
PENTAX K-7+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8 / DA 16-45mm f4
昨日5月13日、熱田神宮で御衣祭 (おんぞさい)が行われた。
熱田の神に、衣を新調して奉納する祭りで、いわば神様の衣替えの儀式のようなものだ。
伊勢神宮は神衣祭 (かんみそさい)、京都の上賀茂神社では更衣祭 (ころもがえのまつり)と呼ばれて、同じような祭事が執り行われている。
熱田神宮では、6月5日の大祭の前に行われていて、初夏の風物詩となっている。
こういった神社の祭事はあまり見る機会がなく、どんなものか見てみたいと思い、出向いていった。
宮司を先頭に、大一御用(だいいちごよう)と染められた大幟を掲げ、約300人が列を作って本宮へと歩いていく。
なかなか厳かな雰囲気で、普段の熱田さんとは少し空気が違っていた。

雅楽の調べに乗って、列はしずしずと進む。
熱田の杜と5月の太陽が作る光と影のコントラストは強い。

想像していた以上に古式ゆかしい伝統に則ったスタイルで、ずっと昔から続く神社の伝統的儀式の一端を垣間見た気がした。
日本人は、飛鳥、奈良、平安の昔から、ずっとこんなスタイルで神に礼を尽くしてきた。

列の後ろの方では、親に手を引かれた稚児たちが続く。
何が行われているか理解できなくても、真面目な行事ということは分かっただろう。

神職は、本宮前に正座して並び、宮司の祝詞で祭礼は始まった。
一般の見学者は拝殿の外から見ている。

奉献使によって、和妙(にぎたえ・絹布)と荒妙(あらたえ・麻布)が奉献される。

時代を遙かにさかのぼったようなトリップ感を抱いた。
それは日常の中では味わえない感覚だった。

神職になりたての若手たちも外から見学をしていた。中で祭事を行えるようになるまでにはまだしばらく歳月がかかる。

儀式は45分くらいだっただろうか。途中で飽きてしまって辛抱できなくなった子供達もいた。小さな子供にとって祭事の45分は長い。

巫女さんが8人くらいで、お見送りをする。参列者に記念品を渡すのも彼女たちの仕事だった。

お役目を終えた巫女さんたちは、それぞれの札所に戻っていった。この日は総動員だったかもしれない。

私をお見送りしてくれたのは、こいつだった。境内で放し飼いになっているニワトリさん。たぶん、名古屋コーチンだ。

ご神木の大楠にも挨拶していった。
新緑の5月になって、ますます元気に葉を茂らせていた。

拝殿前にあった立派な松。松も巨木になると迫力がある。

境内に露店が並んでいた。けど、普通の夏祭りなんかとは違って、花屋さんとか、金魚を売っている店だったりする。
こんなあたりも、なんだかいい感じだった。

いいものを見せてもらえて満足した。
6月5日の例祭は、もっと賑やかなお祭りだそうだ。できれば行きたいと思っている。