名古屋を走ればコメダさんに当たるから入ってシロノワールを食べよう - 現身日和 【うつせみびより】

名古屋を走ればコメダさんに当たるから入ってシロノワールを食べよう

コメダさん-1

Canon EOS 20D+SIGMA 18-50mm f3.5-5.6



 あなたはコメダさんを知っているだろうか。
 その問いに対して8割の名古屋人はもちろんと答え、中部地区以外の人の8割は誰ですかそれと答えるだろう。いやいや、人じゃなくて喫茶店のことなんだが。
 全国平均2.5倍の喫茶店がある喫茶店王国の名古屋の中でも、群を抜く知名度と支持を集めているのが、喫茶所コメダ珈琲店だ。中部地区を中心としたチェーン展開の喫茶店で、ここらの人は親しみを込めてコメダさんと呼ぶ。ちょっとコメダさん行こまい、ってな感じで。
 名古屋を歩けばコメダに当たる、というとちょっと大げさだけど、車で15分も走ればコメダに当たるのは間違いない。そこからどの方向に走り出しても15分後にはまた別のコメダがある。黒字にオレンジ色の看板と、ログハウス風の建物が目印だ。
 たいていお店は広めの駐車場を持っているのも特徴の一つで、車社会の愛知県らしい店構えとなっている。駐車場がないような喫茶店に名古屋の人間は行かない。名古屋人は家から歩いて3分のコンビニだって車で行く人種なのだ。
 それにしてもコメダさんの人気はすごい。いつ行っても店の中は人がいっぱいで、駐車場も混み合っている。休みの日などは駐車待ちの車の列ができるくらいだ。その原因は長居する客が多いところにもあるのだけど。
 客層は多岐にわたっている。午前中のモーニングタイムにはサラリーマンから暇そうなおじさん、おばさまが占拠し、午後は主婦の井戸端会議に使われ、夕方からは学生なども増えてくる。赤ん坊連れのお母さんからおばあちゃん、女子高生、ニイチャンからおじさん、じいさんまで、それこそゆりかごから墓場まで状態になっている。自由業的な人が仕事をしていたり、デートにも使われたりするあたりにもコメダの懐の深さがある。
 行ったことがない人がイメージするのは難しいだろうけど、昭和の喫茶店とファミレスが合体したようなところといえばなんとなく分かってもらえるだろうか。おしゃべりするにも仕事をするにも雑誌を読みふけるにも、長居しても大丈夫な雰囲気が人気の秘訣なのだろう。なので、混雑している割には客の回転率が悪くてそれほど儲かっていないのかもしれない。
 ファミレスほど洗練されてもおらず、照明はやや暗めで、必要以上に干渉されないところがいいというのもある。珈琲はお代わり自由とかではないし、水の継ぎ足しに回ってきたりもしない(たぶん)。誰かがどこかで書いていたけど、「ノーメイクで行ける喫茶店」というのがコメダの特質を端的に表しているかもしれない。コメダさんは決してカフェなどではないのだ。

