少し汚れた空の下で僕たちはきれいな夕焼け空を見る - 現身日和 【うつせみびより】

少し汚れた空の下で僕たちはきれいな夕焼け空を見る

木の中に沈む夕陽

Canon EOS D30+EF75-300mm(f4-5.6), f9, 1/150s(絞り優先)


 今日は曇りのち小雨の一日だった。こんな日の夕方はなんとなくつまらない。いつも行くドラッグストアのレジ担当が男だったときみたいに。
 だから、少し前に撮った夕陽の写真でも眺めて楽しむことにしよう。最近すっかり夕陽の逃げ足が遅くなったおかげで、簡単に捕まえられるようになった。喜ばしい。逆に初夏のようにあまりにも長く居座られると、そろそろ帰った方がいいぞ、と声をかけたくなったりするのだけど。
 夕陽、夕焼け、夕景。いろんな色があり、様々な表情を見せてくれるけど、どれもいい。物心ついてから30年以上見てもちっとも飽きない。毎回、ああ、いい色だなと思う。天にそのつもりがなくても、これは天の贈りものだと思う。晴れ渡った青空もいいけど、やっぱり夕焼け色には特別な何かがある。人の心の深い部分に届く。それは懐かしさからくるものなのか、人間の遺伝子の記憶なのか、動物の本能なのか。これは人間だけが感じてる感情なのだろうか?
 世界の人々は夕焼けに対してどんな気持ちを抱いているんだろう。日本人と同じなのか違うのか。確かなことは言えないけど、日本人は世界の中でももっとも夕焼けが好きな国民なんじゃないかと私は思っている。それは日本における夕焼けの多彩な表情と無関係ではないだろう。日本には四季があり、海があり、山がある。島があり、港があり、街がある。人々の暮らしがあり、歌がある。おそらくこれだけの要素を兼ね備えた国は他にないだろう。だから日本人が夕焼け好きなのは当然といえば当然なのかもしれない。

 ねえ、お母さん、どうして夕方になるとお空が赤くなるの?
 そんなことを訊かれて困ったことがあるお母さんもいるだろう。そんなお母さんの代わりに私が答えましょう。
 大人になったら勉強しなさい、と。
 それでも納得しない場合は、ちゃんと答えてあげるといい。子供の頭では理解できないことも、正しく教えてあげることは大切なことだ。一部でも分かるかもしれないし、分からないところは自分で調べて分かるようになりたいと思うかもしれないから。
 ややこしいところは飛ばして簡単に言うと、夕方になって太陽が地表近くの位置に来たとき、光がチリのたくさんある空気の層を通過して私たちの目に届く。そのとき、七色の中で波長の短い紫や青の光はバラバラに散乱して人の目からは見えなくなって、波長の長い赤色だけが目に届くから赤く見えるということになる。よい子のみんなは分かるかな? 分かんねえだろうなぁ(ネタが古い)。
 こんな実験をしてみるといい。透明なコップに水を入れて、そこにほんのちょっと牛乳をたらして濁らせる。そのコップで白い蛍光灯を透かしてみると、蛍光灯は黄色に見える。それとよく似た現象だと子供に説明してあげると少しは納得するかもしれない。
 夕焼けが赤いときとオレンジのときがあるけど、あれにも理由がある。大気中のチリや水蒸気が多いと赤くなり、少ないとオレンジになる。冬の乾いた空気のときはオレンジになり、夏の高気圧で湿ったときは赤くなる。
 空気中のチリや汚れが増えすぎると、今度は赤色さえ届かなくなって、夕陽もぼや~んとしてしまうのだという。だとするなら、遠い将来地球の人々は濁った夕焼け空にかすんだ夕陽を見ることになるのだろうか。今の私たちは少し汚れた空の下で、歴史上もっとも美しい夕焼けを見ているということになるのかもしれない。

 夕陽を見ていると夕焼け小焼けの歌を思い出す。今の子供が大人になったときはどうなんだろうか。学校ではまだ童謡なんかを教えているんだろうか。
 ふたつあるうちのどちらを思い出すかは人それぞれだろう。私は、夕焼け小焼けで日が暮れての方を思い出す。人によっては、夕焼け小焼けの赤とんぼの方なんだろう。
 日が暮れての方の2番の歌詞を知ってるだろうか。
 ♪子供が帰った後からは まるい大きなお月さま 小鳥が夢を見るころは 空にはきらきら金の星♪
 こんなふうに続いてるとは知らなかった。
 ところで、夕焼け小焼けの「小焼け」ってなんだろうと思った人も多いんじゃないだろうか。「夕陽が沈んで15分くらいすると空が少しだけ明るくなるのが小焼けだ」というもっともらしい説があるようだけど、それはちょっと出来すぎのような気もする。本当のところは、言葉の調子を整えるためのもので意味はないそうだ。そんな日本語もないという。なんだ、そうなんだ。それはそれで面白くないな。やっぱり夕陽が沈んだあとの残照を小焼けと呼ぶ方が気が利いている。
 歌詞の続きといえば、夕焼け小焼けの赤とんぼの方の3番がすごいことになっている。
 ♪十五でねえやは 嫁に行き お里の便りも 絶え果てた♪
 なんて恐ろしい歌詞なんだ。続きが気になるぞ。しかし、話をはぐらかされて、
 ♪夕焼け小焼けの赤とんぼ とまっているよ竿の先♪
 ここで終わってしまい、ねえやのその後はようとして知れない。「TVのチカラ」の超能力捜査にお願いしようか。

