距離を持っていることは大切だ。

小幡緑地-2

 そろそろカモたちも渡ってきた頃だろうと、望遠レンズを持って近所の小幡緑地本園へ行ってきた。
 あー、いる、いる、と思ったら、アオクビアヒルだった。あいつは違う。マガモに似ているけど常駐のアヒルだ。
 一羽で寂しかったのか、ガァガァ鳴きながら池を泳ぎ回っていた。

小幡緑地-3

 遠くにカモ軍団発見。しかし、小さすぎて判別不能。渡ってきたばかりはオスもメスのような地味な色をしているので、よけに分かりづらい。
 季節が進んで冬になる頃には、ある程度人にも慣れて近づいてくるようになる。今はまだ警戒心が強くて遠くにいる。
 結局、何者か全然分からずじまいだった。とりあえず渡りが始まったことだけは分かった。

小幡緑地-4

 松に鷺、なんて言葉はもちろんない。そんな言葉あってもいいくらいよく似合っていたけど、コサギが松にとまるのは珍しい。

小幡緑地-5

 もう咲いているものはないだろうと思いつつ、湿地帯にも寄ってみた。
 西日が石の道を照らして、ちょっといい感じ。

小幡緑地-6

 忘れ物の毛糸の帽子に、赤トンボがとまった。こんなところでも夏の終わりを思う。
 このトンボは最近よく見るやつだ。本当にヒメアカネなのかどうか、はっきりさせたい。
 その後の調べで、マユタテアカネの可能性が強まった。たぶん、そう。

小幡緑地-7

 白い玉が弾けたようになっているけど、これはシラタマホシクサだろうか。丸い先っぽはこんなふうに開くのかどうか、見たことがなくて確信が持てなかった。
 湿地だから野生のシラタマホシクサがあっても不思議ではない。来年もっと早い時期に行って確かめたい。
 ここは珍しいマメナシの花も咲くから、それも見たい。

小幡緑地-8

 ホテイアオイのなれの果てを見つけた。こんなところにも進出していたのか。もともと野生で咲くようなものではないから、誰かが持ち込んだのだろう。放置しておくと爆発的に咲いて大変なことになる。夏に咲くきれいな花ではあるのだけど。

小幡緑地-9

 お仲間発見。何を撮っていたのだろう。

小幡緑地-10

 ここは猫が多いところだから、猫撮りの楽しみもある。
 人にメシをもらっているから、人間を見ても逃げない。こいつも何かをもらって食べていた。
 三毛猫はほとんどがメスだし、おなかが大きいように見えた。

小幡緑地-11

 違う三毛がいた。さっきのとは血縁関係にありそうだ。
 草むらで低い態勢になって遠くをにらんでいた。何かを見つけたか。
 そのままタッタッタッタッと、軽快な足取りで走り去っていった。

小幡緑地-12

 この猫はかわいかった。野良にしておくのは惜しいくらいの美形だ。
 そのへんの駅にでも座らせておけば看板猫になれる。

小幡緑地-13

 あー、たまらん、眠たい、もうダメだ、というように目をショボショボさせて、とうとう目をつぶってしまった。まだ顔に幼さが残るから、若い猫だろう。
 眠りの邪魔すると気の毒だから、その場を離れた。

小幡緑地-14

 最後はいつもの夕焼けポイントで夕陽と鏡面世界を撮る。

小幡緑地-15

 太陽が沈んでしばらくしてからが夕焼け時間となるのだけど、10月からは駐車場が5時半で閉まってしまうのが残念なところだ。6時前くらいに薄紫のきれいな色になったから、その時間帯に撮りたかった。
 短い時間ではあったけど、なかなか収穫の多いご近所散策となった。また行こう。

たぶんこれが今年最後の虫撮り <10月の海上の森・後編>

虫/生き物(Insect)
海上10月2-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8



 今日は10月の海上の森、虫と花編をお届けします。
 虫が少なくなった森は、夏休みが終わった昼下がりの公園のように寂しい。夏の森歩きは汗だくになるし、蚊にも刺されるし、クモの巣も顔に貼り付くけど、早くも夏が恋しくなった。
 ここ数ヶ月、虫がいるのが当たり前みたいに思っていて、いなくなってみるとその存在のありがたみに気づく。野草もいいけど、虫は動く難しさと楽しさがある。
 そんな中、数少ない生き残りを写真に撮ってきた。
 モンシロチョウより少し遅れて飛び始めるスジグロシロチョウだから、モンシロチョウより少しだけ長く飛んでいる。それでも、10月までだろう。

海上10月2-2

 見慣れないチョウ。もしかしたら蛾かもしれない。
 ただ、触角の先は丸いから、分類としてはチョウじゃないかと思う。
 姿はジャノメチョウっぽいけど、蛇の目がないから、違うのか。ヒカゲチョウとも違うようだし。
 保留。

海上10月2-3

 一つの羽に蛇の目が5つあるから、ヒメウラナミジャノメでいいと思う。
 久しぶりにジャノメチョウを撮った。チョウにしても花にしても、出始めと終わりかけは貴重だから、ありふれたやつでも喜んで撮ることになる。シーズン中は、他のもっと珍しいやつが優先になる。

海上10月2-4

 たぶん、ヒメアカネだと思うけど、マイコアカネだったりするだろうか。羽の先が茶色ではなかったから、リスアカネではないはず。
 小さな赤トンボで、これが最後まで残る赤トンボじゃないかと思う。

海上10月2-5

 ホソヒラタアブは、ホバリングで数秒間停止するから、飛んでいるところを撮るのはそれほど難しくない。
 ただ、被写体としては小さいし動くから、オートフォーカスは外れがちだ。マニュアルで置きピンにして、そこに来るのを待つのが確実な撮り方となる。

海上10月2-6

 たぶんハナアブなんだろうけど、ハナアブといってもいろいろ種類があって、詳しいことまでは知らない。ナミハナアブとか、アシブトハナアブとか。ホソヒラタアブもハナアブの一種だ。
 花が少ないこの時期、アザミやセイタカアワダチソウに人気が集まる。

海上10月2-7

 どういう分類の虫なのか、まったく分からない。羽があるから飛びそうではあるけど、何の仲間かというと見当がつかない。
 羽があるといえばハチとかアブとかハエとか蚊とかだから、その中のどれかに属するんだろうか。

海上10月2-8

 岩屋堂でも見たアケボノソウ。こちらの方が花の状態はよかった。
 小川の脇に生えていたけど、台風のときの増水に押し流されることなく踏ん張ったようだ。

海上10月2-9

 ノコンギクかヨメナか判断がつかないまま、撮ってみる。この手の野草も、最近はめったに撮らなくなった。
 一番最初に海上の森へ行ったのが2004年の10月1日で、そのときにこの花を見つけて撮ったのを覚えている。あの頃は見る野草がすべて新鮮だった。

海上10月2-10

 これは森の外。田んぼの脇に枯れ残ったヒガンバナが少しだけ咲いていた。
 とうとう今年はヒガンバナを撮りにいくことなく終わってしまった。

海上10月2-11

 セイタカアワダチソウの群生風景に懐かしさを感じた。小学生の頃は秋になると至るところにこんな光景が広がっていたものだ。
 一時、全滅に近いくらいのところまでいって、ここ最近やや盛り返してきたようだ。

海上10月2-12

 燃え尽きたヒマワリ。本当に燃えたみたいに真っ黒になっていた。
 これぞ立ち往生だ。

海上10月2-13

 ススキもだいぶ増えてきた。もう、どこをどう見ても秋と認めないわけにはいかない。

海上10月2-14

 おまけのアオサギ。
 一つ小さな池を見つけて、これは何池だろうと思っていたら、どうやらこれが探していた吉田池だったらしい。高台の上から見下ろした感じとずいぶん様子が違っていたから、これじゃないと思っていた。
 それにしても、この池と他の場所とのつながりが把握できていない。機会があれば、ここを起点にして歩いてみたい。

 今年はけっこう海上の森へ行った。5、6回は行っただろうか。水風景の面白さを再認識したのが一番の収穫だった。
 どうやらアサギマダラとの出会いは叶いそうにない。次に行くとしたら、11月の終わりだろう。次回は紅葉と冬鳥が目当てとなる。

季節を確かめにいった海上の森で夏の終わりを実感する <前編>

森/山(Forest/Mountain)
海上10月1-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8



