カテゴリ:カメラ(Camera)

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  • α55はどうなんだろう ~東山植物園にて

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    2011/06/29

    カメラ(Camera)

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    2008/12/28

    カメラ(Camera)

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    2008/10/11

    カメラ(Camera)

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α55はどうなんだろう ~東山植物園にて

カメラ(Camera)
東山植物園-1

SONY α55 + TAMRON 90mm f2.8 Di



 ちょっとした気の迷いで、SONYのα55を買ってしまった。
 ずいぶん前からαシリーズには興味があって、一度SONYのαを使ってみたいと思っていた。もう4、5年前になるだろうか。MINOLTAのα-7を少しだけ使ったことがある。あれから月日は流れ、時代は変わった。すでにMINOLTAは撤退し、SONYは次々に新しい一眼を開発してきた。
 αにとっても、SONYにとっても、α55は一つの分岐点になるデジイチだと思う。現状考えられるあれこれの機能を盛り込み、固定式の半透過ミラーという新たな技術を投入してきた。長らく待たれていたα700の後継機も、どうやらα55の延長線上に位置するα77になるようだ。
 ずっとα700が欲しくて手頃な値段のものを探していたのだけど、縁がなくてなかなか買えず、ひょんなことからα55が買えてしまったのだった。カメラやレンズではよくそういうことがある。金額だけで買える買えないが決まるわけではない。
 そんなわけで、しばらくα55を使っていこうと思っている。あっさり手放してしまうかもしれないし、もしかしたらPENTAXから乗り換えることもあるかもしれない。
 しかし、使うといってもまだレンズが揃っていないし、メインとしてバリバリ活躍させるというところまでいっていない。α55はバッテリーの持ちが悪く、予備のバッテリーを買わないと一日使えないという問題もある。100パーセントの表示からみるみる数字が減っていくのを見ると不安になる。
 今手元にあるαレンズでまともに使えるものはTAMRONの90mmマクロだけということで、まずは植物園で試し撮りしてみることにした。
 とりあえず2時間ほど使ってみた感想としては、質感が安いというのが第一印象だった。特にシャッターがよくない。感触もシャッター音もエントリー機のものだ。人前で押すのがためらわれる。
 全体的な印象は昔のnewキスデジに似ていると思った。最近のキスデジは触っていないからよく知らないのだけど。
 EVF(電子ビューファインダー)に関しては、思ったよりも違和感がない。ファインダーで見る映像と撮れる画像が近いというのはむしろ有利と言える。マニュアルでのピント合わせは少し厳しい。
 EVFと液晶ライブビューとの連動も悪くない。慣れればシーンに応じて素早く使い分けられるようになると思う。
 一番問題に感じたのは、上部に液晶の小窓がないことだ。ISO感度とか絞りとか残り撮影枚数とか、素早く確認したい情報がすぐに見られないのはすごく不便だ。いちいち液晶やファインダーをのぞかないといけない。
 使い始めてすぐ、これは駄目かなと正直思った。早くも売ることを考え始めたのだったけど、帰ってきて撮れた写真を見て、むむむ、とうなってしまった。トータル画質はK-7より上かもしれない。またちょっと考えが変わった。
 αシリーズを使ってみたいと思ったのは、α特有の色味を手に入れたいと思ったからだった。特にα700の画質にそれを感じた。ハイキーにしたときの透明感や色味といったものは、PENTAXでもCanonでも出せないものだ。
 どのメーカーにもそれぞれの特徴があり、一長一短がある。何を犠牲にして何を得るか、その選択が難しくもあり、楽しくもある。
 α700にいまさら戻ったところでたぶん不満も出てくるだろう。ライブビューがないのも痛い。αならいずれフルサイズのα900にステップアップということも考えられるから、まずはα55でレンズを揃えていくことにしようか。
 いずれにしても、写真を撮らなければ話にならないわけで、カメラがどうこういう前に、もっといい写真を撮れるようにならなければいけないのだった。

