冬の茶屋ヶ坂公園と千種区の歴史 - 現身日和 【うつせみびより】

冬の茶屋ヶ坂公園と千種区の歴史

西日に染まる茶屋ヶ坂公園入り口


 冬の茶屋ヶ坂公園。枯れ風景に西日が当たってきれいだった。
 名古屋市千種にある茶屋ヶ坂公園は、街中の幹線道路から少し入った場所にもかかわらず自然を感じることができる都市公園だ。
 広さ約10ヘクタールの公園は、茶屋ヶ坂池を中心に、北はグラウンドや児童公園、南は雑木林が広がり、アジサイの名所としてもちょっと知られている。これまでに何度かブログで紹介した。
 茶屋ヶ坂公園のアジサイ風景を撮る
 茶屋ヶ坂公園の雑木林ゾーンが気になって散策してきた
 特にアジサイの穴場スポットとしておすすめしたい公園だ。
 冬場は特に何もないのだけど、茶屋ヶ坂池には渡りのカモたちがやってくる。オシドリが来たこともある。



茶屋ヶ坂公園

 アジサイエリアの冬景色。
 アジサイは枯れ始めた7月には花を切り落とさないといけないんだそうだ。遅くまで放っておいてから剪定すると、翌年出るはずの芽まで一緒に切ることになって次の年は咲かないのだとか。ずっと切らずに放っておくならそれでもいいらしいのだけど。
 ここのアジサイは管理をしている人がいるようで、花はきれいに剪定されていた。今年の初夏にはまたきれいな花を見せてくれるだろう。



茶屋ヶ坂公園池

 おそらく農業用の溜め池だと思うけど、今やこのあたりに農地などは一切なく、完全な住宅地になっている。
 茶屋ヶ坂の地名の由来は、江戸時代、山口街道(古出来と瀬戸を結ぶ街道、現在の出来町通)の坂に一軒の茶屋があったことから付けられたという。
 当時の表記は茶屋坂だった。
 現在、茶屋坂、茶屋ヶ坂、茶屋が坂などの表記が混在していてどれが正式なのだろうと思ったことがある人もけっこういるんじゃないだろうか。茶屋坂は茶屋坂自動車学校などがあり、町名は茶屋が坂なのに駅などは茶屋ヶ坂となってる。読み方はすべて「ちゃやがさか」でいいと思う。
 小さい「ヶ」とカタカナの「カ」は本来別の由来の言葉なのだけど、現代ではあまり区別することなく使われていたりする。ヶは個を意味して、個の異字体の箇の竹かんむりを省略したものという。ケは介の略で、ヶは「个」の変形、もしくは略字ともいう。
 読み方は「こ」だったり「け」だったり「が」だったりする。1個、2個のように数を表す場合もあり、「の」を意味する場合もある。茶屋ヶ坂の場合は、茶屋のある坂といった意味となる。
 茶屋坂と表記していたときもおそらく「ちゃやがさか」と読んでいたはずで、それだと分かりづらいからということで「ヶ」を入れて表記するようになったのだと思う。それが「が」になったのはヶでは今ひとつ意味が分かりづらいということからだろうか。
 結局のところ、どの表記が正解でどれが間違いということはなさそうだ。多少間違えていたとしても郵便物は届くはず。



茶屋ヶ坂公園と夕陽

 地名の話が出たので、ついでに千種区の歴史のおさらいをしておくことにしよう。
 その前にざっと名古屋の変遷を確認しておいた方がよさそうだ。
 江戸から明治になって廃藩置県によって名古屋県となったのが明治4年(1871年)。
 翌明治5年に愛知県と改称。額田県を吸収合併して現在の県域が完成した。
 明治11年(1878年)、名古屋城下が名古屋区となる。
 明治22年(1889年)、名古屋市が誕生。当時の人口は約16万人、面積としては現在の24分の1ほどだった(2017年現在230万人)。
 その後、明治、大正と周辺エリアを次々に合併して市域は拡大していった。
 明治41年(1908年)、区政が敷かれることとなり、中区、東区、西区、南区ができた。
 大正10年(1921年)、更に近隣の町村を編入して面積が一気に倍増する。
 昭和12年(1937年)、それまでの4区を分割して、千種区、中村区、昭和区、熱田区、中川区、港区ができた。
 昭和38年(1963年)、 守山市を編入して守山区を新設。愛知郡鳴海町を編入して緑区を新設。
 最後にできた区は、名東区と天白区で、昭和50年(1975年)のことだった。

 千種区についてもう少し詳しく見ていくと、昭和12年に東区から分離独立したのは、旧千種町と旧東山村の地区だった。
 その後、昭和30年に猪高村を編入。しかし、これはのちに名東区として分離されることになる。一方で、昭和区天白町植田の一部(東山公園があるあたり)を組み入れて現在の千種区域ができあがった。
 昭和40年代までは茶屋坂通という町名だったというから、古くから住んでいる人はその名前の方が馴染みがあるのかもしれない。今は茶屋が坂一丁目、二丁目となっている。



茶屋ヶ坂公園の歩道橋から見る夕陽

 千種区は繁華街から自然豊かなエリアまであり、バラエティに富んでいてバランスのいい街だ。
 東西に地下鉄東山線、南北に地下鉄名城線が走り、基幹バスで名古屋駅ともつながっている。
 西は今池、千種と繁華街があり、中央には高級住宅地の覚王山、池下があり、東は東山公園や平和公園などの自然豊かなところも残されている。
 地下鉄沿線の駅前は賑わっているし、店も多い。大学、高校が集まる文教地区でもある。名古屋トップの名古屋大学をはじめ、名古屋三大お嬢様学校の椙山女学園大学と愛知淑徳大学があるのも千種区だ(SSKのもう一つは守山区の金城学院大学)。
 東山動植物園があり、城山八幡宮や覚王山日泰寺など、寺社仏閣が多いエリアでもある。
 有名人もわりと多く出していて、スケートの安藤美姫や映画監督の堤幸彦、女優の戸田恵子や漫画家の江川達也、歌手の八神純子なども千種区出身だ。林修先生も千種区の出で、名門東海高校から東京大学に進学している。
 名古屋駅や栄ほど騒々しくなく、適度に自然もあって、必要なものはなんでも揃うのが千種区の特徴といえるだろう。
 個人的にも好きな街ではあるのだけど、一つ難点がある。それは坂が多い街という点だ。中央部分が盛り上がっていて、守山区から見ると行きも帰りもけっこうな坂道があって逃れられない。自転車乗りにはきつい。あの坂さえなければもっと千種区を好きになっていたのだけど。
 他県から移ってきて名古屋のどこに住んだらいいかさっぱり分からないといった場合、まずは千種区内を検討してみるといいんじゃないかと思う。

【アクセス】
 ・地下鉄名城線「茶屋ヶ坂駅」から徒歩約8分。
 ・駐車場 なし(近くにコインパーキングあり)

 千種区webサイト
 

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