
PENTAX K100D+SIGMA 17-35mm f2.8-4
鎌倉編は昨日の長谷寺で終わりといっておきながら、今日も鎌倉の写真は続く。閉店セールを延々とやってしまう紳士服店のようだ。でも、今回でホントに鎌倉編は完結となる。撮った写真をもう一度確認したら、お蔵入りにしてしまうのは残念に思えた写真が何枚かあったので、本編とは別に番外編のこぼれ写真として出すことにした。歯磨き粉とかマヨネーズとかも、使い切らずにちょこっと残っているのは気になるもので、あれと同じようなものだ。最後まで出し切ってしまえばすっきりして次へいける。

鶴岡八幡宮の造りがいかに一直線になっているかは、この写真を見てもよく分かる。鎌倉駅に近いところに一の鳥居があって、段葛の入り口に二の鳥居、上の写真は三の鳥居だ。信号を渡る手前から本宮がはっきり正面に見えている。黄色は階段途中の大銀杏だ。
今は信号機や交差点なんていう無粋なものが写り込んでしまっているけど、戦前までは鎌倉時代とあまり変わらない風景だったようだ。古い写真を見ると今とはまったく違っている。
ここを頼朝や北条政子が歩いていたんだと思うと、面白くもあり不思議でもある。鎌倉へ入ることを許されなかった義経はこの風景を見ることができなかった。

瑞泉寺の総門前。本編では別の写真を使ったけど、こっちの方がよかった。和装の女性と写真を撮る男子一人という取り合わせは鎌倉らしいワンシーンだ。京都のように作り物めいたところがない。

鎌倉は空襲にやられてないから、戦前からの古い建物も残っている。観光コースから外れた路地は、昭和の香りがする。
鎌倉も人が歩くところはだいたい決まっているから、あえてそこを外して一本中に入ってみると面白い。観光地とは別の顔を垣間見ることができる。鎌倉に住む人は観光客を受け入れつつ、自分たちの生活エリアとはきっちり線引きしているように見える。京都や奈良と比べると、住人と観光客との関わりが弱いように思う。
鎌倉、奈良、京都、同じ古都でもずいぶん性格は違っている。

民家の庭に植えられたモミジの葉が光に照らされて、秋の風情を演出していた。こういうのを見ると、自分の生活の中には風流といった要素が決定的に欠けているなと思う。風流は自分の家の外にあるもので、内にはない。盆栽でも始めてみるか。

江ノ電にはいくつかの無人駅があるけど、由比ヶ浜の無人ぶりははなはだしいものがある。改札はなく、PASMOなどのタッチパネルの装置が置いてあるだけで、うっかりしてると見落としたまま駅から出てしまいそうになる。出入りはどこからでも自由自在で、ここから乗る人は切符を買わずに江ノ電に乗れてしまう。改札を出ずにまたこの駅に戻ってきたら普通に出られる。こんなので大丈夫なんだろうか。鎌倉と江ノ電は切っても切れない仲だから、お互いに信頼関係で成り立っているということか。
朝夕の利用客が多いときだけ駅員が立っているのかもしれない。そうしないと本当にフリーパスになりかねない。

瑞泉寺のサビ猫。本編では後ろ姿しか登場しなかったから、番外編で顔をお披露目しよう。
サビ猫はなんとなく小汚いようなイメージがあったんだけど、こいつを見て印象が変わった。けっこうかわいいではないか。これからはサビ猫も好きになりそうだ。

12月ともなると花の姿はほとんどなく、撮りたくなるような野草も咲いていない。だからこんな植物でも撮ってみた。うねうねくねくねしている姿がちょっとキュートだった。何者かは知らない。

鎌倉名物の一つ、「いも吉館」の紫いもソフトクリームを試してみる。12月にソフトはないだろうと思ったんだけど、この日はけっこう暖かくて、食べるなら今日しかないっということで食べてみた。
うん、これはなかなか。イモ味というふうではなく、ちょっと変わった味で美味しかった。普通のバニラとは明らかに違う。変わり種としてではなく定番としての美味しさだ。また食べたい。

これは昨日の長谷寺紅葉ライトアップのこぼれ写真。石段を埋め尽くす群衆ぶりがよく出ている。アジサイのときより人口爆発していたかもしれない。

急にモノクロになってびっくりしただろうか。なんとなくこの写真は白黒の方が雰囲気が伝わりそうだったので、初の試みとしてやってみた。集合記念写真といえば昭和、昭和の観光地といえば白黒写真という記憶が強い。私の子供の頃の写真も、小学校にあがる前くらいまでは白黒写真だった。
集合写真ってけっこういいものだと最近思うようになった。昭和っぽくて恥ずかしいけど、そこがいい。記念写真というのは未来へのメッセージだ。今日、明日必要なものではなく、10年後、20年後になって価値を持つようになる。だから、照れずに、面倒がらずに、観光地では観光地らしい記念写真を撮っておくのはいいことだ。将来の自分たちに贈るプレゼントの気持ちで。
ハイ、チ~ズ! Vサインでにっこり。パシャ!
昭和だねぇ。
これにて鎌倉編は完結。