
PENTAX istDS+Super Takumar 50mm(f1.4), f2.8, 1/100s(絞り優先)
宝石にも金銀財宝にもまったく無縁の人生を送ってきた私が、最近水晶をつけている。水晶をのぞいているのではない。突然路上でそんな商売を始めたとかそういうことではなくて、魔よけのお守りとしてつけているという意味だ。腕が白すぎるだろう、おまえはウッチャンか、などという野次はこの際無視して、こんな感じで腕に巻いている。腕時計さえ何年もしていないくらい何もつけない私だから自分でも驚いている。
それもこれも江原啓之のせいだ。友達に教えてもらって少し前から観始めている「オーラの泉」に出ている江原のアニキは平成狸合戦の実写版だった。あるいは、インチキそうな若花田にもちょっと似ていた。花田勝氏よりもいい人そうだけど。
「オーラの泉」はとても面白い番組なのでおすすめしつつ、見ているとやっぱり江原啓之は本物感が強い。何か見えていることは確かだし、言ってることもごくまっとうなことばかりだ。正論過ぎるくらい正論と言ってもいい。美輪明宏が認めてるくらいだからニセモノではないだろう。別に全面的に肯定して信者のようになる必要は全然なくて、役に立つところだけ参考にして取り込めばいい。彼自身もスピリチュアル・カウンセラーと名乗っているように、迷える人の手助けをしてる人だ。人々に真理を与える宗教家でもない。
番組を知ってからしばらく経ったとき、たまたま「Book off」の100円コーナーで江原啓之の本を見つけた。そんなに読みたくないけど100円ならとりあえず買っておくかと思って買った本の中に、水晶の話があった。鉱物にはエネルギーが宿っていて、水晶には邪悪なものを祓ったり、精神を浄化する働きがあるという。そのときはふーんと思っただけで過ぎてしまったのだけど、しばらくしてたまたまひょいっと水晶が手に入ってしまった。何気なく見ていたオークションで安かったから。
こういう一連の流れが生まれてしまえば、もう乗っかるしかない。縁というのはそういうものだろう。それからというもの私は、競馬では連戦連勝、パチンコに行けば打ち止め、宝くじは当たって、クラスではモテモテさ! などということは一切なく、ごく平和に暮らしをしている。いや、いいことはあった。考えてみると悪いことも起こってない。気分的にも安定している。その全部をもちろん水晶のおかげだなんて思ってはいないけど、もしかしたらいいことがあるかもしれないなというプラス思考が良い波動を生んで、結果的に物事がいい方に進んでいる可能性はある。水晶を身につけていると、自分の身に危険が迫ったとき身代わりになってくれるという話もある。とりあえず何かすごく悪いことが起きるまではこのままつけていようと思う。
前にも書いたように、水晶は日本の国石だ。案外そのことは知られていないようで、なんとなく真珠がそうだと思っている人も多いかもしれない。
ダイヤモンドが太陽を象徴する石で、水晶はそれと対極にある月を表している。世界中どこででもたくさん採れるからあまりありがたがられてないものの、もしこれが貴重な石だったらダイヤモンドとセットで語られていたことだろう。
水晶は一般的に石英(せきえい)のことで、これは二酸化ケイ素が結晶してでできた鉱物だ。天然のものは六角柱状の結晶をしてることが多い。
英語では透明なものをクリスタル(ロッククリスタル)、石英をクォーツ(Quartz)として区別することもある。時計のことをクォーツ時計というのは、時計の多くが水晶発振器を利用して作られているところからきている。その他、工業用のガラス製品やデジカメのローパスフィルタなど、現在でも様々な場所で利用されている。当然、占い師も持っている。
クリスタルの語源は、ギリシャ語の氷を意味する「クリュスタロス」から転じたものだと言われている。そこから水を象徴するものにもなり、中国の風水でもよく使われている。日本でも、古くは水精と呼ばれ、農作物の精霊のように思われてきたのだとか。
