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  • 日間賀島でイルカにお触りをしてウハウハの大人たち <第五回>

    PENTAX K100D+TAMRON SP 17-35mm f2.8-4 / TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di 日間賀島初夏の呼び物として、イルカとのふれ合い体験イベントというものがある。毎年5月、イルカが島にやって来て、2ヶ月間をここで過ごしていく。 始まりは1995年の夏。南知多ビーチランドにいるイルカの研究とトレーニングを目的として始められたものだった。日頃水族館の狭いプールにいるイルカを海で泳がせたらどういう反応をするか、それはイルカにと...

    2008/07/04

    水族館(Aquarium)

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    水族館(Aquarium)

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    2008/01/04

    水族館(Aquarium)

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    2008/01/03

    水族館(Aquarium)

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日間賀島でイルカにお触りをしてウハウハの大人たち <第五回>

水族館(Aquarium)
イルカ編-1

PENTAX K100D+TAMRON SP 17-35mm f2.8-4 / TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 日間賀島初夏の呼び物として、イルカとのふれ合い体験イベントというものがある。毎年5月、イルカが島にやって来て、2ヶ月間をここで過ごしていく。
 始まりは1995年の夏。南知多ビーチランドにいるイルカの研究とトレーニングを目的として始められたものだった。日頃水族館の狭いプールにいるイルカを海で泳がせたらどういう反応をするか、それはイルカにとってよいことなのかどうなのか、囲いをした海で飼育展示する方法は可能なのかどうかといったことを見るためだったという。
 人間の考えでは、水槽よりも広い海の方が嬉しいに決まってると思いがちだけど、必ずしもそうではないようだ。イルカにもそれぞれ性格があって、海に出て喜ぶやつもいれば、逆にストレスを感じて弱ってしまうのもいるという。飼い猫を考えても、ずっと家の中で育った猫は外へ出ることを怖がる。あれと同じだ。危険な広い世界と安全な狭い世界と比べたら、安全な方がいいやつもいる。海に出したからといって単純にイルカの保養になるわけではない。
 毎年いろいろなイルカが交代に来ていて、南知多ビーチランドとしては一定の成果があがったということで、3年前から香川県のドルフィンセンターにバトンタッチされた。今年も去年に続いてメイちゃん10才とガッちゃん6才のメス2頭がやって来た。あんな遠いところから船で来たのかと思いきや、トラックに乗せて陸路で運んでいるそうだ。それは大変だ。
 外海には出られないものの、200メートル×100メートルほどの入り江の中を自由に泳ぎ回れるようになっている。ここは海水浴場でもあるので、海開きをしてからは人間との混浴になる。こんな海水浴場もめったにない。
 商売用に呼んでいるわけではないイルカたちだけど、ふれ合い体験のプログラムが用意されている。それには3段階あって、見学だけなら400円、生け簀でのタッチとエサやりは1,000円、一緒に海に入って泳ぐと2,000円という料金体系になっている。なんとなく怪しい商売みたいだな思っても口にしてはいけない。これは健全なプログラムなのだ。
 各コース1時間ごとに交代であって、午前、午後とそれぞれチャンスがある。休日などで人が多いときは定員制となるから、見られないことも出てくるかもしれない。私たちは生け簀でのタッチ&エサやりコースを選択した。このときは貸し切り状態だった。こういう体験ものは事情が許すなら平日に限る。
 上の写真はトレーナーさんがイルカを呼び寄せてトレーニングをしているところだ。これを見るのは無料だから、お金の心配はしなくていい。イルカを見た瞬間に400円を取られてしまっては、海から目を背けて歩かなくてはいけなくなってしまう。

イルカ編-2

 望遠レンズでイルカとトレーナーさんに迫ってみる。結局、この日望遠を使ったのはここだけだった。もう少し鳥とか撮るものがあると思ったけど、出番がなかった。冬場に行けばたくさんの渡り鳥たちがいるに違いない。
 水着を持っていけば、こんなふうにして海の中でイルカとふれあうことができる。ただし、その場合、写真を撮ることができないという難点がある。このためだけにデジの水中ハウジングを買って持っていくというのは贅沢な話だ。元々持っているなら持参するといいと思う。これだけ至近距離からイルカの水中写真を撮れるチャンスはめったにない。