 このように名古屋人にとってはなくてならない喫茶コメダなのだけど、実は私はつい最近まで入ったことがなかった。大学生の頃は毎日のように喫茶店に入り浸っていた私だけど、卒業後はまったく行くことがなくなってしまったので、コメダさんも入る機会がなかった。大学の頃は今ほどコメダは多くなくて、その存在も知らなかった。それではいけないということで、ツレを伴って初めて入ったのが夏の終わりのことだった。一回ではネタ的に弱かったので、この前もう一度行ってネタを集めてきた。
 今日は私たちが食べたコメダさんのメニューを紹介しながら、コメダさんについて少し勉強していこうと思う。
 コメダ1号店ができたのが1968年のことだ。西区の那古野に個人経営の喫茶店として誕生した。コメダの名前は、オーナーの実家が米屋だったからというずっこけそうな由来だ。マスターが米田という名前だったわけではない。
 かつて瑞穂区にあった「本店」は別のオーナーに売却されて、今は「上山店」となっている。あれが1号店ではない。2号店は高岳店で、3号店は今池店だそうだ。
 1970年には株式会社となってフランチャイズ展開が始まった。それから40年近くで300店舗ということは、1年に7店舗のペースで増えていることになる。確かに油断しているといつの間にかできているからうっかりできない。レシートの裏にはたくさんの店舗名が印刷されているけど、あれは全部収まっているのかどうか。
 コメダの増え方の面白いのは、主要都市や立地がいい場所にいきなり飛び込むのではなく、搦め手で周りからじわじわ浸食するように増えていくところだ。
 たとえば関東でいくと、直接東京に殴り込むようなことはしない。まずは神奈川に上陸して様子を見つつ、その地域での浸透をはかる。そこから少しずつ東京に向かって距離を縮めるように店舗と陣地を増やしていって、やがて町田市まで到達した。まるで桜前線のように西から東へ進んでいき、気がつけば東京に入っていたという作戦だ。そして今年2007年8月、ついに東京23区内に進入することに成功した。コメダは多摩川を越えたのだ。しかし、そのチョイスが大田区「下丸子店」というのが渋いというか奥ゆかしい。いきなり東京の中心部に食い込もうとして見事にはじき飛ばされた「すがきや」とは違うのだ。
 2006年11月には関西進出1号店を奈良県(奈良中央店)に出している。関西1号店を大阪でも京都でも神戸でもなく、あえて奈良に出すあたりがコメダさんらしい。こうして日本全国、いつの間にか知らない間に自分の街がコメダに占領されていることに人々は気づくのだ。コメダ深く静かに潜行せよ作戦とでも名づけよう。
 実はもう、あなたの街にもコメダさんが素知らぬ顔をしているかもしれない。公式サイトでぜひ確認して欲しい。
 って、なんだこりゃー、と驚く。喫茶コメダは300店舗も持つ大チェーン店なのに、つい最近まで公式サイトを持っていなかった。少し前にやっと作ったと思ったら表紙しかなかった。ごく最近になってやっとページが増えたのだけど、一部のメニュー紹介と、何故か三重県の店舗が5軒紹介されているだけだ。ぺージ数も3ページになったにすぎない。前回表紙のときは3年間そのままだったから、今回もまた2、3年このままなのかもしれない。
 だから、コメダの店を探すときは個人が運営しているファンサイトを見るしかない。まったくもって宣伝活動には興味がないコメダさんなのだ。そのあたりもコメダらしいといえばらしい。
 でもコメダがのんきな性格とかやる気がないとかそういうことではなく、通常の店舗の他にも「和風喫茶 甘味喫茶おかげ庵」や「高級喫茶 吉茶」の実験店も展開するなど意欲的なところも見せる。その店はコメダテイストを残しながら和風や高級に特化したものとなっているらしい。機会があれば一度行ってみたい。
 前置きがすごく長くなった。コメダさんについてだいぶ分かったところで、そろそろメニュー紹介といこう。

コメダさん-2

 コメダさんを代表するメニューであり、コメダさんの代名詞ともいえるのが、このシロノワールだ。シロノワールを食べずしてコメダに行ったことにはならないと言い切ってもいい。コメダ名物を飛び越えて名古屋名物の域にまで達している。
 暖かいデニッシュの上にどーんと乗っているのは生クリームではなくソフトクリームだ。パンが暖かいからソフトがだんだん溶けてくるので、溶けるのが早いか食べるのが早いか勝負となる。この上にメープルシロップをかける。もちろん、甘い。けど、暖かいのと冷たいのと甘いのが口の中で混ざり合って甘いのがよく分からない。最初はなんだこりゃと思う。でも、食べている内に妙に美味しく感じられて、食べ終わる頃にはなんだか知らないけど美味しかったなと思う不思議な食べ物だ。一度食べるとやみつきになって、しばらくするとまた食べたくなってくる。こうしてシロノワールのことを話している今も食べたくなってきている。
 ただし、相当大きいので注意が必要だ。直径20センチくらいあるだろうか。よほどおなかが空いてないと一人では厳しいものがある。二人で一つで充分だ。一人のときはミニシロノワールがオススメだ。普通サイズが560円で、ミニサイズは390円となっている。
 私はシロノワールの巨大さを知らなかったので、うっかりウインナーコーヒーを注文してしまった。クリームまみれになって、半分でもちょっときつかった。
 右にちらっと見えている袋は、名古屋名物喫茶店の豆お菓子だ。ピーナツだったり、ナッツだったり、甘い豆だったりする。名古屋では普通だから当たり前なのだけど、県外人に言うと笑われる。名古屋では昔からコーヒーを注文するともれなく豆お菓子がついてきた。別に全然おかしくない。これをポリポリ食べながらコーヒーを飲むのだ。
 開店から11時まではモーニングサービスとして、飲み物には問答無用にモーニングセットのパンとゆで卵が付いてくる。名古屋ではこれでも少ない方で、たいていのところではこれにサラダや果物などが付いてくるのが普通だ。パン食べ放題とか、トーストにおかず系のものが付いてきたりしてなにがなんだか大変なことになっているところもある。

コメダさん-3

 これまたコメダ名物、ブーツグラスに入ったクリームソーダだ。こんなものもわりと恥ずかしげもなく注文できてしまうところもコメダさんの偉大なところだったりする。
 長靴の形をしたグラスなんて、「男女7人夏物語」以来だ。靴先を上にしてビールを飲むと空気がごぼっとなって顔にかかるという懐かしいシーンを思い出す。
 しかしこいつもクリーム大量で食べるのが大変だ。うかうかしてるとソフトが溶け出してきてグラスからあふれ出してしまう。ちょっと焦る。
 味は昔ながらのクリームソーダで嬉しかった。子供の頃大好きだった味だ。
 左はツレが注文した名古屋名物の代表選手のひとつである「小倉トースト」だ(360円)。これは全国的に有名だと思うのだけど、名古屋人が思っているほどの知名度はないのかもしれない。
 いろいろバリエーションがあって、コメダのは小倉をトーストに乗せて食べるタイプだった。通常はマーガリンを塗ったパンに小倉を挟んで食べることが多い。コンビニでも菓子パンとして小倉サンドは普通に置いてあって、普通にみんな買って食べる。チョコサンドとかメロンサンドと同列のものと名古屋人は思っている。
 ツレの感想はまずまずといったところだったようだ。次はもっと美味しい小倉サンドを食べさせてあげよう。

