桃取地区の路地を迷い歩く <答志島・第2回> - 現身日和 【うつせみびより】

桃取地区の路地を迷い歩く <答志島・第2回>

答志島2-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 16-45mm f4



 答志島の二回目は、桃取地区の路地風景をお届けします。
 前回も書いたように、答志島には桃取、和具、答志の3つの地区がある。
 少し古い資料によると、770世帯のうち、一番多いのが答志地区で356世帯、和具が153世帯で、桃取は261世帯となっている。男女比は、女性の方が少し多い。
 世代別のくわしい資料は見ていないからはっきりしたことは分からないけど、子供もけっこういて、過疎の島といった感じではない。昔に比べたら高齢化は進んでいるにしても、働き盛りのお父さんもたくさんいて、わりとバランスはよさそうだ。高校、大学はないから、若者世代は外へ出て行く人が多いのだろうけど、Uターン組もけっこういるんじゃないだろうか。
 お店の数は少ない。もちろん、コンビニも、大型スーパーもなく、個人の商店がわずかにあるくらいで、娯楽施設のたぐいはなさそうだった。スナックや喫茶店なども数軒見かけただけだった。
 とはいえ、船で鳥羽まで行けばたいていのものは揃うだろうし、船便も一日に何度も来るから、山奥の村のような不便さはない。
 上の写真は味わいのある家屋だった。昔は雑貨屋か駄菓子屋をしていたところのようだ。

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 離島の路地は入り組んでいて迷いがちだ。方向感覚も狂い、地図を持っていてもどちらへ向かっているか分からなくなる。それでも、しばらく歩いていると、だんだん掴めてくる。海がある方という絶対的な方向性があるし、島の中だから迷うといっても致命的なものにはならない。
 少し奥へ入ったところに、桃源寺というお寺があった。いわれはよく知らない。表から挨拶だけしておいた。

答志島2-3

 市立の診療所があった。3,000人近くの住人がいる島だから、病院は必要だ。
 和具に個人病院が一つ、答志に歯科医が一つある。
 本土まで近いというのは、安心要素となっているに違いない。

答志島2-4

 答志地区の離れ小島に八幡神宮があって、そこが島の守護神となっている。
 桃取地区にある八幡神社は、そこから分祀したものだろうと思われる。
 せっかくだからちょっと寄っていくことにした。

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 真新しい白い鳥居と、集会所のような拝殿がある。かなり最近建て直したもののようだ。
 拝殿は靴を脱いで上がって、正座をして参拝するような格好になっている。なんだか不思議な感じだった。

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 神社がある高台から家並みを見下ろす。
 とてもいい感じだ。低空飛行で島の上空をゆっくり飛びながら、家並みの写真を撮ってみたい。

答志島2-7

 答志島名物、じんじろ車に大きなカゴを乗せて押していくお母さん。
 車輪のついた台車で、昔、島で鍛冶屋をやっている甚次郎さんが考案したことから、そう呼ばれるようになったそうだ。狭い路地が多い答志島では、今でもじんじろ車が活躍している。

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 島の中で家が建てられる場所はごく限られていて、そのエリアでの人口密度は高い。空き地のようなところは少なく、土地が無駄なく使われている。
 家は密集して建てざるを得ず、どの家も庭付きというわけにはいかない。隣同士の家はぴったりくっつき、お向かいの家に向かってホップステップジャンプをすれば居間まで届いてしまう。
 こうなると隣近所のつき合いなしには暮らしは成り立たず、各家庭の個人情報も筒抜けになりがちだ。ここで生まれ育った人にとっては当たり前のことでも、町暮らしをしていた人間があとから入っていって馴染むのは少し大変かもしれない。
 答志島には、寝屋子制度という変わった風習が今でも続いているそうだ。
 一定の年齢になった男子を何人かまとめて世話をする制度で、寝屋子は食事のときだけ実家に戻り、あとは寝屋で過ごし、生涯に渡って兄弟以上のつながりを持つのだという。
 ただ、かつては島全体で行われていたその制度も、近年は答志地区で続くのみになったという。昭和60年に市の無形民俗文化財に指定された。

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 船着き場と家並み風景。
 理髪店のくるくる看板が見えている。どんなに田舎の村にも、理髪店というのは必ずある。それも必要以上にある。島でも桃取地区だけで2軒ある。1軒だと地区の住民全員が同じ髪型になってしまいがちだから、少なくとも2軒は必要ということかもしれない。

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 島のスケール感を掴まないまま一ヶ所に長居するのは危険だったので、桃取地区の散策は早めに切り上げた。桃取をあとにして、和具へ向かうことにする。

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 島の油断というのは、一人暮らしの男の部屋に似ている。よそ者に対して体裁を整えようという気持ちが希薄で、結果、それが油断につながる。

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 8と書かれたケースが積まれていて気になった。答志島といえば、マルに八でマルハチマークがよく知られているのだけど、それとはまた別の記号か。

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 筏の上で作業をする人たち。何かを養殖しているのか。

 答志島編はまだ桃取を出たところで、先は長い。焦ってもすぐには終わりそうにないから、今日はここまでにしておく。
 このあと答志島スカイラインをとぼとぼ歩いて和具に向かった。ここから長い歩きが始まる。

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