諸戸氏庭園後半も外から見てるだけ状態が続く <桑名5回> - 現身日和 【うつせみびより】

諸戸氏庭園後半も外から見てるだけ状態が続く <桑名5回>

諸戸氏庭園2-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 今日は諸戸氏庭園後半部分の紹介です。
 純和風の屋敷に、唐突に現れる赤煉瓦の建物。なんで赤煉瓦なんだろうと思ったら、最初は木造だったのが火事で焼けてしまって、その対策として赤煉瓦にしたようだ。確かに昔も今も火事は怖い。何もかもなくしてしまう。だから、蔵は燃えにくいように白壁だったわけだ。
 明治28年(1887年)には赤煉瓦倉庫が5棟あったという。屋敷の前が運河になっていて、そこで荷下ろしをして、米などをこの中に保存していたらしい。
 空襲で2棟焼かれて、今は3棟しか残っていない。
 赤煉瓦はイギリス積みという手法なんだとか。

諸戸氏庭園2-2

 本宅の庭には当然ながら神社がある。見た目は神社というより寺のお堂のようだ。少し前の写真を見ると、二重の鳥居が建っている。老朽化して撤去されたのはここ数年のことかもしれない。それで神社らしくなくなってしまった。鳥居は外界と神の領域を分ける結界だから、形だけでも必要だと思うのだけど。
 金比羅神社、住吉神社、伏見稲荷、玉船稲荷、菅原神社を合祀している。関係各位の神様をたくさん集めたものだ。山田家時代の神様も一緒に祀っているから、たくさん増えてしまった。それにしても、海の神や商売の神、学問の神まで家に呼んでしまうというアグレッシブさを見せる。自分一人の力で成功できたわけではないという謙虚さの裏返しとも取れる。
 

諸戸氏庭園2-5

 裏手には水路というか堀のようなものがある。揖斐川から引っ張ってきたものなのか、溜め池のようなものか、よく分からなかった。
 黄葉の季節はこのあたりもいい雰囲気になるんじゃないだろうか。

諸戸氏庭園2-3

 西側の御殿の前には、第二の庭園がある。
 敷地の西側は諸戸氏時代になってから拡張した部分で、その前は水田だったそうだ。
 そこを埋めて庭園を造り、池には揖斐川から水を引き入れて、満潮干潮によって池の推移が上下する汐入りの池となっていたらしい。今は水門が閉じられていて、そういう趣向にはなっていない。
 池の周りには青石で築かれた築山があって、その隙間を木の根が這い回っている。自然と人間のせめぎ合いのような、妙な迫力を感じさせるワンシーンだ。

諸戸氏庭園2-4

 迫力といえば、水面にせり出していっている松の姿もなかなかのものだ。

諸戸氏庭園2-6

 御殿は、商売が上手くいかず、奥さんを亡くして落ち込んでいた初代清六が、佐野常民子爵のアドバイスで建てたもので、明治24年(1891年)に完成した。
 西本願寺をモデルにしたらしい。
 洋館があるのもこの奥で、賓客をもてなすときにはそちらも使われていたようだ。

諸戸氏庭園2-7

 御殿も中に入ることができず、もどかしさが募る。

諸戸氏庭園2-8

 左手が玄関で、棟続きの途中の部分にも広い部屋がある。こちらだけでもけっこうな広さだ。
 これで見られる部分は一通り見たことになると思う。あとは御殿玄関前に出て、本邸の入口まで戻って、そこが出口を兼ねている。もう少し何かあるんじゃないかと思ったけど、なかった。

諸戸氏庭園2-9

 本邸を出た正面に、揖斐川とつながっている運河がある。赤煉瓦倉庫とあわせるためにレンガ風に改造したのだろう。昔はこんなふうではなかったはずで、改装されたのはきっと最近のことだ。
 でも、こういう気遣いはいいと思う。諸戸氏庭園とよくマッチしている。

諸戸氏庭園2-10

 表から見た赤煉瓦倉庫。よく補修されているのか、そんなに古いものには見えない。
 赤煉瓦の建物は今でも通用するデザインなのだけど、いかんせん地震国日本には向かない。今ではずいぶん数が少なくなった。

諸戸氏庭園2-11

 邸宅を囲う塀と門。
 諸戸氏庭園と六華苑部分が一体だった当時は、さぞかし広かったことだろう。移動だけで大変すぎて、効率が悪い。なんて発想は、根っからの貧乏人的なものだ。でも、こんな広い屋敷の使用人は嫌だとも思う。

 諸戸氏庭園と六花亭と、個人的には六花亭の方が好印象だったけど、両方一緒に見ることで全体の広さを実感することができるし、歴史も理解しやすくなるから、せっかく行くなら諸戸氏庭園が公開している時期をオススメしたい。
 もう少し中まであがらせて見せてくれると嬉しいのだけど、なかなか難しいところもあるのだろうか。
 さほど見所が多いとは言えない桑名だけに、これは貴重な文化遺産だ。更に整備を進めつつ宣伝もして、もっと全国から人を呼びたいところだ。対岸にある「なばなの里」と水上バスで結んだらどうだろう。直線距離で1キロくらいだから、水上バスで行けばすぐに行けて便利だ。
 六華苑以外の桑名の魅力を私もお伝えできればいいのだけど、神社仏閣紹介がメインではそれもあまり自信がない。次回は、七里の渡しと旧東海道編を予定している。

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