イルカ編-3

 トレーナーさんに案内されて特設生け簀会場へとやって来た。早速イルカたちが出迎えてくれる。おー、賢いぞ。水槽の仕切りなしでこれだけ近くから見ることも初めてだ。
 それはいいのだけど、踏ん張るための足場が危うくて、うっかりすると海に落ちそうになるので焦った。手を伸ばしてイルカを触りたいし、右手に一眼のデジを持っているし、水しぶきはかかるしで、忙しいったらない。舞い上がって我を失いそうになる。海に落ちてもこの時期だから自分は平気でも、デジは即死だ。笑い話の思い出では済まない痛手を負うことになる。
 イルカプログラムのときは、あまりいいデジやレンズは持っていかない方がいいかもしれない。あとから考えたらここだけはコンパクトデジでもよかったのだ。写真がメインじゃなくてタッチが目的なんだから。荷物は事務所で預かってもらえる。

イルカ編-4

 大きな口を開けて威嚇しているわけではない。挨拶をしてくれているところだ。控えめに伸ばそうとしている私の手がちらっと写っている。最初はちょっとおっかなびっくりだった。
 バンドウイルカの歯は何本くらいあるでしょうという質問に80本くらいと答えたら、ほぼ合っていた。だいたい70本から100本くらいの間だそうだ。個体差が意外と大きい。
 イルカも魚などを食べる肉食性ではあるけど、サメのような歯は持っていない。獲物に食いつくという捕食ではなく、基本的に魚は丸呑みだ。このエサやりのときも、魚を差し出しても自分から食いつくということはなかった。放り込まれるまで口を開けて待っていて、入ってきたものを飲み込んでいた。
 イルカは言うまでもなく、ほ乳類で、肺呼吸をしている。頭の上に呼吸をするための穴を持っていて、そこから空気を吸い込んで肺で呼吸をする。呼吸の周期は40秒くらいだそうだ。呼吸のとき、ここからプシューと海水を噴き出すので気をつけないといけない。満面の笑みでイルカを眺めていると、顔中イルカの吹いた塩水だらけになってしまう。顔をびちゃびちゃにしながらにこやかな大人は格好悪い。
 海の生き物とはいえ、海水ばかり飲んでいると死んでしまう。イルカも人間と同じように尿で水分が出てしまって脱水症状を起こすことがあるという。水分は食べた魚から摂取する仕組みになっている。

イルカ編-5

 おさわりメニューは、体の各部位で、頭だけでなく、背中やおなか、胸びれや背びれ、尾びれをそれぞれ触らせてくれる。トレーナーさんの合図でヒレを差し出したり、おなかを見せたりするイルカの賢さをあらためて知る。全部分かっているようだ。
 体はどこもツルツルした感覚で、思った以上に固い。もう少しぷにゅっとした感じかと思ったら、ぐっと押してもへこまないくらいの固さを持っている。魚とはまったく違う質感だ。
 ヒレは脂肪でできている。骨が入っているヒレは胸びれだけで、背びれや尾びれには骨がない。胸びれには人間の手に相当するような5本指の骨が入っている。
 目はよく見えているようで、色も感じているのではないかと言われている。特に水中での動体視力に優れていて、空中ではぼやけてよく見えていないらしい。人間とは逆の感じだろうか。

イルカ編-6

 私とツレと、エサをあげているところ。エサは何だったか。聞いたような気がしたけど忘れてしまった。アジだったか。
 もっと手を伸ばしてやりたいのだけど、片足で支えて踏ん張っているだけだから、これ以上乗り出すと身の危険があって伸ばせない。右手にデジを構えた窓の下のロミオみたいになっている。あとから腹ばいになっている小学生の写真を見て、あれをやればよかったんだと気づいた。そうしたら落ちる心配もなくなるし、イルカとももっと近づけた。あそこで腹ばいになっている大人はいないかもしれないけど。