 また少し森歩きをしてきた。アサギマダラという目的もあったのだけど、今回は季節がどこまで進んでいるかを確かめる意味合いの方が大きかった。そして、季節は思った以上に進んでいることを実感することになる。
 まずセミが鳴いていない。1匹だけツクツクボウシが鳴いたのを聞いた以外は、ほぼ完全に沈黙していた。トンボも見たのは1匹だけ、チョウも数匹で、初秋の花も終わりかけていた。緑も色褪せ、枯れ葉が目立ち始めている。もう夏の気配は消えていた。
 こうなってしまうと森歩きも寂しい。撮るものも少なく、ただ歩いているだけの時間が長い。涼しくて歩くには気持ちのいい季節なのだけど。
 今回はまた赤池コースを歩いてきた。こちらは花も少なく、撮りたい風景もあまりないから、生き物がメインとなるコースだ。そこに生き物がいないとなると、撮るものがあまりない。今年ここを歩くのは最後になりそうだ。
 今日は風景編で、次回は花と虫ということで、10月の海上の森風景を前後編に分けてお送りします。

海上10月1-2

 枯れ木も森の賑わい。茶色ではなく灰色に枯れた木々が固まっていた。そういうふうに枯れる種類の木なのか、この一角だけ環境が悪化したのか。
 紅葉はまだ始まっていない。平地の森だから紅葉の進行は街中と変わらない。11月の終わりくらいだろう。

海上10月1-3

 赤池コースは、面白い川がない。流れが遅かったり、浅かったりで、変化に富んでいないから、写真に撮るところもない。
 海上の森全体がそうで、渓流といったようなところは少なく、ほとんどが小川のようなものばかりだ。

海上10月1-4

 小さな滝っぽいところ。ここも半分人口の水路で、面白みはない。

海上10月1-5

 川床の一部がオレンジ色をしていて、なんだろうと思って撮ってみる。これは人口の色なのか、自然の色なのか。

海上10月1-6

 久しぶりに赤池を越えて奥まで進んでみた。
 このあたりも台風の影響で、荒れている部分があった。

海上10月1-7

 クモの巣はまだたくさん残っている。夏に比べて目に見えて減っているという感じもなく、クモもいた。
 ただ、獲物はもう少なくなっているから、クモも腹を空かしていることだろう。巣を張らないクモは成虫では越冬できないものが多いそうだから、寒さにやられる前に餓死してしまうのかもしれない。

海上10月1-8

 青々とした緑の葉と、散らばった赤や黄色の落ち葉とのコントラスト。

海上10月1-9

 しばらく進んではみたものの、だいぶぬかるみが激しくなってきたのと、日没時間が近づいてきたので、引き返すことにする。あのまま進んだらどこへ行くのだったか、覚えていない。林道に合流するんだったか、しないんだったか。

海上10月1-10

 小川の流れ。透明度は高く、水はかなりきれいそうに見える。飲めるといえば飲めるし、飲めないといえば飲めない。

海上10月1-11

 森の入口に戻ってきた。
 田んぼの脇では何かを燃やしていた。田舎でお馴染みの光景だ。

海上10月1-12

 暗くなるまではまだ少し時間があったので、森周辺の里を歩いてみることにする。吉田池を一度近くから見てみたいというのがあって、その入口を探す目的もあった。
 そばを愛知環状鉄道の列車が走っている。

海上10月1-13

 柿がなる里らしい風景。

海上10月1-14

 役目を終えたかかし。ごくろうさん。

海上10月1-15

 吉田池への入口は見つけられず、日没時間となった。今日はここまでとする。

 花と虫編に続く。

自然史博物館から植物園エリアは駆け足となった <第四回>

動物園(Zoo)
のんほいパーク4-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / 90mm f2.8



 動物園エリアをあとにして、次に自然史博物館の方へとやってきた。
 前の広場に野外恐竜ランドというのがあって、そこには何体かの恐竜像が置かれている。子供が喜びそうだし、カップルが記念撮影をしたりしていた。
 私も子供の頃は恐竜図鑑をよく読んだりしたものだけど、興味はあまり長くは続かなかった。今でも嫌いではないものの、特別思い入れがあるというわけでもない。名前もほとんど忘れてしまった。
 上の写真は、トリケラトプスらしい。そういえばそんな名前を目にした記憶はある。今でもよく覚えている名前は、ステゴサウルスだ。捨て子って、と子供心に思ったものだ。

のんほいパーク4-2

 動物エリアの入口近くにD51が保存展示されていた。
 動植物園とはあまり関係がなさそうだけど、敷地に余裕はあるし、大人も子供もたくさん訪れる場所だから、展示場所としては悪くない。鉄道に興味がない人でも、ついでに見ることができる。
 これを走らせるとなると、費用がかかるから、たぶん実現はしないだろう。走っているのを手軽に見たければ明治村に行くといい。

のんほいパーク4-3

 博物館などというものは普段まず訪れることがないところだけに、今回の見学はけっこう楽しみだった。しかし、いかんせん時間がなかった。閉園時間まで残り45分。まだこのあと植物園も見て回らなければいけなくて、博物館に費やせる時間は10分しかなかった。館内はさほど広くないとはいえ、早足で一周回るだけで終わってしまった。
 せっかくの機会だったし、年代別に化石などもかなり豊富な点数が展示されていたから、もう少しじっくり見て回りたかった。化石や恐竜が好きな子供なら、ここだけで一日終わってしまいそうだ。

のんほいパーク4-4

 恐竜や古代生物の化石をかなり持っている。ほぼ完全な復元と思われる骨も数点ある。
 その大きさと姿形の不思議さに驚く。
 1億年近く前の骨が今でも残っているというのも不思議な話だ。
 これだけの量をよく集めたとは思うけど、ワシントンのスミソニアン博物館などのことを思うと、日本はまだまだこういうことにお金を使っていない。スミソニアン博物館などは全部入場無料だし。

のんほいパーク4-5

 植物園エリアは狭く、花の種類も少ない。動物園の付け足しくらいのもので、ざっと見て回るだけなら15分も歩けば一通り見られてしまう。
 夏の終わりという季節柄、咲いている花も少なかった。
 時間がなくて温室は見られなかった。あと、遊園地エリアも併設している。

のんほいパーク4-6

 これを見ると夏を思い出す。写真からも暑さが伝わってくる。

のんほいパーク4-7

 大花壇のサルビアか何か。

のんほいパーク4-8

 ハスはもう終わっていた。

のんほいパーク4-9

 モネの睡蓮池を再現している一角があって、花も少しだけ咲いていた。
 でも、絵画のような風情はない。

のんほいパーク4-10

 パンパスグラスがよく咲いていた。秋が始まりかけていたところだ。
 向こうにボート池の乗り場も見えている。

のんほいパーク4-11

 水車小屋。
 どうしてここにモネの睡蓮池が再現されているのか、説明板があったような気がするけど、時間がなくてそんなところを読んでいる余裕はなかった。閉園のアナウンスも聞こえてきて焦る。だんだん写真もいい加減になっていく。

のんほいパーク4-12

 時間はなくても苔は撮る。
 でも本当にここで時間切れ。急いで出口へ向かった。

 最後はかなり慌ただしくなってしまったけど、初めてののんほいパークを楽しむことができた。
 広い敷地内に余裕を持って動植物を展示しているから、のんびりした気分になれる。動物も比較的広いところにいるから、心が痛むことも少ない。
 東山動物園のようにたくさんの種類の動物を展示する動物園と、ここのように数を少なめにして気持ちよく見せるのと、両方の方向性があっていい。動物の充実度では東山に遠く及ばなくても、印象としてはのんほいパークはよかった。
 これだけ全部まとめて見られて600円は安い。親子連れなら一日では足りないくらいだろう。
 のんほいパーク編は、これにておしまい。

のんほいパークのぼぉーっとした動物たちを見てなごむ <第三回>

動物園(Zoo)
のんほいパーク3-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 のんほいパークの3回目は、日だまりの中でぬーぼーとするライオンのメスからいってみよう。
 ものすごくぼぉーっと過ごしている。一日やることがなくて暇を持て余しているのかもしれない。緊張感というものがまるでない。
 野生動物も人間も、食うか食われるか、生きるか死ぬかという状況に身を置いてないと、生物として輝けないというのはある。人の場合は、他人に見られることでそれなりの緊張感を保つことができるけど、動物園の動物は見られることが日常になって、もはや人目も気にならなくなっているようだ。
 これはこれで、見ているこっちものんきな気持ちになって、いいといえばいいのだけど。

のんほいパーク3-2

 しばらく見ていたら、大きなあくびをした。あくびは移るもので、こちらもあくびをしたくなってくる。
 サバンナでも、獲物を獲るとき以外は、けっこうなんふうに過ごしているのかもしれない。大きな猫と思えばそんなものだ。

のんほいパーク3-3

 オスは台の下の木陰に入って、こちらもやる気を見せなかった。舌なめずりしてこちらをにらんでいたから、至近距離なら震え上がっていただろうけど。
 ライオンとかの大型の猫科動物は、その体の大きさに驚くのだけど、中でも手足の極太さがすごい。猫と比べると段違いで、やっぱり猫とは違うのだと思い知る。

