奥山田のしだれ桜で2006年桜シーズン開幕 - 現身日和 【うつせみびより】

奥山田のしだれ桜で2006年桜シーズン開幕

奥山田のしだれ桜

Canon EOS 10D+EF28-105mm(f3.5-4.5), f4.0, 1/125s(絞り優先)


 2006年桜シーズン開幕。名古屋はここへきてようやく咲き始めたところで、ソメイヨシノの見頃は来週になりそうだ。そこで、一週間早く咲くエドヒガンを見に行ってきた。
 これは岡崎市のはずれ奥山田にある、エドヒガンのしだれ桜。去年は出遅れて見られなかったけど、今年は満開を見ることができた。全国的にはさほど知られてないけど、この地方ではけっこう有名な古木だ。
 702年(または701年)、持統天皇がこのすぐ近くの村積山を訪れた際、自ら植えたという伝説を持つこのしだれ桜。それが本当なら樹齢1,400年以上ということになる。でも、それはちょっとどうだろう。見るからに1,000年を超えてるとは思えない。立派なのは間違いないけど、老木という風格はなく、枝振りなどもまだまだ元気だ。750年という説や、300年という説もあり、はっきりしてないようだ。個人的な印象としては、300年から400年くらいじゃないかと思った。かつて持統天皇が村積山に登ったのは本当だとして、その伝説をもとに江戸時代に誰かが植えたというのが実際のところではないかと想像する。当時、桜が咲き乱れる村積山を見て、花園山と命名したという言い伝えが形を変えて今に残っているのだろう。ただし、現在村積山は桜の名所ではない。
 樹齢はともかくとして、立派なのは間違いない。見る者を圧倒する迫力がある。写真に写ってる人と大きさを比べると、桜の大きさが分かってもらえるだろうか。幹まわり2.5m、高さ15m、枝張り15m、17m。枝を添え木で支えているけど、今が元気を保っている一番いいときなのかもしれない。老木になると枝が折れたりして、だんだん小さくなっていくから。岡崎市指定の天然記念物にもなっている(もし、本当に持統天皇お手植えなら国の天然記念物になっていてもおかしくない)。

 小高い場所に立っているのは、かつてここは村積神社の神官だった柴田氏の屋敷があった場所だからだ。写真のことを考えると、桜まわりのロケーションはもうひとつよくない。手前の植え込みは邪魔だし、まわりは畑で、余分なものも入ってしまう。バックの竹林も雑然としている。手つかずの自然というには中途半端に手が入っているし、観光地として整備されているかといえばそうでもない。非常に惜しいと感じる。もし、まわりに何も障害物がない場所にこの一本の巨木桜がポツンと立っていたとしたら、それはもう素晴らしい風景になっただろう。ただ、そんなことになっていたら、とっくの昔に全国からカメラマンが殺到して大変なことになっていただろうけど。これくらいがローカルな名所としてはほどよい感じなのかもしれない。
 場所の説明は少し難しい。名古屋、豊田方面から行った場合、国道248号線を南下して、「仁木」交差点を左折(東に)、二つめの「北斗台口」交差点を右折、そのまま川沿いにしばらく進んで、突き当たったところで右折して橋を渡って、すぐに川沿いを左折。そのあたりで「奥山田のしだれ桜」という案内看板が立っているので、それに従っていけばたぶん着くと思う。近づけば人も歩いてるし、車もとまっている。
 駐車場はないけど、路上に駐車スペースが用意されているので、ピーク時の週末以外ならとめる場所はあるはず。週末はどれくらいの人出なのかちょっと予測がつかない。今週末は最も危険だ。
 撮影時間は、日中だと光が強すぎて桜が白く飛んでしまいがちなので、近所の人なら朝か夕方がオススメだ。運良くきれいな夕焼け空に当たればいい写真が撮れそうな気がする。ライトアップもある。
 今回私が見つけたとっておきポイントとしては、駐車スペースから村積山へ登っていく道の入り口からちょっと行った竹林を右に入っていたところだ(勝手に入っていっていいのか?)。民家の上の土手のようなところにちょっとしたスペースがあって、そこからだと上から桜の全景を見下ろしつつ、夕焼け空も入る。人の踏み跡もあったから、同じところから撮ってる人も少なくないんじゃないかと思うけど。

