東京日和ツアー最終章---増上寺のゆるい感じ 2006年12月15日(金) - 現身日和 【うつせみびより】

東京日和ツアー最終章---増上寺のゆるい感じ 2006年12月15日(金)

増上寺山門

PENTAX istDS+TAMRON 28-200mm XR(f3.8-5.6), f5.0, 1/20s(絞り優先)



 芝の増上寺(ぞうじょうじ)へ行こうと思った。なんでだと自分に訊ねてみた。なんでだろう? なんでだろう~、なんでだろう~、なんでだなんでだろう~♪ 古っ!
 増上寺がどんな寺で、何を見たいのかよく分からないまま、なんとなく行ってしまった私は、門をくぐった境内で、あまりの空気の薄さに戸惑うことになる。なんだこの気の抜けた感じは。何にたとえたらいいのか分からないこの薄さ。もちろん、富士山山頂のように酸素が薄いとかそういうことではない。霊感はまるでない私だけど、霊的な空気感がまったく抜け落ちているというか、スースーしてしまっている。帰ってきてから歴史的なことをいろいろ知ったものの、それでも歴史的な空気の重みがあの場所にとどまっているようには思えなかった。徳川家のみなさんも、戦時中に疎開してしまったのかもしれない。

 写真の三門、正式名「三解脱門(さんげだつもん)は、1622年に建てられたもので、戦災を逃れた数少ない建造物のひとつだ。二重門の威風堂々たる姿は、江戸時代の人たちが驚いたように、現代の私たちをも驚かせる。これは文句なしに立派なものだ。間口16メートル、高さ21メートルあり、ペリーが浦賀にやって来たとき、この門の二階からその姿が見えたそうだ。
 この門をくぐると、3つの煩悩(食欲・瞋恚・愚痴)から解脱できると言われている。門をくぐってきた私は食欲もなくなりガリガリです、というわけでもない。瞋恚というのは「しんい」と読み、嫌いや怒りの感情にとらわれることをいう。そういえば、帰ってきてからサンドイッチに入っていたキュウリを食べた私。もしかして最終解脱してしまったか? 空だって飛べる、かも?
 この三門の手前に、総門がある。戦災で焼けてしまって現在のものはコンクリート造りなのだけど、町名や駅名になっている「大門」は増上寺の総門のことを指している。西部警察の大門圭介団長(渡哲也)とは関係ない。

増上寺大殿

 増上寺大殿 東京タワーとボクと、時々、ツアコン。
 なんとも脱力感を誘う光景だ。シュールすぎてかえってゆるい感じがする。私でさえ、ありえなくない? なんて言葉を使ってしまいそうになる。うーむ、それにしてもこれはなんとも。
 増上寺を説明するとき、その歴史と伝統と格についてとうとうと語ることができる。600年の歴史を持つ浄土宗の七大本山の一つで、徳川家の菩提寺として関東十八檀林の筆頭として興隆を極め、現在でも日本有数の寺格を誇る寺だ。しかしなのである。そんなことに思いを馳せながら増上寺を見ようとしても、否が応でも目に飛び込んでくる東京タワーのデカさ。増上寺に集中できんっ!
 もともとは空海の弟子の宗叡が千代田区麹町あたりに建てた光明寺が始まりだそうで、室町時代の1393年、酉誉聖聡(ゆうよしょうそう)が真言宗から浄土宗に改宗して増上寺となったのだそうだ。正式名称は三縁山広度院増上寺(さんえんざんこうどいんぞうじょうじ)。
 1590年に徳川家康が江戸城に来たとき、たまたま通りかかって住職の源誉存応上人と意気投合して菩提寺としたのだった。
 いったん日比谷へ移ったあと、江戸城拡大のときに現在の芝に移ってきた(完成は1611年)。この地を選んだのは、徳川家のもうひとつの菩提寺である鬼門の寛永寺に対して、裏鬼門に当たるのがこの芝だったからだと言われている。天海和尚の入れ知恵だったという話もある。