イルカ編-7

 次にふたりには歌を歌ってもらいましょうとトレーナーさんが言った。え、歌は私苦手なんですけと断ろうとしたら、歌うのはイルカの方だった。そういうことか、早合点して歌い出さなくてよかった。どうしてもと言われたら、なごり雪でも歌おうと思ったのに。
 イルカの歌声というか鳴き声をどう表現したらいいか難しい。空気孔から声を出しているのだそうだ。
 イルカが音声でコミュニケーションを取っているのは有名な話で、もう一つ、水中で音波を発してソナーのような使い方もしていると言われている。コウモリが超音波で世界を認識するように、イルカは音で海の世界を捉えているらしい。いわゆるエコー・ロケーションというやつだ。光が差さないときの海中は暗いから、視力だけでは限界があるのだろう。
 ついでにイルカの生態などについて少し書いておこう。
 イルカとクジラはまったく別のものと思っている人が多いかもしれないけど、両者は本質的に同じものだ。体の大きさで区別されているにすぎない。人間の分類なんてそんなもので、ワシとタカもそうだ。だいたい4メートルを超えるものをクジラといって、それ以下のものをイルカと称している。ただし、例外がいくつかあって、3メートルくらいのコマッコウやゴンドウクジラがクジラに分類されたりなんてこともある。ベルーガは別名シロイルカとも呼ばれるけど、これは5メートルを超えるから分類上はクジラとされる。
 最大のクジラはシロナガスクジラで、非公式ながら30メートルを超えるものもいたと言われている。25メートルプールに入りきらない大きさだ。
 イルカの種類は50種類弱とされている。中には川や汽水に生息するものもいる。
 イルカは賢い生き物だと昔から言われてきた。実際、体重に占める脳の割合は人間に次いで2番目に大きいことが分かっている。頭が大きい人が賢いとは限らないけど、脳が大きいというのはそれだけ有利には違いない。賢いといっても人間とは別の種類の賢さだから、比較する方が間違いなのかもしれないけど。
 常に泳ぎ続けているイルカは、かつて眠らない生き物と思われていた。しかしそれは間違いで、イルカは右脳と左脳を交互に休ませて眠っているということが分かった。左脳を眠らせるときは右目を閉じて、右脳のときは左目を閉じる。大変な特殊能力だ。確か、ドクター中松もそれができると言ってたけど、たぶんウソだと思う。
 イルカを漢字で書くと海豚になる。これは中国から入ってきた漢字をそのまま採用したからこうなった。向こうではイルカは海の豚に見えたらしい。日本語のいるかという呼び方の語源は様々な説があってはっきりしていない。個人的には入り江に入ってくる魚みたいなところから転じていったのではないかという気がする。
 イルカは現在でも近海にけっこういて、イルカの仲間のスナメリなどは三河湾にもたくさんいる。あのあたりを船でいくと、ちょくちょく見られるという。
 鳥羽の先にイルカ島というのがある。元は日向島(ひなたじま)という島で、今はイルカなどがいるレジャー施設になっている。

イルカ編-8

 一通りのタッチと歌が終わったところで、プログラムの締めくくりはジャンプの演技だった。近い、近い。近すぎてカメラに収まらなかった。けど、こんな至近距離でジャンプを見られるのも、ここならではだ。
 思った以上に楽しい体験だった。プログラムは10分くらいで、瞬く間に過ぎてしまった。これは絶対にいい。子供よりも大人の方が楽しめるんじゃないだろうか。子供にはこの体験の貴重さがよく分からないはずだから。
 今年は7月15日までだから、残りわずかとなった。機会があればぜひ行って、イルカとのふれ合い体験をしてみてください。
 しかし、イルカは大変だろう。保養に来ているはずの島で、人間の相手をしなくちゃいけないとは。ストレス解消のはずがかえってストレスにならないといいけど。
 どうもありがとう、メイちゃんとガッちゃんとトレーナーさん。最後まで無事に過ごして、元気になって香川に帰ってくださいね。また来年の初夏も来られるように。