のんほいパーク3-4

 トラは元気に動き回っていた。東山は檻越しだから、こうして檻なしで見るのは初めてだった。距離はあるけど、けっこう迫力を感じる。こいつは特に精悍な顔つきをしていた。
 ライオンとトラと、どちらが怖いかといえば、トラの方が怖い。ライオンは素早くなさそうだけど、トラは飛びかかってきたら逃げられる気がしない。トラはなんだか言うことを聞きそうにないし。

のんほいパーク3-5

 カンガルーもまったり中。
 これはクロカンガルーという種類らしい。東山にいるのはアカカンガルーで、少し違う。
 大きいのがオスで、左のがメスだろうか。

のんほいパーク3-6

 初めて見る謎の生き物。
 パンフレットにはオーストラリア園に、ケナガワラルーとパルマワラビーというのがいるらしいから、このうちのどちらかだろうか。ケナガワラルーっぽいけど、確信は持てない。
 体のバランスが悪いのか、姿勢がよくないのか、なんとなくへんてこりんな感じがした。

のんほいパーク3-7

 花鳥園でお馴染みのエミューさん。
 ここでは柵やガラスがあって、直接ふれ合うことはできない。
 見た目凶暴そうだけど、実際はおだやかな生き物で、ふれ合っても大丈夫だ。
 ちょっと似ているヒクイドリはものすごく凶暴で、キック攻撃をされるとタダでは済まない。ダチョウも気が荒い。

のんほいパーク3-8

 エミューの後頭部。
 刈り上げて青々しているように見える。もちろん、刈り上げてはいない。
 頭頂部の毛の様子が人の髪みたいで、見ていたらパンチョ伊東さんみたいだと思った。

のんほいパーク3-9

 池で泳ぐカワウ。

のんほいパーク3-10

 今年はツクツクボウシをよく撮った。アブラゼミとクマゼミは撮らなかった気がする。
 だいぶ涼しくなったから、もう森でもツクツクボウシは鳴いてないだろう。

 動物エリアはここまでで、あとは自然史博物館エリアから植物園エリアを回って終わりとなった。
 次回はそちらを紹介して、のんほいパークの最終回となる。

これで彩りがよければ年間ベスト3サンデー料理だった

料理(Cooking)
普通サンデー

Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II



 今日のサンデー料理は、少しひねりのあるノーマル料理で、全体の出来が思ったよりもよかった。味や組み合わせのバランスも取れていたし、夕飯としては申し分なく美味しく食べられた。
 特に珍しいものを使ったわけではなく、いつもの食材をいつものように料理しただけだけど、3品とも今まで作ったことはないと思う。多少ひねりを利かせている。

 左手前は、いつもの白身魚料理で、トマトを使ったソースをひと工夫した。
 白身とアスパラは塩、コショウして、オリーブオイルとバターで炒める。
 ソースは、刻んだタマネギをオリーブオイルとニンニク、ショウガで炒め、白ワイン、白しょう油、みりん、砂糖、バルサミコ酢、コンソメの素、マスタードで作った。後半に刻んだトマトを加え、少し煮込む。
 トマトの酸味がやや強く出るので、砂糖を少し多めにして甘みを出していくのがポイントだ。
 仕上げにパセリ粉を振る。

 右は、ナスの天ぷらにエビ天つゆソースをかけたものになっている。
 ナスは天ぷら粉で揚げる。
 ソースは、刻んだエビ、エリンギ、長ネギをごま油で炒め、酒、白しょう油、みりん、唐辛子、豆板醤、コンソメの素、めんつゆ、水を煮て作る。最後に刻み大葉も加える。
 ナスの天ぷらはそれだけで美味しいけど、エビとの相性もいいし、天つゆソースで更に美味しさが増す。揚げるのは面倒でも、ただ焼いただけとは味が違ってくる。

 奥はダイコンその他の味噌煮だ。
 ダイコンを米とぎ汁で茹でてあく抜きをして、フライパンで鶏肉、ニンジン、コンニャク、ダイコンをごま油で炒める。
 鍋に移して水を加え、ダシの素、白しょう油、酒、みりん、砂糖、塩、コショウ、唐辛子、味噌で味付けをして、じっくり煮込む。いったん冷まして、再加熱することで味がよく染み込む。
 唐辛子多めのピリ辛味噌味が美味しい。見た目は茶色くて上品とは言えないけど、今回の中で一番印象に残る味だった。また食べたいと思った。

 今回は3品それぞれが美味しくできて、組み合わせとしても破綻のないものだった。彩り的にはもう少しなんとかできたかもしれないから、そのあたりがもっと上手くいっていれば、年間ベスト3に入った。今日作った料理は、また作って完成度を上げたいところだ。
 ナスの天ぷらエビ天つゆソースがけと、ピリ辛味噌の煮物は特にオススメしたい。ぜひ一度作って食べみてください。私も思い出したらまた食べたくなってきた。

長く間が空いて、のんほいパーク編を再開する <第二回>

動物園(Zoo)
のんほいパーク2-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 豊橋の「のんほいパーク」編を、だいぶ前に1回やって長く中断したままになっていた。
 東三河巡りをしたのが9月1日だから、もう1ヶ月以上経った。その間、いろんなところにちょこちょこ出かけて、そちらを優先していたから、のんほいパーク編を再開するきっかけがなかった。昨日の岩屋堂で一区切りついたから、ここらで続きをやってしまうことにする。
 前回は動かないシロクマで終わった。今回はサルエリアから始めることにしよう。
 上の写真は、ニホンザルだろうか。サル山にたくさんいた。顔はこんなに赤かっただろうか。ほとんどピンクに近い。

のんほいパーク2-2

 サルの群れを見て泣き出した妹をあやすお兄ちゃん。
 たくさんのサルが怖かったのだろうか。泣き止まないので、お母さんにバトンタッチしていた。

のんほいパーク2-3

 まだ暑い盛りで、サル山にシャワーの放水をしていた。そこにできた虹。

のんほいパーク2-4

 たぶん、リスザル。ボリビアリスザルだろうか。
 モンキーアパートという名の宿舎に何種類かのサルたちがいる。
 室内なので暮らしてブレた。

のんほいパーク2-5

 これはきれいなサルだ。パタスザルというらしい。
 堺正章が演じた孫悟空みたいだ。黒い眉がつながっている。

のんほいパーク2-6

 ジェフロイクモザルか何かの影。
 影絵のようで面白かったので撮ってみた。

のんほいパーク2-7

 ゾウのアップ、正面から。
 柵が邪魔で撮りづらくて、その間から撮ると必然的にこんなふうになってしまう。
 このあと、鼻で水を飛ばしてきたので、あわてて逃げる。

のんほいパーク2-8

 やけくそのように体に水をかけまくるマレーグマ。暑さに頭に来たのか。

のんほいパーク2-9

 水をしたたらせながら、なんだよ、文句あるのかよ、とでも言いたげなマレーグマさんなのだった。

のんほいパーク2-10

 これはヒグマか。ツキノワグマはこんな顔をしてなかったような気がする。
 こいつはこいつで落ちつきなく右から左、左から右へとうろうろし続け、クマの流し撮りになってしまった。
 クマって、顔の大きさの割に目が小さい。目だけは小動物サイズだから、全体のバランスがおかしい。

のんほいパーク2-11

 室内飼いのワニさん。
 じっと動かず、何を考えているのかも分からない。どこを見ているのかも。

のんほいパーク2-12

 あれ? こんなところに普通にコウノトリがいる? でも、確かにこれはコウノトリだ。
 日本では1970年代に絶滅して、野生のものはいない。ただ、中国や朝鮮半島にはいるから、そこからもらってきたのだろうか。
 昔の日本には、今のサギくらい普通にいる鳥だったのに、今や見るだけでも貴重な鳥になってしまった。

のんほいパーク2-13

 日を浴びるラクダ。なんかくちゃくちゃ噛んでいた。

 のんほいパークでは、思ったほど写真が撮れなかったから、あと2回くらいで終わりそうだ。また飛んでしまうかもしれないけど、まだ続く。

ダイモンジソウを見るだけは見た岩屋堂

海/川/水辺(Sea/rive/pond)
岩屋堂-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4



 野草に初めて興味を持ったのは、5年くらい前のことになる。デジカメを買い換えて、あちこち散策へ行くようになり、そのときいろいろな野草を見かけて撮り始めたことがきっかけだった。
 興味を持ち始めるともっと知りたくなり、野草の図鑑を何冊か買った。それを見ていて、この花は絶対自分でも撮ってみたいと思うものがいくつかあった。5年の間にそれらはほぼ見てきたのだけど、縁がなくて見られていないものがある。
 その中の一つに、ダイモンジソウがある。漢字で書くと大文字草で、名前の通り「大」の字のような姿をした白くて可憐な花だ。
 よく似た花にユキノシタがあって、これはわりとどこにでもあって何度か見ている。ダイモンジソウは山の方の渓流などにしか咲いていないから、なかなか見る機会がなかった。
 しかし、それが思いがけず近場にあるという情報を得た。岩屋堂にあるらしい。それを知ったのは去年だったのだけど、去年は見つけることができなかった。今年こそなんとか見つけたいと思って行ったのが4日前のことだ。
 今日はまずそのときの写真から紹介したいと思う。