 ついでにエドヒガン(江戸彼岸)について少し。
 かつて江戸にたくさんあった桜で、彼岸の頃に咲くから江戸彼岸。
 花はソメイヨシノに似ていて、あれより白が強い。似ているのは当然で、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラを掛け合わせたものだ。ソメイヨシノと決定的に違うのはその寿命だ。ソメイヨシノが60年から70年と短命なのに対して、エドヒガンはとにかく長生き。山梨県北巨摩郡の実相寺にあるエドヒガンは、日本の最長寿の桜で2,000年と言われている。
 他にも、根尾の淡墨桜(岐阜県根尾村)、素桜神社の神代桜(長野県長野市)、伊佐沢の久保桜(山形県長井市)、臥龍桜(岐阜県宮村)など、1,000年を越す老木が日本には何本もある。数百年ではまだまだ壮年だ。
 福井県三春町の三春滝桜など、国の天然記念物に指定されているものもある。ただし、そういう木は何本もの添え木に支えられて、痛々しく感じられるのが残念なところだ。無理矢理生かされている病人を思わせる。

 去年一番の心残りだった奥山田のしだれ桜を見られて、胸のつかえが取れた。今年はいい桜の開幕が迎えられた。チョーさんがかつて言った、ロケットスタートと言ってもいいかもしれない。
 同じく見逃した木曽川堤の桜並木や、去年一番心に染みた五条川の桜など、行きたいところは多い。今年はその中でいくつか選んで見に行こうと思っている。
 桜なんて詰まらない、どこで見ても一緒だ、撮るのが難しくて好きじゃない、そんなことを思っていた私はもういない。去年蹴っ飛ばしてやったから。やっぱり桜はいいもんだ。それぞれの場所にそれぞれのよさがある。写真も、桜の花を撮るから一緒になってしまうだけで、風景として撮れば工夫の余地はたくさんある。桜を主役ではなく脇役に使えれば尚いい。それになんといっても、桜を見に来てる人たちの嬉しそうな表情や話し声が素敵だ。みんな嬉しそうな、楽しそうな顔をしている。今年もまた、この季節に戻ってこられたという喜びが感じられる。
 名古屋の桜の見頃は来週一週間だろう。私も桜週間として、来週はいろんなことを放り出して桜の一週間にするつもりだ。おなかいっぱい桜を見て、飽きるほど写真を撮ろう。EOS 10Dも買ってしまったし(また買ったのかよ)。

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コメント
非公開コメント

おぉ~!
すごく大きなしだれ桜ですね~。
折れないのかな~っておもったら、やっぱり添え木に支えられているんですね~。
想像したらちょっと、痛いたしいですね・・・。
カメラ、かったんですね~。
これから行楽シーズン、たくさん撮ってくださいね♪

2006-04-01 16:02 | from kuroneko

名古屋の桜をこれからお届け

★kuronekoさん

 こんにちは。
 北海道の桜はまだまだでしょうね。あとひと月以上先なんですよね。それは遠いなぁ。(^^;
 北海道の桜はソメイヨシノがメインじゃない? ソメイヨシノも多いんだろうけど、写真で見るともっと濃いピンクだから、違う種類なのかな。
 五稜郭の桜も見てみたいなぁ。
 kuronekoさんの桜写真も楽しみにしてますね。

 それまでは、名古屋周辺の桜をお届けします。第一弾は、エドヒガンのしだれから。
 数百年ともなると、さすがに添え木をしないと枝が折れてしまったりするんで仕方がないんだけど、やっぱりちょっと残念。特に写真を撮るときは。

 デジは中古を買って、それまでのを売るんで、ほとんど差額なしだったりします。(^^;
 気分を変えるために、ときどきそんなことをしてしまうのでした。

2006-04-02 04:25 | from オオタ | Edit

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