味鋺神社は春日井ではなく名古屋市北区にある - 現身日和 【うつせみびより】

味鋺神社は春日井ではなく名古屋市北区にある

味鋺神社外観


 名古屋市守山区から見て庄内川の向こうは春日井市というイメージがある。しかし実際は、名古屋空港があるあたりまでは名古屋市北区だ(名古屋空港は名古屋市、豊山町、小牧市、春日井市にまたがっている)。
 味鋺は春日井市だとずっと思っていた。北区ということを知ったのはつい最近のことだ。
 これは「あじま」と読む。少し北へ行くと味美で、そちらは春日井市だ。読み方は「あじよし」となる。
 このあたりはあまり土地勘がなくてよく知らなかったのだけど、最近、庄内川の夕景を撮るためにちょくちょく出向いていて、少し馴染みになった。
 自転車で走っているとき、少し入ったところに神社が見えたので寄ってみると、味鋺神社とある。式内社ということで、これは挨拶しておかないといけないとなった。
 隣にも立派な寺があって気になった。



味鋺神社入り口鳥居前

 説明板の由緒書きを読むと、物部氏ゆかりの神社とある。
 ついこの前、尾張氏ゆかりの尾張戸神社で初詣をしてきたばかりなのに、こんなところで物部氏の神社に参ることになるとは思わなかった。
 尾張地方における尾張氏と物部氏はライバルのような関係で、ともに古くからこの地を治めていた有力な豪族だった。そのへんの話をすると長くなるので、今回は省略したい。簡単にいえば、発展した尾張氏と没落した物部氏ということになるのだけど、話はそう単純でもない。
 ライバルといっても必ずしも敵対していたわけではないので、物部氏の痕跡も打ち消されたりせず残っている。代表的なのが千種区の 高牟神社や東区の物部神社などだ。熱田神宮は尾張氏にゆかりの深い神社だけど、境外摂社の高座結御子神社は物部氏の神を祀っている。
 味美にある二子山古墳などの古墳群は物部氏のものだったといわれており、味鋺にもかつてたくさんの古墳があったことが分かっている。
 ついでに書くと、庄内川や矢田川を挟んだ南岸エリアに、羊神社別小江神社、綿神社などの式内社が集まっている。
 犬山市の青塚古墳のときにもちらっと触れたけど、古墳時代は今よりも海岸線がぐっと内陸の方にあったので、今の名古屋よりも北エリア周辺に中心部があったようだ。熱田地区に下っていったのは、あとになってからだろう。
 尾張氏、物部氏についてはまたそのうちに。



味鋺神社蕃塀

 ここにも蕃塀(ばんぺい)がある。コンクリート造なので古いものではない。



味鋺神社拝殿の注連縄




味鋺神社拝殿の額

 味鋺神社の創建年ははっきりしないようだ。
 主祭神は、物部氏の始祖とされるウマシマジ(宇摩志麻遅命)。「日本書紀」では可美真手命(ウマシマデ)、「先代旧事本紀」では味間見命(ウマシマミ)と表記される神だ。
 ウマシマジを祀った有名な神社といえば、島根県大田市にある石見国一宮の物部神社(もののべじんじゃ)がある。奈良県天理市の石上神宮(いそのかみじんぐう)でも配神として祀っている。
 いずれにしても、味鋺、味美あたりが尾張物部氏の中心地だった時期があると考えてよさそうだ。



味鏡山天永寺護国院

 隣接する味鏡山天永寺護国院。
 奈良時代の745年頃、行基が創建したと伝えられる古刹だ。創建当時は、薬師寺だったという。
 かつては味鋺神社の神宮寺だったと考えられる。



護国院仁王像




護国院本堂

 護国院本堂。



護国院本堂屋根




味鋺本堂前




護国院柱の彫り物




護国院屋根の鳳凰

 味鋺神社も護国院も、なかなかよかった。
 
【アクセス】
 ・名鉄小牧線「味鋺駅」から徒歩約20分。
 ・無料駐車場 あり
 ・拝観時間 終日

 味鋺webサイト
 

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