寒そうな名前を持った暖かいところ好きなカンヒザクラ - 現身日和 【うつせみびより】

寒そうな名前を持った暖かいところ好きなカンヒザクラ

少し前のカンヒザクラ

Canon EOS 10D+EF75-300mm(f4.5-5.6), f4.5, 1/60s(絞り優先)


 奥山田にしだれ桜を見に行った3月の終わり、村積山の登山口付近に咲いていたカンヒザクラ。ソメイヨシノを見慣れた目で見ると、やけに派手に見える濃いピンクのこの花、知らなければ桜とは思わないかもしれない。南国っぽいなと思ったら、中国南部から台湾あたりで自生している桜で、沖縄で桜といえばこのカンヒザクラのことだそうだ。なるほど、これは沖縄によく似合う。石垣島などでは野生化してるものもあるという。沖縄ではソメイヨシノが育たないこともあって、沖縄の人にはお馴染みの桜なのだろう。
 本州では当然自生しないので、全部人の手によって植えられたものだ。寒いところは苦手だから、東京あたりが北限となっている。だから、北国の人にはまったく馴染みのない桜という言い方も出来るだろう。実際、見たことないし、その存在も知らなかったという人もいるかもしれない。名古屋あたりではあまり見かけない気がするけど、私が知らないだけだろうか。
 花は最大まで咲いて半開きで、花びらは舞わず、花ごとボトッと下に落ちる。風情という点ではソメイヨシノにはかなわないから、派手さで勝負。
 沖縄で咲いてるカンヒザクラの写真を見ると、本州で植えられてるものとだいぶ雰囲気が違う。沖縄のものはもっとピンクがかっていて、ふわっとした優しい華やかさがある。リュウキュウヒガンザクラとして区別することもあるそうだ。ああいうのをもっと見たいのに、このへんでは育たないのだろうか。

 カンヒザクラを漢字で書くと寒緋桜。昔は緋寒桜(ヒカンザクラ)と呼ばれていたのだけど、別の種類の彼岸桜(ヒガンザクラ)と紛らわしいので、いつからかひっくり返して呼ばれるようになった。悲観とか寒悲とかの漢字が思い浮かんで、なんとなく悲しげな響きを持つこの桜、でも実際そんなことはなくて、南国でけっこうのんきに生きている。少々の雨風くらいではビクともしない。
 本州ではソメイヨシノより数日先行して咲く。沖縄では1月からもう咲いてくる。もちろん日本一開花の早い桜だ。もう暖かいからいいさ~とばかりに年明け早々に咲いてくる。成人式の日はこのヒカンザクラが満開だったりもするらしい。
 だから、沖縄の人にしたら、本州が3月の終わりから4月にかけて桜だ、桜だと浮かれているのは、まったくの他人事に感じてるんじゃないだろうか。そもそも沖縄の人は、あまり花見をしながらの宴会というものをしないらしいし。
 面白いのは、沖縄で咲くカンヒザクラは北から南に向かって咲いていくということだ。桜は寒さを乗り越えないと咲かないという性質があるため、寒い方から順番に目覚めていき、結果的に北から南に向かって降りてくるという格好になる。だから、桜は常夏の地では決して花開くことはない。
 沖縄の桜名所としては、八重岳(やえだけ)、今帰仁城跡、名護城あたりが有名だそうだ。特に八重岳は、このカンヒザクラが4,000本というから圧巻だろう。見られるものならいつか見てみたい。

 実のならないソメイヨシノと違って、元々野生だったカンヒザクラはサクランボがなる。ただし、それは酸っぱくて苦くてとてもまずいらしい。花の蜜は甘くて、野鳥もよく吸っているのに、なんでサクランボはそんなに酸っぱいんだか不思議だ。
 沖縄では、これの実を酒に浸けて、旧暦3月3日の浜下り(はまくだりかと思ったら、はまうりだった)で配るおばぁがいるらしい。平良とみさんが配り歩く姿が目に浮かんだ。酸っぱいままのものを具志堅に食べさせたいとも思う。

