短い滞在で目にした東京の断景と断想を少し - 現身日和 【うつせみびより】

短い滞在で目にした東京の断景と断想を少し

東京中央郵便局

PENTAX istDS+TAMRON 28-200mm XR(f3.8-5.6), f4.0, 1/15s(絞り優先)



 今回の東京行きは、半分以上栃木での葬儀となって、予定していた場所をほとんど回れず、ほんのわずかな見物で終わった。今日はその断片的な風景を少しだけ紹介したいと思う。
 行くつもりだった、湯島聖堂、ニコライ堂、鬼子母神、根津神社、水天宮、東京庭園美術館、台場一丁目商店街などが頭の中でぐるぐる回って、それらはいまだ私の空想の中にしか存在しない。

 東京駅丸の内出口から出て左へ向かうと古めかしい建物が目の前に現れておっと思う。周囲を高いビルに囲まれながらも堂々としたその風格は、ひと目見ただけで存在感の違いに気づく。
「東京中央郵便局」
 昔懸賞などでよく出てきた東京中央郵便局私書箱何号などのあの東京中央郵便局だ。こんなところでこんな風に建っていたのか。もっと無機質で小さな四角に区切れた無数の小部屋のようなものを想像していた。まさかこんな昔の建物に送っているとは思ってもみない。
 立てられたは1931年(昭和6年)、設計は逓信省(ていしんしょう)の吉田鉄郎。日本の伝統的なデザインの建物ということで、『日本美の再発見』などで知られるドイツの建築家ブルーノ・タウトも賞賛したという。
 これだけ近代化、高層化が進む東京のど真ん中にこういう建物を残せるところに東京のすごさというか懐の深さを感じさせる。名古屋駅前の大名古屋ビルヂングも、あと50年くらいしたら、もう少し風格が出てくるだろうか。

東京駅構内の日曜日

 東京はいつどこへ行っても人があふれているイメージがあるけど、もちろんそんなことはない。場所によって、時間帯によって、人が全然いなかったり少なくなることもある。
 これは日曜夕方の東京駅構内。普段は通勤、通学などで大勢がひっきりなしに行き交う場所も、日曜の夕方には不自然なほど人が少なくなって、ガランとした印象となる。最大通行者数を想定して作られているだけに余計人の少なさと広さが際立つ。

東京手ぶれ夜景

 シビックセンターの25階展望室は無料で登れるというので行ってみると、そこは文京区の区役所だった。他にもいくつかの施設が同居しているとはいえ、区役所にしてこの建物というのは東京ならではだ。役所として機能させるために人が働き、同時に観光スポットとして見学者を受け入れるというのは、東京では当たり前でも地方都市にその感覚はない。
 ここの場所で最も印象に残ったのは「三脚厳禁」の注意書きだった。禁止というのはよく見かけるけど厳禁とまで言い切ってるのは初めて見た。確かにここは三脚を使って夜景を撮りたくなるところだ。新宿や池袋方面の高層ビル群の夜景が美しい。手持ちではこの写真のようにブレてしまう。タダで場所は提供するけど何でも自由にしてもらっては困るということだろう。一番いい東京ドームやラクーア方向はレストランがしっかり陣取っていて無料で見ることはできないのも、なるほどと思わせる。東京は甘い顔してそんなに甘くない。

朝の東京駅

 月曜朝の東京駅は、慌ただしさとけだるさが入り交じる。冷たい風が仕事場へ向かう人々の足を速めさせ、居残った観光客を乗せて長距離バスが次々に東京を出て行く。私も、さよなら東京、また来ますと心の中でつぶやいて、東京駅を後にした。
 今回の東京行きは思いがけず予定が大幅に違ってしまったけど、それで得られたこともあった。失うものがあればその代わりに手に入れられるものもある。だから、いつだって嘆く必要はないのだ。明日という日がある限りは。
 次の東京行きは2月後半の予定となっている。東京よ、待っていておくれ。そして私を呼び寄せてくれ。いつか、片道切符で東京へ行ける日が来るだろうか。

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