SL撮り不完全燃焼の大井川鐵道1時間紀行 - 現身日和 【うつせみびより】

SL撮り不完全燃焼の大井川鐵道1時間紀行

大井川鐵道-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 慌ただしくも短い滞在で終わった焼津をあとにして、大井川鐵道と連絡している金谷駅(かなやえき)で降りた。見えている線路は東海道本線で、その隣にくっつくようにして大井川鐵道の金谷駅がある。ここが大井川本線の始発駅ということになる。
 あとから考えると、金谷での計画もだいぶ無理があった。11時33分に到着して、大井川鐵道の目玉であるSLが発車するのが11時48分。正味15分の間に、撮影ポイントに移動して、一発でSLをカッコ良く撮ろうなんて、とんでもなく無理な話だった。地図では分からない現地の事情というものがあって、地図の上で立てた計画は机上の空論として、現場でもろくも崩れるのだった。まさか、あれほど視界が開けてないない場所だとは思わなかった。
 金谷での持ち時間はちょうど1時間。焼津とほとんど変わらない余裕のなさだった。
 最初の計画では、SLにも乗って、途中下車して、帰りのSLを撮るというのを考えていた。しかし、これは他の場所との両立に無理不可ということが判明した。この日のメインはあくまでも中田島砂丘で、SLにこだわると中田島砂丘へ行く時間がなくなってしまう。
 大井川鐵道のSLは平日でも毎日一往復しているのだけど、片道1時間ちょっとかかり、停車駅も少ない。時間も中途半端だから、丸一日費やさないと乗ることと撮ることの両方は難しい。
 たとえば、11時48分発のSLに乗って、12時29分に家山で降りたとする。すると、SLが戻ってくるのは15時48分ということになり、その間3時間もある。他に止まる駅としても、下泉、徳山駿河、終点の千頭しかなく、終点まで行ったとしても2時間近く待たなくてはならない。待つ間に普通電車に乗り換えて路線沿いの観光をするという手はあるけど、そうなるともう他のところへは行けなくない。
 というわけで、乗るのはあきらめて、ちょっとでも撮るという方向に方針を切り替えるしかなかった。それにしても、15分では移動もままならず、撮影ポイントに付く前にSLが行ってしまうという事態に陥るのは必然的な結果だっった。

大井川鐵道-2

 接続しているといっても東海道本線と大井川鐵道はまったく別の会社で、一度東海道線の駅舎から外に出なくてはいけない。やや不便ではあるけど、観光客以外にこの路線を乗り継ぐ人はそれほど多くなさそうだ。
 かなり意外だったのだけど、大井川鐵道は名鉄グループなのだ。大井川鐵道株式会社という私鉄で、大井川本線の他に中部電力から運営を任されている井川線というのがある。
 名鉄というと名古屋の殿様商売で、赤字になるとすぐに嫌になって放り出そうとするところだから、大井川鐵道などというのを抱えているのにはちょっと驚いた。それなりに安定した営業をしているようだから、当面は大丈夫そうだけど。

大井川鐵道-3

 駅から出たときにはすでにSLはホームにいて、出発準備をしていた。普通の電車とは違って石炭の用意したり、ロートルだけにゆっくり温めてやらないといけない。
 大井川鐵道は、1976年に日本で初めて蒸気機関車の動態保存をするようになったところで、現在のSL復活の立役者のような鉄道だ。
 SLに乗りたい撮りたいと思ったとき、秩父鉄道とここが一番簡単に実現できるところとなっている。大井川鐵道は東海道本線と連絡しているので、こちらの方がより身近だ。
 SLに乗る場合は事前予約が必要なので、お忘れなく。
 映画やドラマなどでもよく使われている。

大井川鐵道-4

 高架下のトンネルをくぐって線路の反対側に出た。実はこれが最大のミスで、駅を出たらそのまま広い道を右に進むのが正解だった。こちらは急な上り坂になっていて、進むと民家に入っていきそうになり、道も途中で行き止まりになっているような雰囲気だった。
 おかげでホームに止まっているSLの姿だけは撮れたのでよしとしたい。反対側からは見上げる恰好になって全体像が撮れないし、正解の道を行っていても、10分やそこらで視界が開けた撮影ポイントに到着したかどうか分からない。たぶん、無理だっただろう。

大井川鐵道-5

 だいぶ高いところまで登って、いい感じに見下ろして撮れた。
 ただ、大井川本線は電化路線なので、どうやっても架線が入り込んでしまう。それがちょっと残念なところではあるけど、これはもうどうしようもない。風景の電柱や電線よりも避けがたい。
 蒸気機関車はC10形やC11形など、5台くらい所有しているようだ。メインで走っているのはC10形C10 8というやつだろうか。写真に写ってるのがそうかもしれない。
 その他、臨時ダイヤで走ることもあるから、他のSLも見られるチャンスはあるのだろう。
 戦時中タイに渡っていて出戻ってきたC56形というのもある。タイ国鉄カラーで走っているようで、貴重といえばそうだ。
 この写真を撮っている時点ですでに発車5分前くらいになってしまったので、走っているところを撮るのはあきらめた。
 とはいえ、次の電車まではまだ45分くらいはあったので、少し金谷の街を歩くことにした。

大井川鐵道-6

 少しでも線路沿いを歩こうと、細い道に入っていったら、ふいに線路にまで出てしまった。宇布賣神社(うぶめじんじゃ)という小さな神社の裏手を登ったところだ。
 完全に踏み跡で道ができていたから、撮り鉄の撮影ポイントになっているに違いない。その気になれば触れるくらいの距離で撮れるけど、ここは危険だ。急に飛び出したら、運転士もびっくりして急ブレーキを踏むことになるだろう。
 電車が来ないときは、線路が撮り放題となる。

大井川鐵道-7

 そろそろ帰ろうと、線路をあとにしたとき、電車が走ってきた。慌てて土手を登って、電車の後ろ姿を撮りに戻った。

大井川鐵道-8

 だいぶ行ってしまっていたけど、なんとか後ろ姿を捉えた。これくらい距離があれば危険はないだろう。
 SL以外にここの路線がユニークなのは、各地で使われなくなったお下がりの車両をもらってきて、カラーリングもそのままに走らせているところだ。
 上の写真は、京阪本線の特急3000系だ。大阪や京都の人には懐かしい車両だろう。かつてテレビカーと呼ばれていたものだそうだ。今はテレビはついておらず、台車は営団地下鉄5000系のものが使われている。
 近鉄名古屋線の特急421系なんかもあって、たまに走ることがあるらしい。
 他にも近鉄南大阪線・吉野線の特急16000系や、南海高野線の急行21001系など、昔からの鉄道ファンには懐かしい列車が走っている。
 ローカル路線を特急車両が各駅で止まりながら走っているというのも面白い。スピードは遅いらしいけど。

大井川鐵道-9

 これは東海道本線だ。金谷駅を出てしばらくは東海道本線と大井川本線が平行して走っている。
 このあと大井川鐵道は左に大きく曲がって新金谷へ向かう。この大カーブが撮りどころの一つとなっているようで、予定ではそこで走っているSLを撮るつもりだった。
 大井川鐵道撮りはまた行く機会があるような気がしている。さすがにこれだけでは撮った気分にはなれない。一度乗ってもみたいし、次は一日しっかり時間を確保して行きたい。

 次回、金谷編へと続く。

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