岩屋堂-2

 ダイモンジソウは、意外にもあっけなく見つかった。無料駐車場の橋のすぐそばといえば、岩屋堂へ行ったことがある人なら分かると思う。奥の上流にあると思ってそちらばかり探していたけど、こんな入口近くにあるとは思わなかった。
 ただ、撮るには場所的に厳しいところに咲いていた。川の中央付近で、近づくには川の中にじゃぶじゃぶ入っていかないといけない。10月にそれはきつい。
 もっと条件のいいところに咲いているだろうと、このときは望遠レンズで手持ち撮影しただけで済ませてしまった。まさかこの押さえの一枚が唯一の写真になるとは、そのときは思いもしない。

岩屋堂-3

 奥に歩いていく途中でキセキレイがいた。
 岩屋堂では何度か見かけたことがあるし、キセキレイ自体もそんなに珍しい鳥ではない。
 なのに、ムキになって撮りまくったりしたのがいけなかった。ちょこまか動き回るものだから、意地になって何枚も撮ってしまい、バッテリー切れの警告表示が出た。
 実は予備のバッテリーをバッグに入れているつもりが、実際は家に忘れてきていたことにこのときはまだ気づいていない。前回出かけたときと違うバッグを持っていって、入れ替えるのを忘れていたのだった。予備があるつもりだから、当然気にせずバシャバシャ撮りまくって、なんとか一枚ブレていない写真を撮れた。

岩屋堂-4

 ダイモンジソウは、奥へ行く途中、ずっと川の中を探していったのだけど、とうとう見つけられないまま瀬戸大滝に着いてしまった。この先はあまり可能性もないだろうということで引き返すことにする。
 たとえ見つからなくても、入口近くで撮り直せばいいと考えていた。

岩屋堂-5

 瀬戸大滝をあとにして、川の流れを撮っているとき、ついにバッテリー切れになった。予備のバッテリーに交換だ、って、ないっ! と、ここで大慌てになる。
 どれだけ探してもあるはずもなく、いったん切れたバッテリーが復活することはない。バッテリーやスイッチを何度入れ直してみても電源が入ることはなかった。ここで無念の切り上げとなる。また出直すと心に決めて。
 翌日からは雨が続き、昨日は台風だった。台風? 忘れてた。台風なんて来て、川の中の岩に咲いていたダイモンジソウが生き残れるだろうか? 岩にへばりついているだけだから、増水したらひとたまりもないのではないか?
 期待と不安を抱きつつ、今日再び行ってみたのが、このあとの写真だ。

岩屋堂-6

 あ、あ、あ、あ……。
 しまった! やられた!
 見るも無残な姿に変わり果てている。ほどんど流されて、残っているやつも大の字を保っていない。というか、へばりついているのはミゾソバではないのか。ダイモンジソウはすべて流されてしまったかもしれない。
 呆然。
 川の水かさも増していて、近づくこともままならない。
 危ないとは思ったけど、ここまでやられてしまっているとは思わなかった。台風、恐るべしと、あらためて思い知る。
 川の岸辺の草も大きくなぎ倒されていて、かなり増水したことがうかがえた。こうなると上流へ行っても助かっているやつが咲いている可能性は低そうだ。実際、他の場所でダイモンジソウは見つからなかった。どこか別のところでも咲いていたのだろうか。
 ここまで流されてしまうと、来年もどうなるか分からない。前回、ちゃんと撮っていればと悔やまれる。

岩屋堂-7

 山の上の方の様子を見に行ったら、こちらもガタガタになっていた。小川にも大きな石が転がり込んできたようで、乱れに乱れている。軽い土砂崩れがあったようだ。草も流されてるし、もとの景観に戻るにはかなりかかりそうだ。

岩屋堂-8

 暁明ヶ滝後ろの映り込み風景。ここがお気に入りで、最近よく行っている。手持ちのときはしっかり撮れなかったけど、三脚があれば撮れる。
 今日は天気があまりよくなくて、映り込み具合が弱かった。紅葉の時期もこのポイントは狙い目になる。

岩屋堂-9

 いつもと比べて水量は多めだった。
 昨日訪れていたら、ちょっとした瀑布っぷりが見られたかもしれない。

岩屋堂-10

 たぶん、トノサマガエルだと思う。
 トノサマガエルというと、背中の一部が緑色というイメージがあるけど、これはメスだろう。
 じっと動かず、撮影に協力してくれた。

岩屋堂-11

 一部紅葉が始まっている。
 去年初めて紅葉の時期の岩屋堂へ行った。今年も行きたいかというと、微妙なところだ。お手軽ではあるけど、去年行ったからもういいかなという気持ちもある。
 ただ、浄源寺の落ち葉風景だけは必ず撮りに行きたい。気合いを入れるなら、朝一番に行くべきだろう。

岩屋堂-12

 フユザクラがポツリと咲き始めていた。そういえばこの桜も10月に咲き始めるのだった。
 今年は小原村の四季桜を撮りに行こうかと思っている。2年か3年行ってない。あのときより少しは上手く撮れるんじゃないか。

岩屋堂-13

 アケボノソウも、前回見つけたのにバッテリー切れで撮れなかった花だった。
 川から少し離れた場所にあってどうにか助かったものの、ダメージは受けていた。前回はよく咲いていたのに、今日はきれいに咲いている花が少なかった。

岩屋堂-14

 三脚を使ったスローシャッターの川撮りは、少し慣れて、やり方が分かってきた。

岩屋堂-15

 基本は静と動を組み合わせることで、できればワンポイント欲しい。彩りだったり、プラスアルファの要素だったり。
 紅葉の落ち葉のときにどんなものが撮れるか。

岩屋堂-16

 瀬戸大滝の下の流れは、かなり水量が増えていて、迫力があった。

岩屋堂-17

 滝の水は少し多いくらいで、思ったほどではなかった。
 このときはもう日没時間が過ぎて、現場はかなり暗くなっていた。三脚を使えばまだ撮れるとはいえ、あまりにも光がなくなったのでもう帰ることにする。真っ暗になって電灯もない岩屋堂の奥にいるのは危険だ。

岩屋堂-18

 入口近くまで戻ってきたら、空の明るさがまだ少し残っていた。多少焼けたようだ。

 ダイモンジソウは他にどこで咲いているか知らないから、また来年に持ち越しということになってしまいそうだ。ただ、しっかり撮れなかったとはいえ、一応見たことは見たし、まったく見たことがないのと一度でも見たことがあるのとでは大違いで、その点では満足している。
 秋の花で残ったものといえば、あとはコスモスとワレモコウくらいだろうか。やや目標を失った感もある。紅葉まではまだ1ヶ月半ある。
 さて、その間、何を撮るか。そうえいば、ソバ畑も撮りに行くんだった。来週のどこかで、天気のいい日に行こう。

飛行機のスピードにまったくついていけなかった素人ヒコーキ野郎

飛行機(Airplane)
名古屋空港-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di / DA 16-45mm f4



 台風が通過したあとは空がものすごい色に染まることがある。何年か前に見た空の色が忘れがたく記憶に残っている。
 今日もそうなのではないかと期待して、さてどこへ夕焼けを撮りに行こうかと考えた。最初は長久手のソバ畑へ行こうと思っていたのだけど、何しろ風が強すぎた。台風が去って青空が戻っても風は残っていたので、花ものはあきらめた方がよさそうだった。
 それで思いついたのが飛行機だった。
 ずいぶん前から一度、名古屋空港に飛行機を撮りに行こうと思っていて、それが延びのびになっていた。飛行機なら風は関係ないし、台風一過の青空をバックに撮ればきれいに撮れるんじゃないかと思いついた。
 しかし、私は飛行機撮影を侮りすぎいていたことを思い知ることになる。
 図体が大きいから見失うことはないだろうというのは確かにそうなのだけど、遠くから撮るのと近くから撮るのとでは大違いで、想像以上にスピードが速い。着陸時の速度が250キロくらいというから、その手前では300キロから400キロくらいは出ている。これは新幹線ののぞみやF1マシンよりも速い。
 あー、近づいてきた、近い、近い、わー、でかい、などと焦っているとフレーム内のどこにどれくらいの大きさで入っているか、まったく分からなくなってしまう。大きく撮るチャンスは数秒しかないから、連写したらどこかのコマで収まるというものでもない。いくら連写しても外れるとなると全部外れる。そうやって焦っているうちに飛行機はいってしまう。
 まさか飛行機撮りがこんなにも難しいものとは思わなかった。真下からお腹いっぱいを過不足なく収めた写真を撮ろうと思ったら、相当練習しないといけない。
 今回は1時間ほど待って、チャンスは2回しかなかった。名古屋の飛行機は大部分が知多のセントレアに移って、名古屋空港は国内ローカル線しか残っていない。なので、30分に1本くらいしか着陸しないのだ。昔はジャンボジェットが頻繁に離発着していたから、そのときに訪れていたらもっと楽しかったことだろう。
 そんなわけで、初心者丸出しのにわかヒコーキ野郎となった私なのであった。

