いつかデンパークがもっとデンマークらしくなるようにと願いを込めて最終章 - 現身日和 【うつせみびより】

いつかデンパークがもっとデンマークらしくなるようにと願いを込めて最終章

デンパークとデンマーク-1

Canon EOS 20D+SIGMA 18-50mm f3.5-5.6



 デンパーク最終回は、メイン施設である大温室フローラルプレイスを紹介しつつデンマークについて少し勉強してみたい。デンパークが思いのほかデンマークではなくてがっかりしてしまった私だけど、じゃあデンマークについでどれだけ知っているんだと訊かれると答えに詰まってしまうくらいよく知らない。日本で普通に暮らしている中でデンマークの話題が出ることはほとんど皆無に等しい。デンマークのニュースなどテレビではやらないし、デンマーク人が道ばたを歩いているわけでもなく、デンマーク料理の店が近所にオープンしたなんて話もついぞ聞かない。せいぜいスポーツの世界でたまに見かけるくらいなものだ。海外旅行へ行こうとなってもデンマークというのはかなり優先順位が低くなる。
 そんなわけで、興味がなければ知りようもなく、情報も流れてこないから知識も増えない。デンマークについて詳しい日本人は一体どれくらいいるというのか。日本というのは情報過多と思われているけど、案外外国のことを知らないものだ。名前と場所だけは知っていてもそれ以上のことは知らない国も多い。特に北欧というのは馴染みが薄い。だから、私にとってはデンパークへ行ったことがデンマークについて勉強するいいきっかけになった。あそこへ行ってなければ、もしかしたら一生デンマークについては何も知らないまま終わっていたかもしれない。これを読んでデンマークについて興味を持ち始めた人がいたなら、私もデンパークへ行ったかいがあったというものだ。

 上の写真はデンパーク館という建物だ。入ってないので何をするところかよく分からなかった。催し物や展示、体験教室みたいなものが行われる施設なのだと思う。建物のスタイルとしてはデンマークらしさを装っているのだろう。たぶん。
 手前のいかりのようなものはただのオブジェではなく日時計になっている。日時計とデンマークが関係あるのかどうかはよく知らない。デンマークについての予備知識がある人はほとんどいないはずだから、デンパークはいろんな部分でもう少し説明が必要だ。

デンパークとデンマーク-2

 大温室というわりにはそれほど大きくはない。これで全体の半分くらいだ(3,600平方メートル)。冬は暖かく、夏は蒸し暑い。温室だから当然だけど、この中でミニコンサートなども行われているというから出演者は大変だ。楽器にも悪そうだけどそうでもないのか。
 花よりも緑が多い熱帯温室で、周りにはデンマークの街並みや民家を再現してあり、それが店舗を兼ねている。ここの手前にはおみやげ屋や飲食店などもあり、そちらはエアコンが効いて涼しい。
 温室の中にもみやげ物屋やグッズ屋、レゴで遊べるスペース、貸衣装屋などがある。デンマークに限らず北欧の衣装を着て記念撮影ができるようで、衣装代と写真代で1,000円くらいなので、そんなに高くない。外まで着て出ることができないのなら、犬山のリトルワールドの方が上だ。
 デンパークウエディングというのもあって、ここで結婚式が挙げられる。デンパークで結婚式というのもちょっと考えてしまうけど、イタリア村でするのとどっちがいいか選べと言われたら迷う。

デンパークとデンマーク-3

 ここへきてようやく分かりやすいデンマークらしさに出会えた。人魚姫といえばアンデルセン、アンデルセンといえばデンマークだ。おそらく日本で最も有名なデンマーク人はアンデルセンだろう。人によっては哲学者のキェルケゴールや詩人のイエンス・ペーター・ヤコブセンなんかにも馴染みがあるかもしれない。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や『奇跡の海』で知られるようになったラース・フォン・トリアー監督もデンマーク人だ。他にはレゴの創業者であるオーレ・キアク・クリスチャンセンや、サッカー選手のミカエル・ラウドルップあたりが知られたところだろうか。ノーベル賞をとった学者なんかもけっこう出ている。
 アンデルセンの童話は日本でもよく読まれている。グリム童話かアンデルセンかというくらいだ。『裸の王様』、『みにくいアヒルの子』、『人魚姫』、『親指姫』、『マッチ売りの少女』など、誰もがなんとなくは知ってる話ばかりだ。けっこう悲しい話が多いのは、北欧という土地柄と、アンデルセンそのものの性格もあったのだろう。晩年の作品は明るい話も多い。
 アンデルセンは独身のまま70歳で死ぬことになるけど、すごく心配性で、寝てるときに死んだと勘違いされて埋葬された男の話を聞いて以来、寝るときは枕元に「死んでません」と書いた紙をいつも置いていたという。本人は大まじめだったに違いないけど、なかなか笑えるキュートなエピソードだ。私もやむを得ず野宿するときは見習うことにしよう。

