進むほどに深まる下町の昭和風情 都電荒川線<後編> 梶原~三ノ輪橋 - 現身日和 【うつせみびより】

進むほどに深まる下町の昭和風情 都電荒川線<後編> 梶原~三ノ輪橋

都電荒川線沿線2-1

Canon EOS 20D+EF50mm F1.8 II



 都電荒川線小旅行の後半は夜になった。
 王子駅前の次に降り立ったのは梶原だった。察しのいい人ならピンと来ると思うけど、そう、都電もなかを買うための途中下車だ。停留所を降りて左の方に少し歩いたところに「都電もなか本舗 明美製菓」がある。都電みやげとしては、これを買わずに何を買うというほど有名なものだ。最近は「池袋三越」や「日本橋三越」などでも販売するようになったけど、やっぱり買うなら本店で買いたい。ありがたみが違う。
 梶原には他に何があるかといえば、たぶん、何もない。そんなことを言うと梶原に住んでいる人が怒ってくるかもしれない。梶原には梶原銀座商店街があるぞ、と。まあ、そういうようなところだ。都電は三ノ輪橋に近づくほどに昭和の色合いが濃くなっていき、三ノ輪橋でそれは極まる。

都電荒川線沿線2-2

 これが明美の店構えだ。想像したより立派な和菓子屋さんだった。昔ながらの駄菓子屋さんのようなところでおばあちゃんが細々とやっているような店をイメージしていたら違った。
 都電もなか以外にも30種類くらいの和菓子を置いているようだ。隣が工場になっていて、職人さんたちがせっせと作っていた。
 有名人もよく訪れるようで写真なども飾ってあった。

都電荒川線沿線2-3

 これが都電もなかの10個入りだ。ひとつ137円。都電の絵が描かれたパッケージに入っているのも人気の要因になっているのだろう。絵柄は4種類だったものがレトロタイプが加わって5種類になった。10個入りは車庫型の箱に入っている。もっと大入りのものは双六とサイコロが印刷されていて、食べ終わったら遊べるようになっているらしい。でも、そんなにたくさん都電もなかは食べたくない。中身はどれも一緒だから、2個も食べれば充分だ。
 味もけっこう美味しくて侮れない。粒餡の中にモチ(求肥)が入っていて、あっさりした甘みでしつこくない。これはおみやげにも喜ばれるだろう。話のネタとしても面白い。
 近々140円に値上がりするそうだ。

都電荒川線沿線2-4

 梶川から先は荒川区を横断するように進み、終点の三ノ輪橋に到着する。始発駅であり終着駅でもありながら、ここに車庫はない。車庫は途中の荒川車庫に設けられていて、そこで運転士の交代も行われる。三ノ輪橋まで行ったら、運転士は身の回りの道具一式を持って車両の反対側に移って、折り返し運転をする。それまた見たことのない光景でちょっと笑ってしまった。バスでも折り返し運転はあっても運転者が前から後ろに移動するなんてことはない。
 早稲田-三ノ輪橋間の約12キロを49分かけて都電は走る。平均時速は13キロというから、やっぱりのんびりしたもんだ。停留所から停留所までが短いからスピードを上げてる暇がない。ただ、乗ってると意外とスピードは出てるように感じる。途中区間では50キロとかそれくらい出てるのかもしれない。
 こんな都電荒川線だけど、実は毎年黒字経営をしている。年々乗客は減っているそうだけど、それでも1億円以上の黒字を出しているというからたいしたものだ。さすがに東京はどこでも人が多い。

都電荒川線沿線2-5

 三ノ輪橋で一番気になるところといえば、なんといってもジョイフル三ノ輪だろう。古き良き昭和のアーケード街の風情がそのまま残っている。これは本物だ。名古屋では少し前までの大須がこんな感じだったけど、大須でさえ最近はもう少し近代化が進んでいる。
 ジョイフルはびっくりするくらい活気があった。人も多かったし、一部閉まっている店はあったものの店舗数も多い。140店舗ほどが並んでいるそうだ。下町というのは今でもしっかり昔の姿のまま機能しているものなんだ。そういえばこのあたりは大きな商業施設のようなものが見あたらなかった。だから、こういう個人の店でもやっていけるのだろう。
 時間がなくて入り口から少し歩いたところで引き返してしまったけど、ここもじっくり歩けば見所満載に違いない。

都電荒川線沿線2-6

 駅のホーロー看板は、ちょっと作為的すぎる。こういうものは誰からも忘れ去られてそれまま朽ちるように残っているものじゃないと意味がない。いくら古い本物でも、こういう演出では素直に感動はできない。
 荒川線の車内広告も古かった。あれも演出のひとつだったのか。