東山植物園-2

 αの色味の特徴として、緑の表現が独特というのがある。ちょっとやりすぎというか、やや作り物めいた感じがする。PENTAXも緑はきれいだけど、これほどきれいすぎない。
 しかし、解像してるなぁ。

東山植物園-3

 湿地エリアには、ハッチョウさんがたくさんいた。季節はもう、すっかり夏だ。
 ハッチョウトンボは海上の森で撮らないと気分が出ないので、そこそこで切り上げた。もっと光や水のキラキラと絡めて撮りたい。

東山植物園-4

 この色味が欲しかった。この色味と透明感は、PENTAXでは出せない。レタッチソフトでパラメーターをいじってどうにかなるものではない。
 これを見せられてしまうと、やはりαを使いたくなる。

東山植物園-5

 色の印象が強い。彩度を大きく上げているとかではない。
 色味についてはそれぞれの好みがあって、どれが正解というわけではないのだけど、私は好きだ。

東山植物園-6

 八重ヤマブキがポツリと一輪、咲き残っていた。

東山植物園-7

 ユリに似た小さな花だなと思ってプレートを見たら、ヒメユリとあった。なるほど、これがヒメユリか。見たのは初めてじゃないかもしれないけど、ちゃんとヒメユリと認識したのは初めてだった。

東山植物園-8

 ハエと思ったらハナアブか。
 花はオカトラノオだろうか。

東山植物園-9

 池ではたくさんのトンボたちが飛び交い、縄張り争いを繰り広げていた。
 飛んでいるトンボを狙うも不発に終わる。高速移動しているものを追うにはライブビューもEVFも不利のようだ。
 10連写はまだ試していない。オートフォーカスの追従性はどの程度のものなのか。

東山植物園-10

 葉っぱにしがみつくハナアブがかわいかった。

 2時間程度ではまだまだ使いこなすところまではいかなかった。もう少し回数を重ねないと分からないこともある。
 まずは50mmの明るい単焦点を買い足して、自転車散策でも使ってみたい。そのときの使い勝手次第ではメイン機に昇格させられる。

使ってないSIGMAのレンズを発掘して光輪写真を撮って楽しむ

カメラ(Camera)
SIGMAで光写真-1

PENTAX K100D+SIGMA Z 135mm f2.8 Pantel



 年末でカメラ関係の整理をしていたら、見慣れないレンズが出てきた。
 SIGMA Z 135mm f2.8 Pantel
 こんなのいつ買ったっけ? かすかな記憶はあるけど、使った覚えがない。自分のブログ内検索をしてみたら、一度も登場していない。買ったときに試し撮りくらいはしただろうけど、その後すっかり存在を忘れてしまっていたらしい。Takumarなんかのレンズを買い集めていたときだろうから、もう2年くらい前になるんじゃないだろうか。
 手放すにしても一度くらいは外に持ち出して使ってみようということで、夜にはなっていたけどK100Dにつけて軽く試し撮りをしてみることにした。
 f2.8と明るめのレンズではあるものの、135mm(200mm換算)の望遠レンズとなると、暗いところはブレて撮れない。とりあえず明るいものを撮ろうと思って街灯を撮ってみたら、不思議な描写になった。なんだ、この光の輪は。これも一種のフレアというかゴーストだろうか。こんな形のものは初めて見る。
 昔からSIGMAのレンズは逆光に弱いというのが定説だったけど、なるほどこういうことかと納得するものがあった。何しろこのレンズ、1975年発売のオールドレンズだ(M42マウント)。マルチコートとはなっているものの、当然デジタルでの使用などは想定されていない。
 個人的にはこういうCGっぽい光は好きなので、面白い効果と思って楽しめる。違う光を撮るとどうなるんだろうと興味がわいて、何枚か写してみた。

SIGMAで光写真-2

 暖色系の光だと赤くなる。光の模様は共通するものがあるようだ。
 太陽を写すとどんなふうになるんだろう。
 都会のイルミネーションを写すともっと面白い描写になるんじゃないか。いろんな光源が混在しているところで撮るとどうなるか試してみたい。