水晶というのは総称であって、色や内包物によって様々な名前がつけられている。代表的なものに、アメジスト(紫水晶)、黄水晶、紅水晶、煙水晶、黒水晶、レモン水晶などがある。水晶が固まるときに細い針のようなものが入り込んだものをルチル入り水晶といって、これが金色だったりするとゴールドヘアーなどと呼ばれ価値が上がる。種類でいうと200種類以上あると言われる。
主な水晶鉱山としては、アメリカのアーカンソー州やブラジルのミーナジュライス鉱山などが知られている。日本では山梨県の乙女鉱山でかつてたくさん採れたそうだ。山梨には国内では唯一の宝石博物館がある。武田信玄も水晶の念珠を常に左手につけていたという。
水晶は天然と人工を見分けるのが難しいと言われているけど、小さな玉の装飾品は安くても天然と思って間違いないと思う。小さいものは天然でも安いからわざわざガラスなどで作るまでもない。天然の印としては、玉の中に傷が入ってることが多い(安いやつは)。ただ、占い師が持ってるような大玉の場合はちょっと注意が必要だ。ガラスではなくても、水晶を溶かして固めたやつが多いから、そういうのは安くても買わない方がいい。いきなり予備知識もなく何万もする大玉を買う人はあまりいないと思うけど。
こういうのも縁だから、見て気に入ったものを買うのがいいと江原さんも言っている。ただ、ビビビっと来たからといってすぐに飛びついてしまうとビビビ婚で離婚した松田聖子の二の舞になる可能性があるので気をつけたい。
水晶に限らず鉱物というのは、地球が長い時間をかけて育ててきたものだ。ある意味では生き物とも言える。だからエネルギーが宿り、それが良くも悪くも人体に影響を及ぼす。エネルギーは使えば減るから、そうなったら補充する必要が出てくる。水晶は特に記憶力のいい鉱物と言われていて、いろんなエネルギーを吸収しやすいとされる。
まず最初に手に入れたら、リセット作業をするようにとどこでも書かれている。半分は儀式のようであり、半分は実際的な意味でのようだ。様々な方法がある中で、流水に浸すというのと月光浴をさせるというのが個人的によさそうだと思っている。蛇口の下にボウルを置いて、その中に水晶を入れて5分ほど水を流しっぱなしにする。そのあと取り出して月光の下で自然乾燥させる。水と月の象徴であることを考えると、これが理にかなってるんじゃないだろうか。他にも土に埋めるや塩をかける、神社へ連れて行くなどの方法も紹介されている。
身につけているとエネルギーが減ったり、邪気を吸い込んだりするので、そのときは同じようにリセットしてやるといいそうだ。最近ではパソコンの電磁波を吸い取るというような言われ方もしている。
水晶にそんな力がホントにあるのかよなんて思ったなら、それはまだ縁がないということだ。ほんの少し前までの私がそうだった。縁がなければ人に勧められても持つようにはならない。信じていなければ効果も発揮しないだろう。
一つ言えることは、水晶だろうとダイヤモンドだろうと、無から有を生み出すわけではないということだ。石は魔法なんかじゃない。ただ、人の思いを感じてそれを増幅する力のようなものがあるというのは信じてもいい。単に見た目がきれいだからというだけで人類がこれほど宝石に魅せられてきたとは思えない。古代社会では呪術的な儀式に使われたり、高貴な身分の人間しか身につけることを許されなかったりしたことを考えても、人が鉱石に特別な力を感じてきたのは間違いない。精神に石が反応するというよりも、石の魅力によって精神が増幅すると言った方が正しいのかもしれない。
宝石は単なる金持ちの道楽ではない。上手につき合って、パワーを分けてもらえば自分を幸福にしようとするときの手助けをしてくれるものにもなる。ただし、あまりにも魅せられすぎたり執着しすぎたりするのは危うい。手に入れた者を次々と不幸にする宝石があるように、石の魔力や石原真理子に対しては充分身構えておく必要がある。たぶん、水晶を身につけていれば石原真理子にも引っかからなかったと思う。森本レオには特別大きなやつを贈ってあげたい。いや、贈るなら13人の男たちではなく、石原真理子の方なのか? もっと早く教えてあげたかったけど、本が売れてるみたいだから、まあいいか。ああ、翔んだカップル。