志摩マリンランドは小ネタで笑わせる愛すべき昭和水族館

水族館(Aquarium)
志摩マリンランド3-1

FUJIFILM FinePix S2 pro+Nikkor 35mm f2D



 これまた変わった魚だなぁ。って、海女さんじゃん。いきなり何の前触れもなくこの水槽の前に出たら驚く。どうして海女さんが魚たちと一緒に泳いでいるんだと。でもこれは、ただ泳いでいるわけではない。魚のエサやりをショーにしているのだ。1時間に一回くらいという頻度で海女さんによる餌付けショーというのが行われているのだった。
 海女さんというと二見というイメージがあった。二見浦での海女さんショーは名物の一つとなっていて、私も子供の頃に見た。伊勢志摩ではどこでも海女さんが海に潜ってアワビなんかを獲っているのだろう。だから驚くことはない。
 志摩マリンランドの海女さんは専属なのか、ヘルプなのか、交代制なのか、そのあたりの詳しい事情まではよく分からない。けっこう大変そうだけど、一般的な海女さんの仕事と比べたら、一日に5回だか6回くらい水槽でエサやりをするのは楽かもしれない。かといって引退したおばさま海女ではショー向きとはいえない。このときの女の人もわりと若手のようだった。案外、水族館の飼育員が海女さんに扮しているだけだったりするのか。水槽の中からときどきこっちに向かって手を振ってくれるのでちょっと照れる。

志摩マリンランド3-2

 回遊水槽の中では、ブリやマダイ、カンパチなんかがぐるぐる止まることなく泳ぎ続けている。サメまでいるけど、きっとおとなしい性格のやつなのだろう。凶暴なやつなら海女さんがピンチだ。サメvs海女さんのショーなど誰も見たくない。コブラとマングースの決闘じゃないんだから。
 エサは何種類かあるようで、魚によって与えるものを変えていた。ショーとはいえ、魚の健康管理を考えなくてはいけないわけだから、適当にやっていいというわけではないだろう。ちゃんとまんべんなく行き渡るように気遣う必要がある。やっぱり仕事の種類としては海女さんよりも飼育員のやることだ。

志摩マリンランド3-3

 みんなはこんなふうな感じでベンチに座って見学している。ガラス面に張り付いて見ていると海女さんとの距離が近すぎて、お互いに恥ずかしい。
 光の加減もあるのだろうけど、回遊水槽はやっぱりきれいなもんだ。ぐるぐる泳いでる魚は泳ぐことに飽きそうなものだけど、魚はどんなものだと思っているのだろう。どこまで泳いでも辿り着けないような感覚はあるのだろうか。

志摩マリンランド3-4

 何しろこのときはお客さんが少なくて、人が入った写真を撮るチャンスがほとんどなかった。これは数少ないシャッターチャンスの一つだった。
 女の子二人組でけっこう盛り上がっていて、ちょっとうらやましかった。やっぱり水族館は一人で行くと寂しい。動物円以上に一人向きのスポットではないとあらためて思い知る。

志摩マリンランド3-5

 こちらは親子二人組。冬休みということで子供連れのお客さんが何組かいた。長期休みではない期間の平日はこれ以上に少ないはずで、一体どんな感じなのだろうと思う。
 入館料の1,250円は高いと思うけど、これ以上安くしてもお客は増えないだろうし、これでも赤字なのかもしれない。近鉄株主優待券の招待券が100円以下でたくさん出回っているので志摩マリンランドとしてはますます苦しいところだ。

志摩マリンランド3-6

 熱帯魚が泳ぐ水槽も少しだけある。これらは入り口付近にあって、中に進むほど地味になっていく。
 館内は螺旋状になっていて、それはアンモナイトの貝をイメージして作られているんだそうだ。でも、そんなものは入ってしまえば分からないし、上から見られる場所もないので、ほとんど意味はない。スペースの有効利用としては理にかなっていそうだ。

