月別:2009年08月

記事一覧
  • S2proが捉える夏の終わりの色

    FUJIFILM S2pro+NIKKOR 55-200mm f4-5.6 VR / NIKKOR 70-300mm f4-5.6 VR 愛知県民の森が終わって、次は熊野古道シリーズを始めたいところではあったのだけど、今日はゆっくり更新している時間がない。ということで、ご近所写真でつなぐことにする。 以前使っていたFUJIのS2proをもう一度買うことになったのは、Nikonのレンズが安く手に入ったからだった。55-200mmと70-300mmの手ぶれ補正レンズを使うために、たまたまタイミング...

    2009/08/31

    日常写真(Everyday life)

  • 民主党的サンデーは新たなマニフェストの始まり

    Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II 今日のサンデー料理は、ミンチカツ、シューマイ、豆腐ステーキを作った。 この時点でピンと来た人はとても勘がいい。ミン、シュ、トウ……。 ダジャレかよ、と思ってはいけない。頭韻を踏んでいるのだ。 別に民主党支持というわけではないけど、今日は民主党にとって歴史的な一日ということで、それにちなんだサンデー料理にしてみた。だから、メンチカツではなく、ミンチカツである必要があった。...

    2009/08/31

    料理(Cooking)

  • 電車で3分の距離も歩けば遠い湯谷温泉 <愛知県民の森-番外編>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 愛知県民の森をあとにして、三河槙原駅に戻ってきたのが午後4時過ぎだった。次の電車は17時1分。駅で待つには長すぎる。予定では17時1分に乗って、隣の湯谷温泉まで行って、温泉街と板敷川を散策して、19時26分の電車で帰るというパターンを考えていた。その間に電車は、ない。 ただぼんやり待っていても仕方がないから、隣の湯谷温泉まで歩いていくことにした。ここで一つ罠にはまったのは、駅前の観...

    2009/08/30

    海/川/水辺(Sea/rive/pond)

  • 一回くらいは行っておいてもいい愛知県民の森 <第四回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 / TAMRON SP 90mm f2.8 今日が愛知県民の森シリーズ本編の最終回となる。 下石の滝、亀石の滝と回って、力尽きそうになったところで帰ることにする。スポーツドリンクの残りも少なくなって、これが切れたときが倒れるときだくらいの燃え尽きようだった。 最近、あまり山歩きをしてないから体が鈍ったらしい。平地を歩くのと、アップダウンの道を上り下りするのとでは、使う筋肉も体力も違う。頻繁に...

    2009/08/29

    森/山(Forest/Mountain)

  • 愛知県民の森はどの滝まで行くかで疲労度が決まる <第三回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 愛知県民の森を歩くとき、特に決まったコースはない。なんとなくぼんやり歩いていると、左回りのコースを辿るのが自然かもしれない。満腹コースなら三つの滝を巡って右手の方に回って帰ることになるだろうし、欲張りコースなら宇連山登山、腹八分目なら下石の滝を見て引き返すのが無難なところだ。 私は駅を出て駅に戻ってくるまで4時間ほど歩いたのだけど、2つ目の亀石の滝を見て引き返してそれくら...

    2009/08/28

    森/山(Forest/Mountain)

  • 奥へ進むほどに辛口になっていく愛知県民の森 <第二回>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / DA 16-45mm f4 愛知県民の森へ行こうと思ったのは、ヤマユリを見るためという理由が大きかった。しかし、ヤマユリの季節は7月中旬から下旬にかけて。8月のお盆過ぎに、のこのこ出向いていって咲いているはずもない。 7月は雨ばかりで、8月になったら早々に行こうと思っていたら、なんだかんだで行けず、延びのびになってしまった。結局、行けたのは8月20日のことだった。 ホウライジユリの通...

    2009/08/27

    森/山(Forest/Mountain)

  • 愛知県民の森シリーズ~予告編 <第一回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 今日はあまりにもくたびれてしまって、通常の更新は不可となった。 なので、この前行ってきた愛知県民の森の写真を少し並べて、もうダウンしてしまう。 明日から愛知県民の森シリーズを始めたいと思っているけど、今日はその予告編ということで。 緑のうねうね水紋。 揺らめく水面を見続けていると、酔いそうになった。 森の名に恥じないそれはもう立派な森で、思った以上に森は深かった。 清浄...

    2009/08/26

    森/山(Forest/Mountain)

  • 色と模様を探して牧野ヶ池周回コースを歩く <後編>

    FUJIFILM S2pro+NIKKOR 70-300mm f4-5.6 VR リトルワールドが終わって、次は愛知県民の森シリーズを始めたいところではあるのだけど、牧野ヶ池の後編が残っていたので、まずはそちらを終わらせてしまうことにする。 残りの写真を使い切って、すっきりさせておきたい。そうこうしてると、また電車の旅もある。 池の周りの散策路はこんな感じ。 夏場だから草が生い茂っているけど、人がよく歩いているから、道はしっかりできてい...

    2009/08/24

    海/川/水辺(Sea/rive/pond)

  • 自分好みに作ってるから美味しいのは当然サンデー

    PENTAX K10D+SIGMA 30mm f1.4 今日は普通のサンデーだった。特に新しい試みをするでもなく、これまで作ってきた料理をアレンジしたものにとどまった。まったく同じものではないものの、よく似たものは何度か作っていると思う。 思えばもうずいぶんたくさん料理を作ってきた。以前作ったものをすべて思い出すことはできない。自分が作ったものの写真を見れば思い出すだろうけど。 自分の料理は自分の字に似ている。見れば自分の...

    2009/08/24

    料理(Cooking)

  • 建物よりも外国人の充実こそが本当のリトルワールド <第七回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 / PENTAX-M 50mm f1.4 リトルワールド・シリーズも今日で7回目で、ようやく最終回となる。パンフレット的な紹介とはならなかったけれど、なんとなく雰囲気は伝わったんじゃないかと思う。 夕方から夜にかけての写真を載せて、終わりにしたい。書くことはもうほとんど残っていない。 上の写真の赤と白の顔は、リトルワールドのシンボルだ。どういう意味が込められたものなのかはよく知らない。 で、...

    2009/08/23

    施設/公園(Park)

  • 沖縄から始まって山形で世界一周は完結となる <第六回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 リトルワールド最終エリアは、アジア圏。韓国の家が二つ、日本の家が一つで、不完全ながら世界一周が完結する。 韓国のものは、慶尚北道の山村にあった二つの農家だ。一つは一般の農家で、もう一つは地主のもので、やはり暮らしぶりが家の造りにも表れている。まずは普通の農家の方から見ていくことにしよう。 上の写真は裏口の方で、ここからしていかにもといった感じがする。なんとなく懐かしいよ...

    2009/08/22

    施設/公園(Park)

  • 遠出帰りにつき牧野ヶ池を並べておやすみなさい

    FUJIFILM S2pro+NIKKOR 70-300mm f4-5.6 VR 今日は遠出をしていて、リトルワールドの続きは下調べができず、今日の写真も間に合わずで、少し前に行った牧野ヶ池の写真でつなぎ更新としたい。 デジとレンズの組み合わせがちょっと珍しいことになっているけど、そこはさらっと流して、とりあえず写真を並べて、もう寝ます。 たぶん、オニヤンマ。この止まり木がお気に入りというか縄張りのようで、近づいてくる他の奴を追いかけ回...

    2009/08/21

    海/川/水辺(Sea/rive/pond)

  • リトルワールドはタイが占める割合が大きい <第五回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 リトルワールドもなんだかんで5回目になった。こんなに長持ちするネタになるとは思ってなかった。逆にちょっと長引きすぎているような気もする。そろそろ終わらせて次を始めたいところではあるのだけど、まだあと2回分くらいは写真が残っている。なので、もう少しおつき合いください。 昨日はネパールで終わって、今日はインドからの再開となる。インドとネパールといえば、お隣さんでもあり、宗教的...

    2009/08/19

    施設/公園(Park)

  • リトルワールドは飛びとび世界一周マイナー旅行 <第四回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 リトルワールドの四回目は、ヨーロッパエリアから再開しよう。このあたりが入口から見て一番奥で、周回コースの折り返しとなる。 ヨーロッパエリアといっても、ドイツ、フランス、イタリアしかないから、ヨーロッパ全体を網羅しているとは言えない。せめてスペインとイギリスくらいは参加させて欲しかったところだけど、スペースや予算のこともあるし、すべての地域を紹介するのは無理だから、まあ仕...

    2009/08/19

    施設/公園(Park)

  • 世界のほんの一部でもリトルワールドは世界の入口となる <第三回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 今日からまたリトルワールド・シリーズを再開したい。 上の写真は、ペルーの大農園領主の家を再現して建てられたものだ。 リトルワールドの旅は、非常に早足なものとなる。日本から出発してアジア、北米と進み、あっという間に南米に入ったかと思ったら、すぐに東南アジアが始まる。変化が目まぐるしくて、うっかりしてると大陸を丸ごと見落としてしまうことにもなりかねない。一周2.5キロだから、全...

    2009/08/18

    施設/公園(Park)

  • マイベストカレーも完成度は80パーセント

     カレーライスはあまり好きではないくせに、ここのところサンデー料理に登場する回数が増えている。それは手抜きをしたいからではない。むしろ、一からカレーを作るには通常の料理よりも手間暇がかかるから楽はできない。理由は単純で、自分の頭の中にあるイメージ通りのカレーを作りたいという思いがあるからだ。銅鍋を手に入れたということもある。 私の思い描く美味しいカレーのポイントは、旨みとコクと辛みのバランスがよく...

    2009/08/17

    料理(Cooking)

  • リトルワールドの建造物はマイナーでマニアック揃い <第二回>

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 リトルワールドが開園したのは1983年の3月だったということを知って驚いた。そんなに新しいとは思ってなかった。明治村のオープンが1965年で、それと同じくらいだろうと漠然と考えていた。ということは、学校で連れて行かれたときは、開園して間もなくのことだったのだ。そんな話を聞かされた覚えがまったくないのだけど、そもそも興味がなくて私が話を聞いていなかっただけかもしれない。学校で行った...

    2009/08/16

    施設/公園(Park)

  • ナイター営業のリトルワールドにわんさか人がいて驚く <第一回>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / PENTAX-M 50mm f1.4 リトルワールドがナイター営業をしているということで、どんなものか見てみようと行ってみた。着いたのは日暮れが近い夕方だった。 初めて訪れたは中学のときの遠足で、二度目が2006年だった。万博後遺症を癒すためにリトルワールドを訪れたという愛知県民は多い。当時の私もそうだった。あれから3年になる。 特にこれといった目当てがあったわけではなく、ライトアップ...

    2009/08/15

    美術館・博物館(Museum)

  • 日常夏写真を並べて今日は早寝

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 他 今日は早寝で、明日は早起きなので、日常写真を並べて寝てしまう。ここ最近、近所で撮った写真などを。 ヒマワリは、愛知牧場で元気のないやつを撮っただけだったけど、まったく撮らないよりはよかった。大垣の休耕田のヒマワリが見頃を迎えたようだ。一度見に行きたいと思いつつ、場所が不便なところだから、電車では行けそうにない。車で行くと、近いようで遠い。 ホオズキの実も、夏の...

    2009/08/13

    日常写真(Everyday life)

  • 森の花と虫は早くも夏の後半戦 <8月の海上-3>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 8月の海上の森写真3回目の今日が最終回となる。 余った花や虫写真、その他を集めて載せておこう。 一枚目は、クサギから。 見た目は一切無視で、葉っぱが臭いからという理由だけで名づけられてしまったかわいそうなやつ。ヘクソカズラほどではないにしても、もう少しいい名前をつけてあげてほしかった。 花よりもピンクのつぼみが可憐で、藍色の実がなると、がくがきれいな赤色になる。 見...

    2009/08/12

    森/山(Forest/Mountain)

  • 森を作るそれぞれの色と形に心惹かれる <8月の海上-2>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 昨日に続いて海上の森の第2回を。 今回も三脚を持っていった。めったに人に会うこともないから、人目を気にすることなく三脚を使うことができる。 これはNDフィルター(ND4)を使って、6秒で撮ったものだ。フィルターなしで1秒で撮ったものと、ほとんど変わらなかった。長時間露光をすればしただけ変わるわけではないことが分かる。もっと変化の大きなシーンを撮れば、当然違いも出てくるだろ...

    2009/08/12

    森/山(Forest/Mountain)

  • 天然のサギソウを撮りに雨上がりの海上の森へ <8月の海上-1>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 ふいにサギソウのことを思い出して、無性に撮りに行きたくなった。 夏の湿地の白いヒロイン。サギが舞っているような優美な姿から、その名が付けられた。 一番近場で確実に見られるのは、東山植物園か、森林公園だ。けど、どちらも月曜定休。 そういえば、海上の森でサギソウを見たことがなかったことに気づいた。植物園や森林公園では何度も見てるけど、あれは人が管理しているところで咲い...

    2009/08/11

    森/山(Forest/Mountain)

  • 匂いにクセはあるけど味は意外とまろやかナンプラー料理

    Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II 今日のサンデー料理の主役は、ナンプラーだった。料理の可能性を広げるものとして、今まで使ったことがない調味料を使うのが有効なことがバルサミコ酢でよく分かった。ということで、今回、ナンプラーというものを初めて使ってみた。 ナンプラーという名前はよく聞くけど、その正体をよく知らないという人が多いかもしれない。私もそうだった。タイの魚醤(ぎょしょう)のことだ。魚醤ってのも分か...

    2009/08/10

    料理(Cooking)

  • 日常ご近所写真がたまってきたから今日はその小ネタでつなぐ

    PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 / TAMRON 90mm f2.8 他 今日はまたつなぎネタ。日常写真がたまってきたところで、まとめて出しておくことにする。近所の風景も、今撮っておくとあとになって変化を知ることができるから、それなりに意味はある。 ここ最近の天気を反映した写真は、曇りときどき雨のち晴れ、となっている。梅雨明けしたあとも、やや不安定な天気が続いている。 今日は34度を超えてなかなかの暑さになった。猛暑はここ...

    2009/08/09

    日常写真(Everyday life)

  • 川を歩けば被写体に当たる <矢田川散歩後編>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di 矢田川散歩写真の後編は、矢田川大橋近辺からの再開となる。 このあたりから名駅の高層ビル群が見えるのは前から知っていたけど、左手にテレビ塔が見えることには気づいていなかった。間には、スパイラルタワーズの頭がちょこっと見えている。 手前の障害物が多いのが写真としては残念だけど、夜になるとどう見えるのか、一度確認したい。手前が全部シルエットになれば、ちょっと面白い...

    2009/08/08

    海/川/水辺(Sea/rive/pond)

  • 望遠ズームを持って矢田川河原散歩写真 <前編>

    PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di ここ最近、神社仏閣から完全に離れていることもあって、慢性的なネタ不足に陥っている。歴史物の勉強もしたくなくて、気持ちは写真を撮ることの方に傾いている。一時的なものなのか、そちらへ移行したのか、自分でもよく分からないのだけど、しばらくは気分に従ってみようと思っている。 電車の旅は来週に延期になった。なので、今週いっぱいは小ネタでつながないといけない。あまり時間...

    2009/08/07

    海/川/水辺(Sea/rive/pond)

  • 時間いっぱいまで粘ったものの空は焼けきらず時間切れ <後編>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / PENTAX DA 16-45mm f4 今日は昨日の続きで、小幡緑地本園後編をお送りします。 光は十二分にあったものの、思ったほど撮るものはなかった。花が少ないから虫もあまりいないし、夏の夕方にのこのこ出てくるような鳥もそういるもんじゃない。 もともと、何かを撮ろうという目的意識があって行ったわけじゃない。だから、イメージ不足というのもあった。撮りたい写真を頭の中で完成させてから現...

    2009/08/06

    施設/公園(Park)

  • 晴れたのに遠出できず近場の小幡緑地で短時間撮影 <前編>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 梅雨が明けて夏空が戻ったというのに、今週は間が悪くて遠出できそうにない。電車の旅は来週になりそうだ。 とはいえ、どこかで写真を撮ってこないとネタがない。夕方、少し時間を作って近所の小幡緑地本園に行ってきた。1時間ほどだったけど、カメラを持って歩けばそれなりに撮るものはある。 一回に収めるには少し枚数が多かったので、前後編の二回に分けた。とりあえず今日、明日は撮ってき...

    2009/08/05

    施設/公園(Park)

  • 三脚が恥ずかしくなくなるまで使い続けるべし <岩屋堂-2>

    PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 今日は岩屋堂の続きを。 このときは手持ちで撮ったのは数枚で、あとは全部三脚を使って撮っている。上の写真もそうだ。 手持ちで撮れるシーンでも、三脚を使うことで揺るぎのない安定感のある写真になる。自分ではブレていないつもりでも、実際には微妙にブレていることもある。特に1,000万画素を超えるデジではわずかなブレが写真に表れるとも言われている。 TAMRONの90mmマクロは、ポートレ...

    2009/08/04

    観光地(Tourist spot)

  • 続・銅鍋とバルサミコ酢サンデー料理

    Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II 今週のサンデー料理のテーマは、先週に引き続いて、銅鍋とバルサミコ酢だった。前回の続編と言ってもいい。使った食材も共通のものが多い。 一番作りたかったのは、肉じゃがだった。左奥がそうだ。バルサミコ酢を使うということは洋食寄りになるから、肉じゃがも洋風の味付けにした。 豚肉をオリーブオイルとバターで炒め、切って水にさらしたジャガイモとニンジン、それとタマネギを加えて白ワイ...