SIGMAで光写真-3

 LEDのような弱い光だと写りは普通だ。やや滲んでいるのは、たぶん手ぶれだろう。
 絞り開放f2.8で撮っているというのもあるかもしれない。今回の写真は全部f2.8で撮っている。

SIGMAで光写真-4

 反射した光を写してもわりと普通で面白みがない。遠くの街灯の光にも光輪はできていない。強めの光を直接画面に入れると光の輪が生まれるようだ。

SIGMAで光写真-6

 車のヘッドライトにもやはり反応している。シチュエーションを選べば他のレンズでは撮れない写真が撮れそうな予感がある。ネオン街とかだとどうなんだろう。
 たとえば人物の後ろに光を入れると、後光を背負ったポートレートなんてのも撮れるんじゃないか。

SIGMAで光写真-5

 運転中に撮ったものなのでかなりブレている。確かシャッタースピードは1/15とかだったと思う。135mmでは手ぶれ補正機能があっても止められない。
 信号の赤い光に弱く光輪が出て、車のテールライトの赤色とつながって輪になっている。
 最近のデジタル対応をうたっているレンズの中には、光学系が共通でコーティングだけデジタル対応にしているものがあるから、この光輪もコーティングが要因なのかもしれない。そのあたりの仕組みはよく分かってないのだけど。

SIGMAで光写真-7

 車のヘッドライトが画面左に入って、逆光で画面全体がフレアっぽくなっている。太陽を正面に入れると相当コントラストが落ちそうだ。上の写真でも、元画像からかなりコントラストを上げている。
 遊びで使うには面白いレンズだけど、常用するには難しい。

SIGMAで光写真-8

 もう時季はずれとなったイルミネーションツリーがまだ飾ってあった。25日でどこもバタリと終わってしまうと寂しいから、こうやって少しくらいは残しておいてくれると嬉しい。年越しまでは続けて欲しいところだ。
 弱い光ではまともな写真になる。昼間でも順光ならまったく普通のレンズとして使えるんじゃないか。
 描写の実力はよく分からない。今回はすべて夜の手持ちで絞り開放という普通の使い方をしていない。
 実はこのレンズにはもう一つ大きな特徴があって、それはパンフォーカスで撮れるというものだ。手前から背景まですべてにピントを合わせることをパンフォーカスといって、携帯のカメラでピント機能がないものなどもそうだ。通常は広角レンズを使って最小絞りで撮る。
 望遠でパンフォーカス撮影というのは普通では考えられないことで、この機能は特殊なものということになる。絞りf22の次にf64というのがあって、4メートルから無限遠まですべてピントが合うようになっている。
 f64などというのはどんなものか想像がつかない。明るい昼間でも手持ちでは無理なのかもしれない。マニュアルモードでもシャッタースピードは最長30秒だから、どれくらいの明るさで撮れるのか見当がつかない。30秒以上の長時間露光をするためのレリーズは持っていない。
 土門拳はパンフォーカスで仏像を撮っていた。大判のカメラだから35mmカメラとは違うけど、土門拳は何時間という露光をしていたらしい。デジカメでf64なんて絞りにすると、光の回折現象でかえって画質が落ちる可能性もある。
 なんにしても一度試してみないと始まらない。

