写真ノート<40> ---おすすめ撮影参考書 - 現身日和 【うつせみびより】

写真ノート<40> ---おすすめ撮影参考書





 撮影に関する参考書のたぐいは山ほど出版されていて、私も図書館で借りたり古本を買ったりしてこれまでたくさん読んできた。しかしながら、これはすごくためになったなと思えるものはその中のほんの一部でしかない。写真を始めて間もない頃ならともかく、ある程度以上に撮れるようになってから読んで参考になるものは少ない。読んでもすぐに忘れてしまってほとんど覚えていないくらいだ。
 それでも何冊かはこれはなかなかいいなと思えるものがあった。今回の写真ノートは、おすすめ写真集の姉妹編としておすすめ写真参考書編をお送りしようと思う。
 これらはすべて図書館で借りた。Amazonでも取り扱っているものばかりだから、入手困難なものはないはずだ。写真集もそうだけど、写真関係の本は高いものが多いから全部買うのは大変だ。なので、積極的に図書館を利用することをおすすめしたい。

 スコット・ケルビー『デジタルフォト達人への道 1 』。

 表紙が古めかしくて安っぽい感じではあるけど、内容は充実している。出版は2011年と今となっては古いものの、扱っているのはもちろんデジカメで、現在でも充分通用するものといっていい。
 著者のスコット・ケルビーという人がどんな写真を撮るカメラマンなのかはまったく知らない。写真関連本のベストセラー作家らしく、全米Photoshopプロフェッショナル協会の会長というから実績のあるベテランさんなのだろうか。
 この本の特徴は、実践に即しているという点だ。同じような内容の本は日本人写真家も多く出しているけど、日本のものが通り一遍で紋切り型なのに対して、こちらはもっと斬新で本質に迫っている。プロが何を考えてどう撮っているのかといったことも、あけすけに書いている。どこかで読んだことがあるようなものでないのがいい。
 シリーズが4巻まで出ているので、通して全部読むと多くを得られるはずだ。





 加藤アラタ/並木隆『おしゃれでかっこよい写真の撮り方手帖』。

 作例がいい。それに尽きる。
 どれだけ詳しく解説していても肝心の作例が今ひとつでは説得力に欠ける。この本は作例を見るだけでもためになる。タイトルに偽りなく、おしゃれでかっこよい写真とはどういうものかを示している。
 初級、中級者向けかもしれないけど、まずこれらの作例を真似て撮ってみるといい。オリジナリティーなどというものは最初から身についているものではなく、あとから付随してくるものだ。写真の人真似は全然恥ずべきことではない。真似して撮っているうちにいい写真のなんたるかがだんだん分かってくる。まあ、真似るといってもそう簡単ではないのだけれど。




 飯田英里/石井命子『静物写真のルールブック』。

 テーブルフォトやブツ撮りは撮り手のセンスがもろに出る。得意な人は誰に教わることなく初めから上手く撮るし、センスがあまりない人は本を読んだり人の写真を真似したりしてもなかなか上手く撮れない。私は後者だ。ブツ撮りはずっと苦手意識が強かった。
 この本はそんなブツ撮りが苦手な人に読んでもらいたい一冊だ。丁寧に書かれているし、読めばコツといったものが少しは理解できると思う。食事にしてもテーブルフォトにしても、撮り方のパターンはそれほど多くないから、基本の型をマスターしてしまえばそれなりの写真は撮れるようになる。これを読んだからといって急にハイセンスになるわけではないけれど。
 ブツ撮りもたくさん撮っても少しずつ上達していくしかない。配置だとか、ライティングだとか、いろいろ勉強しないといけないことは多い。






 高嶋一成/内藤タカヒコ『「写真を使う」デザインのルール 撮影から補正・レイアウトまで 』。

 広告や商業用に使う写真はどう撮ったらいいのかを学ぶ本。誰におすすめしていいのかよく分からないのだけど、個人的にはいろいろためになった。内容はけっこう専門的なので、単純に写真が上手くなりたい人のための参考書というのとはちょっと違う。
 フォトブックを作る人はデザインなどの点でかなり参考になるんじゃないかと思う。表紙のデザインや写真の文字入れなど、なるほどこういうアイディアがあるのかと納得することが多かった。
 広告写真をやってみたいという人などは一度手に取ってみるといいと思う。






 ルーク・オザワ『ルーク・オザワの ヒコーキ写真の撮り方: 光、空、風景で魅せる! 』。

 航空写真家の第一人者であるルーク・オザワが、これまで培った経験とテクニックを余すことなく詰め込んだ一冊。ほとんど出し惜しみなしなんじゃないかと思うほど内容は充実している。飛行機写真撮りのバイブル的一冊といっても言い過ぎではない。
 最近は空美ちゃんという言葉が定着するほど飛行機萌え女子も増え、ちょっとした飛行機撮りブームが来ている。実際、空港へ行ってみるとでかいカメラにバズーカを付けた女子の姿もけっこう見る。飛行機撮影は鉄道撮影に比べると照れくささがないかもしれない。飛行機撮りが一般的なものとなってきたのは喜ぶべきことだろう。
 飛行機好きの人はもちろん、ちょっと興味があってこれから始めてみようかなと思っている人にもこの本は自信を持っておすすめできる。
 実践的な撮り方指南や、使用機材のこと、日本各地の飛行場の攻略法など、参考になることが多い。
 ただし、この本には唯一にして最大の欠点がある。それは、これを読んだからといって誰もルーク氏のようには撮れないということだ。ルーク氏、すごすぎ。ヒコーキに向ける愛情の深さと、費やしている時間の量が半端じゃない。誰も勝てっこない。


 

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