名古屋空港-2

 名古屋空港周辺で写真を撮る場合、いくつかポイントがある。
 今回は南の小牧側にあるエアフロントオアシスという公園から撮った。一番の定番スポットで、かつては毎日のように飛行機マニアが訪れていたという。無料駐車場もあって、ゆっくり写真も撮れる。
 少し高台になっていて、飛行場全域を見渡すことができる。超望遠を使えば、飛行場内の飛行機も撮れそうだ。
 北の春日井側にも小針公園があり、西には神明公園がある。それぞれ角度が違うから、詳しい人は狙いによって移動して撮っているのだろうと思う。
 夕焼けをバックに撮るには東側にも公園が欲しいところだけど、名古屋空港の東エリアは自衛隊の小牧基地があるのであまり近づけない。
 昼間は自衛隊機もたくさん飛んでいる。

名古屋空港-3

 周囲は当然ながら高いフェンスで囲まれている。でも、この感じが古い飛行場だ。数年前までメジャー飛行場だったとは思えないほどローカル色が強い。

名古屋空港-4

 飛行機がなかなか飛んでこないのでやることがない。
 周辺を歩いてポイントを探しつつ、飛行機とは関係のない風景を撮ったりしてみる。
 鳥よけネットらしきものが夕陽に照らされてきれいだった。
 これを見ると、風の強さが分かると思う。

名古屋空港-5

 やっとなんか飛んできたと思ったらヘリコプターだった。
 これでも近くで聞くとものすごくうるさい。市街地の飛行場は、やはり無理があった。
 公園の横に小さな墓地がある。またすごいところにあったものだ。飛行場ができる前からあったのだろうか。

名古屋空港-6

 お、やっと来たか。
 最初、ポツンと小さな点だったのが少しずつ大きくなる。まだこれくらいでは急に近づいてくる感じはなく、余裕があるというか、間延びするくらいだ。しかし、直前になるとチャンスは一気にピンチに変わるのだ。

名古屋空港-7

 ここでもまだ余裕はある。よし、もっと引きつけるんだ。
 ただ、思ったよりもコースが左にそれていく。真下に入れないと分かったときにはもう遅かった。ここで追随するしかない。

名古屋空港-8

 わー、駄目だー。でかすぎるし、速すぎるー。
 ズームを広角側に戻す気持ちの余裕さえ失っていた。
 ここまで近づいてしまうともう手遅れだ。
 むしろ、最初から広角ズームで引きつけるだけ引きつけてワンチャンスを狙う方がいいのかもしれない。
 単焦点の望遠レンズも持っていったのだけど、初心者には無用だった。そんなものでは撮れる気がしない。

名古屋空港-9

 ああ、もう後ろ姿になってしまった。しかも、フェンス越しだ。

名古屋空港-10

 次の飛行機が来るまではまだしばらくかかる。手持ちぶさたでやることがないから、また少し移動しながら風景写真でも撮る。
 近くに歩道橋があって、その上も撮影ポイントになっている。
 遠くに名駅のタワーが見える。右手前はザ・シーン城北だろうか。

名古屋空港-11

 しばらくしてようやく次の飛行機がやって来た。日没が近づき、これがラストチャンスとなった。
 シャッタースピードが落ちて、少し厳しかった。

名古屋空港-12

 今度こそしっかり引きつけて、って、もう駄目じゃん! いきなり翼が切れてしまっている。
 どういうふうに撮れば成功なのかも、今ひとつよく分からない。やはりどこも切れず、大きく全体に飛行機を入れれば成功ということになるのだろうか。とりあえず初心者としては、そこが第一の目標となるのだろう。

名古屋空港-13

 先ほどとは角度が違って、横に近くなった。
 けど、ここでは尾翼が切れてしまった。
 至近距離では70-300mmズームは使い勝手が悪い。望遠ズームでも、50-200mmとかの方がよさそうだ。

名古屋空港-14

 あー、いってしまった。今回もまたあっけなかった。チャンスはほんの数瞬しかない。
 歩道橋の上からだと高いからフェンスを気にせず撮れるのはいい。

名古屋空港-15

 せめて着陸の瞬間くらいは撮りたいと思って撮った。
 かなり遠いから、これくらいなら楽勝だ。
 着陸を撮るなら、今度は300mmでは足りなくなる。400mmか、できれば500mmが欲しい。

名古屋空港-16

 もうワンチャンスと気持ちは強かったのだけど、これだけ暗くなってしまうと厳しい。
 そういえば夕焼け空は見られずじまいだった。今日はほとんど焼けないまま日没となった。

 とまあ、こんな感じで遅い名古屋空港デビューを果たしたわけだけど、楽しいのは間違いなく楽しい。思ったよりも難しかったから、また挑戦したいと思えた。
 次に行くときは本でも持っていった方がよさそうだ。あと、離発着の時刻を調べてから行く方がいい。離陸はどこでしてるのだろう。北側だろうか。
 家から30分の距離だし、夕焼けが期待できそうなときにまた行きたい。多少勝手は分かったから、次はもう少し上手く撮れるんじゃないか。
 ちなみに、今日撮った飛行機はボンバルディア CRJ200ERというやつらしいけど、飛行機の機体にはまったく興味のない私であった。

越冬できない虫たちの姿に秋の訪れを感じた <10月の海上の森-後編>

森/山(Forest/Mountain)
海上の森2-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / 70-300mm f4-5.6 Di



 今日は海上の森の後半で、虫と花編をお送りします。最後の方でかわいくないクモが登場するので、苦手な方は途中で逃げてください。
 一枚目は、おんぼろになった翅のチョウ。ヒョウモンチョウだろうか。あまり見覚えのないチョウだ。
 傷んだ翅で、セイタカアワダチソウの蜜を吸っている姿に秋を感じた。
 ヒョウモンチョウなら、成虫では越冬できない。幼虫で冬を越す。それでもまた今年も命をつないだことだろう。悲しむことはない。

海上の森2-2

 セイタカアワダチソウも、近くで見ると意外に可憐な黄色い花だということに気づく。
 子供の頃、この花には毒があると脅されたから、今でもこの花に近づくときはちょっと息を止めたいような気持ちになる。
 毒はセイタカアワダチソウ自身に回って、ずいぶん数を減らした。今となってはたまに見かけると珍しいものを見たという気になる。空き地がセイタカアワダチソウで真っ黄色に染まった頃の風景が懐かしいようにも思う。

海上の森2-3

 ノコンギクかもしれないし、ヨメナかもしれない。曖昧なままいまだにはっきり区別をつけられないでいる。茎が毛深いのがノコンギクで、毛がないのがヨメナらしいから、これはヨメナか。花を見るとノコンギクに思えるのだけど。
 花にとまっているのも、ミツバチなのかアブなのか、判然としない。

海上の森2-4

 ヘクソカズラの実。バックは刈り入れ前の稲で、秋らしいワンシーンだった。
 ヘクソカズラは夏場の白い花も好きだし、実の風情もいい。冬になると、実がもっとテカテカになる。

海上の森2-5

 海上の集落には毎年コスモスが少し咲く。キバナコスモスと普通のコスモスが混在して、非常な雑然としているのだけど、見ると今年も忘れずに咲いたかと安心する。
 メキシコが故郷で、日本に入ってきたのは明治以降という新顔なのに、今ではすっかり日本の秋の顔となった。メキシコ人は日本人のようにコスモスを愛でているのだろうか。

海上の森2-6

 小さな畑の一角でソバを作っていた。白いのがソバの花だ。
 ソバの花も秋の風物詩の一つで、各地にソバ畑の名所がある。当然ながら花を観賞するためではなく、食べるためにソバを栽培している。実を粉にしたのがソバ粉で、ソバの原料になる。
 海上のものは規模が小さかったから自家用だろうか。どれくらいの規模でどの程度のソバ粉がとれるのか、見当がつかない。

海上の森2-7

 森の奥の方の道を歩いていたとき、目の前の地面を何かが横切った。脇に逃げていったので追いかけてみると、沢ガニだった。水辺にいるものと思っていたけど、普通に道を歩いているものなんだ。乾いてもけっこう大丈夫らしい。
 ちょうど陽が当たって、手足のオレンジがきれいだった。

