動物園の脇役動物たちはときに主役以上に魅力的だ - 現身日和 【うつせみびより】

動物園の脇役動物たちはときに主役以上に魅力的だ

脇役動物たち-1

PENTAX K100D+Super Takumar 300mm(f4), f5.6 1/25s(絞り優先)



 動物園では、キリン、象、ライオンといったメジャー動物の他にも、個性豊かな脇役陣が様々な味付けをして彩りを添えて私たちを出迎えてくれる。それらはときに脇に徹し、ときに主役を食ったりしつつ、さりげなく存在感を示す。今日はそんな脇役動物たちにスポットを当ててみることにしよう。
 たとえばこのカピバラさん。一般にはあまり知られてない動物ではあるが、動物園好きの中ではファンが多い。真っ先にカピバラのところへ行って癒されるというカピバラ好きもいるという。確かにカピバラには人の気持ちを和ませる魅力を持っていて、私も好きだ。大ネズミでありながらなんとも愛嬌があるのだ。
 和名をオニテンジクネズミという。鬼のように恐いというのではなく、鬼のように大きいという意味で付けられたのだろう。テンジクネズミといえばモルモットの和名だから、大きなモルモットといったところか。
 南米のアマゾン川流域にすむ世界一大きなネズミで、最大で130センチ、65キロくらいになる。ぽっちゃりした小学生くらいのネズミといえばいかに大きいかが分かるだろう。
 特徴としては泳ぎが上手いというのがある。手足の指の間に水かきがついていて、器用に泳ぐことができる。アマゾンは敵がいっぱいで危険だから、泳いだり水中に潜ったりして逃げなければならない。
 NKH大河ドラマ「風林火山」の武田信玄をやっている市川亀治郎がカピバラに似ているともっぱらの評判だ。

脇役動物たち-2

 変な位置で黒と灰色のツートンカラーなのは、マレーバク。どうしてこの位置でツートンカラーになったしまったのか、何度見ても不思議で笑える。チビの頃はイノシシの子供のようなうり坊姿をしているというのも面白い。東山で春に生まれたチビも、すっかり大人の配色になっていた。
 バクというのは非常に原始的な動物で、200万年くらい前にはすでにこんな姿をしていたと言われている。主な生息地は南米で、マレーバクだけが東南アジアにすんでいる。
 中途半端に長い鼻(吻)からゾウに近い生き物と思わせて、動物学的にはサイなどに近いとされている。純然たる陸生生物ではなく、泳ぎが得意で水陸両用の生活を送っている。

脇役動物たち-3

 これは非常に珍しいドールシープというヒツジの仲間で、日本では東山動物園にしかいない。
 アラスカからカナダにかけての切り立った断崖で暮らしている。立派な角を持っていても平和主義者で、暴れん坊の動物がいない山岳地帯で家族と一緒に静かな生活を送ることを選んだ。とはいえ、発情期になるとオス同士がこの角で頭突き争いをしてメスを賭けた勝負をする。勝った方は家族を持てて、負ければ持てない。平和主義なだけでは生き残れないのが自然の厳しさだ。

脇役動物たち-4

 白い体にピンクに染まった顔がなんとなく色っぽい、アルパカさん。
 南米アンデス山の標高4000メートルの高地で生活する彼らだから、暖かい毛に全身が覆われている。高級生地アルパカはアルパカさんの毛から作られている。
 名古屋の夏はこの高級毛がむしろあだとなる。さぞかし暑いことだろう。夕方になってもまったりとして動かなかった。東山動物園でも毛を刈ってやればいいのに。そうすれば彼らも多少は涼しくなるし、東山としても毛を売って儲けることができる。毛を刈られたアルパカさんの姿はちょっと情けないのだけれど。