    2009/08/03

    料理(Cooking)

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S2proが捉える夏の終わりの色

日常写真(Everyday life)
S2pro-1

FUJIFILM S2pro+NIKKOR 55-200mm f4-5.6 VR / NIKKOR 70-300mm f4-5.6 VR



 愛知県民の森が終わって、次は熊野古道シリーズを始めたいところではあったのだけど、今日はゆっくり更新している時間がない。ということで、ご近所写真でつなぐことにする。
 以前使っていたFUJIのS2proをもう一度買うことになったのは、Nikonのレンズが安く手に入ったからだった。55-200mmと70-300mmの手ぶれ補正レンズを使うために、たまたまタイミングよく買えたのがS2proだった。できればNikonのD80を一度使ってみたいところではあった。
 久しぶりにS2proを使ってみると、やっぱりトロいなと思う。ピントも遅いし、シャッターものんびりしている。連写を命じても決して慌てない。なにしろのんきなデジだ。
 一方で、他のデジにはない強い色を持っている。はまったときは、とても印象的な写真になるのは魅力的だ。
 スピードと色との兼ね合いでこのデジを使うかどうかが決まってくるわけだけど、個人的にはメインにしたいとは思わない。今回も私のところの滞在時間はあまり長くないだろう。
 後継機のS3proはある程度使い勝手がよくなってはいたけど、絵のインパクトが弱くなったように感じた。あちらもあまり使わないまま手放すことになった。S5proはまだまだ中古でも高い。

S2pro-2

 空の表情や風が夏とは明らかに違ってきた。まだ暑さは残っているものの、太陽にも真夏の勢いはない。
 今年の夏は遅れてやって来て、時間になったらさっさと帰っていこうとしている。

S2pro-3

 前から目をつけていた矢田川の河原へ行って、名駅のビル群を撮る。
 思った通りロケーションはなかなかいい。テレビ塔とナゴヤドームまで一画面の中に収まる。
 ただ、電線が致命的だ。これさえなければ、申し分ない夕景、夜景ポイントになっただろうに。
 もっといいポイントを探して見つけたい。

S2pro-4

 河原に座る人、歩く人、撮る人。

S2pro-5

 夕焼け色の水の流れ。

S2pro-6

 松の葉も、撮ってみると案外きれいなものだ。見直した。
 水槽に入れる金魚藻にも似ている。

S2pro-7

 夕陽が染める西の空。
 夕焼けがだんだんいい色になってきた。日没時間も6時半前になって、これからまた日が短くなっていく。夕焼け色がいい色になっても、夕方の行動時間が短くなるのは困る。
 明日はネタ集めの旅に出る。

民主党的サンデーは新たなマニフェストの始まり

料理(Cooking)
ミンシュトウサンデー

Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II



 今日のサンデー料理は、ミンチカツ、シューマイ、豆腐ステーキを作った。
 この時点でピンと来た人はとても勘がいい。ミン、シュ、トウ……。
 ダジャレかよ、と思ってはいけない。頭韻を踏んでいるのだ。
 別に民主党支持というわけではないけど、今日は民主党にとって歴史的な一日ということで、それにちなんだサンデー料理にしてみた。だから、メンチカツではなく、ミンチカツである必要があった。ミンから始まる料理は意外となくて、選択肢が限られていたというのもある。
 関東ではメンチカツといい、関西ではミンチカツと言うのが一般的とされているようだけど、その他の地区ではどう呼んでいるのかまでは知らない。名古屋ではメンチカツといってるような気がする。
 語源については、ミンチカツ、メンチカツともいろいろあって、はっきりしたことはよく分からないようだ。ミンチ肉を使っているからミンチカツという単純な話でもないらしい。

 そのミンチカツは、右手のものだ。
 しかし、これ、ミンチカツとは似て非なるものとなっている。正確にはミンチカツではなくて、オリジナルの料理で、名前はない。
 ミンチカツというのは、簡単に言えば、ハンバーグに衣をつけて揚げたもののことだ。普通はひき肉を使う。
 今回、私が作ったのは、白身魚とジャガイモを使っている。だから、魚フライでもあり、コロッケ風でもある。ありそうでなかった料理かもしれない。
 白身魚を細かく切り、ジャガイモはレンジで加熱してつぶす。タマネギはみじん切りにする。
 それを混ぜて、塩、コショウ、ダシの素で下味をつける。
 あとは、小麦粉、溶き卵、パン粉の順につけて、揚げる。
 ソースは、簡易トマトソースを作った。タマネギのみじん、鶏肉、ベーコンをオリーブオイルで炒め、ケチャップ、野菜ジュース、バルサミコ酢、塩、コショウ、しょう油、白ワイン、みりん、砂糖、コンソメの素、オイスターソース、唐辛子を煮込む。

 シューマイは、完全に形が崩れた。奥がそうで、タネの水分が多すぎて、蒸している間に崩壊してしまったようだ。でも、ワンタンみたいになって、別の料理として美味しく食べられた。怪我の功名で、新しいシューマイの形が見えた。シューマイの皮も、ワンタンのようにスープにして食べられることが分かった。
 タネは、エビと白菜とタマネギという、シンプルでヘルシーなものとなっている。
 塩、コショウ、ダシの素、しょう油、酒、みりん、ごま油、砂糖、ショウガで、しっかり下味をつける。
 たれは、しょう油にバルサミコ酢と中華の素、砂糖、マスタードを混ぜて作った。

 左手前は、豆腐ステーキだ。
 木綿豆腐を水切りして、レンジで3分ほど加熱する。
 フライパンで、しょう油、酒、みりん、砂糖、豆板醤、マヨネーズ、カタクリ粉、長ネギを混ぜたものを絡めながら両面を焼いていく。
 単純な料理だけど、甘辛で美味しい。ご飯にもよく合う。

 あとになって、トマトとレタスの付け合わせを忘れていたことに気づいた。どうも彩りが足りないと思った。
 シューマイの分解などはあったものの、全体のバランスや味は悪くなかったから、ミンシュトウ料理は一応成功ということになるだろう。絶対安定多数料理とまではいかないまでも。
 今後の私の料理マニフェストはどうしたものか。お料理手当一回につき5,000円とかを支給してくれるなら、もっと高級な料理は作れるのだけど、特にそういうことを望んでいるわけではない。ばらまき政策は私も反対だ。
 盛りつけと彩りは前々からの課題としてあるから、それ以外のこととなると、やはり旧態をただして新しいスタイルの確立ということになるだろうか。脱・官僚ならぬ脱・我流料理というか、料理のゆくえは料理に聞いてくれというのではなく、料理の主体を自分に取り戻す必要がある。最終的に出来た料理が作った料理というのではないけない。作ると決めた料理をその通りに完成させてこそ本当の意味で料理をしたということになる。
 そんなこんなで、今日は民主党的な一日だった。

電車で3分の距離も歩けば遠い湯谷温泉 <愛知県民の森-番外編>

海/川/水辺(Sea/rive/pond)
愛知県民の森5-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 愛知県民の森をあとにして、三河槙原駅に戻ってきたのが午後4時過ぎだった。次の電車は17時1分。駅で待つには長すぎる。予定では17時1分に乗って、隣の湯谷温泉まで行って、温泉街と板敷川を散策して、19時26分の電車で帰るというパターンを考えていた。その間に電車は、ない。
 ただぼんやり待っていても仕方がないから、隣の湯谷温泉まで歩いていくことにした。ここで一つ罠にはまったのは、駅前の観光看板を見たら、湯谷まで20分と書いてあったことだ。手持ちの地図を見ると、どう考えても2キロはあって20分では行けっこないとは思ったのだけど、まあ1時間もあれば着くだろうと軽い気持ちで、ゆっくり歩き始めた。まさか、乗り遅れ寸前まで追い込まれるとは、このときはまだ考えもしない。
 三河槙原駅は、2002年に改築されるまで木造の駅舎が残っていたらしい。今は無愛想なコンクリート造りになっている。一日の平均乗車数が80人ほどということで、当然のように無人駅だ。
 それでも、快速は停車する。特急・伊那路は通過だけど。
 昭和天皇、皇后が、愛知県民の森で記念植樹をしたときは、この駅で降りたそうだ。
 国鉄になる前は、鳳来寺鉄道の駅だった。

愛知県民の森5-2

 素堀のトンネル。手で掘った感じだ。
 一応、蛍光灯が一つ設置されている。

愛知県民の森5-3

 線路と川に挟まれた細い道を歩いていくことになる。
 30分くらいで着くつもりが40分経っても着かなかったときは、道を間違えたか、駅を見落としたかと不安になったけど、基本的に一本道で、線路を見失うこともないから迷うことはない。ただ、予想以上に遠かっただけだ。
 電車が1時間に1本かそこらなら、単線でも充分間に合う。
 本数が少ないゆえに、走っている電車を撮るのは難しい。見た電車は自分が乗らなければいけない電車だ。のんきに離れたところから撮ってる場合じゃない。
 運がいいと、反対へ向かう電車が見られたのだろうけど、この日はタイミング合わなかった。ここでぜひ撮りたいというポイントが何ヶ所かあった。

愛知県民の森5-4

 板敷川の名の通り、川底は板を敷き詰めたような不思議な景観をしている。こういう景色は見たことがない。このあたり一帯が特殊な地形をしているようだ。
 三河槙原駅から湯谷温泉あたりの5キロほどを、鳳来峡と呼んでいる。板敷川も通称で、宇連川が正式名称だ。

愛知県民の森5-5

 川風景は変化に富んでいて、見ていて楽しい。季節と時間帯を選べば、絵になる川風景を撮れそうだ。
 このときは三脚なしの手持ちだったので、通り一遍のスナップ写真になってしまった。やはり、旅用の軽くてコンパクトな三脚が一本欲しい。

愛知県民の森5-6

 水量もあって、流れも速い。水の色を見ても、場所によってはかなり深そうだ。
 川辺では釣りをしたり泳いだりする人もけっこういるようだけど、場所は限られる。

愛知県民の森5-7

 大小の岩が織りなす複雑な景観を見せる。

愛知県民の森5-8

 引いて撮ると、こんな感じ。

愛知県民の森5-9

 線路はどこもわりと自由に入り込めてしまう。
 渡った先に道らしきものがあった。どこへつながっている道だろう。この先に民家でもあるんだろうか。

愛知県民の森5-10

 50分ほどかかって、ようやく湯谷温泉らしきところが見えてきて、ホッとする。どこが20分だよ、と看板に向かって文句を言いたい。あれはたぶん、湯谷温泉までではなく湯谷という集落まで20分ということだったのだろう。私は疲れてペースが遅かったというのもあるけど、普通でも40分はかかる。
 温泉街も撮りたかったけど、そんな余裕はなく、急いで駅に向かった。
 この温泉街は1200年の歴史を持つということで、かなり古い。

愛知県民の森5-11

 どうにか3分くらい前に構内に入ることができた。危ないところだった。この電車を逃すと、次は19時26分までない。こんなところで2時間半も待てない。それこそ温泉にでも浸かっていないと間が持たない。帰りも長旅だから、そんなにのんびりもしたくなかった。

愛知県民の森5-12

 愛知県民の森行きは、こうして終わった。延期に次ぐ延期から始まり、極度の疲労や、電車に乗り遅れそうになったりと、ややドタバタした印象はあったけど、なんとか無事に終えることができてよかった。これでまた一つ、気になっていた課題をクリアした。
 めでたしめでたしということで、これでおしまい。
 次は熊野古道シリーズで会いましょう。

一回くらいは行っておいてもいい愛知県民の森 <第四回>

森/山(Forest/Mountain)
愛知県民の森4-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 / TAMRON SP 90mm f2.8



 今日が愛知県民の森シリーズ本編の最終回となる。
 下石の滝、亀石の滝と回って、力尽きそうになったところで帰ることにする。スポーツドリンクの残りも少なくなって、これが切れたときが倒れるときだくらいの燃え尽きようだった。
 最近、あまり山歩きをしてないから体が鈍ったらしい。平地を歩くのと、アップダウンの道を上り下りするのとでは、使う筋肉も体力も違う。頻繁に小山歩きをしていたときは、ふくらはぎがカチカチになっていたのに、今ではやわやわだ。
 帰り道を駅に向かって、とぼとぼ歩く。すごいとぼとぼっぷりだなと自分でも思った。時速1キロくらいだったかもしれない。

愛知県民の森4-2

 また映り込み。
 もう少し寄って周辺を整理した方がよかった。でもレンズ交換をする気力も残っておらず。
 歩くからレンズは少なめにしようと、望遠レンズを持っていなかった。余裕があれば望遠も持っていくことをオススメする。運がよければ鳥にも出会える。

愛知県民の森4-3

 木はスギだろうか。ヒノキか。
 その下にはシダの群生が広がっている。

愛知県民の森4-4

 若枝のフォルムと光のキラキラ。
 特に意味はないけど惹かれるものがあった。

愛知県民の森4-5

 ユラユラ舞う青いシジミチョウ。
 ルリシジミよりも翅が青いから、もしかしたらムラサキシジミだろうか。だとしたら、これが初見となる。

愛知県民の森4-6

 木の幹が人の顔に見えたのは、疲労で意識が朦朧としていたせいか。
 遮光土器も連想した。

愛知県民の森4-7

 巨大な岩にシダが貼り付いている。
 この森は全体の地盤が固そうだ。どういう地層なんだろう。

愛知県民の森4-8

 虫取り親子。
 他には魚取り親子や、散歩親子などもいた。
 写真を撮りに来ている人には会わなかった。そういう場所という認知があまりされていないのだろうか。紅葉の時期にはもっと多くの人たちが写真を撮りに訪れるのだろうけど。

愛知県民の森4-9

 少し寄り道して、風穴を見に行った。
 鍾乳洞の小規模のものを想像していたら、単なる小さな穴だった。
 しかし、どういう仕組みなのか、ものすごい冷気が吹きだしてくる。この真夏に4度とは、不思議な構造だ。入ったら凍えるほど寒かった。レンズを冷やしてすぐ外に出ると曇りそうだったので、あわてて外に出る。

愛知県民の森4-10

 暗い川に光が差す。
 だいぶ入口近くまで戻ってきたところ。ゆっくり歩いていたら、だいぶ回復した。平地なら連続10時間までは歩けることが証明されている。12時間を超えるとおかしなことになるのも知っている。

愛知県民の森4-11

 キャンプファイアーの準備中。
 夏休みということで、キャンプに訪れている人たちもたくさんいたようだ。ボーイスカウトや子供会などの団体さんにも利用されているのだろう。

愛知県民の森4-12

 森の出口近く。
 子供たちが川遊びをしたり泳いだりする天然プールになっている。
 女の子が一人、おっかなびっくり水に入ろうとしていた。

 愛知県民の森がどういうところかをどこまで伝えることができたか、あまり自信がない。説明的な写真よりも個人的な写真を撮ろうというのが最近のテーマになっているから、施設の写真なども撮らなかった。
 単純に言って、整備された森だ。人が歩いたり、利用したりする部分に関しては、かなり手が入っている。それに滝と山がセットになっていると考えればいいんじゃないだろうか。
 すごくいいところとは言えないまでも、なかなか悪くないところだったとは思う。もう一回行きたいかとなると、もういいやという感じではあるけれど。
 次回の番外編は、三河槙原駅から湯谷温泉駅まで歩きながら撮った写真になる。板敷川と呼ばれる鳳来峡を見るためには川沿いを歩くのが一番だ。これがまた遠かったのだけど、それはまた次回。

愛知県民の森はどの滝まで行くかで疲労度が決まる <第三回>

森/山(Forest/Mountain)
愛知県民の森3-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 愛知県民の森を歩くとき、特に決まったコースはない。なんとなくぼんやり歩いていると、左回りのコースを辿るのが自然かもしれない。満腹コースなら三つの滝を巡って右手の方に回って帰ることになるだろうし、欲張りコースなら宇連山登山、腹八分目なら下石の滝を見て引き返すのが無難なところだ。
 私は駅を出て駅に戻ってくるまで4時間ほど歩いたのだけど、2つ目の亀石の滝を見て引き返してそれくらいになった。純粋に歩きだけなら、宇連山登山をして大回りをして6時間コースといったところのようだ。歩く速度や休憩時間などはそれぞれだから一概には言えないにしても、最低3時間くらいは歩く覚悟が必要となる。車で行けば、もう少し時間は短縮できる。
 上の写真は、そこそこ中に入ったところにある、やませみ池だ。名前からするとヤマセミがいる池なのだろうか。いたとしても、人通りのある昼間に出てくるような不用心な鳥ではない。
 鳥もたくさんいるに違いないけど、この日はほとんど姿を見ることはなかった。早朝に行けば、オオルリなども見られるのだろうか。
 池には何故か赤い鯉がいた。誰かが放流したものだろうか。1匹だけ、悠々と泳いでいた。池の中央まで来るのを待てず、先を急いだ。

愛知県民の森3-2

 夏の森は、撮るものが案外少ない。花もほとんど咲いていないし、虫もたまに見るくらいだ。
 緑色には事欠かないから、この日は水の映り込みばかり撮っていた。帰ってきてから写真を見たら、同じようなものが多かった。
 水の写真も、見たときの感動をそのまま伝えるのは難しい。見た目以上にドラマチックになることがある一方で、何を撮りたかったのか自分でもよく分からないようなものになったりもする。

愛知県民の森3-3

 強い日差しが作り出す強い影。
 森の中は直射日光が当たっている場所は少なくなるとはいえ、やっぱり暑いことは暑い。高温多湿だから、汗が出る。
 森歩きは、春と秋が気持ちよくて楽しい。夏には夏のよさもあるけれど。

愛知県民の森3-4

 シダが元気いっぱいで、青々としている。
 これといった花もなく、こんなものでも撮ってみる。途中から変化が乏しくなって、だんだん撮るものがなくなっていく。春はもう少し野草なども咲いているのだろうか。

愛知県民の森3-5

 やがて道はワイルドになっていく。ああ、なるほど、そうきたか、と思う。
 この先は、ウォーキングシューズよりもトレッキングシューズ向きの道だ。滝を見に行くなら、それなりの靴を履いていった方がいい。

愛知県民の森3-6

 川底は、固そうな岩盤で、名古屋市近郊とは明らかに地層が違う。
 森全体が、こういう岩盤の上にできているのかもしれない。

愛知県民の森3-7

 なんとか、下石の滝に辿り着いた。駅からここまで1時間半くらいだったろうか。
 この滝は、途中で何度も折れて、細長い流れになっている。全部で4段ということになりそうだ。 
 全長86メートルというから、さぞかし大迫力だろうと思っていくと、そうでもない。
 長くて折れているから、下から全体を写すことはできない。この滝を撮るなら、更に道を登って上まで行かないといけない。それがきつかった。