海上の森2-8

 アザミにとまるのはヒラタアブだろうか。ホソヒラタアブのメスのように見えるけどどうだろう。
 アザミは花の先から蜜が出るのか、それとも花粉か何かを食べているのだろうか。

海上の森2-9

 オオアオイトトンボだと思うけど、ちょっと自信はない。これだけ近くからはっきり撮ったのは初めてだ。背中のメタリックなグリーンが美しい。
 どれだけ近づいても逃げずにじっとしていると思ったら、何かを食べている最中だった。ハエかアブか、そんなようなものを丸かじりしている。自分の顔より大きなものを食べているのがすごい。

海上の森2-10

 ノシメトンボのような気もするけどこれも確信はない。違うような気もする。
 判別するのが目的なら、もっといろんな角度から翅とか体とかが分かりやすいように撮らないといけない。でも、写真としてきれいに撮りたいと思うと、そんなことは言ってられない。

海上の森2-11

 トンボの飛翔シーン。このときは撮れたと思ったのだけど、写真を見たらピントが甘かった。惜しい。
 もっと近い距離で正面から撮るのが今後の目標だ。

海上の森2-12

 糸でぶら下がっているクモだけど、空を飛んでいるようにも見える。
 クモは秋が深まってもかなり粘るけど、やっぱり成虫での越冬はできない。糸を張らないタイプは成虫で越冬するやつもいるらしい。

海上の森2-13

 クモが苦手ではない私でも、こいつはちょっと不気味だった。田舎の外の便所にいたようなやつだ。
 近づいて撮るのもおそるおそるといった感じだった。かなりきつい。

海上の森2-14

 よくいるタイプのクモ。
 おなかの模様が人の顔というかマスクマンっぽい。

 海上の森10月編は、最後クモで締めくくるという形になってしまって、私としてもちょっと失敗したかなと思う。もう少しきれいなものや、爽やかなもので締めたかった。でも、使える写真はこれくらいということで、今回はここまでとしたい。
 次はまた近いうちに行くことになる。アサギマダラが見つかるまで、2回くらいは通いたい。やはり晴れた日の午前中なんだろうか。

緑の森風景もあとひと月くらい <10月の海上の森-前編>

森/山(Forest/Mountain)
海上の森1-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / 70-300mm f4-5.6 Di



 アサギマダラを探しに10月はじめの海上の森へ行ってきた。
 しかし、写真の先頭がアサギマダラではないということは、撮れなかったことを意味する。あわよくば、というくらいの気持ちだったから、落胆はしていないけど、やっぱりそう簡単には見つからないかとちょっと残念ではあった。
 海上の森はアサギマダラの渡りのコースではなく、たまに迷い込んでくるくらいで必ずいるということはないようだ。ただ、海上の森で撮られた写真を見たことはあるから、運がよければ会えるのだと思う。
 確実に見たければ渥美半島か知多半島ということになるのだろうけど、近くで偶然出会えた方が嬉しい。今年は春に初めてギフチョウを撮れたから、秋もなんとかアサギマダラを撮って虫シーズンを締めくくりたいところだ。10月いっぱいはチャンスがあるのではないだろうか。
 そんなわけで、10月はじめの海上の森風景を、前後半2回に分けてお届けします。前半は主に水風景を中心とした風景編で、後編は虫と花になる。後編はクモなどの虫注意報が発令されるのでご注意を。
 今回も篠田池から大正池、海上の里を巡るコースを歩いた。前回とコースは同じでも、ひと月半以上の間が空いたから、季節はだいぶ進んでいた。秋の花が増えて、虫が減った。森の色も、少しずつ秋色になりつつあった。

海上の森1-2

 大正池は、これまで見たことがないような自然の造形美が形成されていた。
 短い朽ち木の頭に、流れてきた種が着床したのだろう。そこから芽が出て、枯れ風景を彩っている。
 ここは人工の砂防池で、冬場になると水が抜かれるから、この風景は長くは続かないはずだ。秋の紅葉まで持てば、赤い映り込みと一緒に撮れるかもしれない。

海上の森1-4

 紅葉が期待できるのはこちら側か。わずかに赤くなっている葉がある。紅葉がもっと進めば、魅力的な被写体になりそうだ。
 水がどのタイミングで抜かれるのかは知らない。できれば抜かれる前にもう一度行っておきたい。

海上の森1-5

 生け花風というか、盆栽風というか、苔玉風というか。
 自然が作り出す偶然の美に人は憧れて、草花や木々を育成したり造形したりするようになったというのが、こういうのを見るとよく分かる。
 けれど、模倣ゆえに、人は自然を超えられない。

海上の森1-3

 こちらは篠田池の朽ち木風景。こっちの方はぐっと渋い。色はモノトーンだけど、木のリズムが面白い。

海上の森1-6

 縄張りを見張り飛行するギンヤンマにしばらく遊んでもらった。
 何しろスピードが速くてなかなかついていけない。AFではピントも追いつけず、それ以前にフレームに収めるのに一苦労で、MFでのピント合わせも難しい。
 この距離でそうなのだから、至近距離で飛んでいるトンボを撮っている人は本当にすごい。
 高速連写ができるデジを使って、置きピンで待ち伏せして撮るという理屈は分かっても、実際に撮り切るのはそう簡単なことじゃない。

海上の森1-7

 水の流れが渦を巻いているところ。紅葉の落ち葉がぐるぐる回っているシーンは定番だけど、自分も撮ってみたい。
 いいポイントを見つけることがまず第一で、あとはかなりスローシャッターしないと駄目なようだ。10秒くらいでは足りない気がする。

海上の森1-8

 森の木々が気持ちのいい緑色を保つのもわずかとなった。紅葉になったり枯れ葉色になったりして、冬になれば茶色い世界になる。
 だいぶ涼しくなって、蚊もほとんどいなくなった。クモの巣も少なくなってきて、10月は森歩きにはいい季節だ。

海上の森1-9

 一部で枯れ葉の道ができ始めていた。
 枯れ葉を踏むカサカサという乾いた音を聞くと、秋の訪れを実感する。
 日だまりの光が暑さではなく温もりをイメージするようになった。

海上の森1-10

 好きな苔色も、春から秋にかけてのものだ。冬になれば苔も枯れて茶色になる。

海上の森1-11

 スギではなくヒノキだと思うけど、相変わらず見分け方に自信がない。
 ここの林立風景を撮るというのも、今回の目的の一つだったのだけど、なかなか上手くいかなかった。意外と難しい。宿題として残った。

海上の森1-12

 モミジはまだ青々している。けど、これが赤く染まるのも、そう遠い将来の話ではない。あとひと月半もすれば紅葉シーズンが始まる。
 それまでにイメージトレーニングをしていかないといけない。桜と紅葉は、毎年自分の成長度を試されているようで、ちょっと気が重かったりもする被写体だ。

海上の森1-13

 雲の一部がわずかにピンク色に染まった。
 日没もすっかり早くなった。5時半といえば、一番長かったときより2時間も早くなっている。夕方が短くなると、またネタ探しが大変になる。今後は夜景や星風景あたりにも手を広げていこうかと考えている。
 今日はこれくらいにしておこう。
 後編に続く。

城下町から少し離れて犬山の町歩き <第三回・完>

名所/旧跡/歴史(Historic Sites)
犬山城下町3-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 犬山城下町散策の3回目は、昔の城下の中心から少しはずれた東側を歩く。
 現在の犬山の中心地は、やはり名鉄犬山駅周辺ということになるのだろう。駅は犬山城の南東1キロちょっとのところにある。
 上の写真は、本町の通りから少し東に入った寺社が集まっているあたりの道だ。ここは昔からの寺社町なのか、戦後の区画整理で集めたのか、詳しいことは分からない。城下町全体に神社仏閣の数は多い。
 ぷらぷら歩いていると、軒下の狭いところからふいに猫が出てきて、目が合った。あ、どうも、という感じでお互いに立ち止まる。
 首輪はつけてなかったから飼い猫ではないだろうけど、お世話をしてる人がいる地域猫だろう。このあとフラッとお散歩に出かけていった。

犬山城下町3-2

 右手はどこかのお寺さん。詳しい場所を忘れてしまって、地図を見てもよく分からない。西蓮寺か、浄誓寺か、そのあたりだったような気はする。
 石畳の道は古いものではなさそうだけど、新しくても風情があっていい。

犬山城下町3-3

 形のいい松のある家。
 街道筋の松風景は、旧東海道などの江戸時代の名残だ。

犬山城下町3-4

 右側は古い小さな書店で、こういう町の本屋さんが残っているのを見ると嬉しい。
 赤いTシャツの自転車少年と、夏の青空のコントラストがよかった。

犬山城下町3-5

 本町交差点。
 ちょうど人と車が途絶えたときで、ゴーストタウンのようにも見える。実際は、左右の道の交通量は多い。
 ただ、南へ延びる商店街はシャッターも目立って、活気溢れるという感じではない。日本全国の地方都市はどこもこんな感じだとは思うけど。

