
Canon EOS 20D+Canon EF-S 17-85mm f4-5.6 IS
養老シリーズが終わって、ちょっと一服。すぐにでも遠出をして新しいシリーズを始めようと考えていたのだけど、ヒザを痛めてそれができなくなってしまった。養老歩きは思った以上のダメージを私に与えていたようで、それに加えて車を降りるときにグキッとひねっておかしくなった。ここ数日の私は、おじいさんのようにたどたどしい足取りだった。
とりあえずそれもどうにか治ったものの、またすぐに10時間歩きとかしてしまうと悪化しそうなので、今週は自重することにした。来週に延期だ。
ここのところずっとフィルムで写真を撮っていて、5本まとめて現像に出すと安くなるというので、頑張って5本撮りきって現像に出したのが出来上がってきた。36本撮りだから、150枚以上で、一日15枚使ったとしても10日分のネタができたことになる。これでしばらくはネタ不足から解放されそうだ。自転車操業的ブログ更新はきつい。
早速今日からフィルム写真をとも思ったのだけど、その前に一つ小ネタを挟むことにした。超高感度のISO1600で撮る近所回りの写真という、ちょっとした企画ものだ。
デジカメ写真のノイズは、フィルムとは違って味にならないことが多いから、あまり好きではない。だから、普段も極力低感度で撮るようにしている。デジイチ史上ベスト3に入るくらいノイズが少ないとされるEOS 20Dでさえ、ISO100以上に上げることはめったにしない。どうしてもというときだけISO400までは上げるけど、それ以上は上げたくないから上げない。これまでずっとそうしてきた。
それがたまたま誰かのページで、わざと高感度のザラザラ写真を上手に撮っているのを見て、真似したくなった。なるほど、ノイズというのもシーンによっては味付けになるかもしれない。
結果的に狙ったほど成功した写真は撮れなかったのだけど、常用は無理でも実用レベルで使えることが分かった。ISO800なら完全に常用範囲だ。確実に手ぶれするシーンでも、撮れないとあきらめてしまう前に高感度で撮っておけば、あとから使える写真になることが多いに違いない。低感度にこだわって手ぶれ写真で没にしてしまうよりも、画質は落ちてもブレてない写真の方がいい。
ISO1600と手ぶれ補正レンズを使えば、かなり暗い状況でも撮れる。1/10秒あればなんとか止まる。夜でもシャッタースピードを稼ぎたいシーンもある。
せっかくのデジなのだから、もっと幅広くデジの特性を活かして撮ればいい。フィルム写真を撮ることの不自由さの中でデジの自由度の高さを思い出したという部分もある。デジから入った人間にとっては、途中でいつでも感度を変えられるのは当たり前のことと思ってるけど、フィルムで長く撮っていた人にとってはこんなにありがたいことはないだろう。ISO100のフィルムを一度入れたら、最後までそれを通すしかない。
というわけで、今回は感度をISO1600に固定して、夕暮れから夜にかけて近所まわりで、あれこれ試し撮りをしてきた。もう少し幅広くいろいろな被写体をいろんな条件で撮れるとよかったのだけど、お手軽企画ということで2日で済ませてしまった。続編があれば、そのときは昼間の明るいときに高感度で撮るとどんな感じになるのかを試してみたいし、室内編というのも考えられる。

大森IC南交差点。正面に見えているマクドナルドは古い。この左後ろあたりにモスバーガーもある。両方とも、一回も入ったことがない。このあたりは頻繁に通る場所だけど、行動範囲ではない。
こういう明るめのシーンの場合、ノイズも気になるけど、それよりものっぺりとして立体感がなくなってしまうという弊害が出る。人の目は暗部に対するノイズはあまり気にならず、明暗の明の方に目がいくから、そちらの部分が悪印象だと全体の印象が悪くなる。
遠方の建物などのディテールも失われてしまっている。