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 トナカイといえばサンタクロースのソリを引く動物として日本でもすっかりお馴染みだけど、実物のトナカイというと意外と馴染みがない。実物を見たことがないという人も多いんじゃないか。
 ユーラシア大陸や北アメリカの寒冷地では古くから家畜として人々の生活の近いところにいた。乳や肉の他、荷物運びのソリ引きとしても活躍した。その流れでサンタクロースのソリを引くことになった。
 寒冷地仕様の動物ということで、日本で家畜として導入されなかった。一般家庭や農家で飼っているところはほとんどないと思う(北海道にトナカイ牧場があるそうだけど)。飼ってみればなかなか役に立ってくれる頼もしい相棒になるようだ。

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 アザラシなんてのはもともと動物園の脇役で、さして注目の存在ではなかった。それを一躍人気者の地位に押し上げたのは、やはりなんといっても『少年アシベ』や『コマゴマ』だろう。ゴマちゃんがアザラシの一般的な知名度を上げた。近年では多摩川や鶴見川に迷い込んでアザラシブームまで作ったアゴヒゲアザラシのタマちゃんの存在も大きい。動物園でもアザラシを見ると反射的にタマちゃんだと言ってしまう人は多い。写真のやつはゴマフアザラシなんだけど。
 アザラシは冬の間、流氷に乗ってオホーツク海を漂流している。生まれたての子供は真っ白の毛に覆われていて、とにかくかわいらしい。野生の赤ちゃんアザラシを見学するツアーなんかもあって、写真を撮りたいと思っている人も多いことだろう。

脇役動物たち-7

 私は猫派なので犬に対してはさほど思い入れはないのだけど、オオカミに対しては相当強い思いがある。オオカミが好きというよりも、オオカミには何か近いものを感じるのだ。たとえば前世で共に暮らしていたような、そんな感覚だ。だから、絶滅したとされるオオカミのことを思うと、飼っていた猫が家出してしまって今もどこかで生きているのではないかと思いを巡らすような、そんな感じがしてならない。
 上の写真は北アメリカに生息するシンリンオオカミだ。こいつはそんなにぐぐっとはこないのだけど、それでも長い間見てしまった。犬といえば犬だけど、違うといえば断然違う。
 ニホンオオカミが最後に目撃されてから100年近い歳月が流れてしまった。今でも山奥のどこかでひそかに生き延びていると思いたいけど、やっぱりもういなくなってしまったのだろうか。もし、生きているニホンオオカミが見つかったとしたら、それは私にとって最大級に嬉しいニュースとなる。

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 孫悟空のモデルとなった猿だと言われたり、いやそうじゃないんだと言われたりするキンシコウ。
 中国やチベットの山奥に生息していて、世界で最も寒い地域に暮らす猿としても有名だ。氷点下でも生きていける。だから名古屋の夏は暑すぎて、なかなか外に出てきてくれない。中国から預かっている貴重なキンシコウだから、いつもクーラーの効いた部屋で大事にされているのだ。
 日中共同研究の繁殖計画ということで日本の動物園にいるので、いずれは返還されることになる。東山でも何頭か子供が生まれている。前に見たチビはだいぶ大きくなって、またあらたに小さいのが暴れ回っていた。そのうちに見られなくなりそうだから、一度くらいは外の運動場で駆け回っている姿を写真に撮っておきたい。

 東山動物園の生き物たちも、だいたい見たと思う。鳥などの細かいところや、すっこんでいてなかなか出てこないもので見落としてるものが少しありそうだけど、ほぼ見るには見たはずだ。去年から今年にかけて5、6回行ったから。ただ、写真となるとまだ撮れてないものがたくさんある。金網の状況が悪いところが多くて、撮りたくても撮れないところもあるし、自然動物館もまだ撮れてないものが多い。
 そろそろ年間パスポートを買うべきなのかもしれないと思い始めた。通常の入場料が500円で、年間パスポートが2,000円だから、年に5回行けば得になる。パスポートがあれば、閉園まで1時間なんてときでもふらりと立ち寄ることもできる。
 今回の東山ナイトZOO編はこれで終わりとなる。また来月あたり行って、たくさん写真を撮ってこよう。ミニバズーカ砲も手ぶれ補正のおかげで失敗確率がかなり減った。次は200mmも持参して、万全の態勢で臨みたい。9月になれば少しも涼しくなって、動物たちも元気を取り戻すだろう。

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