 関ヶ原の合戦で徳川家康が勝利して江戸幕府が開かれると(1603年)、増上寺は大繁栄への階段を登り始める。君はまだ菩提寺さ。幸せはきっと家康が、運んでくれると信じてるね。江戸だったといつの日か思う時が来るのさ(替え歌の元歌が分かりづらい)。
 三解脱門、大伽藍、鐘楼(江戸三大名鐘の一つ)、将軍の御霊屋など次々と造営されていき、戦争で焼けるまでは五重塔も建っていた。常時3千人の修行僧がいて、格付けランキングでは京都の知恩院と並び称されるほどだった。
 増上寺で葬儀を行うようにと遺言を残して死んだ家康のあとも(75歳)、代々将軍によって手厚く保護され続け、二代秀忠、六代家宣、七代家継、九代家重、十二代家慶、十四代家茂と、6人の将軍の墓所がここに作られた。その他、悲劇の皇女と言われた静寛院和宮(家茂の正室)もこの地に葬られている。京都から江戸城に移った明治天皇も、増上寺を最初の勅願寺とした。
 しかし、明治に入ってからは一転厳しい状況に追い込まれていくことになる。1873年(明治6年)と1909年(明治42年)と二度の大火事で、多くの建物が燃え、大殿までもが消失してしまう。更に芝公園の整備によって境内は半減してしまい、一気に過去の栄光の面影が薄くなる。
 大正時代になってようやく大殿の再建を果たしたと思ったら、第二次大戦の大空襲で徹底的にやられてしまった。大殿も五重塔も、国宝だった徳川家霊廟も、ことごとくが燃え落ちた。
 戦後、徳川将軍の墓は別の場所に移され、かつて壮麗な霊廟があった場所には、ゴルフ場と東京プリンスホテルが建っている。
 今の新大殿は、昭和46年に35億円かけて再建したものだ。しかし、いくら立派でも歴史の重みはない。そのあたりも、私が空気が抜けてしまっていると感じた理由なのだろう。
 現在、徳川将軍家墓所は非公開となっていて、家康の命日前後などしか拝観できない。昔の国宝なら見たかったけど。
「練行列(ねりぎょうれつ)」というのがあって、昔のの衣装を身にまとった人たちが練り歩いたり、三解脱門の上から「散華」という極楽の花の花びらを模した紙(?)をまくのを拾ったりするそうだ。モチなら拾いに行ったのに。

 今回の増上寺編をもって東京日和ツアー(全7回)はおしまいになります(陰のツアコンとして活躍してくれたmaoさんに感謝)。神宮外苑、東京駅、上野公園、皇居、泉岳寺、増上寺、振り返ってみるとたくさん回ったようでまだまだ回り足りない。今回逃したものだけでも、伝通院、明治神宮、お台場、浅草寺、井の頭公園、新宿御苑、浜離宮、湯島天神、将門塚など、たくさんある。これはもう、どうやったってもう一度、二度、三度と行かねばなるまい。
 というわけで、またいつの日か、東京日和シリーズでお会いしましょう。もしかしたら、東京のどこかで、はとバスから降り立った私をあなたは目撃するかもしれない。日本人のくせにカメラを持ってはとバスに乗ってる人がいたら、ひと声かけてみてください。オー、ゲイシャ、フジヤマ、スキヤキ、スシ、テンプーラ! などと口走る怪しい日本人は、きっと私です。

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コメント
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おつかれさまでした♪

オオタさま

こんにちは。
東京日和ツアー、おつかれさまでした。

最後の最後に、登場させてくれたのですね。*^^*

こちらこそ、色々ありがとうございました。
いっぱい歩いた(歩かせてしまった・・?)けれど、
楽しかったですよね。(^^)

では、またね・・・

2006-12-16 15:59 | from mao_cat

浦和??

増上寺、数年前に会長の葬儀で初めて行きました

2006-12-16 23:43 | from ただとき

はじめの一歩

★mao_catさん

 こんにちは。
 最後の最後にもう登場はないのか? と思ったところで登場でした(笑)。
 ホント、お疲れ様でした。とってもお世話になりました。(^^)
 借りを作りすぎて怖いなぁ(笑)。
 けど、すごく勉強にもなったし、得たものも多かったです。電車に乗る仕組みもやっと少し分かったし。(^^;
 あれだけ歩いたのも、実績ができて自信になった。その気になれば歩けるもんですね。筋肉痛も2日で収まったし、まだまだ限界じゃない。
 ↑
 また行く気満々です(笑)。

2006-12-17 03:47 | from オオタ | Edit

東京タワーがなかったら

★ただときさん

 こんにちは。
 浦和?
 レッズ?
 なんだろう。(^^;

 
 ただときさんは葬儀で増上寺行ったんですか。
 あんなところで葬儀ってことは、かなりすごい人なのかも? 会長さんとは。
 葬儀場はすごいらしいですね、あそこ。
 お寺としては、ちょっと歴史の空気感が抜けすぎていて、私としては拍子抜けでした。やっぱりあの東京タワーの存在だろうか。(^^;

2006-12-17 03:50 | from オオタ | Edit

ああ、スイマセン、「ペリーが浦和に来たとき」って書いてあったから・・・反応しました、元埼玉県人w

2006-12-17 09:19 | from ただとき

ちなみに、会長の葬儀は、端っこの散っちゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~いスペースでしたw

見栄っ張り町工場の社葬ですからw

2006-12-17 09:20 | from ただとき

まさかの浦和

★ただときさん

 こんにちは。
 わー、なんてこった。浦和になってるー。(>_<)
 そういうことだったんですね。あはは。
 まさか芝から埼玉までは見えないですね(笑)。
 マサイ人でも見えないだろう。
 浦和じゃなく浦賀でしたね。(^^;

 ただときさんは埼玉の人だったんですか。
 レッズ、いいですね、強くなって。昔はお仲間だった名古屋グランパスは、いつになっても中位をウロチョロしてるだけです。

 増上寺の葬儀にもいろいろあったんですね。(^^;

2006-12-18 03:30 | from オオタ | Edit

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