志摩マリンランド3-7

 地味水槽を過ぎて奥へ進んでいくと、この水族館最大の売りであるマンボウがようやく現れる。おー、マンボウか! と驚く人はあまりいないと思う。マンボウってそんなにインパクトのある魚じゃないし。むしろコミカルな風貌が笑いを誘って脱力感に襲われる。マンボウはマンボウで何の不満があるのか、常に口を尖らせて何か言いたげだ。まったくとぼけたやつだ。
 マンボウの体はまん丸かと思っていたら、思いのほか細身だ。横から見ると四角くて太っているようだけど、正面から見ると妙に平べったい。なんかおかしい。
 きょとんとした目と口はフグの仲間であることを表している。でも何故かこんな平べったい体になってしまった。おちょぼ口はエサを捕るのに向かなくて、それも水族館には向かない理由の一つとされている。
 マンボウは人工飼育が難しい魚で、だから全国的にも少なくて、志摩マリンランドが自慢したくなる気持ちは分かる。5頭くらいいただろうか。エイとの混泳は悪くないんだろうか。
 メスは一度に3億個の卵を産むらしい。産みっぱなしなのでほとんどが海に漂って他の魚に食べられてしまう。生き残るためには大いなる幸運が重なる必要がある。自然界で稚魚の姿は誰も見たことがないとか、マンボウの生態はいろいろ分からないことが多いという。

志摩マリンランド3-8

 この時期の特別展示として、今年の干支にちなんで「ネズミコーナー」というのが設けられていた。ネズミの名が付いた魚やら、ネズミに似てるやつやらが強引に集められている。淡水の熱帯魚であるミッキーマウスプラティなんかも応援として呼ばれていた。確かに一応ネズミといえなくもない。
 壁には凧も飾られていてお正月気分を演出していた。新年に伊勢志摩へ観光に行った人を呼び寄せることに成功しただろうか。福田首相や小沢一郎もここに寄っていって欲しかった。

志摩マリンランド3-9

 館内の一角には、クレーンゲームなどを置いたゲームコーナーがある。子供たちに楽しんでもらおうという気持ちは理解できるけど、この発想は昭和だ。機関車の乗り物とか、古いゲーム機に昭和の名残を感じる。
 これだけのスペースがあればもっと水族館らしい展示水槽が置けるのに。こんな使い方はもったいない。水族館へ行ってゲームをしようと考える人はほとんどいないと思うし、子供のことを思うなら、タッチ水槽でも置く方がよほど有意義だ。

志摩マリンランド3-10

 これまた中途半端な娯楽施設だ。いまどきデパートの屋上でもこんなものは置いてない。名古屋港のシートレインランドでは見たけど、あそこは例外だ。
 まあ、懐かしいといえば懐かしいから、お父さんやお母さんの方が喜びそうだ。
 このあたりのちょっとピントがずれているあたりも、志摩マリンランドの愛すべきところといえるのかもしれない。

志摩マリンランド3-11

 外のペンギンプールの近くに、干潟を再現したところがあった。どれどれ何がいるのかなとのぞき込んだら、「ただいま冬眠中」というプレートが出ていた。なるほど、そういうこともあるか。みんな砂の中に潜っているようで、何一つ見ることができない。

志摩マリンランド3-12

 志摩マリンランドを楽しむためには、まず好意的である必要がある。ここに最新式の水族館と同程度のクオリティを求めてはいけない。イルカのショーもないし、天井の上をペンギンが飛ぶなんてこともない。ここはじっくり噛みしめてしみじみとした味わいがある水族館だ。地味生物の充実度はなかなかのもので、他では見られないようなやつもいる。そういうのを楽しめる人なら、ここまで足を伸ばす価値があると思う。小ネタをたたみかけて笑わせるコメディ作品のような水族館という言い方もできるかもしれない。
 三重県のこのあたりには、全国区のメジャーな鳥羽水族館と二見シーパラダイスもあるから、それらをはしごして見比べてみるのも面白そうだ。私も二見シーパラダイスはまだ行ったことがないから、いつか機会を見つけて行きたいと思っている。鳥羽水族館も。
 そんなこんなの志摩マリンランド紹介でした。機会があれば一度行ってみてくださいと言いたいところだけど、くれぐれも期待しすぎないようにと念を押しておきます。