愛知県民の森3-8

 上から見下ろすと、絵になる滝写真を撮ることができる。この景色は気に入った。この日見た中では、ここからの眺めが一番よかった。写真よりも実際はもっといい。
 ほどよい疲れと達成感で帰るには、ここで引き返すことだ。私は欲張って次の亀石の滝まで行って、ヘトヘトのヨレヨレになった。この先の道は、更にきつく、厳しいものとなる。わずか数百メートルが遠い。

愛知県民の森3-9

 光と影の葉模様。
 しばし休憩する。歩き始めたら、止まらず座らず歩き続けるのが私の散策スタイルだけど、そんなことは言ってられなかった。疲れて足が前に進まない。

愛知県民の森3-10

 かなり高いとこまで登ってきたところ。
 視界が開けているところは少なく、見晴らしは良くない。良い展望を望むなら、宇連山まで登らないといけないようだ。山頂からは遠くに富士山が見えるんだとか。

愛知県民の森3-11

 どうにかこうにか、亀石の滝に到着した。
 しかし、水がチョロチョロで腰が砕けそうになる。なんだこの水量は。流しそうめんができそうなくらいの水しか流れていない。
 ロケーションがいいだけに、この水量の少なさは残念だ。もっとごぉぉぉっと水が落ちてきていたら、かなりいい滝風景になるだろうに。台風のあとに来るとよさそうだ。

愛知県民の森3-12

 近づいて見るとこんな感じ。水が落ちてくるのではなく、岩肌を伝って流れてくる。
 真冬はどんな風景になっているのだろう。凍った滝風景になれば、それはそれで絵になる。

愛知県民の森3-13

 モミジの葉がわずかに色づき始めていた。
 ここはモミジがたくさんあるから、秋の紅葉はなかなか見応えがあるんじゃないか。風景としてよりも、紅葉そのものを撮るにはよさそうなところだと思った。

 亀石の滝の次は蔦の滝があるのだけど、もはや力尽きてそこまで行く気力が残っていなかった。その滝も水量は少ないそうだから、どうしても見たい滝ではない。未練も意地も捨てて、帰路につくことにする。電車の時間もあった。
 ということで、わりとあっけなく愛知県民の森シリーズは次回が最終回になる。番外編がもう1回あったとしても、残り2回だ。
 とりあえず今回はここまで。次回に続く。

奥へ進むほどに辛口になっていく愛知県民の森 <第二回>

森/山(Forest/Mountain)
愛知県民の森2-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / DA 16-45mm f4



 愛知県民の森へ行こうと思ったのは、ヤマユリを見るためという理由が大きかった。しかし、ヤマユリの季節は7月中旬から下旬にかけて。8月のお盆過ぎに、のこのこ出向いていって咲いているはずもない。
 7月は雨ばかりで、8月になったら早々に行こうと思っていたら、なんだかんだで行けず、延びのびになってしまった。結局、行けたのは8月20日のことだった。
 ホウライジユリの通称でも知られるヤマユリは、その名の通り鳳来寺周辺によく咲いているユリだ。このブログでも登場しているけど、これまで3回見に行った。日光東照宮へ行ったときも見たけど、どこでもここでも咲いているわけではなく、見たいと思えばそれなりのところへ行かなければ見ることはできない。
 愛知県民の森は、鳳来寺の北東、宇連川の奥にある。
 昭和40年代に、愛知県が所有する鳳来寺県有林の一部を利用して作った森林総合施設だ。
 総面積572ヘクタールというけど、どこからどこまでを指すのかはよく分からなかった。周囲一帯が森林地帯で、奥へ行くと山になる。境目はどのあたりなのだろう。
 一般的なイメージは、キャンプ場なのだと思う。飲食、宿泊施設などもあり、普通はそれらを利用するために行く。あるいは、森の中で川遊びをするためだろう。
 森歩きをしに行くというのは少数派のようで、入口近くは賑わっているのに、進むほど人はいなくなる。森は深くなり、やがて山道になる。その気になれば、奥の宇連山や鳳来山まで歩くこともできる。
 行く前は今ひとつイメージが掴めなかった。どの程度人の手が入った森なのか、ネットで調べても状況が把握できず、とりあえず行ってみれば分かるだろうということで行ってみた。そして分かったのは、奥へ行くほど森は深くなり、山になるということだった。辛さを自分で選べるカレーみたいな感じといえばいいだろうか。最深部はけっこうな辛口になる。
 ただ、全体的な整備具合は申し分なく、道も荒れたようなところは少なかった。だから、途中で引き返した人はマイルドすぎて物足りないという印象を持ったかもしれない。街の緑地より切り開かれている部分も多く、純然たる自然の森を期待していくと肩すかしを食う。
 今日から何回かに分けて紹介していく中で、なんとなくでもイメージを掴んでもらえるといいのだけど、どうだろう。
 豊橋からJR飯田線に乗り換えて、1時間15分。最寄りの三河槙原駅に到着する。駅から入口までは歩いて15分ほどだ。

愛知県民の森2-2

 物陰に隠れてこっそり飯田線の電車を撮った、というわけではなく、手前に歩いているカマキリを撮ろうとして、ピントを合わせ損なってこんな写真になった。カマキリが草陰に逃げ込んでいって焦ってしまった。左下にぼんやり写っている緑色がそれだ。
 電車はあとで撮り直せばいいやと思っていたら、結局、この1枚しか撮れなかった。山間を行くローカル電車を撮るというのもこの日のテーマの一つだったのに、その目標は達成できなかった。
 飯田線については、また別の機会に撮りに行きたいという思いはある。ちゃんと撮るなら、時刻を調べて、いいロケーションであらかじめ待たないといけない。行き当たりばったりの偶然頼みでは、いい電車写真は撮れない。走っている本数が少ないローカル線は特にそうだ。季節は花が咲いている時期や、紅葉のときがいい。

愛知県民の森2-3

 いかにも田舎な感じで心が和む。うちの田舎より多少、町だった。

愛知県民の森2-4

 宇連川のこのあたりを、鳳来峡と呼び、風光明媚な場所ということで愛知県では知られている。
 三河槙原から湯谷温泉にかけては、川底が板を敷いたように見えることから板敷川とも言われる。
 その川風景を撮るために、帰りは三河槙原から湯谷温泉まで歩いたら、思いのほか遠くて危うく電車に乗り遅れそうになったのだけど、それはまた別の話。シリーズ後半で登場する予定だ。
 それにしても、この風景を見て、えらく遠くまで来てしまったなと思う。

愛知県民の森2-5

 道路沿いにたくさん咲いているのは、タカサゴユリだ。台湾原産だからタイワンユリともいう。
 ヤマユリには風格、気品とも遠く及ばず、同じ白百合でもありがたみがまったく違う。タカサゴユリは悪い環境でもたくましく咲くから、高速道路沿いなどでもよく見かける。

愛知県民の森2-6

 ヤブランの蜜を集めるクマバチ。
 ブンブンと恐ろしげな羽音を立てるものの、いたって平和的なハチで、めったなことでは人を刺さない。オスは針がないから刺せない。

愛知県民の森2-7

 このトンボ、見覚えがあるなと思いつつ、名前は出てこない。
 ちょっと保留。別の機会に調べたい。

愛知県民の森2-8

 水遊びやキャンプ場のあるエリアを抜けて、最初に登場するのが不動滝だ。
 そんなにたいした滝ではない。けど、苦労せずお手軽に見に行けるから、ついでに見ておけばいい。

愛知県民の森2-9

 滝壺の水がとてもきれいだ。
 別カットが昨日の一枚目の写真となる。

愛知県民の森2-11

 滝の上に橋が架かっていて、上から滝や滝壺を見渡すことができる。

愛知県民の森2-10

 森の中の至る所に水の流れがある。これはとても気分がいい。
 宇連川の支流の大津谷川が枝分かれしているけど、全部がそうではないのかもしれない。

愛知県民の森2-13

 不動滝を過ぎると、そろそろ本格的な森の中という感じになってくる。
 この先は出会う人も少なくなる。最初は平坦で道もいいから歩きやすい。
 森の標高は120~730m。この数字を見れば、その登りっぷりが想像できると思う。

愛知県民の森2-14

 なんだかんだで1時間くらい歩いただろうか。やや唐突に休憩所が現れた。愛・地球博メモリアルハウスとなっている。
 この前にある自販機で飲み物を買っておくのをオススメする。この先にはたぶんない。私は行きと帰りの両方で買ったけど、ここに自販機がなければ脱水症状で倒れていた。帰りはフラフラのヨレヨレになりながら、私に命の水を~とよろめくように辿り着いたのだった。アクエリアスが500円だったとしても買っていただろう。

 この先もまだまだ続くのだけど、写真の枚数も多くなったし、今回はここまでとしたい。
 次回に続く。

愛知県民の森シリーズ~予告編 <第一回>

森/山(Forest/Mountain)
愛知県民の森1-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 今日はあまりにもくたびれてしまって、通常の更新は不可となった。
 なので、この前行ってきた愛知県民の森の写真を少し並べて、もうダウンしてしまう。
 明日から愛知県民の森シリーズを始めたいと思っているけど、今日はその予告編ということで。

愛知県民の森1-2

 緑のうねうね水紋。
 揺らめく水面を見続けていると、酔いそうになった。

愛知県民の森1-3

 森の名に恥じないそれはもう立派な森で、思った以上に森は深かった。

愛知県民の森1-4

 清浄で静謐な水の流れ。
 三脚持っていけばよかったなとこのシーンでは思ったけど、山登りでやっぱり持ってこなくて正解だったとしみじみ思った。

愛知県民の森1-5

 滝を目指す歩きは完全な山登りだった。県民の森を甘く見ていた。
 そのあたりについては、次回以降に写真と文章でお伝えしたいと思っている。
 今日はここまで。

色と模様を探して牧野ヶ池周回コースを歩く <後編>

海/川/水辺(Sea/rive/pond)
牧野ヶ池2-1

FUJIFILM S2pro+NIKKOR 70-300mm f4-5.6 VR



 リトルワールドが終わって、次は愛知県民の森シリーズを始めたいところではあるのだけど、牧野ヶ池の後編が残っていたので、まずはそちらを終わらせてしまうことにする。
 残りの写真を使い切って、すっきりさせておきたい。そうこうしてると、また電車の旅もある。

牧野ヶ池2-2

 池の周りの散策路はこんな感じ。
 夏場だから草が生い茂っているけど、人がよく歩いているから、道はしっかりできている。アップダウンもほとんどないし、歩きやすい道だ。
 このすぐ外側に、アスファルトの周回コースもある。

牧野ヶ池2-3

 見上げたとき、空を覆う葉の模様がいい感じで、撮る。
 最近、簡略化した模様と色に惹かれる。無駄なものは削っていきたい。

牧野ヶ池2-4

 池の映り込みと水紋。
 渋い緑色。

牧野ヶ池2-5

 浮かんで、ぬーぼーと泳ぎ漂う亀たち。
 小さいときはかわいいミドリガメのなれの果て。ミシシッピアカミミガメは、たぶんミシシッピのことをもう思い出さない。

牧野ヶ池2-6

 カモではなくアヒル。
 混血してるだろうから、カモと言えなくもないか。
 飛べなければアヒルで、飛べればカモという定義もあるけど、そのあたりはやや曖昧だ。飛べるアヒルもいるらしい。

牧野ヶ池2-7

 かなり距離が遠くて、小さくしか写らなかったカワセミ。
 牧野ヶ池はカワセミがいるポイントが決まっているから、待ってればまず見られる。デジスコじゃないと届かないところがほとんどだけど。

牧野ヶ池2-8

 水面から出ている黒いのは、亀の顔だ。
 夕焼け色に染まった水面がとろりととろけるような質感になった。

牧野ヶ池2-9

 対岸の住宅。あちらはあまり行かない。
 ちょっとした桜並木があったんじゃなかったか。

牧野ヶ池2-10

 夕焼けオレンジ色の空でしめくくりとする。
 渡りのカモたちが戻ってくるのもそう遠いことではない。その頃になったら、また行くことにしよう。

自分好みに作ってるから美味しいのは当然サンデー

料理(Cooking)
普通のサンデー

PENTAX K10D+SIGMA 30mm f1.4



 今日は普通のサンデーだった。特に新しい試みをするでもなく、これまで作ってきた料理をアレンジしたものにとどまった。まったく同じものではないものの、よく似たものは何度か作っていると思う。
 思えばもうずいぶんたくさん料理を作ってきた。以前作ったものをすべて思い出すことはできない。自分が作ったものの写真を見れば思い出すだろうけど。
 自分の料理は自分の字に似ている。見れば自分のものだと分かる。クセはなかなか治らない。

 左手前は、柳川風牛肉の卵とじだ。
 松阪生まれということもあって、昔から牛肉はよく食べてきたけど、最近はほとんど食べなくなった。嫌いではないけど、好きでもない。料理にもあまり使おうという気が起きない。料理なら鶏肉の方が使い勝手もいい。
 ただ、柳川風にゴボウと肉の卵とじを作ろうと思ったとき、鶏肉では弱いから、やっぱり牛肉だろうということになった。たまに食べると美味しいとは思う。
 柳川の定義はよく分かっていないから、これも自己流の料理になっている。
 ゴボウはささがきにして水に浸けたあと、下茹でをする。塩とダシの素を入れたお湯でゆがく。
 ごま油で牛肉を焼いて、ゴボウと絹ごし豆腐を入れる。炒めながら、酒、みりん、白しょう油、ダシの素、砂糖、唐辛子で味付けをする。
 とじた卵にマヨネーズと塩、コショウ、ダシの素、長ネギの刻みを加えて混ぜて、最後に卵とじにする。
 卵で味が弱くなるから、下味のときしっかり甘辛く味付けをしておいた方がいい。

 右はマグロステーキの変形みたいなものだ。
 マグロに塩、コショウ、酒を振りかけしばらく置いて、オリーブオイルと白ワインで半生まで焼いて取り出す。そのとき、ついでにタマネギのスライスも炒める。
 ソースは、オリーブオイル、白ワイン、みりん、砂糖、バルサミコ酢、しょう油、ダシの素、塩、コショウを煮詰めて作る。
 洋風のマグロステーキはソースで味が決まるから、自分の好みのソースさえ作れればご馳走になる。個人的には、マグロは刺身や寿司よりステーキにした方がずっと美味しいと思う。

 奥は、サトイモとエビのマスタードマヨネーズあえとなっている。
 サトイモは皮をむいて塩もみをして、水洗いして、しばらく水に浸ける。
 それを、だし汁と塩を入れたお湯でゆがく。
 オリーブオイルでエビと鶏肉を炒め、サトイモを加える。
 白ワイン、コンソメの素、白しょう油、砂糖、塩、コショウ、マスタード、マヨネーズを絡めながら炒める。
 サトイモも洋食の食材として使える。マスタードマヨネーズとの相性もよかった。ピリ辛で旨みと甘みがあって美味しかった。もっと具材を増やしてもいい。お手軽なホワイトソース炒めみたいになる。

 今週は最初からイメージ不足ということもあって、まあこんなものだ。その場しのぎ的な料理のわりには味もバランスも美味くいった。偶然の成功だ。
 自分好みの味付けをすれば美味しくなるのは当然といえば当然で、料理の腕が上がったというよりも、自分の好みを見つけたと言った方がよさそうだ。
 自分が思い描くよりも美味しい料理を作れるようになったとき、階段をもう一歩上がることができるのだろう。そのためには、まだ食べたことがないものを作る必要がある。未知の料理にも、もっと挑戦していきたい。

建物よりも外国人の充実こそが本当のリトルワールド <第七回>

施設/公園(Park)
リトルワールド7-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 / PENTAX-M 50mm f1.4



 リトルワールド・シリーズも今日で7回目で、ようやく最終回となる。パンフレット的な紹介とはならなかったけれど、なんとなく雰囲気は伝わったんじゃないかと思う。
 夕方から夜にかけての写真を載せて、終わりにしたい。書くことはもうほとんど残っていない。
 上の写真の赤と白の顔は、リトルワールドのシンボルだ。どういう意味が込められたものなのかはよく知らない。
 で、ちょっと気になって調べたところ、韓国のヤンバンのお面だそうだ。あまり役に立ちそうにない知識が一つ増えた。

リトルワールド7-2

 変わった花が咲く木があった。赤いラッパみたいだ。こんな木は日本にはない。どこの国のものだろう。沖縄とかに咲いていたりするのだろうか。

リトルワールド7-3

 ヤシの木の夕焼けシルエット。南国情緒。
 リトルワールドなどの施設や動物園などは、閉園時間が早いから、ナイター営業のときに行かないと夕焼け風景を撮ることはできない。冬場は日没も早いけど閉園時間も早くなる。そういう意味でも、ナイター営業は行く価値がある。

リトルワールド7-4

 夕焼け色に染まった沖縄の家の屋根。
 こういう風景をたくさん撮りたいと思って行ったのだけど、場所が山間ということで、夕焼け時間が思いのほか短かった。いい光の時間帯はすぐに終わってしまって、あまり撮れなかったのは残念だった。

リトルワールド7-5

 久しぶりに風見鶏を見た。昔に比べてずいぶん減った印象がある。

リトルワールド7-6

 本編では登場しなかった、アラスカのトリンギットの家。 
 柱に描かれた絵の一部が夜光塗料のように光っていた。家は復元されたものだから、はやり日本製ということだろう。リトルワールドの遊び心か。
 海岸沿いに暮らし、鮭やクジラを獲って暮らしていたトリンギットは、夏の間は小さな家族単位で移動生活をして、冬場は集団になってこういう家で過ごしていたそうだ。アラスカでは冬場は寒くて野宿は無理だろう。

