京都らしさとらしくなさ <京都歩き第3回> - 現身日和 【うつせみびより】

京都らしさとらしくなさ <京都歩き第3回>

京都らしさ-1

PENTAX K10D+TAMRON 28-75mm f2.8



 私たちは多かれ少なかれ、京都に対して幻想を抱いている。勝手にイメージを抱いているのみならず、それを京都に押しつけようとするところがある。京都らしいものを見て喜び、京都らしくない部分を見て不満を口にする。それは異国の人が日本に対して間違ったイメージを持っているのと違いがない。京都にしてみたら迷惑な話だろう。
 今回、京都の街を歩きながら感じたのは、私たちが思い描く京都というのが案外狭い範囲内に封じ込められていることだった。確かに観光エリアに入ればそこはイメージの中にある京都には違いないのだけど、街中は地方の都市とほとんど変わらない没個性的な姿をしている。京都の街もまた、急速な変化を免れられずにいるようだ。ある時期を境にして、古い部分と新しい部分との二極化を受け入れたと言った方がいいのかもしれない。その象徴が巨大な駅ビルだろう。
 歴史のある場所は残しつつ、京都も立ち止まってはいられないといったところだろうか。きちんと訪れたのが20年ぶりということで、余計にそういうことを感じたに違いない。
 いくつか考えていた撮影テーマの一つとして、京都らしさと京都らしくなさ、というのがあった。京都らしい部分は必然的に撮ることになるだろうから、京都らしくない部分を意識的に撮っていこうと考えていた。京都らしくなくてなおかつ魅力的な被写体というのがどういうものなのか、行ってみるまでよく分かってはいなかったのだけど、撮り歩いているうちに自分が京都らしくないと感じる部分がだんだん見えてきた。
 今日はそんなテーマで写真を集めてみた。観光地ではない京都を撮りつつ、被写体としての京都の魅力を探っていきたい。

京都らしさ-2

 京都駅北西の裏手あたり。やや道に迷っている最中。しばらくは街の感覚が掴めなかった。
 平安京があった位置は、現在の京都市街地とほぼ重なっている。それより少し狭い範囲だ。北は一条から南は九条まで、地名としても残っているから分かりやすい。京都駅は南の端に近い部分だから、かつての都の中心はそこからもっと北ということになる。
 北の端に大内裏を作り、そこをぐるりと囲んで南の出入り口に朱雀門を置いた。そこから真っ直ぐ南に朱雀大路を伸ばし、南端は羅城門が守りを固める。
 京都は確かに歴史のある街で古い建物もたくさん残ってはいるけど、さすがに平安時代のものは少ない。長い歴史の中で何度も戦火や火災で焼けた。第二次大戦の空襲で焼かれなかったのは不幸中の幸いだった。戦争があのまま続いていたら京都もただでは済まなかった可能性もある。
 奈良の平城宮がやったように、京都も朱雀門か羅城門あたりを復元しないだろうか。奈良とは違って京都は完全に街中だから、当時の場所に復元するのは難しいだろうけど。

京都らしさ-3

 京都だってこんなところがあってもいい。むしろ、あまり小綺麗に体裁を整えずに、こういうところも見せていっていいんじゃないか。私はこういう姿の方が安心する。歳月が生み出すありのままの光景だから。

京都らしさ-5

 広い五条通。現在の国道1号線でもある。
 旧東海道はどこの通りだったのだろう。このときは何も意識していなかった。
 東海道と中山道の終点は、三条大橋だ。五条通からもっと北へ行ったところだ。

京都らしさ-6

 よく見かける提灯型の花を咲かせるやつ。いつも名前を忘れる。
 京都の格子に咲いていると、なんだか風情のある花のようだ。

京都らしさ-7

 松影と障子窓と渋い壁。和の心。
 京都に限った光景ではないけど、京都によく似合う。

京都らしさ-9

 京都にも昭和レトロはあちこちに残っている。昭和の風景と京都は必ずしもイコールではなく、昭和っぽい店や建物を見ると、なんとなく京都らしくないと思ってしまう。

京都らしさ-8

 懐かしい感じの店構え。老舗の紙屋さんだろうか。時代と共に文房具屋さんに変化していったようだ。最近はこういう個人の店でハガキや切手を扱っているところが少なくなった。

京都らしさ-10

 たまたま前を通りかかった中学。生徒が門から入っていったので、ちょっと撮らせてもらった。
 京都の学校が他と何か違ったことをしているのかどうか知らない。神社仏閣に対する特別授業なんてものがあるわけではないだろう。
 顔だって京都っぽいとかそんなことは見分けがつかない。違うのは言葉遣いくらいだろうか。

京都らしさ-11

 銀閣寺荘。こんなものは早い者勝ちだ。

京都らしさ-12

 伝統味溢れる建物。個人の運送店というのは、いまどき珍しいんじゃないだろうか。昔からのお得意さんで成り立っているのだとしたら、古い街京都ならではと言えそうだ。

京都らしさ-13

 日の出の勢いはなくなっても、まだまだ頑張っている個人の薬局。これだけドラッグストアが増えても、薬局というのは案外どこも続いている。個人経営ならではの部分があるらしい。

京都らしさ-14

 京都に団地は似合わないと思った。実際はどうなんだろう。市街地にもたくさん団地は建っているのだろうか。

 今回は京都らしくない写真が並ぶことになった。何を撮ってるんだと自分でもちょっと思ったけど、これらも京都で撮ってきた写真だ。
 京都らしい写真もあるから、次回からは普通の記念写真なども紹介していきたいと思う。

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