志摩マリンランドのお魚シリーズ第二弾はジミヘン生物特集

水族館(Aquarium)
志摩マリンランド2-1

FUJIFILM FinePix S2 pro+Nikkor 35mm f2D



 志摩マリンランド第二弾は地味生物特集をお送りしたい。地味というか変というか、海の中の多彩さには本当に驚かされる。ある意味あきれる。ここまで地味な生き物が必要なもんなんだろうかと。
 次々に繰り出されるショートジャブが私の急所に的確にヒットして、ノックアウト寸前まで追い込まれた。途中からは笑いをこらえるのに必死で、水槽を見ながらニヤついて写真を撮ってる変な男になってしまっていた。誰かに目撃されてなければいいのだが。
 今日はそんな生き物たちの写真を並べてみる。私と同じように脱力感に襲われて共感してくれる人がいるだろうか。

志摩マリンランド2-2

 子供の頃、鳥羽水族館でタツノオトシゴを見て以来ファンになった。あのときばあちゃんに買ってもらった木彫りのタツノオトシゴはどこへやってしまったのだろう。もう一度鳥羽水族館を訪れたら忘れずに買おう。焦げ茶色でテカテカとした光沢のあるやつだ。よく覚えている。今でも売ってるだろうか。
 大人になってから水族館でタツノオトシゴを見ても、相変わらず嬉しくなって、わー、と思う。変な魚だけど、なんとなく好きだ。かわいいかかわいくないかといえば、あまりかわいくはないけど。
 タツノオトシゴは世界で30種類くらいが生息しているそうだ。日本ではこういう格好をした魚の総称として使われる場合と、特定のタツノオトシゴをいう場合とある。写真のこいつは、ブラックナイトかオオウミウマか。
 こんな姿をしていてもヨウジウオ科の魚だ。エラや背びれ、胸びれなどもちゃんと持っている。一体どうしてこんな姿形になってしまったんだろう。

志摩マリンランド2-3

 海底の砂に潜り込む性質がある生物がたくさんいる。写真のこいつもそうだ。上半身だけ出して、危険が迫ると砂に潜って隠れるのだろう。
 白と黄色のコントラストがかわいい。よく見ると、模様の間隔などが違っている。
 写真は少しピンぼけか、ブレている。ガラス面に映り込んだデジと私の手が亡霊のように写っている。

志摩マリンランド2-4

 どこに何が写ってるか分からないかもしれないけど、岩の隙間から顔を出している黒と黄色の頭が魚だ。これ以上出てこなくて全身がどうなっているか私にも見えなかった。かなり警戒心が強い魚のようだ。天敵のいない水槽の中でも本能に支配されるらしい。

志摩マリンランド2-5

 これまた何が何だかよく分からない。岩にへばりついた黒いのが魚だ。地味ですなぁ。
 ピンク色のイガイガのやつも、もしかしたら生物だったかもしれない。貝か何か。

志摩マリンランド2-6

 地味魚攻撃はとどまるところを知らない。脱力感に襲われる。
 魚というと水中を華麗に泳ぐものという頭があるけど、そうじゃないやつもたくさんいるんだということを水族館は教えてくれる。一日中海底に沈んでるやつや岩にへばりついてるやつ、岩場の穴にすっこんでるやつなど、全然泳いでないやつも多い。水の中では泳がなくてはいけないと決まっているわけではないから、それでいいのだろう。エサさえ捕れれば問題ない。

志摩マリンランド2-7

 海底の地味生物でもこれくらい大きいと存在感というか説得力がある。それにしてもなんだおまえは。もうちょっとどうにかよく作ってもらえなかったのか。自分がこの生き物だったら、泣き言の一つも言いたくなる。こりゃあないよ、神様と。でも、海には鏡がないから自分の姿を知らないまま一生を終えることになるのか。
 こいつは何を食べてどんなふうに日々を過ごしているのだろう。こんな姿をしていても幸せに生きていけてるのだろうか。

志摩マリンランド2-8

 色合いは少し華やかだけど、存在としては地味であることに変わりない。ほとんど動かず、やる気が感じられない。
 どこが目でどこが口なんだろう。なんというか、手抜きで作ってしまった生物のようだ。子供の落書きをそのまま生き物にしてしまったみたいにも見える。