 4月15日現在、桜前線は北関東から東北の南あたりなんだろうか。地元の桜が終わると、とたんに桜のニュースがなくなるから、いつも北の方の桜の状況が全然掴めなくてもどかしい思いをする。せいぜい北海道でゴールしたとき小さなニュースになるくらいだ。
 桜はまだ終わってはいない。それどころか、日本の桜はこれから7月まで続く。ソメイヨシノは本州で終わって、北海道に入ったらオオヤマザクラにバトンタッチをする。そして、北海道東部の高嶺桜(タカネザクラ)や千島桜でようやくゴールとなる。それが7月の上旬だ。でも、実際は更に高度の高いところの桜があるわけで、南アルプスや北海道の山では遅い年は8月に咲くこともあるという。沖縄も気が早いけど、北海道もずいぶんのんびりしている。そこに住んでいる人たちにとっては、毎年そうなんだからこういうものと当たり前になっているのだろうけど。
 個人的な桜シーズンということでは、もう少し延長しようかと思っている。山の方に行けばこれから咲くものもあるし、岐阜や長野あたりでは今が見頃というものもある。東谷山フルーツパークもしだれ桜もあるし、来週いっぱいは桜期間ということにしよう。

 カンヒザクラは今、花が一斉に落ちて、道は濃いピンクのじゅうたんになっていることだろう。村積山も去年そうだった。これはこれで独特のよさがあるので、ちょっとオススメしたい。ソメイヨシノだけが桜じゃない。
 ただ、この木の真下で花見をしながら飲んだり食べたりしてると、お弁当や飲み物に花がボトッと落ちてくるので注意が必要だ。おしゃべりに夢中になりながら弁当を食べたりすると、花ごとほおばってしまうかもしれない。たぶん、毒はないから食べてしまっても大丈夫とは思うけど。


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コメント
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こんにちは♪

此方でも八重桜にまじって、寒緋桜が咲いているのを見かけます。

沖縄の人で、桜はあの赤いのしか知らなかったという方もいました。


ポチッと応援v-154

2006-04-16 15:25 | from †Tiara†

お久しぶりです、こんばんはv-411

お約束のかまぼこ板しょって来ましたよ!
ひと呼んで「板かまののろ」とお呼びください。

毎回オオタさんのブログ観てると、つい忙しさにかまけて
見逃していた季節の移り変わりを感じて、ジ~ンと来ちゃいますね。
v-398
今年は何かと忙しくて、花見どころじゃありませんでした・・・
気が付いたら花びらは散って、葉桜になってましたv-395
何処の動物園か忘れましたが、毎年花びらの散るのを楽しみにしている動物がいる
・・・それはサル山のサルたちだそうです。
彼らは風に乗って舞い降りてくる桜の花びらを争って食べるそうですよ。

美味しいんですかね、来年試してみてください。
出来たら、サンデー料理のメニューの一つにお願いします。
v-252v-410

2006-04-17 01:12 | from noro

沖縄は遠い

★†Tiara†さん

 こんにちは。
 そちらでもカンヒザクラ咲いてますか。
 名古屋はどこへ行けばたくさん見られるんだろう。岡崎の村積山でしか見たことがないような気がするんだけど、たぶん見逃してるんでしょうね。
 もう少しまとまって咲いてるところで見てみたいな。

 沖縄の人は、本州に来るといろいろカルチャーショックなことがあるんでしょうね。
 電車に向かって手をあげて止めようとするとかって話もよく聞くし(笑)。
 沖縄に咲くリュウキュウカンヒザクラもいつか見てみたい。北海道の千島桜も。

2006-04-17 02:51 | from オオタ | Edit

怪鳥(会長)のろさん、ごくろうさまです

★のろさん

 こんにちは。
 お久しぶりです。元気でしたか?
 役員の会長さんが思った以上に大変そうで。はは。←他人事(笑)。

 かまぼこ板は、徘徊するときに、のろさんの住所氏名電話番号を書いておくのに使ってください(笑)。

 季節の移り変わりは、写真を撮るようになってからです。ホントにここ数年のこと。
 それまでは、季節が変わってしまってからやっと気づくような調子でした。
 太宰府の梅はとっくに終わって、桜も散り果てたことでしょうね。
 こちらはまだ少しソメイヨシノが残ってます。これがすっかり葉桜になると、いよいよ初夏ですね。また暑くなるんだなぁ。

 動物園のサルが桜の花びらを食べるってのは面白いですね。場所によっては、ものすごい量の花びらが積もってるから、そこへサルを放してやりたい(笑)。
 それとも、ヒラヒラ舞ってくるのを捕まえるのが楽しいのかな?
 でも、昔から料理に登場したことがないってことは、やっぱりどうやっても調理しようがないんでしょうね。(^^;

2006-04-17 02:58 | from オオタ | Edit

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