都電荒川線沿線2-7

 端っこの三ノ輪橋まで行って旅の目的は果たしたけど、そこで終わりではなく、また戻ってこなくてはいけない。三ノ輪橋なんかで降ろされてもどうしょうもない。荒川線も両端がもう少し延びると便利になるだろうに、これ以上は無理なんだろうか。三ノ輪橋も位置的には上野駅から直線で2キロくらいだから、上野までつなげば格段に利用しやすくなる。早稲田の方は強引に新宿につなげないものか。
 それはともかくとして、荒川車庫でも途中下車してみた。ここで電車は休んでいる。全部を格納するスペースはあるのだろうか。
 この横には「都電おもいで広場」というのがあって、そこには5500形と7500形の古い車体が展示されている。このときは夕方でもう閉まっていて外からしか見られなかった。
 しかし、こんなところで写真を撮ってるなんて、完全に電車の人だ。嬉しそうに写真を撮っている私は、相当な電車好きに見えたことだろう。

都電荒川線沿線2-8

 ホームではボーイが携帯でレトロ号の写真を撮っていた。少年は電車が好きだ。彼の一家も私たちの前に都電もなかを買っていた。
 この車両は、今年2007年の5月に導入されたものだからごく最近のものだ。基本的に毎週日曜のみの運行というから、普段都電を利用してる人でもまだ乗ったことがない人も多いかもしれない。私たちもタイミングが合わずに乗ることができなかった。
「宝くじ号」と書かれているのは、都電の会社が宝くじに当たったとかではなく、日本宝くじ協会からの補助を受けて製造されたからだ。製造費は2億円だそうだ。

都電荒川線沿線2-9

 再び王子駅前で降りて、北とぴあ(ほくとぴあ)へ行った。
 ここは北区の建物で、各種ホールや会議室、音楽スタジオ、トレーニングルーム、結婚式場、レストラン、プラネタリウムなどが入っている。17階には展望ロビーがあって、マイナーな夜景タダスポットになっている。それなりに東京の夜景は見られるものの、撮影には向かない。ガラス面までが遠くて光の映り込みが多いから。

都電荒川線沿線2-10

 帰りは王子駅前の「とんかつ和幸」で季節限定「紅葉」を食べた。どんな店か知らなかったのだけど、ちょっとした行列ができていたから美味しいのだろうと判断して入ってみた。海老フライとカニコロッケ、ヒレカツ、味噌汁、茶碗蒸しのセットで1,095円は安い。しかもご飯と味噌汁とキャベツはおかわりし放題だ。衣サクサクで味も申し分なかった。これは人気が出るはずだ。
 帰ってきて調べたところ、全国展開のチェーン店だった。それは知らなかった。名古屋にもあるようだ。

 こうして4時間ほどの都電荒川線の旅は終わった。帰りは大塚で山手線に乗り換えて目白に戻った。面影橋と早稲田を省略したのは少し心残りだったけど、またあちらには行く機会もあるだろう。三ノ輪橋の方まではもう行くことはないかもしれない。
 次があるとすれば、今度は平日の空いているときに乗りたい。全停留所制覇なんてのは無理にしても、まだ気になっているところがいくつかあるから、そのあたりでも降りてみよう。
 撮ってよし、乗ってよしの都電荒川線は、お上りさんはもちろん、東京に住んでいる人にもオススメしたい魅力的な電車だ。電車の人でなくても撮るのは楽しいから、ぜひ恥ずかしがらずもじもじしないで思いっきり撮って欲しい。
 私たちの都電小旅行は楽しい旅だった。次はあなたがぜひ。

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コメント
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こんばんは☆
ブログを読んで都電の旅を満喫した気分になれました♪

愛知県にはまだチン○ン電車は残っているのでしょうかね@@?
岐阜はもうないし、、豊橋ですかね。。

2007-11-11 23:35 | from mimi | Edit

電車撮りの楽しさ

★mimiさん

 こんにちは。
 都電小旅行気分のお裾分けができたようでよかったです。(^^)
 今回の写真は、都電の外からと内側からと周辺風景まで絡めて紹介できたので、個人的に気に入った回となったのでした。
 電車撮りの楽しさにも目覚めたし(笑)。
 mimiさんも鳥のついでに電車も撮ってみてくださいね。恥ずかしがらずに。

 愛知県の路面電車は、もう豊橋だけなのかなぁ。
 実は豊橋でも撮ってきたんですよ。伊良湖へ行った日の帰りに。
 近々ブログに登場予定です。

2007-11-12 06:41 | from オオタ | Edit

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