秋にも冬にも桜が咲くなんてのはそんなの常識 2006年11月30日(木) - 現身日和 【うつせみびより】

秋にも冬にも桜が咲くなんてのはそんなの常識 2006年11月30日(木)

東山植物園の子福桜

Canon EOS Kiss Digital N+TAMRON SP 90mm(f2.8), f2.8, 1/60s(絞り優先)



 桜は春に咲くもの。そんなの常識。タッタタラリラ、ピーヒャラ、ピーヒャラ、パッパパラパ。しかし、碇ゲンドウが言ったように、「何事にもイレギュラーは存在する」。桜とて例外ではない。
 秋に咲く桜があり、冬に咲く桜がある。しかも、狂って咲いているわけではない、毎年その時期に好きこのんで桜があるのだ。
 寒い時期に咲く桜の代表としては、「十月桜(ジュウガツザクラ)」と「冬桜(フユザクラ)」がある。十月桜の方が一般的で、両方とも春と秋の二回花を咲かせる。花びらが八重なら十月桜で、一重なら冬桜と思ってまず間違いない。冬は寒さのせいか、花はいたって地味な印象を受ける。寒風にさらされて寒そうな風情なので、あまりきれいには見えない。花そのものも小さい。ただ、近づいてよく見ると、紛れもなく桜の花で、きれいだ。地味だからといって気に留めてなかったら、いつの間にか結婚してしまってよくよく見てみるとけっこう美人でしまったと思ったときはもう遅いということもある(それとこれとは違うだろう)。
 十月桜は、御会式桜(オエシキザクラ)とも呼び、エドヒガン系と言われている。江戸彼岸(エドヒガン)と豆桜(マメザクラ)の交雑種か、または子彼岸桜(コヒガンザクラ)の園芸品種という説もある。
 冬桜は、小葉桜(コバザクラ)ともいい、山桜(ヤマザクラ)と豆桜(マメザクラ)の雑種だろうということだ。
 桜の種類は全部で300種類以上あるというからお手上げだ。どれが何から生まれたのかとか作り出されたのかなど、はっきり分かってないものもある。そのうち野生種は、世界で50種類くらいだそうだ(中国33種、日本9種、ヒマラヤ3種、ヨーロッパ3種、北米2種)。これだけ種類があると、なかなか見分けるのは難しい。見分けられたとしても、それが正解なのかどうか分かる人もほとんどいないので自慢にもならない。適当なことを言っても誰も分からない。桜の血統マニアというのは馬の血統マニアのようにたくさんいない。

 写真の桜は冬桜か十月桜か、どちらでもあるかどちらでもないか。どっちカニ? 間違えたら腕とお尻に電流が流れます。正解は、どちらでもない、でした。答えは、子福桜(コブクザクラ)という。コブクロ? ああ、違った、コブクか。そういえばコブクロにも「桜」という曲があった。

 ♪名もない花には名前をつけましょう
  この世に一つしかない
  冬の寒さに打ちひしがれないように
  誰かの声でまた起きあがれるように♪


 この歌詞はあんまり桜っぽくないなと思っていたけど、冬に咲く桜に当てはめるとぴったりくる。もしかしたら、彼らは冬に咲いてる桜を見て、名もない花と思ってこの曲を作ったのかもしれない。いや、ちゃんと名前はありますから、勝手に付けちゃダメです。しかも、コブクロに近いコブクだ。というか、私が勝手にストーリーを作ってはいけないだろう。コブクロの大きい方も小さい方も、子福桜のことなんて知らないだろう。特に2メートル近い方は。
 ついでに書くと、コブクロという名前は、ふたりの名字である小渕(コブチ)と黒田(クロダ)からきている。そんなの常識? タッタタラリラ、ピーヒャラ、ピーヒャラ、パッパパラパ。ロダブチとかいうユニット名だったら今ほど売れてなかったと思う。
 コブクロと聞くと反射的に森進一のモノマネで「おふくろさん」を歌い出してしまう人が全国で300人くらいはいると思う。もっとかもしれない。森進一というと、高校時代の友達マッチャくんを思い出す。マッチャくんは森進一にちっとも似てないのに、森進一の写真を見るとマッチャくんにそっくりなのだ。一方通行のそっくりさん。あれは笑えた。
 そんな個人的に思い出は置いておいて、コブクザクラだ。これも春と秋の二度咲きで、中国原産の支那実桜(シナミザクラ)と十月桜の交雑種ではないかと言われている。または、エドヒガンの雑種、あるいは小彼岸と唐実桜の交雑種かもしれないとのことだ。
 花は白っぽくて小さいものの、よく見ると八重桜であることが分かる。八重のものは普通実をつけないのにこれは例外で、複数の実をつける。そこから子だくさんのイメージで子福桜という名前が付けられた。
 雌しべの数が2つ以上あれば子福桜と見ていい。

小原の四季桜アップ
PENTAX istDS+Super Takumar 50mm(f1.4)

 これは小原で咲いていた四季桜。一重で、こちらも春と秋の2回咲く。秋は花が小さくまばらで、華やかさはなく繊細な感じだ。ただ、十月桜や子福桜よりも花が多い分、見応えはある。これはマメザクラとエドヒガンの交雑種とはっきり分かってるようだ。
 その他、もう少し寒くなってきてから咲く桜に、ヒマラヤ桜と不断桜がある。これは12月くらいに咲いてくる。私はまだ見たことがないので、どこかで見つけて見てみたい。
 秋冬に桜を確実に見るためには、愛知なら東谷山フルーツパークがいい。あそこなら何種類か見られるはずだ。東山植物園の子福桜は、お花畑に登っていく途中の右側にある。尾張旭のタワーがある三ツ池にも確かあったはずだ。
 日本全国どこにでもあるはずだから、公園や植物園を回れば何か見つかると思う。寒い時期に咲く桜はそんなに特別なものではないことを私も最近知った。あっちでもこっちでも咲いている。ここにしか咲かない、なんてことはないのだ。ここにしか吹かない風やここでしか聴けない歌やここでしか見えないものがあったとしても、ここにしか咲かない桜はたぶん、ない。ここでしか生きられない人というのもきっといない。桜はどこでも咲けて、人はどこでも生きていける。必要に迫られればたくましくなれる。
 けど、コブクロの「ここにしか咲かない花」は泣けるね。

 ♪あの優しかった場所は今でも
  変わらずに 僕を待ってくれていますか?
  最後まで笑顔で 何度も振り返り
  遠ざかる姿に 唇噛みしめた
  今はこみ上げる 寂寞の思いに
  うるんだ世界を 拭ってくれる指先を 待っている♪


 今日はコブクロを聴きながら、このへんでさようならー。

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