飛水峡で列車を撮ってオシドリを見て甌穴を見つけられず - 現身日和 【うつせみびより】

飛水峡で列車を撮ってオシドリを見て甌穴を見つけられず

飛水峡-1

PENTAX K10D+TAMRON 70-300mm f4-5.6 Di



 飛水峡(ひすいきょう)という名所の存在を知ったのは、飛水峡へ行く2日前のことだった。
 高山再訪で飛騨一ノ宮へ行くと決めたとき、そこだけではもったいないからもう一ヶ所どこか写真を撮れそうなところはないかと探していてここを見つけた。高山本線沿いの鉄道撮影ポイントを探していて発見したという方が正確だ。
 飛水峡の甌穴群として国の天然記念物に指定されているというし、高山本線の定番撮影ポイントでもあるとうから、それはよさそうだと思ったのだった。
 上麻生駅(かみあそう)で降りて、10分ほど歩く。道々、歩いている人はいない。案内板も駅前にあるだけで、方向を示す標識などもなく、やや不安になる。名所であっても、こんなシーズンオフに賑わうような観光地ではないらしい。
 飛水峡というのは、岐阜県加茂郡白川町から七宗町の間の飛騨川の渓谷約12キロを指す。なので、白川口駅で降りると飛水峡の北側で、上麻生は南ということになる。甌穴群は上麻生側なので、こちらで降りるのがおすすめだ。端から端まで12キロ歩くつもりならどちらでもいいけど。
 ところで、甌穴(おうけつ)って何、という人が多いと思うけど、私に訊かれても困る。行く前も今ひとつイメージできなくて、見てきた後もどれが本当にそうだったのか、よく分かっていない。あれがそうなのかなぁとぼんやり思うだけで、まるで確信が持てない。
 英語ではポットホール(pot hole)といい、要するに岩盤上にできた穴らしい。岩の割れ目などが水流によって浸食されて、そこに小石がはまるとぐるぐる回って丸い穴ができる。それがそうなんだとか。なるほどそういうこともあるだろうとは思うけど、それがどれくらい珍しいものなのか、ありがたみがよく分からない。
 飛水峡には1,000個も甌穴があって、中には数メートルのものもあるという。世界的に珍しいんだとか。で、それはどこにあったのだろう。川岸に丸いくぼみがあって、氷が張っていたところがあった。あれがそうだったんだろうか。
 他には寝覚ノ床や長瀞渓谷がそうらしい。愛媛県八釜の甌穴群は特別天然記念物に指定されているから、何か特別なものがあるのだろう。
 そんなわけで、飛水峡は見たけど、私が撮った写真の中に甌穴が出てきているのかどうか、はっきりしたことは言えない。甌穴をよく知る人なら一目見てこれがそうだと指をさせるのかもしれない。

飛水峡-2

 両岸の岩場に穴らしきものがあるといえばある。1,000個もあるというなら、こういう小さな穴もそうなのだろうか。
 弾痕の大きなやつがボコボコボコっと空いてる光景を想像していたら全然違っていた。現地には簡単な説明を載せた案内板があるだけで、予備知識なしにそれと認識するのは難しいんじゃないだろうか。写真の看板でもあると分かりやすい。

飛水峡-3

 そうこうしているうちに列車が通過する時刻になった。さすがにこのときばかりは通過する時刻を調べてきていた。ワイドビューひだだ。
 ここが定番ポイントになるのはよく分かる。季節的には春夏の新緑がよさそうだ。あわよくば雪景色と絡めて撮りたいと思っていたけど、下呂よりもだいぶ南ということで、雪はまったく積もっていなかった。
 ワイドビューひだでは案内放送で飛水峡のアナウンスがあるらしい。ただ、スピードを落とすこともなく、そのままの速度で駆け抜けていったから、見たとしてもほとんど一瞬の出来事に近いんじゃないか。
 もしかしたら、このとき列車内から飛水峡を撮った人の写真の中に、カメラを構える私が写っていたかもしれない。

飛水峡-4

 望遠だと、列車内の人の様子がけっこう写る。このあたりの切れ目で、上手く流し撮りが決まると面白い写真になりそうだ。
 高山本線は通過する列車の本数が少ないから、長時間粘るのは厳しい。飛水峡を撮るといっても、そんなに間は持たない。

飛水峡-5

 穴探しはあきらめて、奇岩風景を撮ることに気持ちを切り替える。甌穴はなくても、この渓谷風景は魅力的だ。あまり他では見られない。
 岩と川の流れのせめぎ合いが作り出した自然の景観は、地球の営みの一端を垣間見るようだ。

飛水峡-6

 流れに削られてできた岩肌の模様は、自然の彫刻のようで美しい。
 5月から6月にかけて、岩肌にたくさんの岩ツツジが咲くらしい。時期的にはその頃がベストシーズンだろうか。

飛水峡-7

 ひょっとするとこの写真の中に甌穴が潜んでいるかもしれない。潜んでいるというか、私が気づいていないだけという可能性が高い。
 ただのくぼみではなく、丸くないと甌穴とは呼ばないと思うのだけど。

飛水峡-8

 あ、すごい、オシドリの群れだ。
 名古屋でも何度かオシドリは見ているけれど、こういう山の渓谷の中で見る野生のオシドリはひと味違う。かなり嬉しい。こんなに群れでいるのは初めて見た。甌穴は見つからなくても、オシドリを見られただけで満足した。

飛水峡-9

 そろそろ帰ろうかと思っているところに、川岸に降りられる階段を発見した。せっかくなので、近くで甌穴を探してみることにする。
 岩場はかなりワイルドで、コースらしいコースもないので、降りていくときは注意が必要だ。看板には、はきなれた靴で歩こうと書かれていたけど、はきなれた靴なら安全かといえばそうではない。観光客は訪れそうになく、転んで動けなくなったらいつ助けが来るか分からない。

飛水峡-10

 奇岩風景は近くから見ても迫力がある。
 歩くコースはこんな感じで、道といったものはない。岩から岩に飛び移って移動する。身の危険を感じてあまり進めず、早々に引き返した。

飛水峡-11

 これも水の浸食でできたものだろうか。
 水の力というのはすごいもので、それに歳月が加わるととんでもない威力を発揮する。もし、水が自らの意志を持ったら、人間などあっという間に滅ぼされてしまう。文明も全部飲み込まれて終わりだ。

飛水峡-12

 見つけた中で一番穴っぽかったやつ。とりあえずこれで納得して帰ることにした。

 昭和45年、この近くで日本最古の石が発見されている。20億年以上前の片麻岩礫で、もう少し南のロックガーデンになっているところで見つかったらしい。
 近くには「日本最古の石博物館」というマニアックな博物館もある。そこには40億年前の地球最古の石(カナダ産のアキャスタ片麻岩)というのも展示されているとか。少し見てみたい気もしたけど、このときは時間がなかった。

 上麻生駅周辺も少しぶらついて写真を撮ったので、次回はそのあたりの紹介をしたい。

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飛水峡では日本最古の石が発見された

飛水峡は飛騨川沿い約12kmに渡る険しい峡谷で、1000個以上のポットホールがあり、飛水峡の甌穴群として天然記念物に指定されている。また、約20億年前のものとされる日本最古の石が見つかっている。JR上麻生駅から徒歩15分。

2014-04-08 22:02 | from ぱふぅ家のホームページ