東名阪の下、302号の郵便局東交差点。ここを右折したところにある名東郵便局はしょっちゅう行っている。集荷郵便局で、時間外の窓口が常に開いているから。
この写真は、それほど超高感度写真という感じがない。もちろん、等倍で見ればノイズだらけなのだけど、これくらいのサイズになると気にならなくなる。明暗の暗の部分が多いからというのもありそうだ。
シャッタースピードが速くなって、走ってる車の被写体ブレが少なくなっている。感度を下げるほどに被写体ブレは激しくなり、車のボケ具合も違ってくる。常に絞り優先モードで撮っているから、そのあたりは感度の上げ下げで調整していけばいいのだろう。

かなり暗くなり始めて、雨まで降ってきたところ。高針あたり。左手は牧野ヶ池緑地で、もう少し行くと植田鴻ノ巣交差点がある。そこを右折して、ハイエースに向かう途中。昔は近所に、マルスやナカイや名鉄ホームセンターやプラザなど、たくさんホームセンターがあったのに、今はカーマだけになってしまった。ホームセンター好きの私としては残念でならない。カーマにないものは、わざわざ高針まで行かないといけないなんて、不便になったものだ。
この写真も空のノイズと、のっぺり具合が気になる。超高感度と明るめの空は相性が悪いことが分かった。なるべく空の割合を少なくした方がよさそうだ。

ハイエースからの帰り道。高針橋東交差点の手前。左前には愛知トヨタのディーラーが見えている。
この交差点を右折して、西友へ行った。中に入っている無印良品へ行くためだ。ここの無印も、昔からちょくちょく行っている。このときは、エコバッグとかを買いに行った。スーパーとかの買い物袋もいよいよ有料になってきて、主婦ではない私もエコバッグを持ち歩かないといけないことになってきた。地球温暖化防止のためというよりも、考えたら必要以上の袋とかは無駄だと前から思っていた。無印のエコバッグは3種類くらいあって、真ん中の大きさの70円のを買ってみた。ぺらぺらで使い切りみたいな感じだけど、とりあえずこれで様子を見よう。買い物によってはこのサイズでは入りきらないから、何種類か用意しておかないといけないのかもしれない。
写真については、これだけ暗部が多くなると、ノイズは黒の中に沈み込んで打ち消されてしまっている。レタッチソフトで明るくするとノイズも浮いてくるから、そのあたりは写真によって手動で調整していくことになる。
今回は試さなかったけど、レタッチソフトのノイズ除去をかけた場合、解像感はどんな感じになるのかというのも知りたいところだ。ノイズを消して、その上からシャープをかければ、解像感はある程度戻るものなのだろうか。

再び郵便局東交差点。今度は反対側から。
シャッタースピードは1/40くらいあったと思うけど、交差点を渡る自転車はブレて半分消えている。こういう狙いで撮るなら、それもいい。たくさんの人が渡っている交差点をこんなふうにして撮ると、スピード感のある写真になって面白い。今度名駅か栄あたりでやってみよう。
このシーンでもノイズはさほど気にならない。シチュエーションによって実際のノイズ量も違っているのか、それとも人の目の感覚的な問題なのか。

これは別の日。夕方、天子田交差点。ここを真っ直ぐ行って少し左に入ったところが天子田小学校。天子田の読みを正解できるのは、地元の人間だけ(あまこだ)。
ノイズは多いような少ないような、どっちつかずだ。全体的にディテールが失われているのは間違いない。電線の描写も少し不自然な感じになっている。
シャッタースピードが速かったようで、右折する車が止まっていてブレていない。ブレるのと、ブラすのと、止めるのと、意識的にコントロールできればそれに越したことはない。

大森の洋菓子ナポリ。ここも古い。昭和の洋菓子屋さん然としている。
何度かここのケーキは食べたことがある。とても基本に忠実にケーキという印象だ。今どきは、甘さ控えめとか、見た目重視とか、気取ったものが多くなったケーキだけど、たまにこういうところのものを食べるとホッとする。場所もよくないのにここまで持っているということは、昔からのおなじみさんが多いのだろう。
これもあまり高感度ということを意識させない写真だ。かなり暗いシチュエーションだから、普段なら撮るのをあきらめている。時間的な余裕があれば、最初に高感度を撮って、2枚目、3枚目で感度を下げて押さえ撮りしておくという方法もある。ノイズと画質のトレードオフということで、あとから選択すればいい。