志摩マリンランド2-9

 こいつはまた悪そうな顔をしている。死んだ魚の目という言葉があるけど、これは全身が死んでるようだ。でもちゃんと生きていて、調子が悪いという状態ではなく、これがこいつの普通なのだと思う。
 こんなだらけた生活態度では他の魚にすぐに食われてしまいそうだけど、魚も善人面と悪人面を見分ける力があるとすれば、こいつにはうかつに近づかないはずだ。食べても美味しくなさそうだし。

志摩マリンランド2-10

 これはタコか。模様がちょっと派手だ。ややグロテスクでもある。
 しかしタコという生物も、よくよく見るとヘンテコリンな生き物だ。こんなものを食べる気がしないという世界の人の気持ちも分かる。日本人はどうしてタコを食べる気になったんだろう。

志摩マリンランド2-11

 この画面の中にいろいろな生物がいる。岩に擬態していてよく見えないけど、確かにいる。エビだけじゃなく他にも2、3種類入っていたはずだ。写真で見ると区別がつかないほど擬態している。

志摩マリンランド2-12

 地味魚は沈んでるだけなく浮いてるやつもいる。弱って水面に浮いてきたわけではなく、こいつの生きる場所はここなのだろう。ずっとプカプカ浮いて、ときどき思い出したように泳いでいた。
 どこまでも地味だ。

 いかがだったでしょう。地味魚特集は楽しんでいただけたでしょうか。
 志摩マリンランドの水槽の中には、こんなやつがまだまだたくさんいた。ここに紹介したのはごく一部にすぎない。それでも、この水族館の展示の地味さ加減はだいたい想像がついたと思う。基本的に彩り鮮やかな熱帯魚はごく一部で、どこからかき集めてきたのか見たこともないような地味生物ばかりだ。子供はあまり喜ばないかもしれない。でも、水族館好きならこのマニアックさがたまらない魅力と映るんじゃないだろうか。すごく好意的に解釈すればだけど。
 明日は志摩マリンランドの最終回ということで施設や大型展示を紹介したいと思っている。ここの一番の売りであるマンボウも登場する。マラカスを準備して待っててください。うーーー、マンボウっ!

志摩マリンランドお魚シリーズ第一弾はキレイな海の生物編

水族館(Aquarium)
志摩マリンランド1-1

FUJIFILM FinePix S2 pro+Nikkor 35mm f2D



 賢島の中でほとんど唯一といっていい観光施設が水族館の志摩マリンランドだ。賢島へ遊びに行こうと思い立って事前にネットで情報を調べると、まずはホテルの情報が出てきて、その次に志摩マリンランドが見つかる。そしてそれ以上は見つからない。他にも何かあるだろうとしつこく探してみても見つからない。だって本当に何もないんだもの。一応、テニスコートやゴルフ場はあるけど、わざわざあんなところまで行ってテニスやゴルフをしようというのは少数派だろう。
 しかもこの志摩マリンランドというのは、あまり期待できそうもない。マンボウを目玉として全面的に押し出してきているものの、マンボウってそんなに見たいものじゃない。館内マップを見ると狭そうだし、魚の種類も多くなさそうだ。行く前に格安で無料招待券が手に入ったから、時間があればついでにちらっと見ていくかくらいに考えていた。
 けど、実際に行ってみたら、これがなかなか悪くないのだ。確かに中は狭いし、魚の種類も多いとは言えない。ものすごく地味だし、昭和だし、マンボウだってかわいくない。にもかかわらず、なんだか好きだなここと思ったのは、展示されてる魚がユニークだったからかもしれない。魚というより海の生物と言い直した方がいいか。
 水族館の魚写真に関しては今回あまり気合いも入っていなかったこともあって、ラフにパチパチとシャッターを切って、名前のメモ撮りもしてこなかった。目に付いたやつだけ適当に撮って、流し見して終わらせてしまったものもいた。ただ、そのわりには写真がよく撮れていて自分でもちょっと意外だった。何も考えずに撮った方が出来がいいというのも考え物だ。
 S2proは高感度ノイズも少なめで、手ぶれ補正なしの35mm F2Dとの組み合わせだったのでISO400で撮っている。それであらためて35mm F2Dの実力の高さを知った。あまり使ってないレンズだけど、今後はもう少し積極的に使っていきたい。
 帰ってきて写真を整理してみたらけっこう使えるものがあったので、3回に分けて紹介したいと思う。まず第一弾はキレイな生物編ということでお送りします。写真としての写りがよかったものも優先させている。名前は分からないから、そのへんの説明は抜きで。