コメダさん-4

 基本的にコーヒーなどの飲み物がメインの喫茶店ではあるけど、ちょっとした軽食なども用意してある。
 二度目に入ったときは名古屋名物とかコメダ名物にこだわらず、ミニコロッケを注文してみた。通常サイズはコロッケ3個とパン2個で710円で、ミニは510円だ。その他にもミニシリーズが増えてきて食べやすくなった。ミニとはいうけど、元々のサイズが大きすぎたり多すぎるから、ミニサイズでちょうどいい。
 味は普通に美味しい。びっくりするほどじゃないけど、まあ美味しいと言える。

コメダさん-5

 ツレが食べたカニグラタンもまずまず美味しかったとのことだ。私も一口もらって食べたけど、素朴な味だった。料理が得意なお母さんの料理レベルと思っておけば大きくは外れないだろう。
 食事系のメニューとしては、カツサンド、ハンバーガー、ピザなどの軽食がそれなりに揃っている。確かご飯類はなかったと思う。パスタもなかったような気がする。チェーン店でありながら店によってメニューのばらつきがある。店主によってある程度自由に決められるらしい。しっかりした食事は摂れないまでも、昼食や夜食なんかには必要充分だろう。
 コーヒー、紅茶などは360円と、名古屋では高くもなく安くもなくといったところで、味の方はなかなか評判がいい。チェーン店にしては美味しいというのが一般的な評価なんじゃないだろうか。
 一つ注意しなければいけないのは、アイスコーヒーを注文するときだ。何も言わないと有無を言わせずガムシロップ入りのアイスコーヒーが運ばれてくる。昔からの伝統として、アイスコーヒーはガムシロップが入ってくるものというのを頑なに守り続けている。もしブラックで飲みたい場合は、アイスコーヒーのシロップ抜きで、と注文しなければならない。

 こんなコメダさんをあなたは魅力的に思ってくれただろうか。明日にでも行きたいっと思ったなら、コメダさんファイサイトで店舗を調べて行ってみて欲しい。もし家の近くにない場合は、名古屋に来たときはぜひ寄ってみてください。名古屋市内ならたいていのところにあるから。なければ道行く人に、「このへんにコメダさんありませんか?」と訊ねればいい。10人中8人は教えてくれるはずだ。
 コメダさんの人気の秘密がどこにあるのか、それは名古屋人も分からない。もしかしたらコメダさん自身もよく分かってないのかもしれない。みんなぼんやりとは感じていても、はっきり言葉で説明するのは難しい。単純に言ってしまえば、ほどよい感じがいいのだと思う。東京的でもなく大阪的でもなく、どっちつかずの名古屋的なのが名古屋人にとっては心地がいいのだ。高すぎず安すぎず、美味しすぎず不味くもなく、オシャレすぎない。一度行けば自分も常連みたいな気分になるのもコメダさんの魅力だ。どのコメダさんへ行ってもだいたい同じという安心感もある。
 今後もコメダさんからは目が離せない。公式サイトも気がついたら5ページくらいになっているかもしれないから、たまに見に行かないと。あと10年もしたら、北関東から東北あたりまで浸食しているだろうか。西は鳴門海峡を渡れるかどうか。
 いつか日本中がコメダさんであふれる日を夢見ながら、私のコメダさん紹介を終わりとしたい。

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コメント
非公開コメント

体長( ̄^ ̄ゞ ケイレイ!!

うっかりしていたら、我が近所にも進出されていましたw

コメ兵とは、関係ないんですね(爆)

2007-11-21 21:11 | from ただとき | Edit

みんなの街にコメダさん

★ただときさん

 こんにちは。

 コメダさん、ただときさんの近所にまで静かに侵攻してましたか。
 油断しましたね。
 1軒あれば近くに3軒あると思った方がいいですよ(笑)。
 そうやっていつの間にかみんなの街に居着いているのです。
 コメダさんはそういうところなのです。
 ぜひ一人で行って、シロノワールの通常版を食べてみてくださいね。

 ちなみに、コメ兵とはまったく関係ありません。
 昔は米兵って表記してたから、よく「べいへい」と間違われてました。(^^;
 でも、コメ兵っていっても知らない人がほとんどでしょうね(笑)。

2007-11-22 05:46 | from オオタ | Edit

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