リトルワールド7-7

 夜間照明されたサモアの家。怪しく光る物体は、前を横切った人だ。スローシャッターで下半分が消えてしまっている。

リトルワールド7-8

 日没後、シルエットとなったバイエルンの礼拝堂。
 こうなるともう撮れるものは少なくなって、花火を待つだけとなった。

リトルワールド7-9

 礼拝堂を近くから撮る。オレンジに光る丸窓がちょっと不気味。ホラーハウスみたい。ドラキュラとか出てきそう。

リトルワールド7-10

 夜のアルベロベッロの三角屋根。
 レストランとかホテルのようだ。

リトルワールド7-11

 花火の写真は最初にたくさん出したから、あと一枚だけにする。これでおしまいだ。
 リトルワールドのナイター営業は、今年初めて知ったのだけど、行っておいてよかった。いろいろ収穫もあった。二度行くことはないにしても、一度でも行っておいたことに価値がある。
 リトルワールドは今後も劇的な変化を見せることはないだろうけど、なんとか営業を続けていってもらいたい。名古屋港のイタリア村は、テーマパークだからなくなっても仕方がなかったけど、リトルワールドは博物館だから、そう簡単になくしていいものではない。貴重な建造物も、ここでしか保存できないものが多いだろう。
 個人的な要望としては、スタッフもワールドワイドにして欲しいというのがある。建物よりも人にこそ世界の入口がある。愛知万博でそのことを知った人も多かったと思う。もし、リトルワールドが世界各地の外国人だらけの施設となったときこそ、本当の意味でのリトルワールドとなる。
 様々な民族衣装を身につけた外国人がいて、聞き慣れない言葉が飛び交っている。そんな状況を想像すると、胸が躍る。顔にペイントをした半裸の男を見つけて、これはいい被写体だと写真を撮ったら、怒ってヤリを持って追いかけてきて、慌てて逃げ出すなんていう、スリリングでエキサイティングなリトルワールドに、私は行ってみたい。

沖縄から始まって山形で世界一周は完結となる <第六回>

施設/公園(Park)
リトルワールド6-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 リトルワールド最終エリアは、アジア圏。韓国の家が二つ、日本の家が一つで、不完全ながら世界一周が完結する。
 韓国のものは、慶尚北道の山村にあった二つの農家だ。一つは一般の農家で、もう一つは地主のもので、やはり暮らしぶりが家の造りにも表れている。まずは普通の農家の方から見ていくことにしよう。
 上の写真は裏口の方で、ここからしていかにもといった感じがする。なんとなく懐かしいような、見たことがあるような気がするのは、韓国映画やドラマで目にした風景と重なるからだろうか。農村をテーマにした韓国映画というのは特に思い浮かばないけど、韓国作品もたくさん観てるから、それらの断片的な風景がイメージとして自分の中で形作られているのだろう。
 農家の方の家は田舎のおばあちゃんの家という感じがするし、地主の方に行くと小作人の家の人間の気分になる。

リトルワールド6-2

 裏手から入ったから、細い通路を抜けて表に出ることになる。
 こういう雰囲気は、日本の田舎の家によく似ている。全体的に生活感があるのは、実際に使っていた家を移築したものだからだ。70年ほど前に建てられたものというから、そんなに昔の家ではない。日本でいえば、戦中の頃のものだ。

リトルワールド6-3

 写真に写っているのは、牛小屋などとして使っていた離れの方で、この左手に母屋がある。
 中庭はけっこうな広さがある。そこで収穫した稲の脱穀などの農作業をしていたとのことだ。屋根は稲藁葺きだったそうだ。

リトルワールド6-4

 今度は地主の家にやって来た。屏からして立派さが違う。石を埋め込んであるのは、強度を増すためだろうか。しっくいで固めているのか。
 農家の方もそうだけど、韓国では家をぐるりと屏で囲むのが一般的な考え方なのかもしれない。内と外をはっきり分けるという発想なのか、外部から身を守らなければいけない理由でもあるのか。

リトルワールド6-5

 門構えなども、日本の庄屋みたいだ。こちらの家の方が日本的な部分が多い。
 ダムで水没することになった家を、ここに移築した。

リトルワールド6-6

 母屋を横から見たところ。
 母屋は二棟に分かれていて、主人の部屋と主婦の部屋が別々になっている。「男女七歳にして席同じからず」の儒教の教えに基づいているんだとか。
 今どきはそういう家も少なくなったのだろうけど、それでも儒教の教えは現代の韓国人の中にしっかり根付いているようだ。その精神が反日感情に結びついているというのもよく言われることだ。

リトルワールド6-7

 縁側なのか、廊下なのか、やや判然としない。韓国人も縁側に座って夕涼みなどという習慣があるのだろうか。
 この二つの農家が韓国建築を代表するものなのかどうかは知らない。今の若い韓国人はこれを見て懐かしい気持ちになるのかどうか。

リトルワールド6-8

 最後に山形月山の農家にやって来た。
 江戸中期の1767年に建てられたものを移築している。築240年以上ということになる。
 元々はこれほど大きな家ではなくて、明治に入って建て増ししてこの姿になったそうだ。右端に写っている人と比べると、その大きさが分かってもらえると思う。大きいとか広いとかいうよりも、巨体といった感じだ。体積がすごい。
 この家が建っていたところも、今はダムの底になっているという。日本もたくさんの農村がダムによって飲み込まれて消えた。

リトルワールド6-9

 囲炉裏や室内の様子。中にあがることもできる。
 日本有数の豪雪地帯である山形だから、冬はさぞかし寒かったことだろう。大きな家は、冬場の暖房が大変だ。

リトルワールド6-10

 一周回って戻ってきた頃には、もう食堂なども閉まっていた。確か、ここでワニラーメンとか、ワニドックを食べられたと思う。

リトルワールド6-11

 ベンチに座ってちょっと休憩しながら、夕陽を浴びた木でも撮ってみる。
 このあと日没になって、最後は花火となるのだけど、その様子はまた次回ということで。
 最終回に続く。

遠出帰りにつき牧野ヶ池を並べておやすみなさい

海/川/水辺(Sea/rive/pond)
牧野ヶ池1-1

FUJIFILM S2pro+NIKKOR 70-300mm f4-5.6 VR



 今日は遠出をしていて、リトルワールドの続きは下調べができず、今日の写真も間に合わずで、少し前に行った牧野ヶ池の写真でつなぎ更新としたい。
 デジとレンズの組み合わせがちょっと珍しいことになっているけど、そこはさらっと流して、とりあえず写真を並べて、もう寝ます。

牧野ヶ池1-2

 たぶん、オニヤンマ。この止まり木がお気に入りというか縄張りのようで、近づいてくる他の奴を追いかけ回していた。
 飛んでいるところを撮りたかったけど、スピードが速すぎてついていけず。結局、止まっているところを遠くから撮っただけで終わってしまった。

牧野ヶ池1-3

 スイレンなのか、別の浮き草か。
 夏の終盤ということで、半分以上枯れかけていた。そこに西日が当たって金色になった。

牧野ヶ池1-4

 ステージの中央でスポットライトを浴びるプリマドンナのように見えたコブハクチョウ。
 どこからやって来たのか、ここに居着いているようだ。
 お世話をする人が一人、二人ではなく、食べ物には困らない様子だった。

牧野ヶ池1-5

 緑地の池なのに、紅白の鯉とはおめでたい。
 誰かが放したんだろうか。
 ここでもエサやりの人がいて、パン耳を投げていた。

牧野ヶ池1-6

 水面がプラチナゴールドに染まって、その上をトンボがさかんに飛び交う。
 しかし、トンボにはピントを合わせられず。

牧野ヶ池1-7

 夕焼けの中でダンスをするアヒルさん。
 広がる波紋がきれい。

牧野ヶ池1-8

 日没前。

牧野ヶ池1-9

 太陽が沈んだあと、出来損ないの入道雲がピンクに染まった。
 黒い点はアブラコウモリ。池の上をたくさん飛んでいた。

 今日のところはこれにておしまい。
 今週中にリトルワールドを先に終わらせてしまうつもりでいる。

リトルワールドはタイが占める割合が大きい <第五回>

施設/公園(Park)
リトルワールド5-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 リトルワールドもなんだかんで5回目になった。こんなに長持ちするネタになるとは思ってなかった。逆にちょっと長引きすぎているような気もする。そろそろ終わらせて次を始めたいところではあるのだけど、まだあと2回分くらいは写真が残っている。なので、もう少しおつき合いください。
 昨日はネパールで終わって、今日はインドからの再開となる。インドとネパールといえば、お隣さんでもあり、宗教的にも同じヒンドゥー教ということで仲は悪くないと思う。少なくともインドとパキスタンのようなことはないはずだ。
 それにしても、日本人からするとインド人とネパール人を見分けることは難しい。インドカレーの店にいるインド人っぽい人も、実際はネパール人だったりする。もしかすると、パキスタン人かもしれない。インドの歴史も、戦争と宗教によってややこしいことになっている。
 インドといえばカレーだけど、それ以外にインドについての知識があるかといえば心許ない。10億人の人々が日々何を食べ、どんな暮らしをしているのか、具体的に思い浮かべることはできない。インドの学校では九九を19の段まで暗記しているらしいというのは知っている。だから、インド人のちびっこに、17×19は? などと訊ねればたちどころに答えが返ってくるはずだ。経済成長も著しいらしい。日がな一日、ガンジス川に浸かって、ぼぉ~っとしてるわけではない。
 世界一の映画大国でもあることは最近よく知られるようになってきた。『ムトゥ 踊るマハラジャ』などがヒットしたおかげで、多少インドについての知識は増えた。とはいえ、まだまだ知らないことだらけだ。
 インドに旅行に行って帰ってこなくなる人もいるというし、波長が合えば素晴らしくいい国なのだろう。

リトルワールド5-2

 南インドのケララ州にある村をモデルにした家々は、美しい模様の屋根が印象に残った。
 ココヤシの木も、いかにもといった感じだ。
 カースト制によって家の造りもずいぶん違っているようで、いくつかの家が復元されている。
 インドといえばサリーも有名だ。サリーの貸衣装を着て写真を撮っていた人もけっこういた。男はターバンを巻くことになるのだろうか。タイガー・ジェット・シンの衣装が用意されているかどうかは知らない。サーベルの貸し出しはないだろう。あんなもの振り回して暴れていたら危なすぎる。

リトルワールド5-3

 枯れたヒマワリが、もうお手上げさというという恰好のままドライフラワーになりかけていた。そこに西日が当たって、とてもきれいに思えた。
 花も人も、枯れて終わりじゃない。

リトルワールド5-4

 ここ最近は日もだいぶ短くなってきた。日没時間はそろそろ6時半に近づいただろうか。
 このときは、6時すぎくらいだったろうか。8時の花火までまだまだ時間はあった。このあと一周回って、もう一周することになる。

リトルワールド5-5

 タイ北部のランナータイ地方で稲作をしている人たちの家。
 屋根が瓦葺きで、飾りの部分が日本の神社の建物のようで面白いと思った。ちょっと神明造りに似ている。どちらかがどちらかの影響を受けたということはないだろうけど。
 タイ王国では一般的に親日感情が強いというのはよく言われることだ。実際はどうか知らない。でも、多少分かる部分もある。タイも王国で、外国の植民地にならなかった歴史があって、天皇国日本に対して共感のようなものを感じているのではないだろうか。それ以前にタイの人たちが争いを好まない穏やかな性格をしているということもあるのだろうけど。

リトルワールド5-6

 家の下を見ると、たくさんの柱が建ち並ぶ高床式になっている。これを見ると、日本の神社仏閣建築とどちらかが影響を受けているのではないかと考えたくなってくる。
 タイの場合は、半年の雨期があって、高床式にしたのは実用本位という意味合いが強いのだろう。高温多湿だから、少しでも地面から離して穀物などを守るということもありそうだ。

リトルワールド5-7

 同じくタイのヤオの家。なんでタイを二つも採用してしまったのか。限られたスペースの中で、他にも紹介すべき国がたくさんあったろうに。
 ヤオというのは、もともと中国の南部に暮らしていた人たちで、移住を繰り返して最終的にはタイの山に住むようになったという。
 屋根も屏も板葺きになっている。手持ちの材料でよく考えられた造りだ。でも、やわそうだし、長持ちしそうにない。

リトルワールド5-8

 タイは二つだと思ったら、三つだった。どんだけタイに思い入れがあるんだ。
 これも山地に住むアカという人たちの家で、ヤオ同様、中国南部からの移住者だ。
 やはりトウモロコシなどの穀物を栽培したり、家畜などを飼って生計を立てている。
 三つもタイの家を紹介してもらったのに、タイについて詳しくなったという実感はない。
 一つくらいはベトナムとかカンボジアとかでもよかったのではないか。

リトルワールド5-9

 ベンチは観光客が休むためのものかと思ったら、アカの家につきものの大事な役割を果たすものだった。
 独身の男女がここに座ると、お見合いのようなことになるらしい。せっかくならそれを利用して、リトルワールドを訪れた男女の出会いの場とすればいいのに。ここ空いてますかと声をかけたら仲良くなれるみたいな。実際は、歩き疲れたおばさま軍団とかが占領してそうだけど。

リトルワールド5-10

 遠くにバイエルンの礼拝堂が見えた。こうして見ると、リトルワールドのスケール感が少し分かってもらえるんじゃないだろうか。けっこう広い。

 ここまででほぼ世界を一周してきたことになる。次は韓国エリアで、最後は日本の山形に戻ってくる。
 次回がたぶん本編の最終回で、もう一回番外編があって終わりということになりそうだ。
 つづく。

リトルワールドは飛びとび世界一周マイナー旅行 <第四回>

施設/公園(Park)
リトルワールド4-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 リトルワールドの四回目は、ヨーロッパエリアから再開しよう。このあたりが入口から見て一番奥で、周回コースの折り返しとなる。
 ヨーロッパエリアといっても、ドイツ、フランス、イタリアしかないから、ヨーロッパ全体を網羅しているとは言えない。せめてスペインとイギリスくらいは参加させて欲しかったところだけど、スペースや予算のこともあるし、すべての地域を紹介するのは無理だから、まあ仕方がないところだ。
 選んだ国はメジャーでも、展示の建築物はマニアックだ。ドイツはバイエルン、フランスはアルザス、イタリアに至ってはアルベロベッロという聞いたこともないところをモデルにしている。すごく偏っている。
 ドイツのバイエルンはわりとメジャーな方か。サッカー好きならすぐにバイエルン・ミュンヘンが思い浮かぶだろうし、車好きならBMWとアウディの本社があることを知っているだろう。ドイツを旅行したことがある人なら、ロマンチック街道へ行ったという人が多いんじゃないだろうか。ノイシュヴァンシュタイン城を築城した若きバイエルン王ルートヴィヒ2世を生んだ土地でもある。
 ガルミッシュ・パルテンキルヘンという地方村風景を再現しているとのことで、このエリア全体がメルヘンチックな感じになっている。アルプスの少女ハイジを思い出す。
 芝生広場などもあるので、よく催し物が行われる。花火大会もここだった。 

リトルワールド4-2

 丘の上には礼拝堂があって、中に入ることもできる。
 これはたぶん、実際に使われていたものではなくて、復元したものだろうと思う。それっぽい雰囲気はあるけど、歴史の重たい空気感のようなものは感じられない。
 壁画や天井画は誰が描いたものだろう。こういうのも、本物は全然迫力が違うだろう。

リトルワールド4-3

 フランス北東部、アルザス地方の農家の家だ。
 母屋は1582年に建てられたものを移築しているようだ。
 外壁の木枠が変わっていて面白い。壁はしっくいで、木の枠組みを表に出すのをコロンバージュといって、中部ヨーロッパ独特の建築様式なんだそうだ。
 アルザスは、フランス東北部で、ドイツと国境を接している。場所柄、昔からドイツとフランスで土地争いが起こったところで、時代によってフランス領だったりドイツ領だったりした。
 地名のアルザスはEll-sassというドイツ語から来ていて、ドイツ語読みではエルザスとなる。
 首府はストラスブール(シュトラースブルク)で、ノートルダム大聖堂が有名だ。

リトルワールド4-4

 とんがり帽子のような屋根を持つのは、南イタリアのアルベロベッロという街にある農家の家屋だ。
 一般的な知名度はあまり高くないと思うけど、世界遺産に登録されているくらいだから、知っている人は知っているのだろう。 
 これも復元した建物ではあるものの、雰囲気は出ている。本物感がある。
 屋根は石積みで、屋根の上の白い飾りは、ピナーコロと呼ばれるものだ。星などを象徴的にかたどったものが多いという。

リトルワールド4-5

 入口のアーチにも石が使われていて、日本の石垣のような造りになっている。

リトルワールド4-6

 ヨーロッパの次はアフリカゾーンがある。
 アフリカも日本人には馴染みの薄い地域だ。アフリカ大陸は広大で、国の数だけ文化や歴史があるはずなのに、アフリカ人という大雑把な括りでしか把握していない。アフリカ出身の人を見て、どこの国の人か言い当てるのは不可能に近い。50ヶ国以上ある国のいくつ挙げられるだろう。
 リトルワールドも、とてもアフリカ全域を紹介するのは無理とあきらめた。建物は3つで、アフリカ地域センターという建物の中である程度の補足をしている。
 紹介されている3つも、アフリカの中でどの程度メジャーなものなのかどうかさえ、私には判断ができない。
 上の写真は、南アフリカ共和国の高地に住むンデベレの家だ。ンデベレというのも実際はどう発音するのか分からない。
 カラフルな幾何学模様の壁画を持つ家というのは、アフリカの中でも珍しいものなのだろう。この感覚は、アジアにも欧米にもない独自のものだ。

リトルワールド4-7

 アフリカゾーンはざっと軽く流してしまったようで、西アフリカのカッセーナの家は飛ばしてしまった。
 この建物はなんだったか。ネパールの仏教寺院の何かだったろうか。よく覚えていない。
 遺跡の建造物のような感じで惹かれるものがあったから撮ってみたら、写真で見るとあまり面白くない。