犬山城下町3-6

「アジアの靴」を前面に押し出している靴屋さん。
 それはかつての購買者たちにとってキャッチーなコピーだったのだろうか。私自身はアジアの靴という響きに魅力を感じたことはないのだが。
 あるいは、中国や韓国などを思い浮かべたのは間違いで、フィリピンやマレーシア、カンボジアやタイなどアジア各国の靴を取りそろえていたのかもしれない。だとしたら、それはそれでちょっと魅力的に思えたりしないこともない。

犬山城下町3-7

 路地裏の魅力は、生活感だ。公道なんだけど、半分私道化していて、鉢植えとか生活用品とかが置かれている感じがいい。

犬山城下町3-8

 犬山駅西交差点まで歩いてきた。地下通路もあるけど、駅までは続いていないだろう。
 駅の東側はほとんど行ったことがないから、どうなっているのか知らない。一度くらい見てみたい気もしたけど、そちらまで歩いていくと相当遠回りになるのでやめておいた。このあとリトルワールドのナイターに行かなければならないというのもあって。
 ここで左折して、帰ることにする。

犬山城下町3-9

 レトロハイカラで読めなかった店名。
 Chormont? 英語ではなくドイツ語だろうか。コルモントとか。いや、Charmontか。だったら、フランス語で魅力的を意味するシャルマンだ。写真を見て、やっと分かった。
 右側にはトップセンスとある。
 ちょっと時代を先取りしたニューパワーすぎたかもしれない。

犬山城下町3-10

 なんのビルだろうと思って看板を見たら、KOBAYASHI EYE-CLINICとあった。小林眼科かよ、と心の中でツッコミを入れてしまった。
 このあたりはお洒落なセンスの持ち主が多いらしい。

犬山城下町3-11

 ゆっくり自然回帰中。これも一つのエコロジーか。

犬山城下町3-12

 郷瀬川に架かる橋の上から。
 川の中の緑色は何かの水草のようだ。醒ヶ井の梅花藻のような気の利いたものではない。

犬山城下町3-13

 夏の桜並木。
 桜の季節、この道はとてもいい感じで好きなところだ。花が咲いているときに歩きたい。

 犬山の城下町も前からずっと気になっていて、今回歩いてみて気が済んだというか納得した。一度でも歩いてみると、いろいろ分かることもあるし、その場所との縁も深くなる。あとからテレビなどに出てきたときに、そうそう、ここ行ったことある、となる。車で通過しただけでは充分じゃない。
 他にもいろいろ歩いてみないといけないと思っているところがいくつかある。地元の城下町ということでは、名古屋城西の明道町とか、大垣城とか、岐阜城とか。機会を見つけて、一つずつ回っていくことにしよう。

普通の夕飯作りになってしまったノーマルサンデー料理

料理(Cooking)
ノーマルサンデー

Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II



 今回のサンデーは、直前に慌ててメニューを決めたこともあって、アイディア不足のノーマルサンデーになってしまった。ある食材を使って作った3品なので、前に見たことがあるような料理が並ぶことになった。少しだけひねったつもりではあるけど、もしかしたら同じようなものを作ったことがあるかもしれない。もう過去の料理を全部思い出すのは無理なほど、サンデー料理も回を重ねてきた。完全オリジナルというのは、なかなか難しくなっている。

 一品目は、マグロのねぎま風だ。一番手前がそうだ。
 一見するとコンニャクみたいに見えるけど、そうじゃない。マグロのステーキになっている。
 長ネギは別に湯がいて柔らかくしておいて、マグロは塩、コショウ、白しょう油、酒、みりん、塩、コショウ、砂糖、唐辛子、中華の素を振りかけて、しばらく置いておく。
 それを、ごま油で焼く。少し中華風仕立てになっている。
 最後に白ごまを振りかけるつもりだったのに忘れていた。忘れていたことに今写真を見て気づいた。
 串を刺すかどうか迷って、面倒だったのでやめておいた。串ももったいないし。形だけはねぎまを意識してみた。

 右手は、あり合わせ野菜のごった焼き煮みたいなものだ。
 ニンジンは別に下茹でして、ナスは水に浸けてあく抜きをする。
 エビ、鶏肉、タマネギ、トマト、ブロッコリーを切り分け、全部一緒にオリーブオイルで炒める。
 白ワイン、みりん、砂糖、豆板醤、塩、コショウ、コンソメの素、白しょう油、マヨネーズ、バルサミコ酢で味付けをする。
 トマトやバルサミコ酢の酸味が強いから、砂糖をやや大目にすると、旨みが増す。ケチャップを入れてもいけるはず。
 蓋をしてしばらく煮込み、全体が柔らかくなって、味が染み込んだら完成だ。
 これはあり合わせの野菜やその他のものを何でも放り込んでしまってもいい。

 一番奥は、ジャガイモと豆腐の団子だ。
 一日遅れのお月見団子をイメージして作ったつもりが、形が崩れてぐずぐずな感じになってしまった。団子とも呼べないくらいだ。
 ジャガイモはラップをしてレンジで5分くらい加熱して、皮をむいてつぶす。
 豆腐は手で砕いて、クッキングペーパーで水気を吸い取る。そのままレンジに入れて、絞ってもいい。
 ジャガイモと豆腐と小麦粉をあわせて混ぜて、なめらかにする。塩、コショウ、ダシの素、マヨネーズを加えて、下味をつける。
 ここでチーズを入れたかったのだけど、切らしていた。
 団子状に丸めてフライパンで焼いていくわけだけど、何しろフワフワで柔らかいので丸い形を保てず、つぶれてしまう。団子状を保つには小麦粉を増やすか、卵をつなぎにしたらいいのだろうけど、そうすると固くなりそうだ。最初からあきらめて小判のようにしたらよかったのかもしれない。たこ焼き用の鉄板があればよかったか。
 味付けはシンプルに、酒、みりん、白しょう油、塩、コショウ、ダシの素でつけた。
 終盤、水溶きカタクリ粉を入れて、表面を焼き固める。
 仕上げに、青のりと粉チーズを振る。
 この料理、方向性は間違っていないと思うけど、改良の余地がある。もっと上手く作れば、美味しい添え物として役に立ってくれそうな気がする。オーブンで焼く方がいいのか。中身ももっと何か加えてもいい。

 今日は普通の料理になってしまったのが反省点だ。普通に美味しかったけど、普通に夕飯を作っては趣味の料理とは言えない。
 もう少し準備に時間をかけて、テーマを決めて、イメージを固めてから作り始めないといけない。行き当たりばったりでは上達しない。
 来週はもうちょっと張り切っていこう。

犬山城下を歩いた夏の記憶もやや薄れがち <第二回>

名所/旧跡/歴史(Historic Sites)
犬山城下町2-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 今日は犬山城下町散策の続きで、2回目となる。
 城前からまっすぐ南下して、本町の交差点まで歩いたあと、左に折れて犬山駅西まで歩いて、北に少し行ってまた左に入るというルートを通ったため、写真の順番がちょっとおかしなことになっている。この場所を知っている人には少し違和感があると思うけどご勘弁を。私自身、どういう順番で見たのか、よく覚えていないというのもある。
 上の写真は旧・磯部邸。
 呉服商を営んでいた商家で、江戸時代は柏屋という屋号だった。のれんにも山に柏と染め抜かれている。
 現在は犬山市の所有となり、中を公開しているようだ。入っていいのか分からず、外から眺めただけだった。

犬山城下町2-2

 週末などはそれなりに人が訪れるとのことだ。この日もゾロゾロとまではいかないまでも、パラパラと人が歩いていた。
 城下町というのは宿場町のように時間が止まったような町並みにはならない。街の中心部に近いから、時代と共に発展して移り変わっていく。宿場町の方が昔の面影を残しがちなのは、中心からはずれた街道筋にあった場合、新しい大通りができるとそちらが発展していくからだ。
 神社仏閣の門前町は、また違った経緯を辿るから、趣が違ってくる。古い町並みといってもそれぞれだ。

犬山城下町2-3

 取り壊し中なのか、改築中なのか、工事をしているところもある。
 この通りは捨て置かれている家というのが少なく、現在も息づいているという感じがある。
 そもそも景観を守っていこうという運動が活発になったのは、高層マンションが建つという話が出たときだったという。地域の反対運動が起きて、そこから町並保存という方に向かったそうだ。結局、平成6年に16階建てのマンションが建ってしまったのだけど。

