街の風景 ---歳月と時代編 - 現身日和 【うつせみびより】

街の風景 ---歳月と時代編

街の風景-1

PENTAX K10D+PENTAX DA 55-300mm f4-5.8



 きれいな花や、美しい自然だけが、撮るべき対象とは限らない。街に出れば心惹かれる被写体がそこここにある。住宅地の片隅、路地の中、駅の裏通り。そんな、人々が見ることなく素通りしてしまう場所に。
 街をゆっくり移動しながら、折に触れて撮った写真の中から、今日は歳月と時代をテーマにした写真を集めてみた。基本的に、古いものに惹かれる傾向が強いのだけど、ただ古ければいいというものでもない。時間の経過を感じさせるものを、撮るのが楽しい。過ぎ去った時代へのノスタルジーというよりも、今という時代をより強く感じるために。

街の風景-2

 今はもう使われていない工場の建物。事務所なのか、作業部屋なのか、見るほど不思議な建造物だ。
 やわそうな足で三階建ては大丈夫なのかと心配になる。上り下りは表に貼り付いた階段で行っていたらしい。

街の風景-3

 世の中には自分の知らないところで様々なゴミやら資源やら金属やらがあって、目にしているのはほんの一部にすぎない。車一つとってみても、解体するとなるとものすごくたくさんの種類の部品に分けられる。家庭ゴミの分別どころではない。

街の風景-4

 ビルの解体作業中。
 上からホースで水をかけているのは、砂埃が舞うのを防ぐためだろうか。
 古いものは壊され、その跡に新しいものが建つ。世界中どこでもそうだけど、日本ほど何層にも時代を重ねているところは他にないんじゃないだろうか。近年だけみても、第二次大戦で焼け野原になり、大きな地震もあった。都市部では大規模な再開発も行われた。更に時代をさかのぼれば、大正、明治、江戸と、時代が変わるたびに文化も変わり、建物も建て直されてきた。
 今自分が立っている地面の下に、何層もの時代が重なっていると思うと、想像が膨らんで面白い。

街の風景-5

 古い家屋と新しいマンションの対比は今に始まったことじゃない。もうしばらくこの光景が続いている。けれどこの先、古い木造家屋はどんどん少なくなっていく。やがてこんな光景もほとんど見られなくなるのだろう。それはそんなに遠い未来のことじゃない。

街の風景-6

 一昔前まで、煙突はさほど珍しいものではなかった。町には銭湯があり、工場もあった。焼き物の町では窯の煙突が何本も立ち並んでいた。
 今、煙突は珍しい存在となり、昔よりもよく目立つ。だから、煙突を見ると撮りたくなる。

街の風景-8

 古いミシン台だろうか。子供の頃、こんな足踏みミシンが家にもあった。今はミシンも小さくなったし、そもそもミシンをする家庭も少なくなっているだろう。

街の風景-9

 ツタのもじゃハウスを発見。これも見つけたら、たいてい撮る。もじゃハウスに住みたいとか、憧れているとかではないのに、何故かしら撮りたくなる。なんだか見ると嬉しくなるのだ。

街の風景-10

 けっこう古めの家の裏手。昭和の雰囲気が色濃い。そういえば文化住宅なんて言葉があったのを思い出す。
 この二軒は別の家なのか、続きになっているのか。建物同士が一階部分だけ連結されている。連結部分だけ多少新しいようにも見えるから、この部分を増築して、二階も少し広げたのだろうか。
 なんとなく不思議な構造になっている。

街の風景-11

 物干し台もない二階の窓。
 昭和の苦学生が下宿している二階の部屋といった感じだ。
 こんなところに住んだこともないのに、昔こんな部屋の窓から外を眺めていたような気がする。

街の風景-12

 漆喰の土蔵作りのような古い建物。窓の感じもごく古い。
 だいぶ壁がはがれ落ちてきていて、その上から雰囲気を壊さないように黒い建材で半分覆っている。トタンではない。木だろうか。
 これもまた歳月であり、今でもある。

街の風景-13

 閉鎖して久しい感じのカメラ屋さん。かつてはモダンな作りの店舗だったかもしれない。
 デジタルと大型店全盛の時代に、古いカメラ屋が生き残っていくのは厳しいものがある。
 時代の流れに乗ることが必ずしも正義ではないけれど、時代に取り残されるというのは悲しいものだ。時代はときに残酷だ。

街の風景-14

 工場の高い煙突。夕暮れ時に、煙は吐いていない。
 馬鹿と煙は高いところに登りたがるという言葉も、今ではすっかり時代後れのものとなった。現代は日常生活の中で、煙を目にすることがほとんどなくなった。高いところには事欠かないけれど。

 こんな風景を探しながら、街をうろついている。街撮りも面白い。撮るべきものは、半径10キロの中にたくさんある。

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コメント
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剣道

もじゃハウス、ヒットですw
ってか根元よりも上の方が繁殖している

実はうちの工場もちょっと前までは、もじゃじゃないけれども葛のツタが工場内に生えていました
工場の構造はアスベストのスレート板なので隙間だらけで入り込んでくるんですよね
苦労して排除しました
で、おいらが目に留まったのはその写真の右にある”剣道”の文字。
ガキの頃6年ほど剣道をかじったのですが、その頃はもっと街に剣道具やさんはあったのに、今はそろばん塾、習字教室とともに絶滅危惧種に。。。。
時間が経つということは、時に文化を消え去ってしまうことも珍しくはないんでしょうね、なんか切ない。

2010-04-03 06:58 | from ただとき | Edit

消えゆくもの

★ただときさん

 こんにちは。
 もじゃハウスが本当のもじゃハウスになるのは、これからですよね。
 夏場も見つけたら撮っていきます。
 でも、住人はなかなか苦労がありそうですね。

 剣道の文字はあえて入れてみました。なんとなく面白かったので。
 店とかいろいろなくなっていくものは多いですね。
 そろばん塾は少し残ってるけど、書道塾の看板も見なくなりました。
 個人のレコード店とかも。

2010-04-04 02:34 | from オオタ | Edit

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