リトルワールド4-8

 向こうに見えているのが、ネパールの仏教寺院だ。
 ヒマラヤ山中のタキシンド村にあった寺院建築を再現したものとなっている。 
 チベット仏教の寺院ということで、本堂には釈迦如来像が安置されているそうだ。仏教発祥の地はインドだから、ネパールも本場に近い。
 現在のネパールは、多民族・多言語国家で、宗教もヒンドゥー教や仏教、その他の宗教が混在していて、非常に複雑なことになっている。独自のカースト制もまだ残っているようだ。
 そういえば、中近東を紹介するエリアというのは、リトルワールドにはない。北欧にもまったく触れられていない。今更無理なのかもしれないけど、もっといろいろ拡張する余地はたくさん残っている。明治村では展示物の追加もあるのに、リトルワールドには名鉄も力を入れようという気がない。

リトルワールド4-9

 ネパール仏教寺院を近くから。
 名古屋市守山区にあるチベット寺院の強巴林(チャンバリン)にちょっと似ている。建物の装飾とか、旗の飾りなんかが。

リトルワールド4-10

 マニ輪という説明書きがあった。チベットだとマニ車というのが一般的だと思うけど、ネパールではマニ輪なんだろうか。
 側面にマントラが刻まれていて、一周回すとお経を唱えたのと同じ功徳があるとされるものだ。
 チベット寺院で回してきた。ここのものは近づくことができないようになっていて、回すことはできない。

 このあとはインドからタイへ向かうことになるのだけど、今回はここまでとしたい。
 続く。

世界のほんの一部でもリトルワールドは世界の入口となる <第三回>

施設/公園(Park)
リトルワールド3-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 今日からまたリトルワールド・シリーズを再開したい。
 上の写真は、ペルーの大農園領主の家を再現して建てられたものだ。
 リトルワールドの旅は、非常に早足なものとなる。日本から出発してアジア、北米と進み、あっという間に南米に入ったかと思ったら、すぐに東南アジアが始まる。変化が目まぐるしくて、うっかりしてると大陸を丸ごと見落としてしまうことにもなりかねない。一周2.5キロだから、全速力で走れば10分で世界一周できる。
 ペルーといえば何を思い浮かべるだろうか。日本人には馴染みがあるようでいて、意外とペルーのことをよく知らない。マチュピチュやナスカの地上絵があるのがペルーで、そういう部分での知識はあるものの、ペルーの歴史を詳しく知っているという人は少ないんじゃないだろうか。
 ナスカの地上絵でも分かるように、古代文明が早くから発達した場所だった。紀元前1世紀くらいからすでに文明が栄えていたといわれている。
 ナスカ文化が繁栄したのが紀元1年から600年頃というから、イエス・キリストの誕生と時を同じくして生まれたということになる。
 時代は飛んで、15世紀。当時、世界最大の勢力だったインカ帝国があったのがペルーだ。
 首都クスコを中心に、ボリビア、チリ、エクアドル、アルゼンチン、コロンビアにまでまたがる大帝国を築いていた。
 それが内乱によって徐々に力を失い、コロンブスの新大陸発見ののち、上陸してきたわずか数百人のスペイン人によってインカ帝国は敗北してしまう。それにより、スペインの植民地となり、以降、ペルーは苦難の道を進むことになる。
 マチュピチュは、インカ帝国が残した遺産で、これだけはスペイン人に発見されなかったため、破壊されずに残った。発見されたのは1911年のことだ。
 上の写真の邸宅は、支配階級であるスペイン人の領主のもので、16世紀の終わり頃の建物がモデルとなっている。
 先住民やアフリカから連れてきた小作人を使って綿の栽培をして、大もうけをした。
 それから現在に至るまでのペルーの歴史はなかなか複雑で、簡単に説明するのは難しい。南米の歴史については、学校でもあまり教えないし、興味を持つきっかけがないまま知らずに過ごしている日本人が多い。南米の国12を言うのもおぼつかない。
 だから、リトルワールドでこういう建物を見たり、多少なりとも歴史に触れることは価値がある。

リトルワールド3-2

 建物はヨーロッパ風を基調としながらも南米のテイストもあわせもつものとなっている。外観は白亜で、内装は明るい感じになっている。
 建築様式としては、前庭の後ろに母屋があり、建物が中庭を取り囲んでいる。これがスペインスタイルの典型なのかどうかはよく知らない。本物を移築できなかった建物については、現地調査を行い、専門家を呼んでできる限り本物に近いものにしているというから、これも再現度はかなり高いのだろう。

リトルワールド3-3

 ダイニング。内装をどこまで再現しているのか分からない。これを見る限り、純洋館に思える。
 ただ、スペインからすべて運び込むというのは難しかっただろうし、現地調達ということもあったとすれば、スペインとペルーの折衷様式になっていた可能性は高い。
 向こうの人は、カーテンをする習慣があったのかどうか。

リトルワールド3-4

 古いラジオが置いてあった。これも向こうのものだろう。
 ロゴやメーカーをもっとよく見ておけばよかった。

リトルワールド3-5

 寝室。物がなさすぎて落ち着かない。生活していたときはこんな殺風景ではなかったにしても、領主の家といっても中は意外と質素だ。

リトルワールド3-6

 家の中に礼拝堂があるのは、珍しいことではなかったようだ。
 スペインの歴史も単純なものではなく、多様な民族が集まってできた国だ。
 宗教に関しては現在、90パーセント以上がカトリック教徒ということになっている。
 歴史を見れば、イスラム勢力に支配されていたときはイスラム教に改宗させられたり、プロテスタントの宗教戦争なども経験している。

リトルワールド3-7

 次にやって来たのは、インドネシア・バリ島の貴族の屋敷だ。ここは僧侶の家ということで、宗教的な建物がたくさん建っている。ヒンドゥー教ということになるだろうか。
 いろいろ目につく被写体はあったのだけど、人が視界に入ったり、撮ろうとしたら向こうから人が来たりと、タイミングが悪くてまともに撮れなかった。それで、最後にレンガ塀の外から撮ることになった。
 屏を這っているのは、ノウゼンカズラの木だ。中国南部原産だから、インドネシアにあったとしても不思議はない。

リトルワールド3-8

 バリ島の建物の天井から吊ってあった人形らしきもの。たぶん、宗教関連の神様的な何かだろう。
 鳥のようでもあり、怪獣のようでもある。

リトルワールド3-9

 インドネシアのスマトラ島北部に住む、水稲耕作民トバ・バタックの家。
 と言われても、全然イメージが湧かない。
 スマトラ島といえば、太平洋戦争のとき、日本軍が占領した南の島の一つだ。
 2004年のスマトラ島沖地震で名前をよく聞いた。被害は北部のアチェ州が中心だったようだから、これらの家も流されてしまったのだろうか。
 この建物は1947年に建てられたのを移築したものだ。
 高床式になっているのは、水の被害を想定してのことだろうか。屋根は船を思わせる形をしていて、壁には絵が描かれている。
 左下に写っている人と比べるとけっこう大きな家ということが分かると思う。

リトルワールド3-10

 次に登場するのは、南太平洋のサモア諸島の家だ。南米からインドネシアに行ったと思ったら、また東に戻ってしまった。
 ポリネシアとかミクロネシアとか、個人的に一番分かっていない地理の部分だ。
 オーストラリアの東沖で、ハワイより南。たくさんの島々と、複雑な区分によって成り立っている。
 サモア諸島というのもよく分からなくて、独立国サモアがあるかと思えば、アメリカ領サモアというのもある。
 世界は広いということをあらためて思い知らされる。
 サモア人の住居の特徴は、壁がないことだ。寝るときや雨風が強いときは、すだれを降ろすらしい。
 屋根はヤシの葉で葺いている。
 左奥に進むと、タイ北部の山地に住むアカの家があるのだけど、今回は行くのを忘れていた。前回は見に行った記憶がある。

リトルワールド3-11

 なんとなくアフリカのサバンナっぽいと思って撮った一枚。
 この先は、フランス、ドイツ、イタリアのヨーロッパゾーンとなる。キリのいいところで、今回はここまでとしたい。

マイベストカレーも完成度は80パーセント

料理(Cooking)
マイベストカレー

 カレーライスはあまり好きではないくせに、ここのところサンデー料理に登場する回数が増えている。それは手抜きをしたいからではない。むしろ、一からカレーを作るには通常の料理よりも手間暇がかかるから楽はできない。理由は単純で、自分の頭の中にあるイメージ通りのカレーを作りたいという思いがあるからだ。銅鍋を手に入れたということもある。
 私の思い描く美味しいカレーのポイントは、旨みとコクと辛みのバランスがよくて、サラサラであること。言うなれば、レストランのちょっと高級なカレーライスだ。キャンプで作って食べるカレーも美味しいけど、あれとは違う。
 これまで何度か失敗してきて、今度こそという思いがあった。レシピをもう一度勉強し直して、できるだけ基本に忠実に作ってみた。結果は80点くらいまではいけた気がする。だいぶ完成に近づいた。
 作り方はこうだ。

 まずは、フライパン2つと、鍋を2つ用意するところから始まる。
 一つの鍋で、切ったジャガイモとニンジン、タマネギを茹でる。お湯には塩とコンソメの素を入れて、下味を付けておく。
 茹でている間に、フライパンでポークソテーを作る。
 フライパンを温めて、サラダ油で豚肉を炒める。まずは強火で15秒くらい。弱火にして、白ワインと塩、コショウを振って、裏返す。ここでフタをして、1分半ほど弱火で加熱して、いったん取り出す。
 もう一つの鍋に、水、塩、コショウ、コンソメの素を入れて、豚肉を弱火でじっくり茹でる。
 空いたフライパンを軽く洗って拭いて、温めてサラダ油を入れる。ここに、ニンニク、ショウガ、唐辛子を入れて弱火で炒める。
 刻んだタマネギを中火で5分から7分くらい炒め、あめ色にする。更に、すり下ろしたニンジンを加える。
 そこへ水を入れる。これがカレーの素となるので、水の分量は人数分だけ入れる。
 これをしばらくぐつぐつ煮込んでいって、冷ます。ある程度冷めたところで、ザルで漉す。ここで漉すことによってサラサラカレーになる。しっかり絞らないと分量が減るので、ぎゅっと漉す。
 ザルに残った具材は、もったいないけど捨ててしまう。
 冷ましている間に、カレールーを作る。だから、フライパンが2つ必要になる。
 サラダ油、バター、カレー粉、ケチャップ、オイスターソース、しょう油、ハチミツ、砂糖、白ワイン、小麦粉、塩、コショウ、コンソメの素を、弱火で加熱しながら混ぜる。ドロドロというか、やや固めでいい。
 冷まして漉したスープの中に、カレールーを入れてよく混ぜる。ここでも最初は弱火にする。
 よく混ざったところで、さっき茹でていたジャガイモ、ニンジン、タマネギ、豚肉とともに、鍋に移す。私は今回も銅鍋を使った。これが心強い味方となる。煮すぎても具材が崩れないから安心して煮込むことができる。
 ある程度煮ていったところで、味を確認する。弱いようなら、コンソメの素や塩、コショウなどを加える。しゃびしゃびすぎた場合は、豚肉のゆで汁に小麦粉を溶いたものを加えて、とろみを出す。
 時間に余裕があれば、ここでいったん火を止めて、30分でも1時間でも冷ます。そうすると冷めていく過程で具材に味が染み込んで美味しさが増す。
 食べる前に再加熱して、ようやく完成となる。なんだかんだで3時間以上かかった。
 完成度は最初に書いたように、80パーセントといったところだった。サラサラさに関しては申し分なかった。やはり漉したのは正解だ。
 残りの20パーセントは、旨みとコクの問題ということになる。レストランのカレーは、何か隠し味とか裏技を使っているのだろう。大量に作らないと出せない味というのもある。
 まあしかし、これである程度は納得できた。作り方も分かったし、また本格カレーが食べたくなったら作ることにしよう。ただ、手持ちのカレー粉も今回で使い切ったし、しばらくはお休みということになりそうだ。
 ついでにサラダのドレッシングについても覚え書きとして書いておく。
 マヨネーズをベースに、オリーブオイル、マスタード、バルサミコ酢、塩、黒コショウ、砂糖、コンソメの素、しょう油、スライスチーズ、ゆで卵を砕いた物、パセリ粉を混ぜ合わせて作った。

 こんなカレーサンデーの一日だった。
 来週はまた通常のサンデー料理に戻す予定だ。

リトルワールドの建造物はマイナーでマニアック揃い <第二回>

施設/公園(Park)
リトルワールド2-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 リトルワールドが開園したのは1983年の3月だったということを知って驚いた。そんなに新しいとは思ってなかった。明治村のオープンが1965年で、それと同じくらいだろうと漠然と考えていた。ということは、学校で連れて行かれたときは、開園して間もなくのことだったのだ。そんな話を聞かされた覚えがまったくないのだけど、そもそも興味がなくて私が話を聞いていなかっただけかもしれない。学校で行ったときは、お遊びの遠足ではなく、勉強としての社会見学という意味合いが強かった。いきなり最初にビデオで割礼のシーンを見せられてどん引きしてしまい、自由時間は広場で友達と野球をしていた覚えがある。
 野外民族学博物館リトルワールドは、当初、大阪万博の受け皿として名鉄が名乗りを挙げたことに始まる。1970年に開催された大阪万博は、世界各地から民族の伝統的な建物を集めるというコンセプトで、万博終了後、それらの建物を譲り受けて野外展示することを名鉄が思いついたのは、日本の貴重な建造物を野外展示した明治村が好評だったからだ。同じく犬山の観光スポットとして、明治村とセットにして客を呼ぼうと考えた。それは間違いではなかった。
 しかしながら、大阪万博が最初の構想から大きく変わってしまったのは誤算だった。そのあたりの詳しい経緯はよく知らないのだけど、大阪万博は世界の建造物を集めるのをやめて、独自のパビリオンを建てるという方向に転換してしまった。
 それでも、名鉄としてはあきらめきれなかったのだろう。だったら自分たちで世界各地から伝統的な建築物を集めればいいではないかということになった。ただし、そこには思った以上の困難があり、構想から開園まで15年の歳月を要することになる。
 それにしても、建物がマニアックすぎる。アジアからヨーロッパ、アメリカ大陸と、国自体はメジャーなのに、集めてきた建築物が相当マイナーなのだ。日本人観光客がめったに行かないような山奥のものや、現地にももう残っていないような古いものなど、誰がどんな基準でこれらをその国の代表に決めたんだというものが多い。
 そのため、貴重さでは他に類をみないものとなっているのだけど、いかんせん子供には面白くない。ここを訪れて、建物群に興味津々で楽しかったという子供がいたら、相当な変わり者だ。将来大物になるかもしれないけど、、何らかのマニアになる可能性の方が高そうだ。学校で連れて行かれて、ちっとも面白くなかったという方が子供としては普通の感覚だと思う。
 ここは、大人になって、友達やカップルで行った方が楽しいい場所だ。見て回るだけではなく、参加したり体験したりすることで初めて本当の楽しさに気づく場所でもある。
 写真を撮るという点に関して言えば、それなりに撮るものはあるものの、明治村と比べたらあちらの方がずっと楽しいのは間違いない。そもそも、ここは一人で行っても楽しくない。明治村では一人で訪れている人がけっこういるのに、リトルワールドは一人客がほとんどいないことを見てもそれは明らかだ。今回も、家族連れとカップルばかりだった。
 リトルワールドについて、私自身、いろいろと思うところはある。前回行ったときもそのあたりについて書いた(ニューリトルワールドについて考えるというタイトルで書いたので、興味があればブログ内検索してください)。今回行ってきた感想も、最後にまとめて書きたいと思っている。
 前置きが長くなった。そろそろ本編に入っていきたいと思うのだけど、今回は建物を撮ることが目的ではなかったので、普通に撮った写真は少ない。行く前の一つ決めごととして、説明的に撮るのはやめようというのがあった。パンフレット写真を撮っても面白くないから、部分を切り取ることを考えた。意味はなくても、自分が興味を覚えたところだけを撮ろうと。
 結果的に成功だったかどうか、自分でもよく分からない。リトルワールドの魅力を伝えられるかどうかも自信がない。これを見た人が、自分も撮りに行きたいと思ってくれれば成功だ。ただし、一人リトルワールドはかなり上級者向けだということは言っておくべきだろう。数々の一人シリーズをこなしてきた私でも、一人水族館と同じくらいきつかった。一人動物園くらいなら楽にクリアできる人向けだ。カップルで行くなら、見学デートというより民族衣装を着て写真を撮るなどといった方向で楽しめる二人の方がよさそうだ。

リトルワールド2-2

 コースは周回コースになっていて、一周2.5キロある。見学しながらゆっくり歩いて2時間前後といったところか。
 22ヶ国、33の施設が、ゆったりしたスペースで建ち並んでいる。建築の関係もあったのだろうけど、この「間」は悪くない。狭いところにびっしり詰め込んでしまうと、印象が散漫になってしまいそうだから、ある程度の移動距離を作ったのは成功だった。
 左回りのコースでいくと、最初は日本の南国、沖縄から始まり、最後は山形月山で締めくくりとなる。日本を代表する家屋が石垣島の士族の家と、山形の農家というのも、偏っているといえば偏っている。日本人でも両方の実物を目にしたことがあるという人はあまりいないだろう。
 私の前を歩いていた家族連れの男の子が、「石垣は見たことがあるから、見なくていいサ~」と、沖縄なまりでしゃべっているのを耳にして驚いた。キミは、どっから来てるんだ、と心の中で突っ込んだ。まさか、沖縄からわざわざリトルワールドを見に愛知県まで来たわけではあるまい。
 この建物は、120年前に石垣島に建てられた琉球王国時代の士族の家だ。赤い瓦を白い漆喰で固めた典型的な沖縄の建物だ。何しろ毎年台風が直撃するところだから、屋根が飛ばないように備えなくてはいけない。家の前の石垣も、風よけのために建てられている。
 ちなみに、具志堅用高は石垣島の出身で、琉球王国の士族の家系という、名門出のお坊ちゃんだ。だから、こんな家に住んでいたのかもしれない。

