天白区の菅田神社と「すげ」と「すが」と「かん」の話 - 現身日和 【うつせみびより】

天白区の菅田神社と「すげ」と「すが」と「かん」の話

菅田神社外観

 天白区菅田町にある菅田神社
 島田神社から59号線沿いを南へ1キロほど行った菅田交差点から少し中に入ったところにその神社はある。
 少し中に入るというのは新道から見ての話であって、南に通っている旧道から見ると神社は道沿いにある。島田神社もそうだし、そこから北へ進んだところにある植田八幡宮もそうだ。
 島田エリアから南下して菅田町に寄ったあと、野並へ行くというのがこの日の計画だった。



菅田神社鳥居入り口

 創建ははっきり伝わっていない。
 1872年(明治5年)に若宮八幡宮として村社になったという。
 それ以前の名称は分からない。創建はおそらく江戸時代中期あたりではないかと想像するけど、確かなことは言えない。
 祭神が仁徳天皇で、若宮八幡といえば、名古屋総鎮守の若宮八幡社が思い浮かぶ。ただ、明治になって若宮八幡と称したというなら若宮八幡社からの勧請と決めつけるわけにはいかない。
 最初から祭神が仁徳天皇だったとも限らない。
 1923年(大正12年)に菅田神社と改称された。



菅田神社参道と境内

 ところで菅田神社をどう読んだだろう。
「すだ」と読んだ人もいるだろうし、「すがた」と読んだ人もいるだろう。もしかすると「かんだ」じゃないかと思った人もいるだろうか。
 正解は「すげた」と読む。
「菅」という字の読みについてはいろいろな読み方があって混乱するという人も多いはずだ。
 菅野美穂(かんのみほ)や菅直人(かんなおと)は「かん」なのに、菅義偉(すがよしひで)や菅原道真(すがわらのみちざね)は「すが」と読む。
 くさかんむりの「菅」とたけかんむりの「管」も混同しがちだ。
 せっかくなのでちょっと勉強してみることにしよう。

 たけかんむりに官(かん)で「ふえ」を意味する。笛という字もそうだ。そこから管楽器などでもたけかんむりの管が使われる。
 竹で作った「くだ」から水道管のように使われるようになり、つかさどる、支配するという意味で管理、管轄というようにも使う。
 くさかんむりに官で筒状の茎や植物を意味する。スゲという植物がそうで、「菅」の「すげ」はそこから来ている。菅笠(すげがさ)などのように使う。
 天白の菅田(すげた)という地名は古くからあったようで、湿地帯に生えるカヤツリグサの一種がここらにたくさん生えていたことが由来と考えられている。古くはこのあたり一帯が湿地帯だったことからしても納得がいく。
 人名に菅が使われる場合、植物のスゲが由来する他、美作菅氏(みまさかかんし)に由来する場合がある。
 菅原道真で知られる菅原氏から派生した一族が美作国(岡山県北部)に移り住み、管氏(かんうじ)を名乗ったとされている。
 ただ、読みに関しては「すが」だったり「すげ」だったり「かん」だったりと定まらなかったようで、それが現在まで続いて混乱を生む要因となった。
 一般的に東日本では「すが」や「すげ」が多く、西日本では「かん」が主流となっているそうだ。菅官房長官は秋田の出で、菅直人元首相は山口の出身だから、この法則は当てはまる。
 もうひとつ、菅田将暉(すだまさき)のように「す」と読むこともある。菅田将暉は大阪出身で、本名を菅生大将(すごうたいしょう)という。
 地名として菅田町というのがあって、その場合も「すげた」だったり「すがた」だったりする。
 ついでにくさかんむりのことを書くと、現在は三画のくさかんむりが一般的になっているけど、「++」と横棒を離して四画に書く場合もあって、それは必ずしも旧字体というわけではなく、どちらを書いても正しいとされる。菅田神社の入り口の石柱は「++」の四画くさかんむりを使っている。



菅田神社拝殿

 舞殿型拝殿があり、その奥に本殿がある。
 祭神は仁徳天皇の他、あわせて9柱が祀られている。
 神明社、熱田社、洲原社、知立社などの境内社がある。
 同名の菅田神社(すがたじんじゃ)が奈良県大和郡山市にあり、『延喜式』に載る式内社とされている。祭神は菅田比古命。
 山梨県甲府市には菅田天神社(かんだてんじんしゃ)がある。甲斐武田家とゆかりの深い神社で、スサノオと菅原道真を祀る。菅田天は菅原道真から来ているようだ。



菅田神社本殿と摂社




菅田神社狛犬

 大正12年(1923年)に制作された狛犬。菅田神社と改称されたときに新調したもののようだ。



菅田神社社殿と境内


【アクセス】
 ・地下鉄鶴舞線「飯田駅」から徒歩約50分
 ・地下鉄桜通線「野並駅」から徒歩約35分
 ・野並駅と植田駅を結ぶ市バスに乗って、「海老山停留所」で下車。徒歩約6分
 ・駐車場 あり(無料)
 ・拝観時間 終日
 

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