 カメラネタはちょっと久しぶりだったろうか。頻繁にやるとうっとうしいけど、たまにだからご勘弁を。
 ここのところデジの入れ替えが激しくなっている。あまり使わなくなったデジを手放したり、以前に使っていたものを買い戻したりしつつ、一度整理しようとしているところだ。
 PENTAXのK10Dの質感が思ったほどよくないのは残念だ。これが決定打で、こいつをメインにすればしばらく他のものは買わなくてもいいと思っていたのに、ちょっと期待はずれだった。PENTAXのデジは、いまだに初代のistDを超えられていないんじゃないか。本当に中級機と呼べるのはあれだけだ。持ったときの質感もよかったし、何よりシャッター音が最高に気持ちよかった。シャキーン、シャキーンと軽快に響く音が気持ちよくて、何度も空押ししたものだ。K10DはK100Dとほとんど変わらない。カッシャン、カッシャンとショックも大きく、心地よくない。K20Dではそのあたりが改良されているんだろうか。
 サブはCanonにして、NikonとαとOLYMPUSからは撤退する。NikonのD100だけは好きでもう一度買い戻したいと思っているけど、D200が値下がりしたら買ってみたい。
 CanonはD30から始まって10D、20Dと飛んでしまったので、間を埋めるべくD60を買ってみた。digicになる前のナチュラル発色を見てみたくて。確かにこってりした色乗りはいいものの、ノイズが多くて高感度で使えないのはつらい。20Dを使ったあとではいろいろアラも目立つ。ついでに10Dも買い戻してみたところ、やっぱり10Dはいい。軽快で静かなシャッターは20Dより上だ。画質の面でも明るい部分は20Dより粘りがあるので、写真を明るく仕上げることができる。動作のトロささえ我慢できればサブは10Dでもいい。
 いずれにしても、メインとサブの2台に絞りたい。レンズもいろいろ処分して、だいぶ身軽になった。
 そんなこんなのカメラトークでした。

大きいサイズのデジカメプリントのススメ

カメラ(Camera)
デジカメプリント

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4 ED



 注文したデジカメプリントが仕上がって送られてきて、その写真を撮っていたらアイが割り込んできた。最初は、おい、キミ、邪魔だよとか思ったのだけど、せっかくだからアイも入れて撮ってしまおうということになったのがこの写真だ。写真嫌いのアイが珍しくカメラ目線をしたままじっと動かなかった。今日はなんとなく撮られたい気分だったのだろうか。
 大きいサイズのプリントは今回が二度目で、店を変えてみたらこれが思った以上によかった。FUJICOLORプリントというのもあったのか、コントラスト、彩度とも高めで、私の好みに合っていた。
 デジカメプリントん
 値段の安さに惹かれたのだけど、質もなかなか高い。
 A4(210×297)でも220円で、今は10パーセントオフのセールもやっている。
 同じサイズのものをカメラのキタムラでやってもらうと630円だから、送料の200円を足してもこちらの方が安い。
 なんだか半分宣伝のようになってしまったけど、大きいサイズのプリントはとてもいいものなので、やったことがない方はぜひ一度やってみることをオススメしたい。Lサイズなんかとは全然違う。自分の写真ではないみたいに思うはずだ。
 大きいサイズにしてフォトコンに応募するというのもいい。選ばれなくても楽しみが増えるし、もっと写真が上手になりたいと思うようにもなる。
 私は今年まったく駄目だったから、このプリントを年末ジャンボ宝くじのつもりで出してみようと思っている。

