伊賀上野は生まれた県のよその土地 <第一回> - 現身日和 【うつせみびより】

伊賀上野は生まれた県のよその土地 <第一回>

伊賀上野1-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 JR関西本線、加茂行きの列車に乗って、伊賀上野駅に降り立つ。ここは旅の空の下。知らない町。
 行ったのは4月のはじめのことになる。ここのところ桜ネタを優先していて、旅シリーズをなかなか始められないでいた。今後も旬のネタが間に挟まるだろうけど、とりあえず伊賀上野編を開始したいと思う。
 伊賀上野という町に対して全国の人がどういうイメージを抱いているのか、よく分からない。伊賀忍者の里であり、松尾芭蕉の生まれ故郷という知識は、どれくらい浸透しているのだろう。
 伊賀上野という地名に関しては少し説明が必要だ。伊賀国の上野ということで、昔から伊賀上野と称することが多いのだけど、これは上野というと東京の上野と間違われやすいということで、そう呼ばれる習わしとなっている。もともとあった上野市は、伊賀町と周辺の町や村と合併して、伊賀市となっているため、今は存在していない。伊賀上野市の方が分かりやすいじゃないかという声もあったようだけど、最終的には伊賀市と決まった。
 そんなわけで、伊賀といえばたいていは伊賀上野のことを指し、駅名としては伊賀上野駅というのがあるから、観光客としては迷うことはない。
 滋賀県甲賀市や京都府南山城村、奈良県奈良市などと隣接していて、松阪市生まれの私としては、同じ三重県内とは思えないほど隔絶感がある。尾鷲と同じくらい遠い存在で、これまで一度も足を踏み入れたことがなかった。なので、今回は生まれた県でありながら、はっきり旅の感覚があった。

伊賀上野1-2

 伊賀上野駅の正面。食べ物屋も、それ以外の店も、何も見あたらない。駅前はただの広い空間が広がっている。
 一応、観光地である伊賀上野駅の表玄関が、これほど何もないとは思っていなかった。駅前に立って、しばし呆然とする。
 伊賀上野駅は、JRと伊賀鉄道伊賀線が共用となっていて、上野城方面へ行くには伊賀鉄道に乗っていくと早い。ホームに伊賀鉄道用の乗車券売機が設置されている。
 私は行きは歩いていくと決めていた。1.5キロくらいのものだから、ぷらぷら歩いていっても30分もかからない。その町を知るには、まず歩いてみるのが一番だ。私の旅は、歩くことそのものとも言える。

伊賀上野1-3

 遠くに上野城が見える。高い建物がないから、空が広い。
 日差しはそれなりにあったものの、青空に恵まれなかったのがちょっと残念ではあった。

伊賀上野1-4

 ええ!? 鹿?
 我が目を疑った。河原に鹿の群れが走っている。ホントかよ、と思う。間違いない、本物のノラ鹿だ。
 駅から500メートルの町中の川岸に鹿の群れが走っているのが伊賀上野という町らしい。
 奈良県室生寺へ向かう山中の川辺で一頭の鹿を見たときも驚いたけど、ここでの光景はそれを上回る衝撃だった。
 望遠レンズに交換している間に、跳ねるように走り去ってしまった。6頭くらいいたけど、あれは日常的な光景なんだろうか。

伊賀上野1-5

 上野城へ向かう幹線道路は、典型的な地方都市の光景で、とりたてて特徴はない。交通量はそれなりに多く、沿線にはよく見る大型チェーン店などが並んでいる。
 そんな中でも、民家の前に何気なく丸ポストが立っているあたりが、大都市の郊外とは少し趣が違っているところだ。

伊賀上野1-6

 ちょっと脇道に入ると、こんな蔵も建っている。
 伊賀地方は空襲の被害がなかった土地ということで、古い建物がそこそこ残っている。今回は時間がなくて行けなかったのだけど、上野城の南側には武家屋敷跡や町屋造りの家などがあるようだ。

伊賀上野1-7

 上野城へ行く前に、旧小田小学校へ行くと決めていた。やや奥まった分かりづらいところにあって、道に迷った。迷いつつ、いい雰囲気の路地を見つけて喜ぶ。

伊賀上野1-8

 伊賀上野は、山間部寄りということで、平地より少し季節が遅い。桜も満開できれいだったけど、まだコブシやジンチョウゲが咲いていた。

伊賀上野1-9

 切られた木が無造作に積まれているような光景は、田舎ならではのものだ。周囲にぺんぺん草が咲いていたりして、懐かしさを感じる。

伊賀上野1-10

 伊賀といえば忍者の里で、伊賀流忍者博物館や資料館など、忍者にまつわる施設もいろいろある。今回の旅では忍者と芭蕉にはあまり触れなかった。どちらも興味がないわけではないのだけど、このあと関宿、亀山と巡る旅だったので、伊賀上野での時間が2時間ほどしか取れなくて、そちらまで回れなかったのだった。
 忍者の歴史もなかなか興味深いものがあって、書き始めると長くなる。いずれ機会を改めてということになりそうだ。

伊賀上野1-11

 城は高台にあるので、上り坂を登ることになる。
 伊賀の町並みを見守る石仏があった。

伊賀上野1-12

 自転車で坂を下っていくのは、城の南にある上野高校の学生だろう。
 桜が咲いて、新学期の雰囲気に包まれていた。

伊賀上野1-13

 旧小田小学校に到着した。
 現在は資料館として保存されており、一般公開もしている。
 中の紹介はまた次回ということにしたい。
 つづく。

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コメント
非公開コメント

こんにちは!
遠い町の写真を見るとさも旅行に行ったような
気持ちになります!
こちらこそよろしく お願いします!
出来るだけ毎日更新していますので
拙い写真ですが 訪問して
よかったらコメントしていただけると
嬉しいです^^:

2010-04-18 09:41 | from kazu | Edit

旅の気分

★kazuさん

 こんにちは。
 旅はちょくちょくするのですが、東海三県が主なので、私も遠くの景色を写真で楽しませてもらってます。
 私の写真でも、そんな気分になってもらえたら嬉しいです。

2010-04-19 01:22 | from オオタ | Edit

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