 季節は冬から春へ。夕焼けは秋が一番だけど、春には春のよさもある。今後も夕陽を追いかけていこう。次にいい夕陽が撮れたときは、「ゆうひが丘の総理大臣」の思い出話を書きたいと思う。
 ♪恋人よ~ 愛なん~て~ 言葉は捨てろよ~ 
 流行の服も~ 生き方も~ 疲れるだけさ~♪
 夕陽を見つめながらこの曲を口ずさんでいる男を見かけたら、ソーリ、ソーリ、ソーリと呼びかけてください。辻本清美のモノマネで。
(今日も全編ネタは古かった)

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コメント
非公開コメント

なるほど~

夕焼けの原理は知ってるつもりでしたが、空気の純度によって色が変わるところまでは頭が回りませんでした。
実は、彼女のいる名古屋や、実家のある横浜に行く度に、鹿児島よりもずっと夕焼けが綺麗だな~と思っていたんです。
あ、いや、別に空気自慢をしてるわけじゃないんですよ(笑)。

2006-01-31 03:50 | from K-Hyodo | Edit

はじめまして~。夕焼けの紅さの秘密はそんな所にあったのですね。
冬の方が真っ赤な夕焼けを見られる機会は少ないんですねぇ。
お邪魔しました~。

2006-01-31 06:15 | from ショーリ

≠ひら仮名にてカキコ

そういえば・・・
夕焼けも、お月様も、いつもより大きく見える時があります(よね?)。
季節や周期で見え方が違うのでしょうか?(^^)

こんな疑問も、辞書や辞典で答えを探すのではなく、夕焼けやお月様を観て知ることができたらなぁ・・・・(そういう風に得た知識は好きです-笑)

2006-01-31 08:22 | from morintyu

はじめまして(^▽^)/

Hyodoさんのブログから来ました、miyuと申します。
リンク、お隣同士ということで宜しくお願いします。
夕焼けは私も大好きなので、今日の記事も楽しく拝見させて頂きました。
>♪十五でねえやは 嫁に行き お里の便りも 絶え果てた♪
これって、どう言うこと?でも、突き詰めて聞きたくないな~
って、子供心に何となく思ってました・・・。
やっぱり、恐ろしいことだったのね(笑)

それから、私のブログからもリンクさせて頂いてます。。よろしく^^

2006-01-31 21:35 | from miyu | Edit

瀬戸内の夕焼け

★H-Hyodoさん

 おー、やっぱり、鹿児島と名古屋や横浜の夕焼けは違いましたか。それはいいことを聞きました。これであの雑学を安心して披露できます(笑)。
 鹿児島は空がきれいなんでしょうね。桜島の影響なんかはどうなんだろう。
 夕焼けがきれいってのはあんまり喜んでばかりもいられないのかもしれないですね。公害の街って、なんとなく夕焼けがきれいすぎるようなイメージもあるし。
 いろんな条件があるんだろうけど、夕焼けも時代と共に変わってるのかな?

 一番見たい夕焼けは、瀬戸内です。どこからのイメージなのかは分からないんだけど、夕焼けを見るならあそこだっていう思い込みがあるんです。実際きれいなんだろうなぁ。

2006-02-01 02:24 | from オオタ | Edit

科学は半分くらいで

★ショーリさん

 はじめまして、こんにちは。
 いつでも遊びに来てください。歓迎します。
 私もそちらにお邪魔しますね。

 夕焼けのくわしい秘密は私もさっぱり分かってないんだけど、なんとなくそういうことかなぁと。
 ただ、なんでも科学的に説明できてしまうのは詰まらないですよね。だから、知識はほとほどでいいのかもしれない。根が文系なんで物理とかを理解できないだけなんだけど(笑)。

 いい空が撮れたら、またブログで紹介してくださいね。東京の空もいいもんだと思うから。

2006-02-01 02:31 | from オオタ | Edit

目の錯覚だけじゃないはず

★morintyuさん←戻った?(笑)

 そうそう、月がのぼりはじめのとき、でかっ! って思うことありますよね。あれは異常に大きい。
 あれの理由だけど、ホントのところは分かってないんですって。不思議ですね。
 目の錯覚だとか、地平線近くでは建物なんかと比較するから大きく思えるんだとか、水平よりも垂直方向を見る方が小さく見えるんだとか、いろんな説があるけどはっきりしないらしいです。
 光の屈折が起こってるって話もあるけど、なんにしても面白いですよね。

 昔はこんな疑問は辞書にも載ってないし、大人に聞いても分からなかったし、百科事典なんていつも手元にあるわけじゃないで、あやふやなままでしたよね。その点今はネットがあるから便利になりました。
 また何か疑問があったらぶつけてみてくださいね。調べたり聞かれてもないことを教えたりするのが好きなんで(笑)。

2006-02-01 02:40 | from オオタ | Edit

海叫会(うみさけかい)

★miyuさん

 はじめまして、こんにちは。
 K-Hyodoさんのところからいらっしゃいませ。紹介割引ということで。
 え? 何を割り引く?
 リンク、ありがとうございます。私の方からもさせていただきました。(^^)
 今後ともよろしくお願いします。

 夕焼けには何があるんでしょうね。人の心を捉える秘密がどこにあるのか、昔からずっと気になってました。
 そして、何故人は夕陽に向かって走ったり、ギターをかき鳴らしてしまうんだろう、と(笑)。
 そういえば、前に「海叫会」というのを作ったんだけど、入りませんか? 夕陽に向かって海に叫ぶ会です。まだ具体的な活動は何もしてないんですけどね(笑)。

 童謡も恐ろしげな歌詞のものがたくさんありますよね。赤とんぼの歌は戦時中の歌で、集団疎開とか、口減らしとか、検閲とか、そんなことが関係してるとか。
「赤い靴はいてた女の子」も怖いですよね。異人さんに連れられていっちゃった、って。(^^;

 そんなわけで、こちらかも遊びにいかせていただきますー。

2006-02-01 02:55 | from オオタ | Edit

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