つなぎの小ネタはISO1600の高感度で撮る近所写真

カメラ(Camera)
ISO1600-1

Canon EOS 20D+Canon EF-S 17-85mm f4-5.6 IS



 養老シリーズが終わって、ちょっと一服。すぐにでも遠出をして新しいシリーズを始めようと考えていたのだけど、ヒザを痛めてそれができなくなってしまった。養老歩きは思った以上のダメージを私に与えていたようで、それに加えて車を降りるときにグキッとひねっておかしくなった。ここ数日の私は、おじいさんのようにたどたどしい足取りだった。
 とりあえずそれもどうにか治ったものの、またすぐに10時間歩きとかしてしまうと悪化しそうなので、今週は自重することにした。来週に延期だ。
 ここのところずっとフィルムで写真を撮っていて、5本まとめて現像に出すと安くなるというので、頑張って5本撮りきって現像に出したのが出来上がってきた。36本撮りだから、150枚以上で、一日15枚使ったとしても10日分のネタができたことになる。これでしばらくはネタ不足から解放されそうだ。自転車操業的ブログ更新はきつい。
 早速今日からフィルム写真をとも思ったのだけど、その前に一つ小ネタを挟むことにした。超高感度のISO1600で撮る近所回りの写真という、ちょっとした企画ものだ。
 デジカメ写真のノイズは、フィルムとは違って味にならないことが多いから、あまり好きではない。だから、普段も極力低感度で撮るようにしている。デジイチ史上ベスト3に入るくらいノイズが少ないとされるEOS 20Dでさえ、ISO100以上に上げることはめったにしない。どうしてもというときだけISO400までは上げるけど、それ以上は上げたくないから上げない。これまでずっとそうしてきた。
 それがたまたま誰かのページで、わざと高感度のザラザラ写真を上手に撮っているのを見て、真似したくなった。なるほど、ノイズというのもシーンによっては味付けになるかもしれない。
 結果的に狙ったほど成功した写真は撮れなかったのだけど、常用は無理でも実用レベルで使えることが分かった。ISO800なら完全に常用範囲だ。確実に手ぶれするシーンでも、撮れないとあきらめてしまう前に高感度で撮っておけば、あとから使える写真になることが多いに違いない。低感度にこだわって手ぶれ写真で没にしてしまうよりも、画質は落ちてもブレてない写真の方がいい。
 ISO1600と手ぶれ補正レンズを使えば、かなり暗い状況でも撮れる。1/10秒あればなんとか止まる。夜でもシャッタースピードを稼ぎたいシーンもある。
 せっかくのデジなのだから、もっと幅広くデジの特性を活かして撮ればいい。フィルム写真を撮ることの不自由さの中でデジの自由度の高さを思い出したという部分もある。デジから入った人間にとっては、途中でいつでも感度を変えられるのは当たり前のことと思ってるけど、フィルムで長く撮っていた人にとってはこんなにありがたいことはないだろう。ISO100のフィルムを一度入れたら、最後までそれを通すしかない。
 というわけで、今回は感度をISO1600に固定して、夕暮れから夜にかけて近所まわりで、あれこれ試し撮りをしてきた。もう少し幅広くいろいろな被写体をいろんな条件で撮れるとよかったのだけど、お手軽企画ということで2日で済ませてしまった。続編があれば、そのときは昼間の明るいときに高感度で撮るとどんな感じになるのかを試してみたいし、室内編というのも考えられる。

ISO1600-2

 大森IC南交差点。正面に見えているマクドナルドは古い。この左後ろあたりにモスバーガーもある。両方とも、一回も入ったことがない。このあたりは頻繁に通る場所だけど、行動範囲ではない。
 こういう明るめのシーンの場合、ノイズも気になるけど、それよりものっぺりとして立体感がなくなってしまうという弊害が出る。人の目は暗部に対するノイズはあまり気にならず、明暗の明の方に目がいくから、そちらの部分が悪印象だと全体の印象が悪くなる。
 遠方の建物などのディテールも失われてしまっている。

ISO1600-3

 東名阪の下、302号の郵便局東交差点。ここを右折したところにある名東郵便局はしょっちゅう行っている。集荷郵便局で、時間外の窓口が常に開いているから。
 この写真は、それほど超高感度写真という感じがない。もちろん、等倍で見ればノイズだらけなのだけど、これくらいのサイズになると気にならなくなる。明暗の暗の部分が多いからというのもありそうだ。
 シャッタースピードが速くなって、走ってる車の被写体ブレが少なくなっている。感度を下げるほどに被写体ブレは激しくなり、車のボケ具合も違ってくる。常に絞り優先モードで撮っているから、そのあたりは感度の上げ下げで調整していけばいいのだろう。

