ちょっと苦手意識のある金山の街を歩いて少し馴染みになった - 現身日和 【うつせみびより】

ちょっと苦手意識のある金山の街を歩いて少し馴染みになった

金山-1

PENTAX K10D+DA 16-45mm f4



 名古屋に金山(かなやま)という街がある。個人的に苦手な印象がある街の一つだ。
 人が集まっている場所が必ずしも嫌いというわけではないのだけど、ゴミゴミしてるというか雑多な雰囲気の街に対する苦手意識が少しある。
 たとえば、今池とか、大曽根とか、大須などがそうだ。嫌いというわけではなくて、なんとなく居心地が悪いというか、その街に対して自分が馴染んでいないような感覚を抱いてしまう。波長が合わないというか、リズムがかみ合わないというか、そんな違和感だ。
 そういう街には特に用事はないから、普段めったに行くことはないのだけど、たまに苦手意識克服のためにあえて行ってみたくなることがある。大須は何度か行って、かなり克服した。次は金山だということで、この前行って、駅周辺を少し歩いてきた。今日はそのときの様子を紹介したいと思う。
 金山総合駅は、JRと名鉄、地下鉄が乗り合わせる名古屋でも名駅、栄に次ぐくらいの駅に発展した。大きく変わったのは、平成元年(1989年)の名古屋デザイン博がきっかけだった。これに合わせる形で、総合駅に生まれ変わり、交通網の発展とともに駅周辺も様変わりした。今や名古屋の副都心と言っていいかもしれない。全国的な知名度はほとんどないと思うけど。
 ここ最近では、地下鉄名城線が環状線になって、中部国際空港への乗り入れ線完成など、便利になって恩恵を受けている人も大勢いるだろう。乗客数では栄を抜いたんだとか。
 まずは金山の地名の元になった金山神社へ向かうことにした。その土地の神様に挨拶するのが筋というものだ。

金山-2

 総合駅として整備されたとはいえ、家で言えば増改築のようなものだから、駅周辺はかなりとっちらかった印象を受ける。何より方向感覚が分かりづらい。地下鉄の駅は北東南西で、在来線は西北東南でクロスしている。駅の出口を出て、自分が歩き出したのがどの方角か分からない。JRも金山駅を出たところで東海道線と中央線に分かれているから、線路沿いを歩いていると思わぬ方向に行ってしまいがちだ。金山も駅も街もまったく馴染みがない私としては、いきなり迷子のようになってしまった。
 なんとなく南方向に向かって歩いていた道が正解だったようだ。やや広めの八熊通(29号線)に出て、左へ曲がってすぐ右手を入っていったところに金山神社はあった。少し奥まっているから、注意していないと通りすぎてしまう。車で行ってたら見つけるのに苦労しただろう。

金山-3

 もっと大きな神社を想像していたら、こぢんまりしたところだった。
 上の写真に写っているので全体の半分くらいだろうか。いかにも街中に取り残された神社といった感じだ。
 名前からして、鍛冶や金属関係の神社だろうということが分かる。
 昔は鉄山明神といったそうだけど、いつから金山神社になったのかは調べがつかなかった。
 神社縁起によると、平安時代の840年前後に、熱田神宮鍛冶職の尾崎彦四郎の祖・善光が自分の屋敷に金山彦神を勧請したのが始まりということになっているそうだ。
 あるいは、熱田神宮の境内社だったという話もある。
 祭神は金山彦神(かなやまひこのかみ)だから、岐阜県垂井町の南宮大社から勧請したのではないかと思う。金山彦神などについては、南宮大社のときに書いた。
 那古野神社境内にも金山神社があった。直接的な関係はないだろうけど、尾張にも古くから鍛冶の歴史があって、金山神を祀っていたことが伺える。
 尾張では、ここ金山が尾張鍛冶発祥の地とされている。
 神社としての体裁が整ったのは、1390年代ではないかとのことだ。
 配祀は、金山姫彦(金山毘売神)、石凝姫命、、天目一箇神、天津真浦命となっている。
 石凝姫命は八咫鏡を造ったとされる女神、天目一箇神は岩戸隠れのときに刀斧、鉄鐸を造った神、天津真浦命も鍛冶の神ということで、みんな鍛冶や鋳造などに関係した神様だ。
 昔も今も、そちら方面の業種の人たちが多く訪れるという。
 例祭も「ふいごまつり」という名前で、毎年11月8日に行われるという。ふいごというのは、火をおこしたりするときに鍛冶屋が使う送風機みたいなものだ。

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 狭い境内に寄り合い所帯となっている。
 神明社が入っているけど、もともとここにあったわけではないだろう。歴史の流れのどこかで近所の神明社が合祀されたんじゃないかと思う。

金山-5

 並びには金山龍神社というのがある。
 なんとなく墓地っぽい感じだけど、昔からあったのだろうか。それにしては、お社が新しい。名前が刻まれた石柱も古いものではなさそうだ。
 龍というから水に関係した神様を祀っているのだろう。

金山-6

 金山神社の見所としてはこんなものだ。
 御神木の樹齢700年の大イチョウというのは、拝殿の左手にあったやつだろうか。
 上の写真は八熊通。
 とりあえず大津通を目指して歩く。

金山-7

 大通りから一本中に入ると、少し古い家屋が残っている。
 ここは米屋さんだったようだ。ひょっとしたら今でも営業してるだろうか。
 金山は空襲はどうだったのだろう。昔の金山も、今の金山も両方知らないから、変遷も想像できない。総合駅ができる前に何度か車で通っているはずだけど、これといった印象は残っていない。