犬山城下町2-4

 ここも登録文化財の一軒だろう。立て札を撮り忘れて、何家かは分からない。

犬山城下町2-5

 夏休みのワンシーン。今となっては懐かしい光景だ。
 夏の写真と秋の写真とでは、光と影の強さが違う。

犬山城下町2-6

 犬山焼というのは知らなかった。
 今井焼に始まって、犬山城主の成瀬家御用窯として焼かれたものが発展していったんだとか。

犬山城下町2-7

 このあたりの路地もなかなか趣がある。
 一本横にずれると、電柱と電線が地上にある。

犬山城下町2-8

 ここは人が住んでいそうだ。
 こんなふうに屏から松が出ている風景をどこかでも見た。近江の方だったか。

犬山城下町2-10

 これまた古めかしい蔵だ。妙な迫力がある。この一角だけ時代が違う。

犬山城下町2-11

 寅屋。
 旅館っぽい佇まいだけど、実際どうかは分からない。
 奥行きがある町屋の作りは、京都を思わせる。

犬山城下町2-12

 軒先に鉢植えが満載。
 こういう光景も、観光客をなごませてくれる。

犬山城下町2-13

 何か食べ物屋風の店だけれど、どういう店かは分からない。

犬山城下町2-14

 これははずれの方だったと思うけど、どのあたりかは覚えていない。

犬山城下町2-15

 どこで撮ったのか、もはや全然思い出せない。ひと月半のブランクは大きかったか。
 2回目はここまでとして、次回の最終回に続く。

暑い盛りに歩いた犬山の城下町をようやく紹介できる <第一回>

名所/旧跡/歴史(Historic Sites)
犬山城下町1-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 ここのところ、ブログの更新内容が現在から過去に行ったり来たりを繰り返している。立て続けに旅に出たり散策をしたりしたからなのだけど、今日はまた過去に戻る。
 犬山の城下町を散策したのは、リトルワールドのナイターへ行く前だから、8月14日のことだった。時間だけでなく季節まだ戻ってしまった。お盆の時期といえば夏真っ盛りで、写真からも強い日差しが伝わってくる。今見返してみると、季節のズレを感じる。城下町散策だから季節は関係ないと思っていたけど、これだけ光が違うと、もっと早く紹介しておけばよかったと思った。今更仕方がない。
 というわけで、今日から3回シリーズで犬山城下町編をお届けすることにした。ちょっと季節感がズレているけど、おつき合いください。
 城下町散策のスタートは、犬山城の遠望からだ。木曽川沿いのこの場所から見る犬山城が好きで、犬山を訪れたときは必ずここへ来て景色を眺める。西向きだから、夕焼けのときがまた素晴らしい。
 正面に見えている山は、伊木山で、なかなかいい姿をしている。
 普段はこの川沿いの駐車スペースに車をとめるのだけど、お盆休み期間ということで満車だった。そんなことは初めてだったので驚く。
 車は名鉄犬山ホテルの無料駐車場にとめさせてもらった。確か、犬山を観光するときはここにとめていいという話を聞いたことがある。この駐車場が広大だから、まず満車になることは考えられない。

犬山城下町1-2

 目を右に向けると、いかにも夏という光景が広がっていた。川遊びをしている家族連れなどで賑わっている。ジェットスキーなども出ていた。
 見えている橋はツインブリッジという名前のもので、すぐ向こうに名鉄の鉄橋もある。
 木曽川の犬山ライン下りや鵜飼いは、もう少し東の方でやっている。
 冬場になると、この川にもたくさんのカモが渡って来る。

犬山城下町1-3

 名鉄犬山ホテルの正面。
 向こうに犬山城が見えている。
 小高い山の上にあるので、この周辺のいろんなところから天守閣が見える。
 戦国時代は他に高い建物がないから、かなり遠くからでも見えたことだろう。何しろ、小牧山の小牧城からもお互いに見えたくらいだ。小牧長久手の戦いでは、ここを舞台に秀吉と家康がにらみ合いをした。
 最終的に合戦は長久手に移るのだから、ものすごく広い範囲の戦いだったことが愛知県民なら分かる。犬山、小牧、長久手を歩いて移動すると考えただけでも気が遠くなりそうだ。何時間かかるか見当がつかない。

犬山城下町1-4

 犬山名鉄ホテルの敷地内に有楽苑(うらくえん)という庭園があり、中に如庵(じょあん)という国宝の茶室が移築されている。
 織田信長の弟で茶人の織田有楽斎(おだうらくさい)によって建てられた茶室で、もともとは京都建仁寺の塔頭である正伝院にあったものだ。あちこちに移ったあと、名鉄が買い取ってこの地に移築した。犬山にゆかりがあったわけではないけど、尾張の人間のものだから、里帰りしたと言えなくもない。
 有楽苑に入るだけで1,000円も取られてしまうので、まだ入ったことがない。一度くらいは入っておきたいとは思っている。普段内部は非公開の如庵が4月と11月だけ内部を公開するから、行くならそのときがいい。

犬山城下町1-5

 犬山城の下を流れる郷瀬川。地図を見ると入鹿池から出ている流れのようで、犬山城の北で木曽川に流れ込んでいる。
 かつては城の堀の役目もしていたようだ。

犬山城下町1-6

 城の南に広がる城下町は、江戸時代の町割がほとんどそのまま残されている。
 真っ直ぐ南に伸びる本町の通りを中心に、町屋などの古い家並みが並ぶ。
 近年、ここを観光地としてもっと活用しようという気運が高まり、今年になって電柱と電線を地下に埋める工事も完成し、街の景観もかなりすっきりしたと評判だ。
 私はこのときが初めてだったので、以前との比較はできないのだけど、全体的に小綺麗という印象を持った。思ったほど古びた風情があるというふうではなかったものの、城下町を観光地にしていこうという姿勢には好感が持てた。

犬山城下町1-7

 いきなり甲冑工房。
 愛好家の間で需要があるのだろうか。それとも、学術的なものだろうか。
 今は戦国ものが盛り上がっているし、各地で戦国イベントなどもあるから、こういうところも必要に違いない。甲冑を手作りする教室が人気を呼んでいるというニュースも最近見た。
 私は戦国の歴史は好きだけど、自ら甲冑に身を包んで種子島をぶっ放したいとかそういうことは思わない。兜とか手に入れても、家に置くところがないし。

犬山城下町1-8

 からくり展示館前の車輪。たぶん、犬山祭に使われる車山(やま)のものではないかと思われる。かつて使われていたものかもしれない。
 からくり展示館は、車山に備える10数体のからくり人形などを展示してあるところで、入館は100円。からくり人形に興味がある人は必見、らしいのだけど、私は通りすぎた。内部は撮影禁止らしいし。

犬山城下町1-9

 この通りはわりと車通りが多くて、のんびり気兼ねなく散策とはいかない。そのため、電柱は地下に埋められても、標識までは埋められない。生活道路だから、車両通行止めにはできないだろう。
 それでも、電柱と電線がないというのは気持ちがいいものだ。空がすっきりする。
 この界隈には、国の登録有形文化財の町家が12軒あるそうだ。新しい家の間に点在しているといった感じで、街全体の印象としては観光地ではなく生活空間だ。どっちつかずといえば、そうとも言える。
 規模もさほど大きくはないから、ざっと歩くだけなら1時間もかからない。通り沿いだけなら20分くらいだろうか。これだけを目当てに遠くから訪れると、ちょっと物足りない。県外から来るなら、犬山城や如庵とセットで半日コースになりそうだ。フルコースなら、犬山ライン下りと、夜の鵜飼いだろう。

犬山城下町1-10

 車山を収納している車山蔵。
 一般的に祭りのとき曳かれる祭車は山車(だし)というけど、犬山では車山(やま)と呼んでいる。
 各町内で13台の車山を所有していて、7棟の車山蔵がある。
 1635年に始まったとされる針綱神社の祭礼・犬山祭は、毎年4月に行われている。昔は旧暦の8月だったようだ。
 1988年からは秋にも城下町秋まつりが行われるようなった。今年は10月の24、25日だと思う。
 13台の車山すべてにからくり人形が乗っているのも見所の一つとなっている。

犬山城下町1-11

 がんばるんの店という看板があって、がんばるん? ガンバルンバとかそういうことか? と思ったら、がんばる人の店だった。
 健康と幸せの店でもあるらしい。
 何を売っているのか、具体的なことは分からない。

犬山城下町1-12

 店の前には、がんばる人のための自動販売機が置かれている。
 メニューが濃すぎて選べない。この中に入ったら、オロナミンCもソフトドリンクだ。
 一番高いのは1,000円もする。

犬山城下町1-13

 なつかし屋。
 名前からすると駄菓子屋のようなものを想像しがちだけど、手作り工芸や和紙の店の他、喫茶店や無料休憩所になっている。
 こんなふうに古い町屋の建物を利用した店舗なども何軒かある。観光地としてはこういうところも必要だし、いいことだと思う。

 散策はまだ続くのだけど、写真が多くなったので、今日はここまでとしたい。
 続く。
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