デンパークとデンマーク-4

 デンマークの木工玩具デザイナー、カイ・ボイスンの作品が入り口近くに飾られていた。コペンハーゲン名物、王立衛兵隊の木製人形だ。けっこう大きい。
 デンマークは正式名称をデンマーク王国というように、1972年に即位したマルグレーテ2世女王がいる国だ。デンマークの王室はヨーロッパで最も古く、最も開かれた王室と言われている。女王が住んでいるアメリエンボー宮殿は塀もなくて、誰でも自由に敷地内に入っていけるそうだ。
 ここで少しデンマークについて基本的な勉強をしておこう。
 スカンジナビア諸国の中ではもっとも南に位置していて、ドイツと国境を接している。緯度はイギリス北部と同じくらいなのですごく寒い国というわけではない。ユトランド半島と4つの大きな島、その他小さな島々からなっていて、面積は北海道の3分の2くらいと北欧ではもっとも小さい。そのわりには人口530万人とスカンジナビア諸国の中では最も人口密度が高い国となっている。
 首都はコペンハーゲン。公用語はデンマーク語で、各地に方言がある。割と英語に近い言語のようだ。南はドイツ語の影響が大きい。
 デンマークは英語読みで、本当の読み方ではダンマルクとなる。アンデルセンも国ではアナスンと呼ばれていて、これはデンマークではとてもあふれた名字なんだそうだ。だから、デンマークへ行ってアンデルセンの住んでいた場所はどこですかと訊ねるのは、日本で伊藤さんちはどこですかと訊くのと同じくらい漠然とした問いかけになる。ホセ・アナスンといえば通じるらしい。
 日本ではデンマークのことを昔はデンマルクと呼んでいた。漢字の当て字は、丁抹。略すと丁となる。これも馴染みがない。
 歴史的にみると、かなり昔から人が住んでいた土地のようで、いわゆるヴァイキングと呼ばれたノルマン人が8世紀から11世紀にかけてデンマークを本拠地にしていた。この頃はヨーロッパの暴れん坊としてこのあたりで大いに幅をきかせていた。イギリスも征服し、アイスランドを発見し、一説によるよコロンブスより先にアメリカ大陸に到達していたという話もある。
 その後スウェーデンなど近隣諸国との戦争を繰り返し、やがて力を失っていった。第一次大戦は中立を守ったものの、第二次大戦ではナチス・ドイツに占領されて戦後を迎える。現在は歴史上の表舞台に出てくることはほとんどなくなった。わりとのんきに平和に暮らしているようだ。ただし、今でも徴兵制度があって、18才から32才までの男子は9ヶ月ほどの兵役義務がある。
 産業としては資源が豊富で、エネルギーには困っていない。石油自給率も100パーセントで、昨日も書いたように風力発電も盛んに行われている。鉱物などもたくさんとれるようだ。
 他の北欧諸国同様、超福祉国家でもある。学校を始め教育に関するものはすべて無料で、医療費も全面的にタダ、手術代もかからない。公共の施設はものすごく充実している。けど、夢のような国だと思うのは早い。税金がものすごいことになっている。一般人でも所得税と市民税などで50パーセント以上とられて、消費税は25パーセントで物価も日本並みに高い。車を買うと180パーセントの自動車税がかかる。200万の新車を買うと360万円になってしまう。いくら公共のものがタダといっても、これはちょっと考えてしまう。逆に言うと、日本など大借金をしてるわりには税金が安すぎるのだ。消費税は10パーセントでも仕方がないし、将来は20パーセントくらいまでいくかもしれない。
 自然あふれる観光地としても人気が高くて、ヨーロッパを始め、世界中から観光客が訪れる。日本人は年間どれくらい行ってるのだろう。私の周りには一人もいないけど、好きな人はよく行くのだろうか。
 国民性は温かくて人なつっこいというから、行ってみれば楽しいところなのだろうけど、私が行くことはまずないと思う。デンパークでさえ今回初めて行っただけなんだから。

デンパークとデンマーク-5

 みやげ物屋に入って、何か記念にデンマークらしいものを買っていこうと思ったのだけど、これがまるで充実していない。缶に入ったクッキーや、ロイヤルコペンハーゲンの食器くらいしか見あたらない。そんなものはここじゃなくても買える。ここでしか買えないようなデンマークグッズが私は欲しかった。なんでそういうものを取りそろえないのか不思議だ。売れるようなものがないのか、デンマークらしさというものが伝わりにくいからなのか。確かにそもそもデンマークのものというイメージが買い手の側にないのだから、そこに需要を生み出すのは難しいのかもしれない。それでも、もっとデンマークらしくあって欲しいというのが私の願望だった。デンマークのペナントはないのか。