志摩マリンランド1-2

 おなじみのミズクラゲだ。これは何度か撮っている。やっぱり水槽の中のこいつは神秘的だ。海では嫌われ者だけど水族館では人気者となる。
 海中世界は宇宙と共通するものがあるというのを、この写真を見ると思う。惑星のはるか上空をただよう宇宙船を思わせる。

志摩マリンランド1-3

 ものすごく繊細な手足だ。手足ではないのかも分からないけど、極細の線が無数に体から出ている。しかもそれが長い。
 どうしてこんな体になる必要があったんだろう。

志摩マリンランド1-4

 これもクラゲの一種だったか。
 水槽の中が暗くて、こいつらもよく動くから止めきれなかった。
 それにしてもきれいなブルーだ。自然の生命体が持つ色だとは思えない。

志摩マリンランド1-5

 海にいるのは魚だけじゃない。こんなやつもいる。およそ必要とは思えない生物だけど、海には変わった生き物もたくさんいる。そういうのをなんでもかんでも受け入れるのが海の深さだ。
 これは形が変わってるだけじゃなく色も不思議だ。紫色の部分は何なんだろう。

志摩マリンランド1-6

 これも貝なんだか何なんだか。
 グロテスクにも見えるし、よくよく見ているときれいでもある。
 志摩マリンランドのよさがだんだん分かってきてもらえただろうか。

志摩マリンランド1-7

 最近よく話題になっていて知名度も上がっているクリオネ。実物を見たのは初めてだった。かなりかわいい。でも撮るのは難しい。シャッタースピードが上がらずにちょっとブレた。
 これでも巻き貝の一種で、和名をハダカカメガイという。流氷の天使なんて呼ばれたりもする。

志摩マリンランド1-8

 ウミウシの一種だろうか。気持ち悪いといえば気持ち悪いし、鮮やかといえばそう言えなくもない。
 ウミウシもたくさんの種類がいて、それぞれ色や形が違っているから、追求していけば面白い存在となる。世の中にはウミウシファンの人もいるそうだ。

志摩マリンランド1-9

 1980年代に大ブームとなったウーパールーパーと久々にご対面した。しかし、あの頃とは色も違って、成長したなれの果ての姿となっていた。ここまで大きくなってしまうとかわいくない。
 ウーパールーパーはペットとしての日本での商標名で、実際はアホロートルという名前だ。たぶんそのままの名前だったらブームにはなっていなかった。今どきの若い人は、ウーパールーパーもエリマキトカゲも知らないかもしれない。

志摩マリンランド1-10

 四角い顔をしてるからハコフグかなと思うけど定かではない。ハコフグといってもいろいろいて、一つの種類を指す名前ずあない。
 こんなに目が離れていて正面は見えるんだろうか。

志摩マリンランド1-11

 これは確かイトウだったと思う。淡水の王様とも呼ばれ、きれいな川にしか棲めないという。イトウというと「釣りキチ三平」で幻の魚として登場していた遠い記憶が蘇る。どの程度幻なのかは知らない。水族館にいるくらいだから、本当に幻というわけではない。

 発色のいいS2proは水族館向きでもあったことを発見した。手ぶれ補正じゃなくてもけっこう撮れてる。こんなことならもっと真剣に撮っておけばよかったと少し後悔した。
 ただ、それでもあと2回分は写真が残っているから、それらも出していくことにしよう。全種類撮ってたら7回シリーズくらいになってしまっていた。
 最初は見所の少ない地味水族館だろうと侮っていたけど、これがなかなか捨てがたい独自の魅力を持ったところだった。期待していかなかったのがよかったという部分もある。ざっと見るだけなら所要時間は30分とかからない。だから、生物を1種類ずつ写真を撮るには面白い水族館という限定した言い方の方がよさそうだ。
 それでは、志摩マリンランドのお魚シリーズ第二弾地味編でまたお会いしましょう。
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