首をかしげながら空を見上げるエリマキキツネザル - 現身日和 【うつせみびより】

首をかしげながら空を見上げるエリマキキツネザル

エリマキキツネザル

Canon EOS 10D+TAMRON 28-300mm XR(f3.5-6.3), f7.1, 1/100s(絞り優先)



 空を見上げながら2頭のエリマキキツネザルは何を話してたんだろう。飛行機でも見てたのか、故郷のマダガスカル島のことを思い浮かべていたのか、天気でも気になっていたのか。
 そんなことを想像しながら写真を撮っていた。写真を撮るようになって、自分は人や動物の後ろ姿が好きなんだということが分かった。それは、私のこの世界に対する関わり方とも無関係ではないだろう。

 襟巻狐猿は、アフリカ大陸の南東にあるマダガスカル島の林で暮らしている。島にいる約30種類のキツネザルの中で一番体が大きく、体長50センチ、体重は4キロくらい、太くてモコモコの尾長は60センチほどある。
 毛並みはパンダを思わせる白黒ツートンカラー。個人的にはAE86レビンを思い出す。しかし、パンダ模様にしては今ひとつ人気がない。というか、それ以前に知名度が低い。それなりにかわいいんだけど。
 キツネザルと名前の付く猿は、原猿と呼ばれる原始的な猿だ。以前登場したワオキツネザルも同じグループで、あれもこれもキツネ顔をしていて、ヒゲまではやしてる。
 名前の由来は、首周りにフサフサした白い毛があって、それを襟巻きに見立てたのだろう。後ろからはちょっと確認しづらいけど、前から見るとなるほどと思わせるものがある。頭の上の方まで巻いていれば真知子巻きみたいだったのに惜しい(あまり惜しくない)。
 原始的な猿ということで、ニホンザルなんかに比べると頭はよくないようだ。写真左側のやつの首にかしげ方なんかは、間抜けな犬が首を傾けてるのに似て、見るからに賢そうじゃない。性格はのんびりしていて、昼間はぼぉーっとしてることが多い。
 たまに大声で鳴き出して何事かとびっくりするけど、自分の縄張りを主張するのを思い出したときに鳴くようだ。壊れた目覚まし時計みたいだ。
 脳で考えるより鼻が頼りで、嗅覚メインで暮らしていると言われている。そのへんも犬っぽい。
 食事のときも、手が上手に使えるのに、直接口で食べることも多いようだ。エサは、果物、種子、葉っぱなどで、動物園では煮たサツマイモ、煮たニンジン、小松菜、果物などをもらってるという。妙に年寄り好みの食事だな。

 マダガスカル島では、北東部の多雨林で、家族単位で生活しているそうだ。ワオキツネザルのように大きな群れは作らず。キツネザルといえども、種類によっては暮らし向きは様々だ。
 昼行性で、涼しい明け方や夕方にエサとりなどをして、昼間は休んだりひなたぼっこしたりして過ごす。
 キツネザルの特徴として、交尾できる期間は年に1回、数日しかない。
 エリマキキツネザル特有のものとしては、木の上の巣穴で子育てをするというのがある。子供の発育がよくないようで、エサをとりにいくときは安全な巣穴に残しておかないと危ないのだ。または口でくわえて子供を運んだりもする。
 生まれる子供は、一度に1頭から3頭くらい。
 このエリマキキツネザル、現地のマダガスカルではかなり数を減らして絶滅の恐れがあると言われている。1,000頭切ってるというデータもあり、今後ますますその数を減らす傾向にあるようだ。今は世界的に熱帯雨林が急激に減少していっている。猿たちにとっても棲みづらい世の中になったものだ。

 動物園の目的は、展示だけでなく、飼育することで研究になり、繁殖させるという重要な役割も担っている。数を減らしている野生動物を動物園で増やすことができれば、そのノウハウを現地にフィードバックさせることができる。いつか、日本の動物園で生まれ育った動物が故郷に帰るなんてこともあるかもしれない。
 この世界があと少しで終わってしまうと分かったときは、動物園にいる動物たちを全員、故郷に帰してやりたい。残り短い期間でも、動物たちは再び輝きを取り戻すだろう。想像しただけで素敵なことだ。野生は厳しいけど、やっぱり野生動物は故郷が一番いいに違いない。

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