金山-8

 金山という街はどうにもとらえどころがない。駅周辺は移動の人間が多いけど、観光客という人種はほとんどいない感じだ。これといった観光名所も歴史的な史跡もほとんどない。
 栄のような繁華街とも違うし、今池のように飲食店がたくさん集まる街というのとも違うようだ。
 駅近くを歩いていたら、キャバクラの呼び込みをされてしまった。「昼キャバラいいですよ」と言われても、こっちはカメラを持って神社を巡っている。昼から一人でフラッとキャバクラに入ってる場合じゃない。
 これも金山らしさなのかと思いつつ、散策を続けることにする。
 地図を見てもこれといったポイントが見つからないまま、高座橋を渡って、駅の東側へ行ってみることにした。

金山-9

 名鉄の金山駅と、背の高いビルは名古屋ボストン美術館が入った金山南ビルだ。
 鳴り物入りでやって来たボストン美術館だったけど、何しろ客が入らない。来た当初は話題になって大勢が訪れたものの、飽きっぽい名古屋人の気質を読めなかった。その後は赤字続きとなり、今や完全にお荷物になってしまっている。閉館の噂も絶えない。なんとか持ち直そうと頑張っているようだけど、前途は厳しそうだ。
 セントラルタワーズの展望台とか、イタリア村とか、中部国際空港などもそうだけど、名古屋人の飽きっぽさを甘く見てはいけない。珍しいものには飛びついても、そのあと続かないのだ。
 サンシャイン栄のラーメンテーマパークもなくなってしまったし、大須ビルの中華街も近々終わるそうだ。最初は飛行機に乗る人より観光客の方が多かったセントレアも、すっかり人が少なくなってしまった。名古屋というのは客商売をするには難しい土地柄で、逆に言えば名古屋で成功したノウハウは全国のどこでも通用すると言えるかもしれない。世界の山ちゃんとか。

金山-10

 駅東も少しだけ昔の町並みが残っている。
 昭和の家屋に、無理矢理駐車した車。上空を縦横に走る伝線に、衛星のアンテナと、昭和と平成がミックスされた典型的な風景だ。
 どの街も路地裏歩きは楽しい。

金山-11

 駐車スペースらしき場所にお稲荷さんを持ってきているところがあって、これちょっとすごいなと思う。
 もともと稲荷神社があったところに家を建てたのか、家を建てたあとにお稲荷さんを作ってしまったのか、どっちだろう。

金山-12

 波寄神社というのを見つけた。
 ちょうど通りかかったおばあさんに話しかけられて、少し立ち話をした。
 この神社はなんていうんですかと訊ねたら、なみよせ神社だと教えてくれた。ここらは波寄町だからだそうだ。昔は今とは別の場所にあったらしい。
 右に写っている大きなマンションができて、その下を通る電車の音が反響してうるさくなってしまったんだとか。

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 波寄神社は民家の庭先を間借りしたように建っていて、町内会を守っている。
 ネットで調べてもまったく情報が載っていないから、どんな神様を祀っているのか分からない。波寄というくらいだから、かつてはもっと海辺にあって、海の神様でも祀っていたのだろうか。

金山-14

 中央線の電車が走っていく。その前に何故か靴が片方置かれている。捨てられたというほど古びてはいない。履いている靴をキックで飛ばして天気占いをしてそのまま置いていってしまったような感じだ。横向きは曇りだったか。

 地図を見ると、もう少し右へ行くと桜田神社というのがあったけど、時間切れでここまでにした。
 この程度では金山を見たことにも入らないくらいだろうけど、多少なりとも歩いて、駅周辺の様子が分かったのでよしとしよう。金山神社も行くことができたし、少しは馴染みもできた。
 次に金山へ行くのは何年後になるのか見当もつかない。名古屋ボストン美術館がいよいよ閉館ということになれば、一度くらいは行っておいてもいいかもしれない。
 今回は駅北へ行けなかったから、次は北エリアも歩いてみることにしよう。
 苦手な街克服シリーズとしては、次は大曽根へ行ってみたいと思う。

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コメント
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おはようさんですぅ。

> ラーメンテーマパーク
えぇ~?、ガックシ。いつか行ってみようと思ってたのになぁ。

セントレアが空いたのは良い事です。ここもいつか行ってみたかったとこですが、
人がごちゃごちゃしたとこ好かんのです。だから躊躇してました。

いやそんなことより本題。
暫く行ってないですが、北側、随分どころかすっかり変わったようですね。
8、9年くらい前かな、北側にちょくちょく人を迎えに行ってたことがありまして。
んで記事見てグーグル地図を見たらまあ。(車、何処へ停めたらええねん)
今浦島ってやつですか?、へんてこな建物に急にほっぽかれたらワケワカメになりそう。

2009-06-07 10:00 | from | Edit

なくなる前に行っておかないと

★⑦さん

 こんにちは。
 ラーメンテーマパークは、私が初めて行ってすぐに閉鎖されました。(^^;
 確かにあまり流行ってる様子はなかったけど、それにしても急になくなってしまうとは思わなかった。
 結局、一店しか行けなかった。
 大須ビルの中華街はまだ行ってないから、終わる前に一度行っておかないといけないかも。
 そうそう、セントレアも一度は見学に行かないとね。あくまでも見学ですが。

 金山の北も少し見ておけばよかったですね。そこまで頭が回らなかった。次にいつ行けるか分からないというのに。
 そういえば、名古屋ボストン美術館のゴーギャン展が人気で、たいそうな賑わいだそうです。来館者が10万人を超えたとか。
 これで少しは持ち直すかな。

2009-06-08 02:56 | from オオタ | Edit

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2014-09-10 13:18 | from -

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