リトルワールド2-3

 この日のテーマとして、現地っぽく見えるように撮ろうというのがあって、私としては珍しくなるべく人を入れずに撮った。大勢人がいたから、人入り写真は撮り放題だったのだけど、状況によって人入りと人なしを区別した。
 上の写真も、説明せずにポンとこれだけ出したら、沖縄に行ってきたと言えなくもないかもしれない。
 左に少し写っているのは、沖永良部島(おきのえらぶじま)の高床式穀物庫だ。これもチョイスがマニアックすぎる。どうして、あえてこの建造物だったのだろうという疑問を抱かずにはいられない。珍しいものには違いないだろうけど、珍しすぎてありがたいのかどうかの判断もつかない。

リトルワールド2-4

 屋根の上にはおなじみのシーサーがいる。
 以前にも書いたことがあるけど、シーサーと狛犬は基本的に同じものの変形だ。獅子を沖縄風に言ったもので、スフィンクスなども同じものと言える。
 この日は、空が夏色の強い青色で、沖縄っぽく写った。

リトルワールド2-5

 沖縄本島の祭場の屋根。
 どうしてこれを撮りたかったのか、自分でもよく分からない。
 藁葺き(わらぶき)かと思ったらそうではなく、琉球竹で葺かれた屋根だそうで、そのあたりが珍しくて撮っておこうという気持ちになったのだろう。 
 国頭村にあるアサギという村共同の祭場で、旧暦7月の祭りに、神衣装を身につけた女の人が、この中で豊作、豊漁の祈願をするらしい。現在でもその伝統は受け継がれているのだと思う。
 沖縄はいまだに日本の本州とは違う独特の文化や風習を持っている。
 沖縄は乗り物に乗るときは手を挙げて合図しないと止まってくれないそうで、ガレッジセールの川ちゃんは初めて東京に行ったとき、山手線のホームで手を挙げて電車を止めたというエピソードが私は好きだ。

リトルワールド2-6

 沖縄地方の次にあるのが、北海道アイヌの家だ。 
 アイヌという選択はなるほどと納得した。これは目の付け所がよかったと思う。日本人も、アイヌの伝統や生活など、ほとんど知らない。
 段葺き屋根の質素とも言えるこういう家屋に、19世紀の末頃まで暮らしていたという。
 明治に入って農作を始めたものの、それまではずっと川で鮭を獲ったり、山で鹿や熊を獲って暮らしていたそうだ。
 建造物の周囲に咲いている花などは、現地のものなんだろうか。そのあたりも徹底してもらえると、こちらとしても更に興味深くなるのだけど。
 いつものクセで、うっかり人がいるときに撮ってしまって失敗。ここは人がいないときに撮った方がよかった。

リトルワールド2-7

 台湾の農家では、何故か世界の昆虫大集合という催し物をやっていた。台湾とは全然関係ないと思う。
 ちょっと笑ったのが、昆虫触り放題、30分300円というやつだ。時間制というのが風俗っぽい。子供だから、いつまでも触らせていたら昆虫が弱ってしまうからということで考えられたシステムだろう。延長料金の制度とかもあるのだろうか。

リトルワールド2-8

 中国から移住した福建系の漢族が住む伝統的な農家建築とのことだ。
 面白いと思ったのは、屋根の特徴が沖縄と似たところがあって、壁がレンガ造りという点だ。文化、風俗の交流がありつつ、それぞれ独自の発展を遂げている。
 凹型をした家屋の真ん中に中庭があるという発想は、日本にはなかったんじゃないか。日本人の感覚でいくと、L字型が自然な気がする。

リトルワールド2-9

 レンガ塀の外には小さな池がある。これも台湾式なのだろう。
 浮かんでいたのはスイレンのようだ。台湾も南の島だから、亜熱帯性のスイレンなどが咲くのだろうか。
 台湾は沖縄本島よりも南にあって、北の台北が宮古島と同じくらいだから、南は熱帯性気候になる。

リトルワールド2-10

 アブラゼミが木に止まって鳴いていた。台湾にもタイワンアブラゼミというのがいるようだけど、日本のものとは多少違っているのだろう。クマゼミやツクツクボウシ、ニイニイゼミなどもいるらしい。
 気候が熱帯だから、日本でいえば南の島のものと近そうだ。その他の昆虫や鳥、魚など、どんなものがいるんだろう。

リトルワールド2-11

 園内バスが走っていて、要所に止まるから、これに乗ると少しは楽できる。
 左手は台湾の食べ物屋などで、世界各地の食べ物を食べられるというのも、リトルワールドの売りの一つとなっている。マニアックなところではワニラーメンなんてのもある。

リトルワールド2-12

 北アメリカのインディアンのテント。三つ編みをした女の子がちょっとインディアンっぽかったので急いで撮ったけど間に合わなかった。ちょうどテントから出てきたところだったのに、惜しいことをした。
 平原を移動しながら暮らしていたインディアンだから、テントも移動式となっている。ティピという名前らしい。
 ヨーロッパから大勢の移民が入ってくると、インディアンたちの生活も一変した。今ではこんなテントで移動しながら暮らしているインディアンはいない。
 インディアンは蔑称で、ネイティブアメリカンと呼ぶべきだと言っているのはアメリカ人の側で、先住民族の人たちは自分たちをアメリカ・インディアンと言ってその呼び名に誇りを持っているという。
 テントの中は意外と広いといえば広いし、やっぱり狭いといえば狭い。プライベートなどない濃密な空間で、それは親密さをもたらすものでもあり、息苦しさを感じさせるものでもある。
 家族という単位で考えても、狭い空間で一緒に暮らすのがいいのかどうか、難しいところではある。日本でいえば、三世帯が一軒の家で生活することは良いこともあり悪いこともあった。
 個人的な無理なお願いとしては、各建物に現地の人がいて欲しいというのがある。テントの中に本物のインディアンがいたら怖いけど、そこでのふれ合いというのは他では経験できない貴重なものとなる。愛・地球博ではそういうことができたから、ドキドキとワクワクがあった。あんなにたくさんの異国の人を見る経験というのは国内ではめったにできるものではない。リトルワールドにはその可能性があるだけに、残念なところではある。お店などでは外国の人たちも働いているようだけど。

 今回はここまでとしたい。
 次回に続く。

ナイター営業のリトルワールドにわんさか人がいて驚く <第一回>

美術館・博物館(Museum)
夕焼けのリトルワールド

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / PENTAX-M 50mm f1.4



 リトルワールドナイター営業をしているということで、どんなものか見てみようと行ってみた。着いたのは日暮れが近い夕方だった。
 初めて訪れたは中学のときの遠足で、二度目が2006年だった。万博後遺症を癒すためにリトルワールドを訪れたという愛知県民は多い。当時の私もそうだった。あれから3年になる。
 特にこれといった目当てがあったわけではなく、ライトアップと花火でも見ようかという軽い気持ちだった。まさか、あんなに大勢の人が訪れているとは予想もしていなかった。
 夕方からは駐車場も無料で、入園料も半額になるというのもあったのだろうし、お盆休みに入ったということもあったのだろう。それにしても、まさかリトルワールドが人でごった返すことがあるなんて思いもしなかった。平日の夕方などは、客より従業員の方が多いんじゃないかというほどなのに。
 愛地球博以来、そういえばリトルワールドがあるではないと思い出した県民が大勢いたのかもしれない。事実、それまで閉鎖が噂されていたのに、万博以降入園者が増えて盛り返したという。
 リトルワールドについては、次回以降野外展示を紹介しつつ書くとして、今日は夕方から夜にかけての写真を並べることにしたい。やはり、クライマックスは花火ということになった。みんな花火が終わったらゾロゾロと出口に向かいだしたから、お目当ては花火という人たちが多かったようだ。



恋人たちのシルエット

 ここは山に囲まれているせいで、夕焼けの風景を撮るのは難しいのかもしれない。短い時間だけ空が焼けて、すぐに暗くなってしまった。夕焼けをバックにあれこれ建物を撮りたいという思惑は外れた。



イルミネーション

 人波に流されて、花火会場へ。
 立ち止まることは許されず、手元はブレた。
 三脚は持っていなかったのだけど、使えるシーンはほとんどなかったし、そんな雰囲気でもなかった。
 Willkommenというのは、ドイツ語のウェルカムだ。ドイツ・バイエルン地方の建物を移築したゾーンなので、ドイツ語になっている。
 これ、なんて書いてあるのとちびっこが両親に訊ねていたけど、答えていなかった。横から、ヴィルコメンだよ、お嬢ちゃん、などと言う私ではない。



イルミネーションの建物

 4万球の電球で飾られたミスティ・ドームというので期待して行ったら、思いがけず小さかった。
 下の方でミストが出てはいたけど、周囲をぐるりと人が取り囲んでいて写真もまともに撮れず。



ファイアー・ショー

 中国人が火を振り回していた。
 正確に書くと、中国雑技団の炎の超人が、ステージ上で火流星という火を振り回す演技をしていた、ということになる。
 距離が遠すぎて、状況がよく分からず。火を振り回していることだけは、ぼんやり分かった。



花火が始まる

 花火は150発で5分間。150発というとたくさんあるように思うかもしれないけど、こんなものはすぐに終わってしまう。何千発でもそんなに長くないのに、5分なんてオロオロしてたらあっという間だ。
 久々の花火撮影で最初はまったく勘が戻らなかった。シャッタースピードも、ISO感度も、全然分からない。
 そうこうしてるうちにも花火はどんどん上がってしまい、うわー、待ってくれ-、といった感じだった。

ナイター花火

 花火がどこからどう上がるのかも掴めずにもたつく。全然撮れない。



手持ちの花火撮影

 手持ちの花火撮影は限界がある。やっぱり三脚は必要だったか。



花火撮り

 終盤になって、ようやく少し感じが掴めてきた。



スローシャッター花火

 軌跡も撮りたいと思って、シャッタースピードを1/2秒にしたら、明るすぎて、ブレた。



花火クライマックス

 どうにもままらなん、などと心の中でつぶやいているうちに、早くもクライマックスになってしまった。
 最後くらいは肉眼で見た方が感動があるのだけど、そんな余裕もなかった。



花火は5分で終了

 連発での締めくくりとなり、大きな歓声が上がって終わりとなった。実にあっけない5分間だった。せめてあと5分、欲しかった。
 リトルワールドの花火は、雰囲気を楽しむもので、本格的な撮影には向いていない。数が少なすぎるし、時間も短すぎる。2週間近く打ち上げることになるから、そうそう毎日景気よく打ち上げている場合ではないか。



花火の余韻

 最後にパラパラパラと火花が降ってくるところで少し余韻を楽しんだ。
 これが消える頃には立ち上がって出口へ向かった。



出口へ向かう人々

 大勢の観客といっても、本格的な花火大会とは比べものにはならない。観客が何十万人となると、帰りがものすごく大変なことになるのだけど、ここでは恐れたほどの混雑にはならなかった。駐車場の出口も渋滞なしに出られた。
 花火の見物客はどうだろう。1万人くらいだったろうか。そんなにいなかったかもしれない。

 リトルワールドのワールド・ナイト・ファンタジアは、16日までと、22日、29日も行われる。
 そこそこ楽しめると思うから、ご近所の方は行ってみてください。
 どちらかというと、ナイターなら明治村の方が楽しそうではある。明治村も16日までで、花火は300発らしい。
 次回、昼のリトルワールド編に続く。
 

日常夏写真を並べて今日は早寝

日常写真(Everyday life)
日常写真-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 他



 今日は早寝で、明日は早起きなので、日常写真を並べて寝てしまう。ここ最近、近所で撮った写真などを。
 ヒマワリは、愛知牧場で元気のないやつを撮っただけだったけど、まったく撮らないよりはよかった。大垣の休耕田のヒマワリが見頃を迎えたようだ。一度見に行きたいと思いつつ、場所が不便なところだから、電車では行けそうにない。車で行くと、近いようで遠い。

日常写真-2

 ホオズキの実も、夏の風物詩の一つだ。最近はあまり見かけなくなった。今どきの子供はホオズキの実で遊んだりはしないのだろう。
 実の外側が枯れて、レースのようになって中が透けて見えるようになったときがまた魅力的だ。夏の終わり頃、いいのを見つけたら撮りたい。

日常写真-3

 午後のアサガオ。だいぶしなびている。
 アサガオの観察日記は夏休みの定番だけど、アサガオなんか毎日見たところで小学生が楽しいはずもない。そんなものの味わいが分かるのは、おじいちゃんになってからだ。と、子供の頃から思っていた私は、アサガオなんて観察したことはなかった。昆虫採集とかの方がずっと面白かった。
 大人になってからも、アサガオとはあまり縁がない。

日常写真-4

 もうススキが出始めている。夏が来ればもう秋の準備は始まっている。
 夏の間にやっておくことをやっておかないと、今年の夏はもう残り少ない。

日常写真-5

 こいつはなんだろう。バッタの仲間だろうけど、はっきり分からない。
 ヤブキリだろうか。あまいかわいくない。

日常写真-6

 夏空がやっと戻ったかと思ったら、今日はまた曇りのち雨だった。
 明日からはしばらく晴れそうだから、晴れているうちに行けるところへ行っておきたい。

日常写真-7

 古くなって朽ちていく家屋が、自然に飲み込まれていく感じがいい。

日常写真-8

 尾張旭を走る瀬戸電。
 最近、新型のシルバー車両が増えたようだ。
 瀬戸電といえば赤と決まっていたけど、これからは少しずつイメージも変わっていくだろうか。

日常写真-9

 夜のパルティせと。

 今日はこれにて終了。
 明日はしっかりネタ集めをしてこよう。

森の花と虫は早くも夏の後半戦 <8月の海上-3>

森/山(Forest/Mountain)
海上8月3-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8



 8月の海上の森写真3回目の今日が最終回となる。
 余った花や虫写真、その他を集めて載せておこう。
 一枚目は、クサギから。
 見た目は一切無視で、葉っぱが臭いからという理由だけで名づけられてしまったかわいそうなやつ。ヘクソカズラほどではないにしても、もう少しいい名前をつけてあげてほしかった。
 花よりもピンクのつぼみが可憐で、藍色の実がなると、がくがきれいな赤色になる。

海上8月3-2

 見覚えがあるけど分からない花。花の色形はタツナミソウに似てるところがあるけど、もっと背が高くて、全然違う。
 分からないから保留。

海上8月3-3

 これも前に見たことがある気がする。
 ランの仲間だったように思うのは勘違いだろうか。ノギランのような、そうでないような。

海上8月3-4

 名前が分からないのが続く。
 写真に撮ったら、小さい火花が飛び散ったように写るんじゃないかと期待したら、そうでもなかった。見た目も写真写りも地味なやつ。

海上8月3-5

 マツヨイグサの一種だと思う。アレチマツヨイグサか。
 マツヨイグサはツキミソウと呼ばれたりするけど、もともとは白花のものがツキミソウで、マツヨイグサとは別物だ。いつからかごっちゃになって、勘違いされている。
 これは森のすぐ外に咲いていたもので、北アメリカが原産の外来種だ。森の中で自生するような花じゃない。

海上8月3-6

 アキアカネかそのあたりの、いわゆる赤トンボ。
 ナツアカネならもっと体が赤いはずだから違う。でも、油断してるとマユタテアカネだったりするかもしれないから断定する自信はない。

海上8月3-7

 ハグロトンボは、やっぱりいいトンボだとあらためて思った。
 装いがシックだし、羽ばたきが優雅だ。
 薄暗いところを好むから、ヒラヒラ飛んでいるところを撮るのは難しい。スローシャッターで飛んでいる軌跡を撮ったりできないだろうか。

海上8月3-8

 シオヤトンボのメスだと思うけど、いまだにシオカラトンボとシオヤトンボの区別がはっきりつかない。
 しっぽの先が黒いのがシオカラトンボというから、だとしたらこれはシオカラトンボのメスだろうか。

海上8月3-9

 しっぽの先の方まで色がついてるから、これはシオヤトンボのオスということになりそうだ。
 シオカラトンボとオオシオカラトンボの区別がまた難しい。

海上8月3-10

 ハッチョウトンボのメス。
 真っ赤なオスと比べると地味な印象が強く、あまりありがたみがない。メスはメスでよく見るときれいなのだけど。

海上8月3-11

 森のすぐ外から見える風景。
 森の周囲にもいくらか人家があって、少し行けば町がある。山奥ではなく、町のすぐそばにあるというのが海上の森の貴重なところだ。
 海上の森の名前の通り、大昔はこの近くまで海だったようだ。

海上8月3-13

 森の外を愛知環状鉄道が走っている。ただ、最寄りの山口駅から海上の森まではけっこう距離がある。バスもないから、車以外で行くには不便なところだ。

海上8月3-14

 最後に少しだけ空が夕焼け色に染まって、夏雲が金色になった。
 次は9月になったらまた行くことにしよう。

森を作るそれぞれの色と形に心惹かれる <8月の海上-2>

森/山(Forest/Mountain)
海上8月2-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8



 昨日に続いて海上の森の第2回を。
 今回も三脚を持っていった。めったに人に会うこともないから、人目を気にすることなく三脚を使うことができる。
 これはNDフィルター(ND4)を使って、6秒で撮ったものだ。フィルターなしで1秒で撮ったものと、ほとんど変わらなかった。長時間露光をすればしただけ変わるわけではないことが分かる。もっと変化の大きなシーンを撮れば、当然違いも出てくるだろうけど。
 NDフィルターを試してみたいのは、昼間の海と人混みだ。人の流れが半透明になる感じの中に、一人だけ動かない人がいるといったシーンを撮ってみたい。

海上8月2-2

 シダの群れ。
 見渡す限りの斜面にびっしりシダが生えているところがあって、それを撮りたかったのだけど、このときは90mmマクロしか持っていなくて、これしか撮れなかった。
 シダは明るいと雰囲気が出ないし、暗いと手持ちでは厳しい。次は広角と三脚を持っていくことにしよう。