ISO1600-4

 かなり暗くなり始めて、雨まで降ってきたところ。高針あたり。左手は牧野ヶ池緑地で、もう少し行くと植田鴻ノ巣交差点がある。そこを右折して、ハイエースに向かう途中。昔は近所に、マルスやナカイや名鉄ホームセンターやプラザなど、たくさんホームセンターがあったのに、今はカーマだけになってしまった。ホームセンター好きの私としては残念でならない。カーマにないものは、わざわざ高針まで行かないといけないなんて、不便になったものだ。
 この写真も空のノイズと、のっぺり具合が気になる。超高感度と明るめの空は相性が悪いことが分かった。なるべく空の割合を少なくした方がよさそうだ。

ISO1600-5

 ハイエースからの帰り道。高針橋東交差点の手前。左前には愛知トヨタのディーラーが見えている。
 この交差点を右折して、西友へ行った。中に入っている無印良品へ行くためだ。ここの無印も、昔からちょくちょく行っている。このときは、エコバッグとかを買いに行った。スーパーとかの買い物袋もいよいよ有料になってきて、主婦ではない私もエコバッグを持ち歩かないといけないことになってきた。地球温暖化防止のためというよりも、考えたら必要以上の袋とかは無駄だと前から思っていた。無印のエコバッグは3種類くらいあって、真ん中の大きさの70円のを買ってみた。ぺらぺらで使い切りみたいな感じだけど、とりあえずこれで様子を見よう。買い物によってはこのサイズでは入りきらないから、何種類か用意しておかないといけないのかもしれない。
 写真については、これだけ暗部が多くなると、ノイズは黒の中に沈み込んで打ち消されてしまっている。レタッチソフトで明るくするとノイズも浮いてくるから、そのあたりは写真によって手動で調整していくことになる。
 今回は試さなかったけど、レタッチソフトのノイズ除去をかけた場合、解像感はどんな感じになるのかというのも知りたいところだ。ノイズを消して、その上からシャープをかければ、解像感はある程度戻るものなのだろうか。

ISO1600-6

 再び郵便局東交差点。今度は反対側から。
 シャッタースピードは1/40くらいあったと思うけど、交差点を渡る自転車はブレて半分消えている。こういう狙いで撮るなら、それもいい。たくさんの人が渡っている交差点をこんなふうにして撮ると、スピード感のある写真になって面白い。今度名駅か栄あたりでやってみよう。
 このシーンでもノイズはさほど気にならない。シチュエーションによって実際のノイズ量も違っているのか、それとも人の目の感覚的な問題なのか。

ISO1600-7

 これは別の日。夕方、天子田交差点。ここを真っ直ぐ行って少し左に入ったところが天子田小学校。天子田の読みを正解できるのは、地元の人間だけ(あまこだ)。
 ノイズは多いような少ないような、どっちつかずだ。全体的にディテールが失われているのは間違いない。電線の描写も少し不自然な感じになっている。
 シャッタースピードが速かったようで、右折する車が止まっていてブレていない。ブレるのと、ブラすのと、止めるのと、意識的にコントロールできればそれに越したことはない。

ISO1600-8

 大森の洋菓子ナポリ。ここも古い。昭和の洋菓子屋さん然としている。
 何度かここのケーキは食べたことがある。とても基本に忠実にケーキという印象だ。今どきは、甘さ控えめとか、見た目重視とか、気取ったものが多くなったケーキだけど、たまにこういうところのものを食べるとホッとする。場所もよくないのにここまで持っているということは、昔からのおなじみさんが多いのだろう。
 これもあまり高感度ということを意識させない写真だ。かなり暗いシチュエーションだから、普段なら撮るのをあきらめている。時間的な余裕があれば、最初に高感度を撮って、2枚目、3枚目で感度を下げて押さえ撮りしておくという方法もある。ノイズと画質のトレードオフということで、あとから選択すればいい。

ISO1600-9

 大森のファミリーマート。わりと最近できた店だ。最近といってもここ何年かだろうけど。
 この写真は超高感度にもかかわらず、グラデーションがよく出ている。感度を上げると物体のディテールが失われるだけでなく、色の再現性も低くなる。でも、この写真は悪くない。
 周辺減光は高感度とは関係なくて、このレンズの欠点だ。個人的には周辺減光は嫌いじゃない。