大森のファミリーマート。わりと最近できた店だ。最近といってもここ何年かだろうけど。
この写真は超高感度にもかかわらず、グラデーションがよく出ている。感度を上げると物体のディテールが失われるだけでなく、色の再現性も低くなる。でも、この写真は悪くない。
周辺減光は高感度とは関係なくて、このレンズの欠点だ。個人的には周辺減光は嫌いじゃない。

子供の頃、このあたりに住んでいたので、大森というのは馴染み深くもあり、懐かしくもある場所だ。
この和菓子屋さんは、私が物心つく前から営業していた。子供の頃でさえずいぶん年季が入っていたから、だいぶ長く続いている。代替わりもしたのだろう。店の名前が思い出せなくてネットで調べた。ああ、そうそう、大泉堂だ。もう何十年もここのまんじゅうは食べてない。あの頃と変わったのか変わってないのかも、今となっては判断ができない。
子供の頃は、ここの横を通って、裏を抜けて父親と雨池へよく釣りに行った。あの当時は雨池もぼうぼうの草に覆われた野生の池で、よくヘビとかもいた。フナとかコイとかけっこう釣れた記憶がある。今はすっかり人工の池になってしまった。それでもたまに、渡りのカモなどを撮りに行く。このブログでもちょくちょく登場している。今年もミコアイサはやって来てくれるだろうか。
写真はこれも高感度っぽくない仕上がりになっている。どういう状況のときに高感度を使えばいいのか、まだよく分からない。

ここも大昔からあるレコード屋だ。名前からしてレコード屋から変わっていない。まだカセットも売ってるようだ。
私がこのあたりに住んでいたのは、幼稚園の頃だから、自分でレコードを買うということはなかった。でも、「泳げたいやきくん」を買ってもらったのはここだったかもしれない。あとは母親の付き添いで入ったくらいだ。
自分でレコードをよく買ったのは、元補の「サニーレコード」だ。その店ももう、ずいぶん前になくなった。店主のおじさんの顔はよく覚えている。

昔住んでいたアパートは、二世帯住宅の三階建ての立派な家になった。これは当時の大家さん一家の家だという話を聞いた気がする。
このアパートと、中庭と、大家さんの家と、それら断片的なところから私の記憶は始まっている。それ以前のことは思い出せない。アパートの2階の廊下とか、入り口の様子なんかは覚えている。今はそれらの面影はまったくなくなってしまった。
屋根の上に出ているのは、半月だった。ぼんやりしてしまって形もよく分からない。微妙な手ぶれだろうか。

かなり暗くなった矢田川の土手。夕焼け色がまだ残っていてきれいだと思って撮ったのに、写真ではあまり色が出ていない。そのあたりも高感度によるものだと思う。グラデーションがきれいじゃない。
ただ、ここまで暗くても撮れてしまうのがISO1600だ。階段にしゃがんで、肘をヒザの上に乗せて固定して、シャッタースピードは1/2くらいだった。

土手の下にとめた車の中からフロントウィンドウ越し。
実際はここまで暗くなかったのだけど、写真をこれ以上明るくするとノイズまみれになってしまうので、ここまでにしておいた。空の色が、筆で塗ったようになっている。車のヘッドライトに騙されて、シャッタースピードが速くなりすぎたというのもある。絞りやシャッタースピードによるノイズ量の変化というのもあるかもしれない。
2日間の実験的高感度撮影で得られたのがこれらの写真だ。把握できたところもあり、まだ掴み切れていないところもある。どういう条件なら積極的に高感度を使っていっていいのかというは、ちょっと分からない。デジの小さな液晶モニターでは、細かいところまでは判断できない。やはり、条件を変えて何枚か撮っておくというのが自衛策ということになるのだろう。
小ネタの企画ものとしては、なかなか面白かった。近所も回れたし、そういう部分でも収穫はあった。大森も、もうちょっとちゃんと歩いて写真を撮っておこう。大森銀座や、昔のスーパーのあたりがどうなってるのか気になるところだ。
明日からはフィルム写真シリーズがしばらく続くことになる。大きなネタはないけど、小ネタがいくつかあって、企画ものもある。
ヒザの回復を待って、来週は遠出もしたいと考えている。