海上8月2-3

 老木の根元に生えた苔がいい感じ。
 新しい葉も出てきている。

海上8月2-4

 赤枯れの葉が目についた。
 今年の紅葉はどこへ行こうかと考えた。まだ少し気が早いけど。

海上8月2-5

 ツルのくるりんとしたところが面白かった。
 三脚を立てられないところで、手持ちで撮ったら少しぶれた。
 ぶらさないことと、ピントを合わせることと、基本中の基本の大切さを再認識する。

海上8月2-6

 夏らしい元気な葉色。
 自然には様々な緑色が存在している。

海上8月2-7

 しゃがまないと見逃してしまいそうな地味な黄色。耳かきに似ているから、ミミカキグサ。

海上8月2-8

 こちらは紫バージョン。
 ホザキノミミカキグサ。
 じっくり見ると、耳かきには似ていない。

海上8月2-9

 名前はあるはずだけど、湿地で見かける雑草然とした草。花かもしれない。
 スゲの仲間か、ホタルイとかそっち系か。

海上8月2-10

 キンミズヒキだと思う。
 夏の終わりから秋の始めにかけての野草というイメージがある。

海上8月2-11

 ミゾソバとかアキノウナギツカミとかの仲間だろうか。花の形が似ていて、白色をしている。
 ツルソバとかタニソバとか、そのあたりかもしれない。そばの花も、こんな姿をしている。

 第2回はこれにして終了。
 次回の最終回に続く。

天然のサギソウを撮りに雨上がりの海上の森へ <8月の海上-1>

森/山(Forest/Mountain)
海上の森8月1-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8



 ふいにサギソウのことを思い出して、無性に撮りに行きたくなった。
 夏の湿地の白いヒロイン。サギが舞っているような優美な姿から、その名が付けられた。
 一番近場で確実に見られるのは、東山植物園か、森林公園だ。けど、どちらも月曜定休。
 そういえば、海上の森でサギソウを見たことがなかったことに気づいた。植物園や森林公園では何度も見てるけど、あれは人が管理しているところで咲いているから完全な野生とは言えない。海上の森のものは完全な天然だ。幸い、雨もやんだところで、よし行こうということになった。
 先月二度続けて行って、あれからまだそんなに日にちが経ってないと思ったら、もうひと月経っていた。前回は7月10日だったから、季節は確実に進んでいる。ぼんやりしていると、季節に置いていかれてしまう。

海上の森8月1-2

 湿地に咲いていたのは10個ほどと少なかったものの、天然ものを見られたのは嬉しいことだった。私が知らない場所でもたくさん咲いているに違いない。
 サギソウはきれいな花なのだから、普通に撮ればきれいに写る。なのだけど、もっとこの花の魅力を引き出したいと思うと、急に難しく感じられて、ああでもないこうでもないと悩むことになる。
 背景の色と光がポイントだということは分かるにしても、花の選択肢が限られていて、光のない曇りの日だと、工夫しきれない。
 今年もまた、サギソウを克服できなかったという感覚が残った。もう一度くらいどこかで再挑戦したい気持ちはある。

海上の森8月1-3

 こいつを見つけたとき、わっ、デカっ、と思った。
 アマガエルはせいぜい3センチくらいのはずなのに、こいつは7センチくらいあった。あれぇ、アマガエルってこんなに大きかったかなぁと思う。
 帰ってから調べてみると、どうもアマガエルとは違うようだ。シュレーゲルアオガエルだろうか。ちょっと自信がない。
 すごく眠たそうに目を半開きにしていた。かなり接近して撮っているのに、眠気に勝てなかったようで、うっすら目を開いたあと、睡魔に負けて、また眠りについた。おかげで、じっくり撮ることができた。

海上の森8月1-4

 ややグロテスク度の強いクモ。
 頭をもぞもぞ動かしていると思ったら、何かを食べている最中だった。何らかの虫ということは確かなようだった。

海上の森8月1-5

 ミズヒキにとまるカメムシ。
 カメムシは何を食べて、どんな暮らしをしているのだろう。興味がなくて、今まで一度も調べたことがない。
 今度、きれいなカメムシが撮れたら、そのとき勉強しよう。

海上の森8月1-6

 イトトンボ系の何か。モノサシトンボかもしれない。

海上の森8月1-7

 コオロギかと思いつつ、違うような気もする。
 顔がオレンジ色だし。
 かわいくない、というか、気持ち悪いと言えなくもない。

海上の森8月1-8

 ハッチョウトンボもまだ少しいた。もうピークは過ぎたようで、だいぶ少なくなっていた。見られるのは8月いっぱいくらいだろう。
 前回これを目当てに行って、写真もたくさん撮ったから、今回はさらっと撮っただけだった。

海上の森8月1-9

 湿地にいたきれいなクモ。これはたぶん、糸を張らないタイプだ。自分で移動して獲物をとらえる。
 移動タイプのクモの方が、かわいげのあるやつが多いように思う。田舎の便所にいる巨大なやつは別として。

海上の森8月1-10

 クモの巣についた水滴。あまりきれいな形ではないけど、クモの糸の繊細な網目と、水滴の中の模様に惹かれるものがあった。

 8月の海上の森1回目は、こんなところにしておこう。
 次回に続く。

匂いにクセはあるけど味は意外とまろやかナンプラー料理

料理(Cooking)
ナンプラーサンデー

Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II



 今日のサンデー料理の主役は、ナンプラーだった。料理の可能性を広げるものとして、今まで使ったことがない調味料を使うのが有効なことがバルサミコ酢でよく分かった。ということで、今回、ナンプラーというものを初めて使ってみた。
 ナンプラーという名前はよく聞くけど、その正体をよく知らないという人が多いかもしれない。私もそうだった。タイの魚醤(ぎょしょう)のことだ。魚醤ってのも分かってるようで分からないもので、魚を塩漬けにして発酵させてできる液体のことをいうらしい。
 東南アジアでは広く使われている調味料で、ベトナムではヌックマム、フィリピンではパティス、中国やマカオでは魚露など、国によってそれぞれの名前がある。使う材料や製法にも違いがあるようだ。ナンプラーは、アンチョビ類を使うのが基本となっている。
 日本でも、、秋田のしょっつる、能登のいしる、香川のいかなご醤油などが同じような製法で作られている。
 発酵ものということで、匂いにややクセがある。苦手な人もいるだろうと思う。ただ、味は意外と普通で、いかにもエスニックというふうでもなかった。他の調味料と一緒に使って火を通しているからというのもあっただろう。日本のしょう油のように、刺身につけて食べるといった使い方はちょっとできないように感じた。
 まずは調味料としてしょう油代わりにいろいろな料理に試してみようということで作ったのが今日の3品だ。

 左手前は、エビのナンプラー風味といったような料理だ。
 タマネギの刻みをオリーブオイルで炒め、トマトの刻み、エリンギのスライス、エビ、長ネギを加え、酒、みりん、ナンプラー、バルサミコ酢、塩、コショウ、砂糖で味付けをした。
 ナンプラー味としてはこれが一番よく合った。エビとの相性はいい。
 中華風でもなく、洋食でもない、エスニック寄りで、美味しかった。思ったほど自己主張は強くない。加減が分からないから控えめにしたせいもあったかもしれない。

 右は、豚肉と野菜のナンプラー・マヨネーズ炒めだ。
 タマネギをごま油で炒め、豚肉、ニンジン、ナス、ツナ缶を追加して、酒、みりん、ナンプラー、白しょう油、塩、コショウ、砂糖、マスタード、マヨネーズで味付けをする。
 終盤に、黒コショウと白ごまを振りかける。
 これもやはり普段とは少し違った風味になった。悪くない。次はもっと大胆に使ってもよさそうだ。

 一番奥は、絹ごし豆腐のナンプラー味マグロそぼろ振りかけとなっている。
 絹ごし豆腐を水切りして、オリーブオイルで両面を焼く。そこにナンプラーをかける。
 マグロはコマ切りにして、オリーブオイルで炒め、酒、みりん、ナンプラー、ダシの素、塩、コショウ、砂糖で味付けをする。
 卵は、牛乳、チーズ、ダシの素、塩、コショウを混ぜ、半熟に焼く。枝豆があったのでそれも加えてみた。
 この一品に関しては、ナンプラーはあまり効いていなかった。ナンプラーである必然はなかった。
 エスニック風にするのか、洋風にするのか、半端になってしまったのもよくなかった。やや味にまとまりを欠いた。マグロそぼろ自体は美味しかったのだけど。

 今回は、ナンプラーを使うというのが主な目的で、全体像のイメージがないまま作り始めて、行き当たりばったりになった。色合いにしても、見た目のバランスはあまりよくない。緑色が足りなかった。
 ナンプラーに関しては、バルサミコ酢同様、使えるめどが立った。ナンプラーを使うとどういう味になるのかも、だいたい分かった。問題は他の料理とのバランスだ。和食には合わないだろうし、洋食とも違う。合わせるなら中華ということになるだろうか。
 今後もう少し使っていって、使い道や使いどころを見極めていきたい。
 未知の調味料についても、積極的に導入していこうと思っている。マンネリを打破するアイテムになる。日本国内でも地方特有の調味料がいろいろあるから、手に入るものがあれば使ってみたい。
 使用する食材も、もっと広げていかないと料理のレパートリーが増えないのを感じている。
 何にしても、キーワードが試みであることを忘れないようにしたい。

日常ご近所写真がたまってきたから今日はその小ネタでつなぐ

日常写真(Everyday life)
近所写真-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4 / TAMRON 90mm f2.8 他



 今日はまたつなぎネタ。日常写真がたまってきたところで、まとめて出しておくことにする。近所の風景も、今撮っておくとあとになって変化を知ることができるから、それなりに意味はある。
 ここ最近の天気を反映した写真は、曇りときどき雨のち晴れ、となっている。梅雨明けしたあとも、やや不安定な天気が続いている。
 今日は34度を超えてなかなかの暑さになった。猛暑はここからなんだろうけど、立秋を過ぎて暦ではもう秋の入口ということになる。お盆まであと一週間。甲子園が開幕して、帰省ラッシュも始まったようだ。今年はなんだか真夏を感じないまま8月を過ごしている。週末はまた天気が崩れるようだ。来週以降は夏らしさを取り戻すのだろうか。

近所写真-2

 曇天の空に破れ目ができて、そこからわずかに光がもれる感じが好きだ。
 電柱の碍子(がいし)とかが好きでこの写真を撮ったわけではない。

近所写真-3

 電柱マニアでもないし、高架水槽マニアでもない私だけど、この風景はちょっとぐっときた。縦横に張り巡らされた電線と、組み立てられた鉄筋の上に乗った高架水槽が格好いいと思った。背景も青空より曇天の灰色が合っている。
 団地マニアとかになって、各地の団地を撮り歩くというのも、始めてみれば楽しいかもしれない。

近所写真-4

 電線にとまっているのは鳩だろうか。
 遠くに名駅のビルとテレビ塔が見えている。
 お気に入りの夕焼け、夜景ポイントを、もっと増やしていきたい。

近所写真-5

 雨の日。
 これくらいどしゃ降りで地面が濡れていると、雨らしさが写る。雨を伝える写真は難しくて、雨そのものはほとんど写真に写らない。雨写真も積極的に撮っていかないといけないと、最近思うようになった。

近所写真-6

 延珠橋の高木菓子店。
 昔は駄菓子屋を兼ねていたような気がするけど、今はタバコなどの自販機が置かれているだけになっている。店もまだやっているんだろうか。
 背後にある住宅がまたすごいことになっている。たぶん、普通に人が住んでいると思うけど、そろそろ外観の工事が必要なんじゃないか。

近所写真-7

 町の帽子店というのも、めっきりなくなった。ここはまだ営業してる店だろうか。
 帽子の需要がまったくなくなったわけではないから、帽子店も必要には違いない。
 とはいえ、中学生でも最近は制帽をかぶっていないし、背広に野球帽をかぶっているおじさんも見なくなった。
 外出するときは帽子をかぶるという昔からの習慣は、平成になってほぼすたれた。気づかないところでも時代は移り変わっている。

近所写真-8

 小さな畑のわきに置かれた風呂桶。雨水をためているのだろう。
 雨上がりの太陽が、たまり水に映っていたので撮ってみる。これを撮ったのは、雨続きのときだったから、太陽がちょっと珍しかったのだ。

近所写真-9

 冬場の朝方、遠くに窯の煙が立ち上るのが見える。あれはどこなんだろう。一度撮りたいと思いつつ、機会がない。

近所写真-10

 引山バスターミナル。
 こうして並んでいるのを見ると、微妙に違っていて、バスにもいろいろ種類があることを知る。最近は広告バスも増えたし、ハイブリッド車も登場している。ただ、私はバスマニアでもないから、バスを見ても楽しくない。
 考えてみると、何のマニアでもない私は人生を楽しめていないような気がしてきた。対象が何であれ、マニアになったら勝ちだ。その方がきっと楽しい。

近所写真-11

 住宅地からバスターミナルへの近道。民家の庭なんじゃないかと思うけど、たぶん、多くの人がここを通ってバスターミナルへ行っている。

近所写真-12

 歩道橋の上にあがると何か面白い景色や空が見えるんじゃないかと期待するのだけど、いつも何もない。これといって撮るものもない。
 西日が作った光と影の模様でも撮ってみる。

近所写真-13

 焼けきらなかった空。ここのところ、いい夕焼けに出会えない。

 今回は日常近所周りの風景編だった。花やブツ編もあるから、またネタ不足に陥ったときにまとめ出しすることにしよう。

川を歩けば被写体に当たる <矢田川散歩後編>

海/川/水辺(Sea/rive/pond)
矢田川散歩2-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 矢田川散歩写真の後編は、矢田川大橋近辺からの再開となる。
 このあたりから名駅の高層ビル群が見えるのは前から知っていたけど、左手にテレビ塔が見えることには気づいていなかった。間には、スパイラルタワーズの頭がちょこっと見えている。
 手前の障害物が多いのが写真としては残念だけど、夜になるとどう見えるのか、一度確認したい。手前が全部シルエットになれば、ちょっと面白い写真になるかもしれない。
 橋の上から撮れればいいけど、矢田川大橋の西側には歩道がなかったはずだ。一本東の大森橋からはどういうふうに見えただろう。

矢田川散歩2-2

 飼い主から遅れた犬が、ぜえぜえいいながら小走りで追いかけているところ。運動不足で体力が落ちているおじさんのような息づかいで、ちょっと心配になった。
 たまに、ものすごく苦しそうに走っているジョガーのおじさんを見る。あれはかえって体に悪いような気がする。自分を追い込んでいるのが気持ちいいのかもしれない。

矢田川散歩2-3

 何の草か知らないけど、繊細な草が密集して、部分的に草原のような光景を作っていた。
 どこまでも続く草原と、高く青い空という景色が、自分の中の原風景として存在している。昔、そんなところで暮らしていたような、かすかな感覚がある。

矢田川散歩2-4

 対岸の庭先にヒマワリが咲いていて、古い感じの屋根瓦との組み合わせがよかった。
 ここだけ田舎の風景みたいだった。

矢田川散歩2-5

 再び場所を移動して、矢田川と香流川の合流地点へとやって来た。
 茶屋が坂自動車学校が近くにあるから茶屋が坂という思い込みがあるけど、町名でいうと竹越になるのだろうか。茶屋が坂はもっと西だ。
 緑地帯は小原橋緑地という名前がついている。小原橋自体はここよりだいぶ東にいったところに架かっている。写真に写っている橋は、千代田橋だ。
 夕焼けスポットとして気に入っている場所で、秋にはよく訪れる。この日も多少なりとも夕焼けを期待して行ったのだけど、この通り、曇ったまま焼けずに日没になってしまった。

矢田川散歩2-6

 河原まで降りてみる。遠くに川遊びをしている人が見えた。中学生か高校生か。
 矢田川と香流川が合流して、名前は矢田川のまま流れが続く。少し北を流れる庄内川としばらく平行したあと、庄内川と合流して、最後は名古屋港へと注ぎ込む。
 名古屋も川はわりとあるのだけど、全部街の外を流れているから、街作りの中で川を活かすことができなかった。街中を流れる川といえば、名古屋城築城のときに掘った堀川くらいのものだ。庄内川はそこそこ水量のあるいい川なのに、これといった利用方法も見いだせないまま、ただ流れるだけになっている。

矢田川散歩2-7

 川沿いに並ぶマンション群。風景とのマッチングが今ひとつのような気がして、前から違和感があった。
 場所的にも川の北岸となると、南の千代田橋にも遠いし、北の瀬戸電にも距離があって、不便そうなんだけどどうなんだろう。バスも電車も地下鉄も、歩いて行くには全部遠い。車か自転車ということになるのか。
 川沿いに並ぶ灯りのともったマンション風景を一度撮ってみたいと前から思っていた。日没が早くなる秋になったら機会がありそうだ。

矢田川散歩2-8

 前編に入れ忘れた写真。大森橋近くの、いつも撮る場所。土手の下から、夕焼け空をバックにバイクや車をよく撮る。この日はもくもく雲がバックだった。

矢田川散歩2-9

 カラスが2羽、西の空に飛んでいった。
 私ももう帰ることにする。

 次にネタに困ったときは、香流川散歩や庄内川散歩をやろう。

望遠ズームを持って矢田川河原散歩写真 <前編>

海/川/水辺(Sea/rive/pond)
矢田川散歩1-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 ここ最近、神社仏閣から完全に離れていることもあって、慢性的なネタ不足に陥っている。歴史物の勉強もしたくなくて、気持ちは写真を撮ることの方に傾いている。一時的なものなのか、そちらへ移行したのか、自分でもよく分からないのだけど、しばらくは気分に従ってみようと思っている。
 電車の旅は来週に延期になった。なので、今週いっぱいは小ネタでつながないといけない。あまり時間もなくて遠出もできないから、近所を回ってちょこっと撮ってきた写真で自転車操業的な更新となる。今日と明日は、矢田川の河原で撮ってきた写真を二回に分けて載せることにする。
 望遠ズーム1本で、三脚は使っていない。散歩や走っている人なども多くて、写真を撮るような場所でもないから、三脚はちょっと目立ちすぎる。お散歩スナップ写真に終始した。