デンパークとデンマーク-7

 結局、温室の外のみやげ物屋で、デンマーク製のジャムを買った。これは種類が充実していて値段も500円前後とお買い得だった。食べてみると甘さ控えめでとっても美味しくて気に入った。これはオススメできる。デンマークとジャムというのが結びつかないというのはあるものの、家が近かったらもう一度行って何種類か買い込みたいところだ。
 その他のおみやげ物としては、デンマークに関係なく、名古屋ものだったり、他の国のものだったり、安城特産品だったり、ひどくとりとめのない感じだった。あの統一感のなさはかえってすごい。

デンパークとデンマーク-6

 今年の4月にできた、世界最大級のオルゴールからくり時計「ポール・ラッシュ」だ。幅5.6メートル、高さ2.8メートルと、相当な大きさだった。中には木管楽器や金管楽器、打楽器、オルガンなどが仕込まれていて、時間になると自動演奏を始める。音量は100人のオーケストラに匹敵するんだとか。
 このときは時間が合わずに聞くことができなかった。みんなこの前で記念写真を撮っていた。当然、私たちもだ。

デンパークとデンマーク-8

 帰り際、入り口から入ってすぐに立っているツリーのオブジェを見て、初めてこれがデンマーク国旗を模しているということに気づいた。さりげなさすぎ。
 公園としてはいいところなのに、デンマーク色が足りなすぎるというのがこの施設に対する私の結論だ。安城は日本のデンマークというわりにはデンマークに対する思い入れがあまり感じられない。2002年に日韓ワールドカップでデンマーク代表が来日したときも、どうしてキャンプ地として名乗りでなかったのか。誘致合戦に負けたのか、最初から設備が整わずに断念したのか。キャンプ地となった和歌山県でデンマーク代表と地元民との心温まるエピソードも伝わってきている。こんなチャンスを逃すなんて、熱意が足りなかったとしか思えない。まだ5年前のことだから、当然デンーパークもすでにできていたときだ。
 入場者数も最初の年の120万人から現在は40万人台にまで落ち込んでいる。それはなんといってもリピーターを獲得できてないという証拠だ。どの程度商売気があるのかは分からないけど、やっぱり年間100万人くらいは呼びたいところだろう。そのためにはぜひもっとデンマークであって欲しいと私は願う。デンマークという国の魅力を日本人に伝えるんだという強い思いを持って。小手先のイベントなどでは一時的な集客にしかならない。
 個人的なことを言えば、デンマークについて多少なりとも知るきっかけになったデンパークには感謝している。物足りなかった分、自分で補うしかなくて、それが結果的にはよかったのかもしれない。でも、もし私にプロデュースを任せてくれるなら全面的にデンマークに改装したい。ミニディズニーのデンマークバージョンみたいにしたら楽しいだろう。川を船で行くと人魚姫が泳いでいて喜んでると、向こうからヴァイキングの船がやって来て身ぐるみはがされてしまうとか。一角でもいいからデンマークコーナーというのを作るのはどうだろう。衣食住、遊び、体験すべてをデンマークにするのだ。大きなオルゴールを作るお金があるなら、そういうことに使って欲しかったと今更言ってももう遅い。
 もし、デンマークに大改装されたら、私も喜んでもう一度行こう。その日を夢見つつ、デンパーク紹介はこれにて終わりとなる。

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コメント
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デンパーク≦デンマーク♪

今までデンパークってイタリア村みたいなって思っていましたw
ポジション的に「係長補佐」ですかねww

でもミニスカのモデルさんがいるなら… (あ

2007-09-22 10:06 | from mimi | Edit

イタリア村を見習って

★mimiさん

 こんばんは。
 東京行きと風邪ひきで返信が遅れてしまいました。
 もう大丈夫、復活しました。
 お見舞いは贅沢は言いません。

 デンパークはそうなんですよ、イタリア村のデンマーク版をイメージしてたんだけど、完全に拍子抜けでした。(^^;
 せっかくデンマークという馴染みの薄いユニークな素材があるのに、それがほとんどいかされてないのは残念でした。公園としてみれば悪くないところなんですけどね。
 ミニスカやコスプレの人たちが多数出没するようなんで、そういうねらい目もあります(笑)。

2007-09-26 22:41 | from オオタ | Edit

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