ISO1600-10

 子供の頃、このあたりに住んでいたので、大森というのは馴染み深くもあり、懐かしくもある場所だ。
 この和菓子屋さんは、私が物心つく前から営業していた。子供の頃でさえずいぶん年季が入っていたから、だいぶ長く続いている。代替わりもしたのだろう。店の名前が思い出せなくてネットで調べた。ああ、そうそう、大泉堂だ。もう何十年もここのまんじゅうは食べてない。あの頃と変わったのか変わってないのかも、今となっては判断ができない。
 子供の頃は、ここの横を通って、裏を抜けて父親と雨池へよく釣りに行った。あの当時は雨池もぼうぼうの草に覆われた野生の池で、よくヘビとかもいた。フナとかコイとかけっこう釣れた記憶がある。今はすっかり人工の池になってしまった。それでもたまに、渡りのカモなどを撮りに行く。このブログでもちょくちょく登場している。今年もミコアイサはやって来てくれるだろうか。
 写真はこれも高感度っぽくない仕上がりになっている。どういう状況のときに高感度を使えばいいのか、まだよく分からない。

ISO1600-11

 ここも大昔からあるレコード屋だ。名前からしてレコード屋から変わっていない。まだカセットも売ってるようだ。
 私がこのあたりに住んでいたのは、幼稚園の頃だから、自分でレコードを買うということはなかった。でも、「泳げたいやきくん」を買ってもらったのはここだったかもしれない。あとは母親の付き添いで入ったくらいだ。
 自分でレコードをよく買ったのは、元補の「サニーレコード」だ。その店ももう、ずいぶん前になくなった。店主のおじさんの顔はよく覚えている。

ISO1600-12

 昔住んでいたアパートは、二世帯住宅の三階建ての立派な家になった。これは当時の大家さん一家の家だという話を聞いた気がする。
 このアパートと、中庭と、大家さんの家と、それら断片的なところから私の記憶は始まっている。それ以前のことは思い出せない。アパートの2階の廊下とか、入り口の様子なんかは覚えている。今はそれらの面影はまったくなくなってしまった。
 屋根の上に出ているのは、半月だった。ぼんやりしてしまって形もよく分からない。微妙な手ぶれだろうか。

ISO1600-13

 かなり暗くなった矢田川の土手。夕焼け色がまだ残っていてきれいだと思って撮ったのに、写真ではあまり色が出ていない。そのあたりも高感度によるものだと思う。グラデーションがきれいじゃない。
 ただ、ここまで暗くても撮れてしまうのがISO1600だ。階段にしゃがんで、肘をヒザの上に乗せて固定して、シャッタースピードは1/2くらいだった。

ISO1600-14

 土手の下にとめた車の中からフロントウィンドウ越し。
 実際はここまで暗くなかったのだけど、写真をこれ以上明るくするとノイズまみれになってしまうので、ここまでにしておいた。空の色が、筆で塗ったようになっている。車のヘッドライトに騙されて、シャッタースピードが速くなりすぎたというのもある。絞りやシャッタースピードによるノイズ量の変化というのもあるかもしれない。

 2日間の実験的高感度撮影で得られたのがこれらの写真だ。把握できたところもあり、まだ掴み切れていないところもある。どういう条件なら積極的に高感度を使っていっていいのかというは、ちょっと分からない。デジの小さな液晶モニターでは、細かいところまでは判断できない。やはり、条件を変えて何枚か撮っておくというのが自衛策ということになるのだろう。
 小ネタの企画ものとしては、なかなか面白かった。近所も回れたし、そういう部分でも収穫はあった。大森も、もうちょっとちゃんと歩いて写真を撮っておこう。大森銀座や、昔のスーパーのあたりがどうなってるのか気になるところだ。
 明日からはフィルム写真シリーズがしばらく続くことになる。大きなネタはないけど、小ネタがいくつかあって、企画ものもある。
 ヒザの回復を待って、来週は遠出もしたいと考えている。
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