矢田川散歩1-2

 今日は雨のち曇り、ときどきまだらに晴れといった一日だった。強い日差しはなく、気温もさほど高くないわりには蒸し暑い。照りつけるような真夏の気候ではない。
 明日からはまた夏空が戻って、しばらく晴れが続くようだ。
 気づけばお盆までもう10日もない。今年の真夏は短くなりそうだ。残暑の厳しい9月になるのだろうか。

矢田川散歩1-3

 河原へ行っても、特に何か撮るものがあるわけではない。
 この時期は渡りのカモもいないから、サギでもいればいい方だ。コサギがいたので、しばらく遊んでもらった。

矢田川散歩1-4

 初めは水中の魚を狙っていたコサギが、なんだか上の方を気にし始めた。何を見てるんだろうと思ったら、頭の上を飛び交っているトンボが気になって仕方がないようだ。

矢田川散歩1-5

 まさか飛んでいるトンボを捕まえることはできないだろうと見ていたら、ジャンプして飛びついていた。獲って食べてたんだろうか。
 狙いを定めて何度も飛びついていたから、本当に獲って食べていたのかもしれない。サギは魚が主食ではあるけど、案外雑食でもあるから、トンボくらいは食べても不思議ではない。それにしても、トンボを獲っているのを初めて見た。

矢田川散歩1-6

 カルガモは常駐組だから、いつ行ってもたいていいる。
 水の中の石についた苔でも食べていたのだろう。
 わりと早い流れでも、しっかり踏ん張ることができる。足の力が強いのか、足の裏の吸い付きがいいのか。

矢田川散歩1-7

 コンクリートの上でお昼寝中のカルガモ。

矢田川散歩1-8

 夏休みの子供たちが河原サッカー。
 芝生に近い草だし、それなりの広さもあるから、練習場所としては悪くない。
 日本はもっと芝生のグランドをたくさん作らないといけない。芝生があるのは公園の一部とゴルフ場だけというのでは、文化的に遅れてる。

矢田川散歩1-9

 いつも気になる無意味なオブジェ。まさかベンチというのでもあるまい。
 犬の散歩の人が多いのは納得だ。土と草の地面は、犬たちにとって最適な散歩コースになる。
 広い場所があるのだから、犬が自由に走り回れるドッグランを作ってもいい。

矢田川散歩1-10

 河原沿いには工場が似合う。
 矢田川沿いは住宅地で、工場はあまりないのだけど。

 つなぎの小ネタということで、内容が薄くなった。
 明日の後編につづく。

時間いっぱいまで粘ったものの空は焼けきらず時間切れ <後編>

施設/公園(Park)
小幡緑地本園2-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8 / PENTAX DA 16-45mm f4



 今日は昨日の続きで、小幡緑地本園後編をお送りします。
 光は十二分にあったものの、思ったほど撮るものはなかった。花が少ないから虫もあまりいないし、夏の夕方にのこのこ出てくるような鳥もそういるもんじゃない。
 もともと、何かを撮ろうという目的意識があって行ったわけじゃない。だから、イメージ不足というのもあった。撮りたい写真を頭の中で完成させてから現地に向かうというのが正しい撮影だと、最近思うようになった。

小幡緑地本園2-2

 青空にローカル飛行機。
 上空は雲もなく、カラリと晴れていた。
 ただ、真夏の空にしては青の強さが足りない。まだ夏は本気を出していない。

小幡緑地本園2-3

 光と影の散策路。
 この先は湿地帯で、マメナシの木があるのはこのあたりなんじゃないかと思う。今年は見逃したから、来年見に行こう。

小幡緑地本園2-4

 犬の散歩の人や、ジョガーが多い。アスファルトと土の道と両方あるから、目的によって選ぶことができる。
 写真を撮りに来ているような人は、私以外に見あたらない。

小幡緑地本園2-5

 連理木(れんりぼく)。
 普通、気づかないけど、説明板が教えてくれた。確かに、途中で幹がつながっている。
 別々の木が途中でつながっているのを連理木といい、縁結びの御神木となったりする。
 名古屋では、城山八幡宮の裏手のあべまきの連理木がよく知られている。
 小幡緑地にあるとは知らなかった。自然界ではちょくちょくあることらしい。

小幡緑地本園2-6

 この日のテーマは、なんとなく飛ぶトンボ撮りになった。
 どうせ撮るなら望遠レンズで、もっと大きく撮らないと、ちゃんと撮ったことにはならない。望遠になるほど難易度は高くなる。

小幡緑地本園2-7

 そろそろ日没時間が近づいて、緑ヶ池に移動した。園内は広いから、車での移動となる。
 夕焼けを撮るならこの池の東からがベストだ。まずは手持ちで何枚か撮って、その後、三脚をセットして焼けるのを待つ。

小幡緑地本園2-8

 日没前に雲が多くなって、沈む前に隠れてしまった。
 結局、一番よく焼けたのはこの時間帯で、すぐに色味が薄れていって、二度焼けはなかった。

小幡緑地本園2-9

 空はオレンジからピンクブルーへ。
 池の上空高くをカラスやカワウが飛び、水面近くをツバメが飛び交う。

小幡緑地本園2-10

 しっかり焼けないまま、時間切れ。これが7時前の状況。駐車場が7時で閉まってしまうから、これまでとなった。
 もう少し日没時間が早くなったときに、また行ってみたい。風がない日だと、水面が鏡面となって、幻想的な光景を見せてくれる。
 かなり暗くなっても、三脚があれば確実に撮れるという安心感を持てるのはいいことだ。

 今日はこれでおしまい。またネタがなくなった。
 明日も小ネタ集めに出かけよう。

晴れたのに遠出できず近場の小幡緑地で短時間撮影 <前編>

施設/公園(Park)
小幡緑地1-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8



 梅雨が明けて夏空が戻ったというのに、今週は間が悪くて遠出できそうにない。電車の旅は来週になりそうだ。
 とはいえ、どこかで写真を撮ってこないとネタがない。夕方、少し時間を作って近所の小幡緑地本園に行ってきた。1時間ほどだったけど、カメラを持って歩けばそれなりに撮るものはある。
 一回に収めるには少し枚数が多かったので、前後編の二回に分けた。とりあえず今日、明日は撮ってきた小ネタ写真でつなぐことにしよう。
 なにはともあれ、光が戻ったのは喜ばしい。ずっと雨続きだったから、光のありがたみを再認識した。明日、あさってはまた曇りから雨になるようだ。

小幡緑地1-2

 夏らしい暑さになって、蝉たちの合唱も力強かった。耳がしびれるほどの蝉しぐれが頭の上から降りそそいでくる。
 抜け殻もあちこちにとまっているのを見つけた。今年は出遅れた分、一斉に地表に上がってきたのだろう。

小幡緑地1-3

 小幡緑地本園には3つの池があって、2つはよく知っているのだけど、見返ヶ池はあまり行ったことがなくて知らなかった。撮ったのは初めてかもしれない。なかなかきれいな池で、秋などは絵になりそうだ。
 釣り人も何人かいたり、釣り場が作られていたりしたから、釣り人の多くはこちらに来るようだ。緑ヶ池はたまにルアーをやってる人を見かけるけど、竜巻池は釣り禁止になっている。

小幡緑地1-4

 釣りの代わりに私はトンボ撮りをする。縄張り争いをするコシアキトンボを撮ろうとしてさんざん翻弄されて撮れず、結局1匹がホバリングしたところをなんとか撮れただけだった。
 飛んでるトンボも手強い。

小幡緑地1-5

 光に透けた葉の葉脈が見える。
 光合成してるという感じだ。

小幡緑地1-6

 見返ヶ池に注ぎ込む流れ。この周囲にゲンジボタルがいる。
 たぶん、幼虫を放流してるのだと思うけど、ちょっとしたホタル名所になっていて、7月の夜には見物客が集まってくる。私もおととしだったか、一度見に行った。そのときは10匹くらい飛んでいるところを見た。

小幡緑地1-7

 人が多い公園で三脚を使うのは気が進まず、今日は手持ち撮影となった。
 手持ちだとどうしても甘くなってしまう。このあたりは三脚を使ってちゃんと撮れば、もう少しましな写真になっただろうに。

小幡緑地1-8

 ここは猫が多いところで、今日も1匹出会った。
 たぶん、お世話をしてる人たちがいる。人に慣れていて、逃げ出さない。

小幡緑地1-10

 ショウリョウバッタだと思う。やや自信が持てないのは、茶色い筋があちこちに入っている点だ。足も茶色いし、体にもラインが入っている。ショウリョウバッタは緑色一色というイメージがある。
 でも、ショウリョウバッタモドキとは違う。
 体が大きかったから、ショウリョウバッタのメスか。

小幡緑地1-9

 竜巻池でもトンボ撮り。
 これはオニヤンマだと思うけど、どうだろう。遠目ではっきり確認できなかった。ヤンマ科の何かかもしれない。

 前編はこんなところで。
 後編につづく。

三脚が恥ずかしくなくなるまで使い続けるべし <岩屋堂-2>

観光地(Tourist spot)
岩屋堂2-1

PENTAX K10D+TAMRON SP 90mm f2.8



 今日は岩屋堂の続きを。
 このときは手持ちで撮ったのは数枚で、あとは全部三脚を使って撮っている。上の写真もそうだ。
 手持ちで撮れるシーンでも、三脚を使うことで揺るぎのない安定感のある写真になる。自分ではブレていないつもりでも、実際には微妙にブレていることもある。特に1,000万画素を超えるデジではわずかなブレが写真に表れるとも言われている。
 TAMRONの90mmマクロは、ポートレート的に風景写真も撮れるから、私は万能レンズに近いと考えている。デジタルで使うと135mmになるから、もう少し広角寄りの方が使い勝手がいいかもしれない。70mmだと105mm換算だから、それくらいがちょうどよさそうだ。PENTAXには70mmのリミテッドレンズがあるけど、あれにすると今度はマクロが撮れないから、やっぱり70mmくらいのマクロレンズが欲しい。50mmマクロではボケ味がきれいじゃないし、遠くのものが届かない。

岩屋堂2-2

 雑木林の間から青い湖が見えた。
 というのは嘘で、これはプールだ。夏場だけプールがオープンして、子供たちが泳ぎにやって来る。川にも天然のプールが作られるから、夏休みは親子連れでそこそこの賑わいを見せる。
 私はメインストリートから離れて、山の散策路を歩く。川やプール泳いでいるちびっこの近くでカメラを持ってうろついていると、怪しい人と思われそうだから。

岩屋堂2-3

 グリーン・オン・グリーン。
 モミジの葉は、まだ夏色をしている。ごく一部が色づき始めていたけど、紅葉まではまだ4ヶ月以上ある。
 モミジの赤いプロペラも少し出ていた。

岩屋堂2-4

 川沿いにベンチが並んでいる。
 泊まり客の夕涼み用だろうか。それとも、紅葉のときの観賞場所か。
 紅葉の時期はこの横で露店みたいなものをやっていた気がするから、そのお客用かもしれない。
 すぐ横に、おでん缶の自販機があるから、おでんを買った人は、ここに座って食べるとよい。

岩屋堂2-5

 和名の「はなぞのつくばねうつぎ」というのを覚えられなくて、アベリアという短い名前で認識している。
 道端とかによく植えられているパッと見地味な花も、近くから撮るとなかなかきれいだ。小さな白い花は思いがけず可憐だということを知る。

岩屋堂2-6

 落花アベリア。
 苔むしたベンチの上に横たわり、静かに枯れていく。
 誰も座らない木のベンチは、ほとんど自然と同化している。

岩屋堂2-7

 ヤマアジサイらしきやつが、みんなこんな風に丸まっていっていた。完全に丸まって蕾みたいになっているやつもたくさんあった。
 これはアジサイではないのか。

岩屋堂2-8

 ここでもオニユリを撮った。定光寺公園近くでも撮った。
 撮りたいのはヤマユリだけど、もう終わってしまったかもしれない。今年は雨が多くて日照時間も少なかったから、あまりきれいに咲かなかったんじゃないだろうか。

岩屋堂2-9

 キマダラセセリかなと思ったけど、ヒメキマダラセセリの可能性もある。
 虫も撮ってるようでまだあまり撮っていない。真夏になると虫類は案外少なくなるから、もう最盛期は過ぎただろうか。
 青空バックに飛んでいるチョウを撮るという目標はいまだ達成できていない。惜しかったというチャンスさえない。
 春は念願のギフチョウを撮ることができたから、秋はアサギマダラをなんとか撮りたい。

岩屋堂2-10

 見たこともないキノコがあったので撮る。
 自然界にこんな蛍光オレンジがある不思議。
 絶対食べちゃ駄目だろう。

岩屋堂2-11

 これも初めて見た。
 黄色い傘というか、昔ノッポさんがかぶっていた帽子みたいだ。
 キノコの世界も追求していけば楽しいかもしれない。

岩屋堂2-12

 残照。
 この日は久しぶりに太陽の光を見た気がした。
 雨も風情があるとはいえ、やっぱり光と影の魅力にはかなわない。
 梅雨も明けて、太陽と青空が戻った。今年の夏は短縮されてしまったから、ここからちょっと急いで夏を撮ろう。

岩屋堂2-13

 枯れた昭和の観光地風景。いつもの場所だけど、広角レンズではないから、一部を撮った。
 平成の次の時代に、私たちは何を見て平成の名残を感じることになるのだろう。

 岩屋堂シリーズは、ややあっけなくこれで終わりとなる。三脚に慣れるという目的は一応果たして、今後につながった。
 まだ三脚を持っていける場所は限られるけど、なんとか積極的に使っていきたいという気持ちはある。
 一眼も最初は人目が気になって恥ずかしかった。それを考えれば、三脚も使い続けていればいつか照れもなくなっていくのだろう。その次はカメラリュックを背負うようになり、帽子もかぶり、最後はポケットのたくさんついたベストを着てしまいそうで怖い。

続・銅鍋とバルサミコ酢サンデー料理

料理(Cooking)
続銅鍋サンデー

Canon EOS 20D+EF50mm f1.8II



 今週のサンデー料理のテーマは、先週に引き続いて、銅鍋とバルサミコ酢だった。前回の続編と言ってもいい。使った食材も共通のものが多い。
 一番作りたかったのは、肉じゃがだった。左奥がそうだ。バルサミコ酢を使うということは洋食寄りになるから、肉じゃがも洋風の味付けにした。
 豚肉をオリーブオイルとバターで炒め、切って水にさらしたジャガイモとニンジン、それとタマネギを加えて白ワインで炒めていく。
 それを銅鍋に移し、水を入れる。コンソメの素、塩、コショウ、白しょう油、砂糖、カレー粉を入れて茹でる。最初は中火でぐつぐつ煮て、アク取りをしたら、あとは弱火で煮込んでいく。
 やはり銅鍋はここでも威力を発揮した。ジャガイモをあえて面取りせずに煮込んだのだけど、まったく煮崩れしない。ほくほくに柔らかくなっているのに型くずれしないというのは銅鍋ゆえだ。火の回り方が普通の鍋とは違うのだろう。全体にムラなく熱が伝わるとかなんとか、どこかに書いてあった。
 銅鍋は料理があまり得意でない人向けの心強い味方となる調理具だ。肉じゃがを作れる女の子は料理上手と信じている男を騙すのにいい。型くずれしてないほくほくの肉じゃがを食べたら感動してしまうことだろう。味付けに大きく失敗しないことが前提ではあるけど。
 銅鍋は完全に使えるアイテムだということが分かった。圧力鍋よりも簡単で使い勝手がいい。
 おでん用銅鍋とか、しゃぶしゃぶ用銅鍋とかも売ってるから、銅鍋シリーズを揃えたいくらいだ。おでんやしゃぶしゃぶなんて、家で作ることはめったにないけど、持ってれば作りたくなるかもしれない。

 バルサミコ酢は、煮詰めればまろやかな酸味になることが前回で分かったものの、それ以外の応用となると思いつかない。今回も、ソースとしては前回とほとんど同じものとなった。
 オリーブオイル、白ワイン、白しょう油、塩、コショウ、砂糖を混ぜて煮詰めた。
 そこへみじん切りしたタマネギを入れて炒め、パン粉も加えた。黄金ソースに卵黄を使って、余った卵白も加えてみた。
 これは美味しいふりかけだ。今回は白身魚にかけたけど、ご飯や豆腐など、いろいろなものに合いそうだ。
 白身のタイは、塩、コショウ、酒を振って、アルミホイルに包んで魚焼きグリルでホイル焼きにする。完全に閉じてしまうと時間がかかるから、半開きくらいがちょうどいい。
 終盤にスライスチーズの乗せて、とろかす。
 黄金ソースは、卵黄、マヨネーズ、マスタード、塩を混ぜて作る。

 左手前はナス料理で、名前はついていない。
 ナスは薄切りにして、塩水に浸ける。
 ソースは、タマネギのみじん、ベーコン、トマト、エビ、アスパラの刻みを、オリーブオイル、白ワイン、コンソメの素、塩、コショウ、白しょう油、砂糖、唐辛子で味付けして、炒める。
 ナスはフライパンで揚げ焼きにする。

 今回は全体的に暖色系の料理になった。夏に逆らうようにという意図があったわけではない。今は雨続きで気温も低いから、暑さに負けないようにとかそういうこともない。
 少し緑の野菜が少ないかなとも思うけど、使っている食材はほとんどが野菜で、その種類もけっこう多い。
 3つとも美味しくできて満足した。自分好みに仕上げているから驚きはなくても安心感はある。自分の舌に合わせて作っているというより、自分が作る料理に舌が慣れたと言った方がいいのかもしれない。
 今後は自分の料理傾向をどうやって打破していくかというのが課題となる。もっと新しいものに挑戦していきたいし、食べたことがないものを作って食べたい。不味くなることを恐れてはいけない。これは食べるよりも作ることが目的の趣味の料理なのだから。
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