PENTAX K10D+TAMRON 90mm f2.8 Macro / PENTAX DA 55-300mm f4-5.8
初秋の風物詩である、シラタマホシクサと、ヒガンバナと、アサギマダラを、一気にまとめ撮りしてしまおうと、尾張旭の森林公園へ向かった。
しかし、そんな都合良くはいかないもので、3つの内、撮れたのは1つだけだった。考えが甘かった。
今年の夏は異常気象だったから、生き物たちも普段通りとはいかないようで、明らかに秋の訪れが遅れていることを知る。空気は少しひんやりしてきたものの、森林公園もいまだ夏の延長戦が続いていた。秋めいてくるのは今月の終わりくらいからだろうか。
まだ気温が高い分、蝶たちも元気に飛び回っている。この日もたくさんのアゲハチョウを見た。彼らにとっては、今年の暑さはよかったのかもしれない。
軍手にとまるシオカラトンボ。
バックは秋の青空。空の色も、雲の表情も、夏とは違う柔らかい感じになってきた。
たくさん張られた蜘蛛の巣は、どこも開店休業といった様子で、蜘蛛たちは手持ちぶさたのようだった。夏が終わる頃の海の家みたいだ。
森の中はツクツクボウシの声だけが響き渡っている。他の蝉の鳴き声はもう聞かない。
今年はヒグラシの声をほとんど聞かなかった気がする。
ニホントカゲの子供。幼いうちは、くっきりとした縞模様と、ブルーの尾をしている。大人になるともっと茶色が強くなる。
なんか、テカテカというか、テラテラな感じで、不気味なので笑える。
サワシロギクとハナアブ。蜜を吸っているのか、花粉を食べているのか。
体が黒っぽいのは、コカマキリだ。久しぶりに見た。
体が小さいこともあるけど、オオカマキリやチョウセンカマキリほどまがまがしい感じはしない。挑戦的でもない気がする。
マユタテアカネだろうか。
秋を前にして翅がだいぶ傷んできている。
ミドリヒョウモンだと思う。ヒョウモンチョウも種類が多くて、見分けるのが難しい。ツマグロヒョウモンのメスだけはすぐに分かるのだけど。
シラタマホシクサに乗っているのは、アブだろうか。
目がすごい。どんなふうに世界が見えているのだろう。
シラタマホシクサはちょうど見頃だった。
何年も続けて見ているから、新鮮さはなくなったけど、今年も再会できてよかった。
湿地の花シーズンは、これで今年も終わりだ。もう少しするとホソバリンドウが咲き始めるのだろうけど、今年はそれも遅れているようだ。
森林公園のシラタマホシクサは、地元ローカルのニュースになるので、見に訪れる人も多い。これだけまとまった量を見られるところは少ないから、貴重だ。
ススキは咲くというのだろうか。単に生えているだけなのだろうか。
ススキも今年は遅いように思う。5日後には中秋の名月なのに、まだ生えそろっていない。
足下を見ると、枯れかけながらナンバンギセルが咲いていた。
葉緑素を持っていないので自分で光合成ができず、他の植物の根に寄生して、そこから栄養をもらって生きている寄生植物だ。ススキなどによく寄生する。
南蛮という名がついているけど、日本にもともとあった花で、南蛮船が持ち込んだキセルに形が似てることからそう呼ばれるようになったという。
初秋の課題を一日で一気に終わらせてしまおうという目論見は外れた。楽をしようとしてはいけないということだ。
アサギマダラにはまだ少し時期が早かったようだ。森林公園は10月に入ってから増えてくるらしい。
ヒガンバナはどこかへ見に行くかどうか、まだ決めていない。今年は開花が大幅に遅れていて、矢勝川でもやっと咲き始めたところのようだ。ヒガンバナは、名所へ行かなくてもどこかそのへんで見られるチャンスはある。
時間があれば、来月、もう一度森林公園へ行くことにしたい。